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2018年10月

IBG 1:35 Tankietka TKS z CKM Hotchkiss wz. 25

20181019_205450 ●IBMの新作、TKSのキットに関しては、つい先日、20mm砲搭載型のレビューを書いたばかりだが、そうこうしている間に標準型であるオチキス機銃搭載型も出たので、これまた当然のように買ってきた。……しょうがないでしょ! TKSなんだから!(意味不明)

というわけで、主に20mm砲搭載型キットとの差異の部分について簡単に。キットの全容を知りたい、という方は、先の20mm砲型キットのレビューと併せて読んでいただきたい。

なお、このキットも20mm砲型同様、足回りが細かく部品分割された通常版(?)と、履帯と転輪類が一体になった「イージー版」、「イージー版+塗料セット」版の3種類が発売されている。私が購入したのは通常版。

●キット全体の構成は、おおよその部分は20mm砲型と同じ。以下がプラパーツのリストで、黒字は20mm砲と同一、赤字が別。

Aパーツ:車内パーツ(エンジンほか)とフェンダーなど。
Bパーツ:車体下部。
Cパーツ:車内パーツ(トランスミッション、弾薬箱など)、車体前後上面板+ハッチなど。
Dパーツ:転輪類。×2。
Eパーツ:履帯(ある程度の長さがまとまったもの)。×2。
Fパーツ:履帯(1コマずつのもの)。×2。
Jパーツ:転輪桁。×2。
Kパーツ:上部転輪桁。×2。
Lパーツ:武装(オチキス機銃、マウントほか)。
Mパーツ:戦闘室上部、ラジエーター前半。

フィギュアA:機銃を対空銃架に装着して操作中。右立膝。
フィギュアB:同上。Aを補助している感じ。左立膝。

Lパーツ、Mパーツは20mm砲型と機銃型とで枝記号が同じなのだが中身が違う。普通こういうのはパーツ管理上、同じ記号にしないと思うんだがなあ。箱詰め時に間違えて出荷してしまう製品が出てきそうだ。

他、エッチングパーツが3枚(20mm砲型は2枚)、デカールが1枚(20mm砲型はデカールなし)。20mm砲型は挽き物の金属砲身が入っていたが、機銃型には無し。

Lパーツ

オチキス機銃とマウント、対空機銃架、20mm砲型とは異なる幅の上面ハッチなど。

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マウントは実車に比べちょっと凹凸が乏しい気がする。オチキス機銃はそれなりの出来ではあるが、現時点でインジェクションの製品では一番よい出来なのではないかと思われるMENGのパーツ(4枚目写真のベージュのもの)と比べると一段落ちる。特に銃身根元の蛇腹状になっている部分がいまひとつなのは残念。

Mパーツ

戦闘室。発売前は「20mm砲型とまったく同じパーツが入っているんじゃないか?」などと思っていたのだが、実際には違った。

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主な違いは、

戦闘室本体パーツ:
・車長側(右側)前部天井の、グンドラフ式ペリスコープ取付穴の位置。20mm砲型では左にオフセットされているが、機銃型ではマウントの直後方にある。
・スウプスキ式信号旗用パイプの位置。機銃型ではグンドラフ式ペリスコープの両側にある。

戦闘室前面パーツ:
・武装マウントの開口部の面積の違い。当然ながら機銃型のほうが開口部は小さい。
・武装マウントバルジ上面に、スウプスキ式信号機パイプのモールド有り。ただし、実際にはこの位置にパイプがあるのは20mm砲型で、機銃型にはなく、キットの誤り。ちなみに説明図のCG画では、この位置にパイプモールドは描かれていない。不思議なことに、20mm砲型キットの説明書では、そちらのキットパーツにはモールドが無いにも関わらず、(正しく)描かれている。
・残念ながら、武装マウントバルジ右側面の尖頭ボルト頭が、金型から取り外す際に引っ掛けられて、モールドが崩れてしまっている(写真3枚目)。基本は同一形状の20mm砲型用ではモールドは潰れていなかったので、外し方がマズかったのかも。

なお、このIBGのキットでは、機銃型も、20mm砲型も、戦闘室上面の開口部面積は全く同じで、単に右側前方ハッチの形状のみを変えている(私が「20mm砲型とまったく同じパーツが入っているんじゃないか?」と思った理由もそこにある)。しかし実際には20mm砲型では開口部自体がやや狭まっているのが正しい(はず)。キットの開口部面積は、基本、機銃型準拠になっているようだ。

フィギュア

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足回りが分割された「通常版」(?)キットには、フィギュアが2体セットされている。20mm砲型と同じフィギュアが入っているのではないかと思ったが、全く別物だった。ちなみにこちらのキットに入っているフィギュアの枝はA、Bだが、20mm砲型のキットに入っているフィギュアはC、E。……Dはどこに?

ポーランド兵のキットというだけで貴重ではあるが、モールドはちょっとモッサリ気味。2枚目写真はフィギュアBの上半身。

エッチング

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3枚入っているうち2枚は20mm砲型と共通だが、1枚は機銃型専用のもので、機銃弾帯と、弾薬箱(車内装備用のフタの閉まった弾薬箱はプラパーツで複数用意されている)。とはいっても、35スケールで、樹銃弾を平たいエッチングで表現しようというのはちょっと無理がある気がする。その下の銃弾クリップベルト?への取り付けも、説明書の図示ではよく判らない。

デカール

小さなデカールシートが1枚入っている。贅沢なことにカルトグラフ製。

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写真が見づらくて申し訳ないが、戦闘室の3カ所に白で書かれた小さな絵と「Szwadron śmierci」(死の部隊? 死神部隊?)という文字。小さな絵は、大鎌を持って馬に跨っている姿のように見えるので、死神を表しているのではないかと思う。

基本、1939年戦役時のポーランド軍AFVはマーキング等は描かれていないのが普通で、説明書の塗装指示にも「(このマーキングは)例外で、通常の1939年戦役時の車輛として作る場合はデカールは使用しない」と書かれている。付いている意味があまりないデカールだなあ……。

●気づいた点など少々。

車内パーツは、20mm砲型も機銃型もまったく同じ。エンジンやトランスミッションが同じなのは当たり前としても、弾薬ラックと思しきパーツも同じなのは大いに疑問。今回のキットのエッチングパーツから見るに、キットの弾薬ラックはオチキス機銃用のものと思われるので、20mm砲型は(少なくとも車長側は)ハッチを開けないのが無難か。

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ホルトの鈍牛(10) 屋根の組み上げ

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON2018」のエントリー作、RODEN 1:35、HOLT 75 Artillery Tractorの製作記。

●足回りの工作がとりあえず完了したので、屋根の工作に移る。

キットの屋根部品は、以前に工作した大きなトタン屋根、梁のフレーム、前後の支柱、およびそこから斜めに張ってある数本の補助支柱からなる。

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梁のフレームは上のような感じだが、例によって、パーティングライン部分が山形に出っ張っていてみっともないので、ヤスリでゴリゴリと削り倒した。

前後計4本の支柱は、キットパーツは何となくごつく、押し出しピン跡と思われる凹凸もあり、形状的に不満な部分もあったので、真鍮L字材(2mm×2mm)に交換した。長さ約30cmのもの1本で、4本の支柱を切り出してちょっとお釣りが来た。

立てた柱は以下のような感じ。後部の柱は、キットのパーツはフェンダーの上までしかないが、実際にはフェンダーを貫いて、その下まであるらしい。フェンダーに切り欠きを付け、そのように工作。

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支柱には、左右間にバッテン、さらに前後に向けても斜めの補助支柱がある。キットのパーツは厚みがあって余りよろしくないので、これも新たに作り直した。

当初は0.2mmの真鍮帯板で作ろうと思っていたのだが、買ってきた帯板をとりあえず寸法で切り出して合わせてみると、実車写真と比べて明らかに幅がありすぎる(買ってきたのは2mm幅)。改めて、もっと細い真鍮帯板を買ってくるのが面倒だったので、0.3mmプラバンの細切りで代用した。

キットの補助支柱は、垂直のメインの柱から、真っ直ぐ前後方向に、横方向の梁に接続している。実際、以前に動画を貼ったこの車輛ではそのようになっていて、RODENもこの個体を参考にしたのではと思われるのだが、そのほかの写真、特に第一次大戦中の写真を見ると、補助支柱は左右にも末広がりになって、外側の屋根フレームに接続しているらしい。

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これにトタン屋根を載せると、ほぼ外形的には完成になる。

●現時点では、塗装の便を考えて、

  • 基本車体
  • クローラー部足回り
  • 前輪ユニット
  • エンジン
  • ラジエーター
  • トタン屋根

の6ブロックに分割可能。

それぞれを連絡する部分のパーツで、一部未工作の部分がある(足回りとシャーシフレームを繋ぐアームと、ラジエーター後ろ側の支柱)。なんとかそれらも塗装前に取り付けられないかな……などと考えていたりもするが、とりあえず現時点で「ひとまず外形完成」の記念撮影してみた。

ちなみに、屋根フレームを基本車体に固定したため、エンジンはエントツを上の枠に通してから斜めにヒネって前側を柱の間に通す……等々、アクロバティックというか、知恵の輪のような組み込み作業が必要になってしまった。早めに塗装しないと、着脱手順がわからなくなってしまいそう。

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ホルトの鈍牛(9) 操縦席その他

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON2018」のエントリー作、RODEN 1:35、HOLT 75 Artillery Tractorの、じわじわとしか進まない製作記。

●一応前回の続き。

もう片側分の履帯の改修作業も終わったので、足回りに巻き付け、リンク部に接着剤を流して固定。“一応”可動履帯であるにもかかわらず接着固定したのは、動作がスムーズでなく、連結も(特に屈曲部で)外れやすいこと、起動輪を履帯で支える構成に改めてしまったことによる。

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履帯固着後、起動輪位置を仮固定していた冶具(フレーム)を取り外した状態が写真1枚目。起動輪は、2枚目の写真のように車軸の付け根てエッチングソーでシャーシから切り離してある。前にも書いたように、転輪ユニットと起動輪の位置関係を調整するため、および足回り全体を後付けできるようにするため。

●足回りに関する追加工作。誘導輪位置調整装置につき、フレームの「窓部」に咬ませる、左右2つずつのツメを追加。

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●運転席周辺の工作。

▼おそらく左右履帯のブレーキと思しきレバーに繋がるリンクロッドが左右にある。これがなぜかキットパーツでは左右で太さが違い、しかも片側はカマボコ型断面になっていたので、両方とも金属線(燐青銅線かな?)に交換。

ロッドは車両後部の巨大ギアボックスに引き込まれているが、キットではギアボックス内はカラッポで、当然ながらロッドはどこにも接続していない宙ぶらりん状態。

▼座席支持架は上半分部分を真鍮帯板で作り替え。ついでに高さも切り詰めた。

▼ハンドルは型ズレなども激しかったので、周囲のリング部分だけ削り直して使用。スポーク部とハンドルから垂直に生えている取っ手は新造。取っ手は棒状のプラ材から削り出した。長大なハンドルシャフトも、キットパーツは断面形状がいびつだったので真鍮線に交換。

▼フットペダルから後方への操作板棒を新設。

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▼ハンドル前側に付くレバー(スロットル=アクセル?)からは2本の索が前方床に伸びている。現存実車を見ると、どうやらこれは比較的柔らかめのチューブ内を操作索が通っている、という感じのもののようで、現物はピンと真っ直ぐしておらず微妙にヨレているため、なんとなくそのように工作。

とはいえ、結局のところ「工作が下手なのでヨレてしまった」ようにしか見えない。しょんぼり。なお、本来はここで床が途切れていて、そこから索が下側に導かれているのだが、キットは床形状がそうなっておらず、かといって切り欠くと辻褄合わせがさらに面倒になるので、単純に床に穴を開けて誤魔化した。

▼操縦席からトランスミッションを隔てて左側にある燃料タンクを工作。ベルト部分や注入口等のモールドは一度全部削り落とし、継ぎ目を消してから改めて工作。本来、エンジン右側の冷却水タンクと(形状は違っても)似たような造りになっていると思うのだが、工作自体、時間が空いてしまい、その間に写真を眺めて知見が増えたこともあって、いろいろ異なる仕上がりになってしまった。具体的には――

(1).取り付けベルトが二重になっているのを再現。

(2).溶接線を、注入口を避けてちょっと脇にずらした。考えてみれば、構造的に溶接ライン上に注入口を設けることはしないような気がする。もっとも、冷却水タンクのほうは、工作し直すのが面倒なのでそのままとする。

(3).ベルト締め付け用のナットを、今回はちゃんと付けた(冷却水タンクの方はさぼった)。

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●長大なハンドルシャフトの先は、傘歯車を介して回転軸を直角に曲げ、その先のウォームギアで前輪ユニットを動かすようになっている。仕組みそのものは非常に判りやすいが、「え? そんなんでいいの?」という構造。

ウォームギアは、キットのパーツは型ズレ等あって(見えにくい場所とはいえ)使う気になれない状態だったので、アルミ線を巻いた後に三角ヤスリで“目立て”をしてギアを作り直した。前輪ユニット側のギアもパーティングラインが真ん中を走っていて段差もあったので、こちらも三角ヤスリで歯を削り直した。

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●前輪ユニット枠は、以前にも書いたように、キットのパーツは段差が激しくてどうしようもない状態だったので、一度全部モールドを削り落として平滑にしてあったのだが、そこに新たにディテールを工作。

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小さな三カ所の突起は、実車写真から判断すると自由回転するローラーらしいので、バンパー的な役割を持つものなのだと思う。

●ほぼこれで、屋根を残して車体のあれこれの工作は完了。

屋根が付く前の、一番メカメカしく見える姿を何枚か。

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たいふういっか

●先週末は大型の台風24号の来襲。日曜日、このあたりのJRは早々と夕刻からの運休を決定し告知。風雨が激しくなる前にもう運休を決めてしまうなど、ちょっと珍しい。

かみさんは今月誕生日で、娘にX JAPANのライブチケットをプレゼントされ、幕張まで出掛けたのだが案の定公演は中止。ただ一泊して、翌日、鉄道網がボロボロになったなか、あっちこっち大回りして苦労して帰ってきた。ご愁傷様としか言いようがない。

私も川崎の実家に顔を出す予定だったのだが延期。

そして今週末もまた台風が来るそうだ(25号)。

●その台風24号。日曜の夕方までは風も弱く、雨も時々パラパラ程度で「実は大したことないんじゃね?」くらいに思っていたのだが、夜半、ものすごい風雨で、サッシのガラスがたわむほど。割れるんじゃないかとハラハラした。

台風一過の翌日。結構あちこち、ひどい状態になっていた。下は県道沿いの潰れた車庫。柱の基礎のコンクリートごと引っこ抜けているのがスゴイ。

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下は鎌倉逗子ハイランド入り口の大きな看板。四角い鉄柱が根元で折れ曲がってしまった。

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激しい風でだいぶ潮が巻き上げられたらしく、庭木から山の木々まで、かなり塩害に痛めつけられた様子。タブノキあたりは割と平気なようだが、かなりひどい有様になっているものも多い。下は近所のフヨウとアカメガシワ。

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ちなみに「たいふういっか」を「台風一家」だと思っている人の話を昔どこかで読んだ覚えがある。雨とか風とかに加えて、翌日の青空までも含めて「一家」だとか何とか。

●ほんの少し、恩恵も。近所のお寺の駐車場のぎんなん。二日掛かりで洗って干した。

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