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ホルトの鈍牛(11) とりあえずの完成披露

●RODEN 1:35、HOLT 75重砲牽引車の製作記。

エントリーしていた、「週末模型親父」さんのところのSUMICON 2018の締め切りが11月末日。しかし、前回「ほとんど組立てが終了」と書き込んで以来、仕事が立て込んだせいもあって、まったく製作がストップしてしまった。

そんなわけで、残り一週間を切って、ようやく(最後の最後に残っていた)ラジエーターのナナメ支柱を工作、続いて塗装に入る。サーフェサーを吹いて、その1,2時間後には基本色を吹くという、私としては驚異的なスパート。

とは言いつつも、塗装の便を考えてブロックごとに分けてあったのだが、塗り終わったラジエーターブロックを取り付ける段になって、なかなかうまくいかず、取り落としてせっかくのナナメ支柱を2本とも付け根で折ってしまった。おかげで、一部真鍮地が出ているので、タッチアップの必要あり。……AFVの会までには何とかしよう。

●そんなわけで、かなりやっつけ仕事でやり残し感はあるものの、とりあえずなんとか見られる状態まで仕上げて、SUMICON BBSに、締切直前の駆け込みで完成報告をすることができた。

この後、もう少しウェザリングを重ねたい気もするが、ここでも現時点の「SUMICON終了時」状態のお披露目をしておく。

まずは全体形。

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バックの問題か、だいぶOD~カーキっぽく写っているが、実際はもう少し緑っぽい。

屋根の四周には、実際にはホコリ除け?のカーテンが付いていることが多いのだが、巻き上げられた長い布地の工作が面倒だったこと、せっかく付けた梁材や支柱のリベットが隠れてしまうのがもったいない気がしたことなどから、結局取り付けなかった。なお、当時の実車写真でも、カーテンが付けられていない車輛も少数だが確認できる。

続いて寄った写真。エンジン左右、操縦席周りなど。

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排気管の焼け鉄色は、もう少しなんとかしたい感じ。エンジン右隣りの楕円断面はラジエーターの水タンク。操縦席左側の円筒形が、たぶん燃料タンク。

ただし、ラジエータータンクからの配管はあるのだが、燃料タンク(?)はどことも接続していない。真下からパイプが出ているようなのだが形状が今ひとつよく判らず、どのみち陰になってよく見えないのをいいことに再現をサボった。

トランスミッションから燃料タンクの下を通り、車体左側に突き出ているのは、何らかの動力取り出し口(いわゆるPTO、パワーテイクオフ)ではないかと思われ、その場合、先端にそれなりのディテールがあると思うのだが、これまたよく判る写真がなくてそのままとした。

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足回り。クローラー部は、各部の寸法バランスに関する修正はかなり場当たり的ではあったが、それでもキットのままよりはだいぶ実車に近くなったと思う。とはいえ、起動輪がやや小径と思われること、上部転輪の高低差、起動輪と転輪桁との位置関係など、直し切れていないものも結構ある。フェンダーとの位置関係からすると、起動輪自体、もう少し前にずらすべきだったと思う。

なお、以前にも書いたように、軍用のホルトはほぼもれなく、履帯にグローサーを装着しているのだが、追加工作が面倒だったのでサボっている。その代わりと言っては何だが、裏側のリンク部に関しては穴開け/レール部の工作などを行っている。横から見た時にそれなりに見えるので、面倒だがやってよかったと思う。

前輪ユニットが収まるリング正面の「W↑D」はキットのデカール。どんな意味があるマーキングなのかは知らないが、英軍・米軍ともに軍用として使われたホルトの多くに書き込まれているようだ。デカールには他にシリアルナンバー等が付属しているのだが、そもそも(前述のように)第一次大戦当時の一般的な軍用ホルトとしては足りない部分もあるので、特定車輛の再現は諦め、ナンバーは貼らなかった。

(追記:セータ☆さんから、WDはイギリス戦争省を示す略号、↑はイギリスの官給品に付けられるブロードアローと呼ばれる記号であると教わった。どうもありがとうございます)

ハンドルから長く伸びたシャフト先端の笠歯車は、実際には上半分にカバーがかかっているようだが、いま一つ形状がつかめず、これまたサボった。

●SUMICON掲示板に完成報告の書き込みをしたところ、「西表島の水牛車を思い浮かべた」と言われた。た、確かに似ている!

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写真はwikimedia commonsから。

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コメント

屋台とか牛車とか言われていますが相当難儀なキットを手懐けて高水準の模型として完成させたのは立派です。次はポーランドの豆戦車ですか、。

投稿: hiranuma | 2018年12月 6日 (木) 20時42分

「WD」は「War Department」で、英国戦争省ですね。
「↑」マークは「Broad arrow:ブロードアロー」と言って、17世紀頃から英国の官給品にはこのマークが付けられます。

投稿: セータ☆ | 2018年12月 6日 (木) 21時16分

完成おめでとうございます!
この作例を見て慌ててキットを買って作ったら、「騙された!」とか行ってしまう人が出そうな作り込みですね・・・
映画のプロップのようです!
地球ゴマみたいなステアリングとか、
ハンドル先のベベルギアとか、こまかくて、とても素敵です!

投稿: みやまえ | 2018年12月 6日 (木) 22時18分

>hiranumaさん

次に作るキットはノープランですが、TKSはちょっと手間が掛かりそうなので後回しかな……。

>セータ☆さん

おお! ありがとうございます。
スッキリしました。

↑マークは第一次大戦中のロールスロイス装甲車にも書かれていて(RRの場合は、LC↑***(3~4桁の番号))、何かしら軍用車両共通のものなのかな?とは思っていました。

アメリカ軍のホルトにも書かれているということは(あくまでRODENの塗装説明を信じれば、の話ですが)、ホルト社からイギリス戦争省がまとめて調達した車両を、アメリカのヨーロッパ派遣軍にも引き渡したとか、なんだかそんなちょっとややこしい流れがありそうですね。

投稿: かば◎ | 2018年12月 6日 (木) 22時44分

>みやまえさん

いやまあ、たぶんそのまま作っても、塗装次第で私よりずっと見映えよく仕上げる人はいると思います。

「形をいじる」というのは、所詮、自己満足の割合が大きいかも。それでも自分が楽しいからやっているわけなので、別に文句はありませんが。

投稿: かば◎ | 2018年12月 6日 (木) 23時49分

完成おめでとうございます。
こういうモデルですと塗装後でも只ならぬ工作であることがひしひしと伝わってきます。
眼福にあずかりました。

投稿: Rympo | 2018年12月 7日 (金) 13時27分

>Rympoさん

どうもありがとうございます。
なんとかここまでこぎつけました……(珍しく)。

RympoさんのIII突もそろそろ完成でしょうか?

投稿: かば◎ | 2018年12月 7日 (金) 14時41分

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