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東京湾要塞第一区地帯標

●19日土曜日。久しぶりにがっつり歩くか!という気になり、以前からちょっと気になっていた、沼間から尾根道を辿って桜山大山の馬頭観音を目指すハイキングコースを歩く。

一応、相模湾側と東京湾側を結ぶ「三浦アルプス」のルートの一つのようだが、ネット上で見る分には、葉山の仙元山から森戸川の南側の尾根を辿るルートの方が「三浦アルプス」の本筋のような感じ。

いずれにしても標高はせいぜい200mくらいなので、それで「アルプス」を名乗るのは、中央区の銀座と逗子銀座商店街以上の乖離を感じるが、まあ、自治体名に採用するほど恥ずかしくはないですな。

●道筋は、東逗子駅近くの沼間小学校裏から尾根に上がり、あとはそのまま尾根筋を南東方面に辿り、桜山大山を目指す。

逗子市(の元になった田越村)は、小坪、久木、逗子、山野根、池子、桜山、沼間の7カ村が合併して生まれたものだが、うち、桜山は現在の逗子市街地の南側と、そこからは逗子市沼間・葉山町長柄を隔てた飛び地の「桜山大山」の2カ所に分かれている。

「桜山大山」は、市街地のほうの桜山と同じくらいの面積があるが、森戸川の源流一帯の山地(丘陵地)で、住居表示も未実施。水面から飛び跳ねた魚の形に例えられることがある逗子市の、シッポの部分。

20180519_154621 なぜこれほどデカい飛び地があるかというと、この山地はもともと(現葉山町の)長柄村のものだったが、土地にかけられた年貢のために長柄村が持て余し、酒二升を付けて桜山村に引き取ってもらったのだそうだ。以来、桜山村の持ち分として、柴・萱苅場、家畜の飼料として利用されてきたらしい。もちろんそうして利用されていた時代は禿山だったのだろうが、今は近辺の他の山同様、大半が雑木林に覆われている。

もっとも、三浦半島の東西を結ぶルートとして昔はそれなりに利用されてきたからなのか、結構枝道が多く、(要所に案内板なども立っているが)うっかりすると迷いそうだ。それでもなんとか、沼間から上って小一時間で第一目標地点である馬頭観音に到着。今でこそ山道にぽつんと立っているが、これも元々は人馬の行き来が多かった証なのだと思う。この馬頭観音は、一応、GoogleMapsにも記載されている。

……それにしても、馬頭観音というより、なんだか「頭にロバのぬいぐるみを乗せた人」みたいな。

●山道の脇に赤い実が時々見えて、色と形から「ヘビイチゴだな」と思っていたのだが、よく見ると、(基本、地面を這っているヘビイチゴと違って)ちょっと高く立ち上がっている。実の様子も、表面がイボ状のヘビイチゴと違い、キイチゴの仲間であるツブツブ状。調べてみると、やはりキイチゴの一種のクサイチゴと判明した(山道でも検索できるのはスマホの有り難いところ)。

改めて探すと大々的になっている場所があったので、たっぷり味見。

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近所でよく食べているカジイチゴより平均してさらに大粒。カジイチゴ、モミジイチゴのようにオレンジ色ではなく綺麗な赤色。カジイチゴ、モミジイチゴは味的にほぼ一緒で濃い甘酸っぱさがあるが、こちらはあまり酸味がなく、甘さも少々控えめに感じた(それでもそれなりに美味しかった)。

カジイチゴ、モミジイチゴ、ナワシロイチゴ、フユイチゴ、それからこのクサイチゴ。逗子の野山のキイチゴはこれでだいたい制覇できただろうか?

●前述のように結構分岐が多く、下写真のように、自主的に誰かが作成したと思しき案内板から、もっと立派な(自治体とか、「二子山山系自然保護協議会」とか、民間企業とか製の)注意書きや指示板なども出ている。

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2枚目は山道脇で見かけた野生ラン。ネットで調べたら「サイハイラン」という種類らしい。3枚目の「この分岐、要注意」はコースの要所何カ所かに立っているもので、親切なことに、裏側に地図を収めた箱まで付いているのだが、確か「FK3」の標識では地図ケースだけが残って地図がなかった。誰だ、勝手に持って行った奴ぁ。

●乳頭山山頂を経て、ちょっと下ったところで、第二目標である「東京湾要塞第一区地帯標」を発見。

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1枚目が山道に面した2面、2枚目がその裏側。

以前触れたことがある、北鎌倉駅前と材木座にある地帯標のお仲間だが、あちらが「第二区」だったのに対して、より東京湾に近いこちらは第一区。しかし、山中にポツンと立っているというロケーションに関しては、これまた先日紹介した「横須賀軍港境域標」に近い。それにしても、「要塞*区」だの「軍港境域」だの、似たような区域指定をあれやこれやご苦労なこった。

なお、今回到達した東京湾要塞第一区地帯標は、写真にあるように「第一四号」だが、ここからまた別のルートをたどると、「第一三号」「第一二号」も割と近くにあるらしい。下調べがいい加減なままに行ったので見落とした。今後の課題としたい。

結局この日は、東京湾要塞第一区地帯標第一四号から山を下り、田浦梅林に抜けた。

20180519_174332 ●合言葉は「いかのおすし」だ!

田浦梅林から人里に降りて、京急の線路下で見かけたポスター。

いやまあ、この手の語呂合わせ標語はよくあるのだが、「それにしたって、もうちょっとなんとかならなかったのか感」横溢。

どうでもいいが、私はイカゲソの握りが好き。

●21日月曜日。午前中に一仕事した後、散歩に出る。

今年の3月一杯で、市の財政難のあおりで休館になってしまった郷土資料館を経由して(資料館自体は閉まっているが敷地内は通れる)、久しぶりに長柄桜山古墳(1号、2号)を歩く。

ぱっと見には、単純に逗子を囲む山々の尾根の1ピークに過ぎず、これを「前方後円墳ではないか」と考えた人はスゴイと思う。

ついでに桜山でミズを収穫してきて再び白だしで漬ける。

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コメント

そういえば、高校生時代、
同級生たちは東逗子をトン逗子って呼んでましたが、
一般的な隠語?だったのでしょうか。
それとも我々の時代だけなのかな?なんて急に懐かしくなりました。
いかのおすし、は東京でも見た記憶が・・・全国的?

投稿: みやまえ | 2018年5月24日 (木) 21時49分

古墳は平地にあるものだと思ってましたが、山の上にもあるんですね。
調べてみたら意外に多いみたい。地形を利用すれば造成が少なくてすむので、安上がりなのかな。中世に山城に改造されたのも多そうですが。

投稿: hn-nh | 2018年5月24日 (木) 22時37分

>みやまえさん

「東逗子=とんずし」は、特に東逗子方面にお住いの方々は今も普通に使われているようですよ。

他にも逗子ローカルの地名・ランドマークの呼び方として、

うんどこ=逗子市第一運動公園
たこたこ坂=池子だか沼間だかの、滑り止めの「◎」マークの並んだコンクリート舗装の坂道(◎付きの坂はどこにでもありますが、少なくとも市内でこの名前で呼ばれるのは1カ所の模様)
サリーちゃんち=久木の山の上にある洋館
はっしゃば=沼間にある、旧海軍の射撃試験場跡(現在は住宅地)

――などがあります。

投稿: かば◎ | 2018年5月25日 (金) 18時00分

>hn-nhさん

単純に山を古墳の形に削ったのではなく、一応、山頂付近を一度平らに削り取り、そこに前方後円墳の形に再度盛り土をするという、妙に凝った工程を踏んでいるらしいです。

下手すると、平地に作るよりもっと大変そうです。

投稿: かば◎ | 2018年5月25日 (金) 18時02分

近所にある、「かろうと山古墳」も、
なんか山の中にあって、円墳だというけどその場で見てもよくわからないです。
案内板には
「東日本唯一の金銅装鑿状鉄製品」とやらが出土した
とか書いてあります。
付近できくらげ見つけました。

投稿: みやまえ | 2018年5月25日 (金) 20時37分

>みやまえさん

書き込みの「金銅装鑿状鉄製品」を「金銅製」と読んでしまい、「金銅なのか鉄なのかどっちやねーん!」と不必要なツッコミをしてしまった私です。
「金銅の『装飾付き』の鉄製品」なんですね。
「かろうと山」という地名もまた面白いですね。

逗子の小坪の少年サッカーチームは「ガロート」と言うんですが……いや、全然関係ないですね。

投稿: かば◎ | 2018年5月26日 (土) 21時23分

金銅装鑿状鉄製品って
私も最初は見慣れない文字列に目がチラチラして
「金銅製」って読み飛ばしてました。
「鑿」とかも読めないし。
数回前を通って初めて正しい単語として認識できました。

投稿: みやまえ | 2018年5月27日 (日) 22時26分

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