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CAMs 1:35 ビッカース6t戦車

「週末模型親父」さんのところは、毎夏(晩春から晩秋まで)に長期のSUMICON、毎春(年末から早春まで)にテーマ設定された短期のミニコンペを行うというスケジュールがほぼ定着していて、今日(12月1日)からは「2017年新発売キットのみ」の縛りの「New Kit Competition Vol.1」が開催される(2月末まで)。

10月末までの「SUMICON 2017」でだいぶ情けないリタイアぶりを晒してしまったので、今回は自粛しようかとも思ったのだが、ここ数年は、SUMICONのおかげでなんとか年1,2作の完成が可能になっているような具合でもあり、「リタイアのお詫びは完成で示すしか!」などと適当な(←自分で言うな)理由をこじつけて参加することにする。

●ということで、2017年発売の新キット、しかも私がすでに買って持っているものとなると、タミヤのバレンタイン、ブロンコのトゥラーンI、同じくブロンコのSKODA R-2、CAMsのビッカース6t戦車2種。

一応、年末の東京AFVの会までは、wz.34をなんとか形にすること/できればT-34を塗ることをメインにしたいと思っているので、本格的な製作は年末から年明けに行う予定。というわけで、ややこしそう(そしてもしかしたら何か落とし穴がありそう)なブロンコのキットは避け(若干偏見交じり)、考証と設計へのこだわりは水陸両用戦車で十分わかったCAMsのビッカースを選択。

同社からはすでに数種のバリエーションが出ているが、私が持っているのは

#CV 35-005 ビッカース6トンB初期型 ポーランド仕様
#CV 35-006 ビッカース6トンB指揮車型 中国民国仕様

の2種。1939年戦役時の塗装だとエアブラシ必須のポーランド仕様は(私にとっては)面倒なので(トゥラーンを避けたのはそれもある)、一昨年の水陸両用戦車とまったく同じ塗装になってしまうが、中国軍仕様を作ることにした。

●というわけで、戰甲模型(Combat Armour Models : CAMs)製ビッカース6tの簡単なキットレビュー。

ビッカース6t戦車の1:35インジェクションキットは、かつてMirage HOBBY/RPMからあれこれどっさり出たものの、太古のスポジニアの7TPのバリエーションだけにだいぶお粗末な出来だった(それでも発売当初は「インジェクションで6t戦車が出るなんて!」とだいぶ喜んだものだが)。それだけに、新キット、それもCAMsのようなマニアックなこだわりのあるメーカーからの発売は、大喜びしているビッカース・ファンは多いのではないかと思う。……いやまあ、ビッカース・ファンが世界に何人いるかは別として。

20171201_203750 20171130_231807

左がポーランド軍型、右が中国軍指揮車型。

どちらも箱絵は似たような黒縁付き多色迷彩だが、ポーランド軍は3色であるのに対し、中国軍はグレーを加えた4色。

少なくとも中国軍のほうは、ビッカース社で輸出用に施したものではと思うが、ポーランドの場合、国産AFVにも同様のパターンの迷彩(「日本式迷彩」と名付けられていたらしい)を採用している。しかもポーランド軍のビッカース6tは、輸入時は全て双砲塔型であり、単砲塔型は、その後、イギリスから改修キットを輸入してポーランド国内で改装されたものなので、迷彩はポーランドで改めて施した可能性が高いのではと思う。

ポーランドで再塗装されている場合、黒縁付きの「日本式迷彩」の塗色は、(The PIBWL military siteによれば)従来言われてきたサンド/グリーン/ブラウンではなく、 イエローサンド、オリーブグリーン、ライトブルーグレーの新説が浮上してきているらしい。個人的には「えー、ほんとかなー?」と思う一方、TK-3あたりで試してみたい気もする。

なお、開戦直前に導入された3色ボカシ迷彩は従来説通りオリーブグリーン地にグレーサンド、ダークブラウン。

▼両キット共通の車体パーツ。

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ざっと見た感じ、全体のリベット表現はやや強調気味だが、「キットの味付け」の範囲内かと思う。むしろこれくらいのほうが好ましいと感じる人は多いのではと思う。

相対的なリベット・ボルトの大小や丸頭・平頭などの形状差に関しては、きっちり確認していないが、(ビッカース水陸両用戦車の例を考えても)だいぶ気を使っている感じがする。

車体はオーソドックスな箱組。側面、底面ともわずかに反りが見られたが、複雑な歪み方ではなく、強制接着で何とかなりそうなレベル。

両仕様で、車体前部上面板にわずかにボルト列の違いがあるようだが、これに関しては(中国軍指揮車型で)ランナーにモールドされたボルト2つを移植するよう指示されている。

▼足回り。

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左写真の枝が2枚、その上半分の転輪+履帯の枝がさらに2枚で1輌分となっている。

履帯は前作のビッカース水陸両用戦車同様、いわゆる「リンク&レングス」方式。起動輪、誘導輪に巻く部分も1コマずつではなく、2コマずつになっている。

ビッカース系列用の履帯は、なんだか私もよく整理できていなくてこんがらかっているのだが、少なくとも、初期のビッカース6tと、T-26系列とではやや形状が異なる(特に、起動輪の歯が噛み合う穴の脇に縦リブがあるかどうか、など)。ところが、ビッカースの一部や7TPでは、むしろT-26寄りなんじゃない?と思える形状のものがあったりしてややこしい。想像だが、ビッカースそれ自体にすでに履帯にバリエーションがあり(時期によるものかはっきりしないが、仮に初期・後期として)、7TPやT26はその後期型の方を採用している、ということなのではないだろうか?

……というような理屈(というか想像)は余談として、キットの履帯はその、オリジナルのビッカースで見られる「初期型」のほうをきちんと表現しているようだ。これまで出ていた履帯は(もちろんT-26用と銘打っているものは当然として)T-26寄りの形状のものばかりだったので、これは嬉しい。

サスペンションボギーは部品の分割自体はオーソドックスだが、抜きの関係で表現しづらい細かいボルト・ナット類は、ランナーにモールドしてあるものを削り取って移植せよというマニアック仕様。転輪4つ一組のボギーにつき、使用するボルト・ナットは計8つ。

使用するパーツにはキャッスルナット(a)とボルト頭(b)の2種があるのだが、どの部分にどちらを使えばいいのか。、説明書の図示はいささか判りづらい(ボギー軸キャップ留め金の下側にボルト頭(b)を使うのは判るのだが)。これに関しては実際に製作する前に写真資料などで確認予定。

▼ポーランド仕様の独自パーツと、そのエッチング。

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プラパーツは標準タイプのB型砲塔、ポーランド独自の後部デッキの大型ダクト、工具箱類など。T.Wongさんから、CAMsでビッカース6tを出す予定だと最初に伺ったときは、中国軍型は当然としても、ポーランド軍型まで出すとは思わなかった(その後予定として聞いたが)。

なお前述のように、ポーランド軍のビッカースは、T-26寄りの形状の履帯を使っている例も多いようだ。その場合、カステンのT-26用がそのまま使えるのではと思うのだが、本当に(形状的に)そのままでいいかどうかはなお要検証。

砲塔基本形部分の側面は3分割。ビッカース水陸両用戦車では、パーツの抜きの関係で一部のリベットが涙滴状になってしまっていたが、このキットではそれほどきつい抜き角度になっている場所はなく、リベット形状がおかしい部分もなかった。

塗装例は3種。もともとマーキングには乏しいポーランド軍なので、デカールもごく小さいもの。

(12/5追記)なお、よくよく実車写真を見てみると、ポーランドが使用した6t戦車の単砲塔型は、表面にリベットがほとんどない(つまり溶接?)ものが多い。ただし、キットのようなリベット接合仕様が間違いというわけではなく、箱絵にもなっている「8」号車は確かに(他国への輸出型同様の)リベット接合砲塔を載せている。ポーランドへは、砲塔は「パーツ状態」で輸出され、ポーランドで溶接で組み立てたのか? イギリス本国で、こういう仕様で作られた砲塔だったのか? そもそもポーランドの(22両分あったという単砲塔の)どれくらいの割合でリベット型・溶接型があったのか? そのうちDerelaさんが解き明かしてくれるかな?

▼中華民国軍指揮車仕様独自パーツとエッチング。

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指揮戦車型は砲塔後部に無線機搭載用のバッスルが付いている。大昔の資料だと、このタイプを「Vickers Mk.F」としているものがあるが、これは誤りで、実際には、Mk.Fは搭載エンジンを変更(合わせて車体形状も変更)した発展型の名称。キットのこのタイプに関して言うと、購入者の注文によって変わるオプション装備の範囲内で、「中華民国が購入した指揮戦車型」という以外に、特別な呼称などは設定されていないようだ。

ちなみに、フィンランドが購入したビッカース6tも、砲塔形状はこれとほぼ同形(ただしフィンランド型は車体形状が大きく違う)。

閑話休題。このタイプの砲塔は一見、バッスルが追加されただけに見えるが、実際には天井形状が大きく違い、おそらく換気用なのではないかと思われるが、砲塔上面周囲にスリットが開いている。なぜ通常型にはなく、このタイプにだけスリットが設けてあるのかは謎。それに合わせ、側面のリベット列の位置も、(例えば上のポーランド仕様などの)標準型砲塔とは異なっている。

側面の抜き角度については通常型同様で、こちらもリベット形状はOK。

説明書で取り上げられている塗装例は3種だが、うち2種はマーキングが無く、もう一種も3カ所に小さく青天白日が付くだけ。個人的には、砲塔に「虎」と書かれたものがいい!と以前から思っていたのだが、(指揮戦車ではない)通常型キットにはそのデカールが含まれるものの、こちらには無し。どうも指揮戦車型で「虎」マーキングが確認できる写真がなかったようだ。残念。

▼ほか、小さなライトレンズ部分の透明部品(共通)。

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コメント

かば◎さん

wz.34の完成形が東京AFVの会で見ることができるのを楽しみにしています。

投稿: hiranuma | 2017年12月 2日 (土) 16時41分

>hiranumaさん

は、はい……努力します(アセアセ

投稿: かば◎ | 2017年12月 2日 (土) 22時36分

ポーランド仕様の車体後部の大きなエアダクトも魅力的。
2台同時製作、並行レビューとかしたら楽しそう!!

投稿: hn | 2017年12月 3日 (日) 11時00分

>hnさん

またそんなオソロシイことを!

投稿: かば◎ | 2017年12月 3日 (日) 16時58分

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