エイとナメクジ
●16日水曜日。ちょっと(かみさんが)用事があって横須賀に出掛け、ついでに昼飯を食う。
久しぶりに行ったら、ヴェルニー公園入口の陸奥の主砲は整備が終わって(といっても、この前に見たのは昨年の2月だ)展示状態になっていた。
主砲の上に上らないように注意書きがあり、「そんなヤツぁいねえよ」と一瞬思ったものの、夜に酔っぱらって友人と騒ぎながら通りかかったら上りたい衝動に駆られそうな気もしてきた。
公園の(JR横須賀駅側)入り口脇のヴェルニー記念館では、1:100の陸奥の模型も展示されている。他、かつての横須賀製鉄所のスチームハンマーなどの展示もあり。かみさんとの待ち合わせ前にちょっと覗いただけなので、こんどまたじっくり見に来よう。
●ヴェルニー公園の真向かいは海自の潜水艦用埠頭。今日も変わらず黒ナメクジさんが。とはいえ、X舵の新鋭そうりゅう型ではなく、在来型の十字舵だなあ……と思ったら、左手のほう、ちょっと遠くにX舵がいた。
●こちらにほぼ真横の艦影を見せて横切っていく船。番号から検索して、海自の練習艦「かしま」と判明。
横腹の平らな部分が綺麗に平行四辺形になっているのは、機能がどうこうだけでなく、デザイン的に狙ってやったんだろうなあ、という気がする。
後甲板からのナナメは、単に船体外板のラインではなく、その形状通りの斜路になっているそうだ。
●しばらく前に、かみさんがちびとヴェルニー公園を散歩していた際、エイが泳いでいるのを目撃したという。こんな場所にエイなんているのか!?と思いつつも、「それなら探してみよう」と言って歩いていたら、本当に出てきた。
写真は不鮮明でエイだか漂流物だか判らない状態で申し訳ないが、悠々と(この写真で言うと)右方向に泳いで行った。
こんな場所にアタリマエにいるものなんだ,というのにまず驚いたが、帰宅して調べてみたら、東京湾にはアカエイが大量にいるのだそうだ。お台場でアカエイを釣る記事もヒットした。もっとも尾に毒棘があるので安易に手を出すのは危険だそうだ。
……考えてみればせっかくバラの時季のヴェルニー公園を歩いて、バラの写真を1枚も撮っていない。
●タミヤのII号戦車c、A~C型のキットは、エンジンルームのヒンジが凹、凸とあるうち、凹が外側になっているが、これはソミュールのc改修型を参考にキット化されたためで、量産型(A以降)は逆向き(凸が外側)になっている――という話は、確か(今は閉鎖されてしまった)尾藤満氏の「Panzer Memorandum」で読んだのだと思う(元をたどればトラクツあたりかもしれないが、II号戦車の巻は読んだことがない)。
その後、漠然と「そういうものなのか」という認識でいたのだが、TFマンリーコさんのところでその件につき(曖昧なままに)コメントをした機会に、ちょっと調べ直してみた。
とりあえず、(現存車両の写真を見ても、記録写真を見ても)F型では確実に凸が外側のようだが(写真)、初期型II号に関しては、どうも「いつから逆転したか」がはっきりしない。もともと場所が車体後部上面という「写真に写りにくい場所」なので、当時の記録写真ではなかなか確認できず。また確認できても、今度はそれがc型なのかA型以降なのかがよく判らなかったりする。
数少ない、鮮明にヒンジが写っているなかの1枚がこれ。わずかに写っている砲塔上面ハッチが両開きなのでC型以前なのは判るが、それ以上のことは(私には)判らず。ヒンジはすでに凸が外側になっている。
あるいはこの写真。こちらは逆に凹が外側。クラッペのリベット形状から見るに、おそらくB型中途以前の生産車らしい。リングガードはA型中途からの装備のはずだが、これはc型にも追加で装着された可能性があり、決め手にはならないかも。
また、これとほぼ同じ特徴を持ち、さらに、右フェンダー後部支持架が大きい車輛の写真もあった。私の認識では、後部支持架が大型化されたのはA型からなので、それが間違えていなければ、A型でもなお凹が外側の仕様のものがあったことになる。
さらにもう一つ。ベオグラードのカレメグダンに展示されている現存車両は操縦手用クラッペ形状からA~C型であると判るが、エンジンルームヒンジは凹が外側。後面や操縦席左クラッペ形状は初期型なので、A~B初期と思われる。
……そんなわけで、どうもc型からA型の時点でスッパリとヒンジの方向が切り替わったのではなく、少なくともA型の初期あたりではまだ凹が外側だったのではないか、というのが、現時点での私の推論。
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コメント
次の電車までの間、時間つぶしにヴェルニー記念館に入ってみたことありましたが、スチームハンマーなど案外楽しめましたね。横須賀の海でエイは見ませんでしたが、黒ナメクジさんはX舵の奴が。写真で見る限りはそう思わないのですが、実際に浮かんでいる姿は不思議と生物的ですね。なんと形容していいのか、クジラでもないしと、黒ナメクジと聞いて腑に落ちました。
投稿: hn-nh | 2018年5月17日 (木) 20時35分
>hn-nhさん
エイは、私も初めて見ました。
「うわっ、ほんとにいた!」って感じでした。
「黒ナメクジ」というのは、実は、その昔模型の展示会で艦船(ウォーターライン)模型をやっている仲間が、現用潜水艦の完成品をずらりと並べて
「ほらほら、黒ナメクジだよ~」
と言っていたのが元ネタです(実際、ウォーターラインの潜水艦だと大きいナメクジな感じ)。
本物は(よく形容されるように)、やはり一般的にはクジラのイメージかもしれません。
ところで、もうずいぶん昔になりますが、奄美大島で、本当に真っ黒の大きなナメクジを見たことがあります。
(おそらく、アシヒダナメクジというヤツ)
投稿: かば◎ | 2018年5月17日 (木) 21時29分
これからの季節は、シーサイドラインから見下ろせる海面で結構な数を見つけることができます。
野島公園駅で南の方の席に座って見下ろすのです。
今年はまだ見かけていませんけれど。
投稿: みやまえ | 2018年5月17日 (木) 21時35分
>みやまえさん
シーサイドラインというもの自体にめったなことでは乗らないのですが、確かに、あの高さから見下ろすなら、海面近くを泳ぐ巨大物体は見つけやすそうです。
あとは八景島駅も狙い目ですかね?
しかしエイを見に行くだけにシーサイドラインに乗るのはなあ……(^^;
投稿: かば◎ | 2018年5月17日 (木) 23時06分