ホルトの鈍牛(3) エンジン前編
●RODEN 1:35、HOLT 75 Artillery Tractor製作記の続き。
すでに製作はそこそこ進んでいるのだが、ブロックごとにある程度まとめて……などと考えているうちに製作記録は滞ってしまった。
とりあえず、今回はエンジン。前々回でも掲示した、エンジン本体ブロックのパーツをもう一度上げておく。先述のようにこの車輛はエンジン含め機構がほとんど丸見えになっているので、その中でも特にディテールが細かいエンジンは大きな見せ場となる。資料は少ないが、できるだけそれらしく手を入れたい。
▼シリンダーヘッド部分は、裏側に大きな押し出しピン跡の凸。これ自体は削り落とせばいいだけのものだが、上部のディテールは、ロッカーアームやバルブスプリングが一体成形、しかもその間に大きなヒケ穴が生じていたりする。
とりあえず、上部のモールドは全部削り落としてしまい、ヒケ穴を埋めた後、周囲のナットを再生。ナットは、タミヤの旧ヴェスペの起動輪ハブキャップのものを移植した。バルブスプリングは、プラ棒に0.2mm径程度のエナメル線(分解したモーターから巻き取ったものなので太さは適当)を巻いたもの。本来は上部がすぼまっているのだが、その辺は横着した。
▼緩い錨型のロッカーアームは、0.5mmプラバンから。
1.最初は1枚ずつプラバンから削り出していたものの、どうも形状が安定せず。シリンダー3つ分(6枚)削ったところで放棄。方針変更。
2.最初に軸穴を開けたプラバン片を用意。使用しているのはwaveの目盛り付き0.5mmで、ドットの間隔が1mm。
3.裏側の凹部を粗く削った後、プラ棒に挿す。なんだか蒲焼きか何かのような……。
4,5.形状が同一になるよう、裏表を一緒に削る。この際、適当に手持ちで削るとプラバン片が回転してしまって形状が揃わなくなるので、削る際は冶具(といっても金尺とか、適当に平らなプラ材とかだが)に当ててねじれないようにした。
6、一度取り外し、必要な幅に切断したプラパイプを噛ませ、再度軸に通して接着。4気筒なのに5セットあるのは予備。この後、1組ごとに切り離し、軸部に脚を付け、さらに軸部外側に(見た目上の軸となる)輪切りプラ棒を接着した。
▼プッシュロッド取付前の工作。
シリンダー上部に冷却水循環用のパイプ(16E)。その下に私には用途がよく判らない配線をまとめたパイプのようなもの(13E)が付くのだが、表現が大味だったのでコントレールの細いプラ棒とエナメル線で作り直した。
プッシュロッドと、前段で作成したロッカーアームの取付。
プッシュロッドはキットのパーツ(4E)。実を言えば、ロッドの断面が(いかにもRODENらしく)偏平になってしまっていてよろしくないのだが、そのままのほうがロッカーアームの位置決めに便利なので(ロッカーアームとの接続部をちょっと削って)使用した。
本来、ロッカーアームはエンジンの作動に応じ、微妙にズレて動くはずで、このように全部がぴったり同じ位置で停止していることはないんじゃないだろうか、と思う。かといって、それぞれ適当にバラバラに動くわけでもなく、順番は厳密に決まっているはずなので、こだわりだすとドツボにはまるのは目に見えているため、お行儀良い姿勢のままとした。
上で取り付けた「謎の配線収束パイプ」からファンベルト軸根元の機器への配線は想像交じり。なお、「謎パイプ」からの線4本の取り出しは、元パーツでは下部に引き出し口らしき突起があり、最初はそれに準じて新造パーツにも突起を付けていたのだが、「そこからでは配線がしづらい+実車写真で上側から引き出しているものがある」という理由で位置を変更した。
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コメント
ただ「凄え!」としか言いようのない見事な情熱と技術ですな!
実際にロッカーアームがバルブを叩くさまが連想できました。
船の映画とかのような。
投稿: みやまえ | 2018年7月25日 (水) 22時12分
>みやまえさん
やはり元のモールドだと、「アームがカタカタ動く感」がないので頑張りました。
作業する前は、「これ、削り落としちゃってまともに再生できなかったらどうしよう」なんて思っていたのですが、結果的にそこそこ自分でも満足できる出来になってよかったです。
投稿: かば◎ | 2018年7月26日 (木) 09時54分