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2018年8月

レモン牛乳

●すっかり当ブログの更新をご無沙汰してしまった。

●「ハクメイとミコチ」で読んで以来、それまでいまひとつピンと来ていなかったカヌレが気になってしまって……という話は以前にも書いたが、最近、CALDI(カルディコーヒーファーム)で売っている冷凍カヌレを時々買ってきて食べる。

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本来はレンジで解凍して食べるものらしいが、買ってしばらく持って歩いているうちにほぼ解凍されてしまうので、そのまま自然解凍で食べている。基本、カヌレは外がカリッ、中がもちもちというのが身上だが、この冷凍カヌレは(冷凍ものを解凍しているのだから当然かもしれないが)外がもちっ、中がとろっという感じ。それはそれで悪くはない。皮の部分がちょっとほろ苦いのが美味しいのは共通。

●ここ数年、チビの夏休み中のイベントの一つとして、娘出資で日帰りのバスツアーに出掛けている。今年は栃木の大谷資料館(大谷石採掘場跡)ほか。ずいぶんシブい選択だなあ、と思うが、いろいろなミュージシャンのPV撮影にも利用されているというのが娘的にはポイントであったらしい。

近隣の、「戦時中に地下工場として掘られた洞窟を貯蔵庫として利用している酒蔵」も見学。「実際に稼働する前に終戦になった戦車工場跡」とのことだが、坑道の広さからみて九四式軽装甲車でも出入りは難しそうなので、おそらく部品工場の予定だったのではと思う。

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最後の1枚は大谷石採掘場の坑内にあった説明板。こちらはコンサートも開けるほど広大なので、戦闘機の機体製造も当然無理なくできたろうと思う。

●上記ツアー行き帰りのサービスエリアにて。

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「カレー+いちご」の組み合わせは、それほど突飛な感じはしない。たぶん、カレーの味的にもそれほどハズレではない気がする。いや、知らんけど。しかし「レモン牛乳カレー」は想像の範囲を超えている。うーん。世の中、チャレンジ精神は大事だとは思うが、そもそもこれは挑戦する価値があるものなのか?(作るほうも食べるほうも)

●身近な虫いくつか。

▼ちょっと前から、逗子・鎌倉の数カ所で出会った、あまり見覚えのないハナバチ。

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最初は見慣れたトラマルハナバチだと思ったのだが(サイズ的にもほぼ同じ、やや小さめくらい)、飛び方が忙しないうえ、途中でホバリングを挟むなど、マルハナバチとは挙動が違う。よく見るとお腹もほぼツルツルで色模様も違う(トラマルはモフモフの黄縞)。

改めて調べると、どうやらコシブトハナバチの仲間(スジボソコシブトハナバチ?)であるらしい。ルリモンハナバチがいる以上、それが寄生する先であるコシブトハナバチも近くにいるんだろうとは思っていたが、確認できたのは今年が初めて。ちなみにこのハチは、枝などに止まる際に、脚ではなく顎で噛みついて懸垂するような感じになるとか読んだ/見た覚えが。ぜひ見てみたいものだが、花に来ているときには忙しなく飛び回るばかりで、止まっているシーンは見られなかった。残念。

もっとも、今年はルリモンハナバチのほうをまだ一度も見ていない。毎年必ずルリモンハナバチが来る近所のキバナコスモスの群生だが、今年は夏の前半までに刈り込まれてしまって、ほんのわずかしか花が咲いていない。今年は出会えないかもしれない。そちらもまた残念。

▼とんでもなく巧妙に枯れ葉っぽい蛾。

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葉脈の具合といい、深く切れ込んだ背中側のラインといい、「この手の虫がいる」ことを知っている私も、最初は「葉っぱがくっついているのかな?」としか思わなかった。

この手の蛾と言えばアケビコノハが有名で、この写真の蛾も「アケビコノハかな?」と思ったのだが、アケビコノハは鼻先が「象がぱおーんとした状態」みたいな形状で、背中のラインもここまで凹凸がきつくない。また、アケビコノハはもっと大型で、出現する季節も違うようだ。どうやらこれはアカエグリバという種類であるらしい。

●27日、仙台日帰り出張(東北大学)。久々に東北新幹線。

写真は仙台駅近くの「柳町大日堂」という小仏堂。狛犬ではなく「狛未(ひつじ)と狛申(さる)」。

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●イタレリからフルインテリアでT-34-85が出るそうだ。楽しみなような不安なような。

MasterClubからI号戦車の初期型用履帯(生産第二シリーズあたりまで用いられた、ガイドホーンに穴が開いているタイプ)が出る由。たぶん製品として出るのは初。これはぜひ入手したい。

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ホルトの鈍牛(6) 足回りの検証

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON2018」のエントリー作、RODEN 1:35、HOLT 75 Artillery Tractor製作記。

とはいっても、今回は実際の「製作」はほとんどなく、ほぼ「あーでもないこーでもない」編。

先述のエンジン工作(前編後編)は、この車輛を作るうえでの大きな山場だが、それに並ぶのが足回り、特に後部のクローラー部分だと思う。とはいえ、エンジン工作はほぼ「ディテールアップ」の範疇だったのに対して、足回りの方は形状/バランスの修正がメインになりそう。

●以前にも書いたように、一言で「ホルト75」と言っても、生産時期によるのか、生産工場によるのか、仕様の差が激しく非常に悩ましい。

とりあえず、キットの仕様に近いと思われる可動実車が少なくとも2輌ある。その1輌がこちら(Aとする)。

もう1輌はこちら(Bとする)。写真はwikimedia commonsより。

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インペリアル・ウォー・ミュージアム(IWM)の写真検索で出てくる、第一次大戦中の軍用型も、おおよそこの2つの現存実車の仕様に近い。

●しかし一方で、キットはどうなっているかというと、どうも足回り各所のバランスやディテールにかなり疑問点が多い。

キットの組立説明図の塗装解説にある4面図は、ほぼキットのバランス通りになっているので、ここに掲示してみる。

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① 上掲の写真と比べて分かるように、起動輪の下側で、履帯の地面からの「持ち上がり」がだいぶ大きい。起動輪それ自体、上掲実車の仕様に比べて径が小さいようだ。ただし、歯数はどうやら同じ(スポークに対する歯の位置は違う)。

② 履帯に関しては最初のキット評でも書いたように、表面(接地面)の形状はそこそこいいのだが、裏から見るとだいぶ問題が多い。そもそも、キットのシュープレートは鋳物か何かのように厚みがあるが、実際にはプレスで薄く、表面の2本の盛り上がりは、当然裏では窪みになっている。リンク部の形状は実車とだいぶ違い、側面の2つの穴は無視されており、転輪が当たる部分のフランジもない。また、現存実車にはないが、IWMの写真で確認できる限りでは、軍用型ではグローサーが装着されているのが標準のようだ。加えて、上述のように起動輪が「小径かつ歯数が同じ」なので、そのぶんピッチも上掲仕様よりも短いことになる。……問題多すぎるだろソレ。とはいえ、さすがに履帯自作はいやだ。

③ 転輪を保持する桁後端は、キットでは「クレヨンしんちゃん」というか、下ぶくれなラインになっているが(判りにくい説明)、上掲仕様ではもっと単純な形状。キットのような仕様は少なくとも私がかき集めた写真の中では確認できない。

④ 上部転輪は、上掲実車のAではキットのように地面と平行だが、Bでは、よく見ると後ろ上がり/前下がりのナナメになっている。IWMの第一次大戦当時の写真ではどれも前下がりに見えるので、2種類の仕様があったというよりも、現存実車Aはレストア時に平行になってしまった可能性もありそう。単純に上部転輪を斜めにするだけなら工作は大して複雑ではないが、下手に手を付けると起動輪との位置関係がおかしくなる(履帯との関係で、起動輪を下手に大径化できないため)。

⑤ 転輪ユニットは片側4カ所のコイルスプリングで支えられているが、このパーツがお粗末(後述)。

⑥ 誘導輪位置調整装置の付け根と、前述のサススプリングとはキットでは(この図のように)だいぶ離れているが、上掲実車の仕様ではほとんどくっつきそうなくらい近い。

⑦ 転輪軸部は、上掲実車の仕様では、「フランケンシュタインの首のボルト」状に出っ張っている。上部転輪の軸も同様。下部転輪はキットでは(この図でも)すべて同じ高さにあるが、実車では、どうやら第一転輪だけはわずかに上にずれているようだ。まさか第一転輪だけ径が違うとか、ないよな……。

⑧ 前述の⑥とも関係するが、転輪桁の前部、誘導輪軸を支える部分はもっと寸詰まり。もっともフェンダーの長さの都合もあり(しかも上部構造物との関係から見ると、フェンダーの長さはキットの状態でおおよそバランスが取れているように見える)、単純に切り詰めれば済むということにはならない。

⑨ 前述⑥、⑧と関係するが、誘導輪はもっと大径。履帯のラインも、上部は(上部転輪から)この図のようには垂れ下がらず、下部はこれほど地面から持ち上がっていない。

――というように問題山積ではあるものの、それぞれ別の場所と微妙に関わってくるため、修正はなかなか難しい。したがって、根本的な修正は諦め、「そこそこバランスが上掲実車仕様に近付くように」くらいのゴールを目指すことにする。

●「あーでもないこーでもない」話だけでは何なので、若干の工作に関しても。

▼上述のサススプリングについて。

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キットのパーツは左写真のようになっているが、若干の型ズレ&パーティングライン近くで若干の形状の崩れがある。……だけではなく、この写真だとコイルが右回りだが、裏面は左回り。つまり、コイルバネではなく「ナナメの蛇腹」になっている。ドラゴンのI号戦車といい、こういういい加減なパーツ設計って意外に多いな……。

というわけで流石に使う気になれない。ミニ四駆とか、何かその手のもの用にちょうど会うバネがないだろうか、などとも思ったが、探し回るのもそれまた面倒臭そうだったので自作することにした。

I号A型を作った際に、第一転輪サスペンション用コイルバネを作るのに使った0.5mm径アルミ線にもう一度お勤めを果たしてもらうことにし、タミヤの2mm径プラ棒に巻き付けてコイルを作成。最初きつく巻いてから、伸ばしたり縮めたり、最後は爪の先で間隔を調整した。真鍮線に比べ、アルミ線は柔らかく腰がないので、(実際のバネの機能を負わせたりはできないが)こういう工作には向いていると思う。

このあと、一度プラ棒から外して必要な長さに切断予定。なお、最終的にこのバネは8個必要だが、上右写真の長さでは8個分に足りないので、もう少し追加して巻く必要がある。

▼キットの足回りのなかでも、誘導輪の径が明らかに足りないのはだいぶ目立つ気がするので、ある程度の大径化を試みることにした。

実車写真から大きさを割り出して――というのが本来あるべき道筋だが、そもそも他部分の寸法の正確さが(上記のように)大いに怪しいところで、誘導輪だけ正確にしようとしてもあまり意味がない。

そんなわけで、「これくらいなら無理なく交換できて、それなりに履帯の傾きも自然になるのでは」という、かなり適当な工作。

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工作は、

① キットのパーツの三角の穴を、リム部ギリギリまで削って拡大。写真は6つの穴のうち2つだけ削った状態。

② 6カ所削り終わったら、T字断面になっているリム部の立ち上がりを削り落とす。

③ 新たなリムを作成。タミヤIV号戦車D型の誘導輪パーツを利用。リム部だけ残してスポークを削り落とし、さらにその外側に0.5mmプラバンの帯を巻いた。1からリングを作るのが面倒/歪みそうと思ったためにタミヤのIV号D型誘導輪を使ったのだが、内側の細かいリブを削るのにだいぶ手間取った。そもそもパーツの流用というのは楽するために行うものなのに、本当に省力化できたのか怪しい。

④ リムにスポーク部をはめ込み、リムの縁をヤスって整えて工作完了。

右写真はキットパーツと、大径化工作終了後のものとを並べて撮ったもの。

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ホルトの鈍牛(5) 車体後部構造物

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON2018」のエントリー作、RODEN 1:35、HOLT 75 Artillery Tractor製作記の続き。

●車体後半には、トランスミッションを中央に操縦席が右側にあるデッキ、さらにその後方には巨大なドラム状のギアケースが載っている。

そのギアケースは、3分割の円筒面に左右側面を貼る構成だが、側面パーツの厚み分(小口)が円筒面にそのまま出てしまう。しかもリベット列がパーティングラインになっているのがまた悩ましい。

結局、接合線埋めの便もあってリベットは全部削り落としてしまい、後から(例によってタミヤ48のマーダーのモールドからの移植で)リベット列を再生した。

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左がモールドごと接合ラインを消す処理を終えた段階。右がさらにリベット移植後。なお、段差から下のリベットはこの後、位置を修整する羽目になった。

上の「ドラム」の左右には箱状のバルジが付くのだが、これまたいちいちプラの厚みがそのまま表に出てしまう構成(実物は薄い鉄板なので、ほぼエッジ部分に接合線が来る)。

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またそれだけでなく、組立説明図に上面パーツ(14A、15A)の取付指示が左右逆のようだ。

結局、ガッチリ接着後、接合部を埋めて平滑に削った。この際、後面にあるアクセスパネル?状のモールドも(接合線の問題に関連して)位置と形状がおかしいので削り落とし、新たに作り直した。

これに加え、

  • 後部横方向の構造材(3A)は、キットのままだとドラムとの間にだいぶ隙間が空くが、実際には密着している。左右の構造材尾端を若干切り詰めて調整。
  • また、この横材とドラムを固定しているボルト/リベットが(抜きの都合で)曖昧な「∩」状モールドになっているので、削り落として再生。
  • 横材の中央下にドラムから構造材が突き出ているのが無視されているので追加。
  • 前方デッキ、トランスミッション前方の半ロート状のカバー上面のアクセスハッチに蝶番および留金?の表現を追加。
  • 機構の多くが剥き出しのこの車輛だが、カバーに隠れる部分は全く再現されていない。トランスミッションとロート状カバー部分の間も、見る角度によって「まったく繋がっていない」のがバレてしまう感じだったので、ミッションパーツ(15B)前部にランナー加工のプラ材を継ぎ足して誤魔化した。
  • 左構造材前端のナナメ部分は、前半はエンジン架台ブロックにモールドされていて、写真4枚目・黄色矢印部分に接合線(スキマ)が出来てしまうので埋めて平滑に処理。……などなど。

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広報ずし

20180731_123153 ●逗子近辺の軍事遺構に関しては当「かばぶ」でもたびたび取り上げているが、逗子市発行の「広報ずし」の最新号(2018年8月号)は、特集テーマが「わたしたちは忘れない 逗子の戦争のあと」で、披露山の小坪高角砲台、逗子マリーナ背面の西小坪海面砲台の2つの砲台と、池子弾薬庫、以前逗子市立図書館の「季刊マーメイド」でも取り上げられた沼間の動員女生徒寄宿舎などについてまとめている。

例えば披露山の小坪高角砲台の過去、および現在のディテールに関してはhn-nhさんの「ミカンセーキ」に書かれた記事、

披露山公園、あるいは小坪防空高角砲台(前編)
披露山公園、あるいは小坪防空高角砲台(後編)

や、あるいはそれを受けて私が書いた当「かばぶ」の記事、

改めて披露山(前編)
改めて披露山(中編)
改めて披露山(後編)
小坪高角砲台(改めて披露山)補遺

のほうがよほど詳しいが(手前味噌)、流石は市の広報誌と言えるのは披露山公園開園時の逗子市広報の引用があること。曰く、

「披露山は、戦争の置き土産である高射砲の砲座をそっくりそのまま利用した、ちょいと変わった風趣のある公園となります。巨大なぺトン(コンクリート)をこわして新しい施設をつくるとなると、莫大な費用がかかるばかりでなく、かえつて平凡なものとなつてしまうかも知れないからです。」

もちろん、そのような理由であることは当然想定できるにしても、開園当時の記録として確認できたのは貴重。

「広報ずし」は紙版が市内全戸に配布されているが、市のサイトにはweb版も上がっていて自由に読むことができる。興味がおありの方はぜひどうぞ。

広報ずし 2018年8月号

●週末の台風からこっちは幾分マシにはなったが、それでも連日とにかく暑い。

「夏は昆虫の天下」のように思いがちだが、昆虫も流石に真昼間の直射日光下はつらいようで、特にハナバチあたりはちょっと涼しい日・時間帯でないとなかなか出会えない。ただセミの声ばかり響き渡っている感じ。ちなみに今夏は、去年までよりもさらにクマゼミ密度が上がったような気がする(先週から、時折ツクツクボウシの声も聴かれるようになった)。

虫の活動がどうの以前に、こちらも日中ふらふら出歩いては熱中症で倒れかねないので「虫捕り」ならぬ「虫撮り」も低調。というわけで、「これは」という虫の写真もあまりないが、そんななかから1,2枚。

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左はゴマダラチョウ。外来種のアカボシゴマダラは逗子でもすっかりありふれた種になってしまったが、在来種のこれはごくたまにしか見ない。単純に美しさで言えばアカボシゴマダラの方が上だが、やはり滅多に見られないコイツに出会うとちょっと嬉しい。

右は、逗子近辺の山道を歩くといくらでも出会えるキマダラヒカゲ。もっとも目の前をふらふら飛んでいる姿は頻繁に目にするが、意外に警戒心が強くて止まっているところにはなかなか近付けないので、写真に撮る機会が少ない。厳密にはサトキマダラヒカゲ、ヤマキマダラヒカゲの2種があるのだが、識別ポイントが微妙過ぎる(興味のある方は「キマダラヒカゲ 見分け」で検索のこと)。これはサトキマダラヒカゲの方だと思うが、あまり自信はない。

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