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wz.34装甲車リベンジ(11)

週末模型親父さんのところの「SUMICON2017」にエントリーした、wz.34装甲車の(かなり久しぶりの)製作記。

中だるみ的製作モチベーションの低下もあり、そうこうしているうちに毎年お決まりの仕事が忙しいシーズンに突入してしまい、ますます製作にブレーキが掛かってしまったが、そうこうしているうちに残り1カ月を切ってしまった。

それでも調子いことを言って製作を始めた手前、締め切りまでとにかく頑張らねば格好がつかない。というわけで、スタート前から懸案だった足回りの製作に入ることにする。

20170731_213132 ●まずは前回報告(もう2カ月以上前!)の割とすぐ後に作ったデファレンシャル。

KOTOBUKIYAの「丸モールド」パーツ、コントレールのプラパイプ、ランナーその他ででっち上げたもの。ちょっとギアケース部分が前後方向につぶれ過ぎで、本当はもっと球形に近いはずなのだが、どのみち組み上がってしまえばほとんど見えないので、そのまましらばっくれることにする。

●今回、タイヤに関しては最初からTOKO/RODENのGAZのものを流用するつもりでいたが(というよりも、サイズ的にもパターン的にもこれが使えそうだ、と思ったのがそもそもスクラッチ開始のきっかけだったのだが)、一方で一番のネックだと思っていたのがホイール部。

おそらく、ヒートプレスで作るしかないだろうと思っていたものの、ダメモトで、改めて流用できるパーツはないものかと(悪あがきで)探してみた。

中央部に平面のある皿形で二つ穴。もちろん穴は自分で開ければいいので、うまくサイズの合う皿形があればよい。

いろいろ見たり想像したりした中で、まず有力候補として浮かんだのは48のT-34のディスク転輪。欲しい「皿形」は周囲部がなだらかな曲線断面、T-34の場合は直線的なのだが、そのへんはちょっとヤスって誤魔化すか……(もっとも、サイズ的に本当に合うかどうかは結局未確認)。

hnさんからは、他のトラックの(5穴とか6穴の)ホイールの穴を塞いで使ったらどうかというアイデアを頂いたのだが、凸面側はどうにかなるとしても、凹面側を綺麗に塞いで整形する自信がちょっとない。

……いやいやちょっと待てよ。既存のトラックタイヤと言えば、イタレリのSd.Kfz.232(6Rad)って2つ穴とかじゃなかったっけ。

20170916_224249 と、いきなり思い出して、棚をがさがさ漁って取り出してみたら、これがかなり近い形状(右写真はすでにいくつかパーツを切り離し済み)。しかもタミヤのカスタマーサービスに電話したら、幸いなことにパーツが取り寄せられることが分かったので(つい最近、タミヤパッケージで「ドイツ6輪装甲車 Sd.Kfz.231」として発売されたためパーツの在庫があった)、安心して使うことができた。

もっとも、ドイツ6輪装甲車用としてみればそれほど出来のいいパーツではないので、6輪装甲車用にはレジンのアフターパーツ導入を考えるべきだったかも(もっとも、そうこうしているうちに他社から出来のいい新キットとかが出てしまいそうだ)。

●そんなわけで、いよいよ車輪の製作。

基本は、6輪装甲車のパーツからゴムタイヤ部分を削り落とし、wz.34装甲車のホイールに若干なりとも似せるべく追加工作を下上で、GAZのタイヤにはめ込む。

なお、RODEN/TOKOのGAZトラックの軟質樹脂タイヤはプラパーツを傷めるというウワサも聞いたことがある気がするのだが、少なくとも今回使ったもの(実際には純正TOKOのGAZ-AAもしくはGAZ-AAAではなく、ズベズダ版のBA-10装甲車に入っていたもの)に関しては、5,6年以上、ジップロックの中にランナーの切れ端と一緒に入れておいたがランナーに変化はなかった。

ただ、後輪の内側などはGAZトラック用のパーツをそのまま使って手間を省こうなどとも考えていたのだが、ホイールよりもタイヤの内径の方がわずかに小さく、そのままでははまらなかった。……タイヤ、縮んだ? もとから?

●前輪。もともとのドイツ・6輪装甲車の後輪内側のパーツ(C24)を使用。

大まかには、上記のようにタイヤ部を除去した後、

GAZのタイヤにはまり込むまで削り込んだ後

  1. そのままではタイヤをはめる部分の厚みが足りないので、GAZのリングのパーツを貼ってから、タイヤがはまるまで削り込む。
  2. ホイール部の2つの穴はやや大きめに。凸頂部を少し削って平面部を広めに。
  3. 中央のハブ穴がちょっと大きいので、プラバンを貼って狭め、さらに穴の内側に段差を付けてもう一枚プラバンを接着。
  4. 外側リムをTOKO/RODENのGAZのパーツから削り取って来て接着。
  5. ハブフランジの取付ボルト6本を、TOKO/RODENのGAZのパーツから削り取って来て接着。

写真1枚目が元パーツ。2枚目がGAZのタイヤに合うまで削り込んだ状態(右は後輪用、左が前輪用)。3枚目が工作完了状態(車軸部未工作)で、左側はCERTI/MIRAGEのキットのもの(タイヤはMIRAGE版)。

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●後輪。こちらはドイツ・6輪装甲車の後輪外側のパーツ(C5)を使用。

  1. こちらは前輪と逆にリム部分の厚みがあり過ぎるので、厚みを減じてから、外側リム部をTOKO/RODENのGAZから移植。
  2. ホイール2カ所の穴を拡張。裏から削って穴部分を薄く見えるようにした後、プラバンを裏から貼ってリムの重なりを表現。
  3. ハブ中央部の軸を切り飛ばし、ハブ穴を拡張。 流用パーツやら流用モールドやらを組み合わせて車軸部を表現。
  4. ダブルになっている内側は、ドイツ・6輪装甲車の後輪内側裏のパーツ(C28)を使用。
  5. 程よい間隔で内外が接するよう、スペーサーとなる部分を工作。後の塗装の手間を考え、はめ込み式でバラせるようにした。

写真1枚目は元パーツと、とりあえず外周を削り取っただけの段階。2枚目が外側の形状の工作終了状態。3枚目は内外はめ込み工作。挟まって見えなくなる側は工作もだいぶ適当。4枚目はデフにはめてみたもの。

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●予備タイヤ。状態としては凹面が表に出るので、使用パーツは後輪外側と同じ。穴の拡大やリムの処理なども後輪の工作と同様で、そのほかに、

  1. 中心部分は、後輪ではハブのフランジがドーナツ状に盛り上がっているが、予備タイヤはそのフランジが当たる部分が逆に窪んでいるので、一度この部分を削り取って開口。 そこに、同じパーツから中心部を切り取って来て、一段低めて接着。つまり、予備タイヤに関してはC5パーツを2つ消費している。
  2. その際、(予備タイヤはボルト3本で止められているので)ボルトを1本置き表現に。さらに裏から削って薄くするとともに、中心部の穴をやや大きくした。
  3. 車体側に逆トの字型の、予備タイヤ取付座金を工作。
  4. 塗装の便を考え、予備タイヤ裏側に金属線を植え、車体側には穴を開けて着脱可能に。

写真1枚目は工作した予備タイヤ。右側はCERTI/MIRAGEのキットパーツ(後輪もほぼ同形状)。2枚目は車体に取り付けてみたところ。……格好いいぞキミ。

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●なお、上の写真をよく見比べると、ホイールの2つの穴と6本のボルトの位置関係が、前輪と予備タイヤでは6本のボルトの描く6角形の辺の部分に穴があるのに対し、後輪では頂点のところに穴があるのが判ると思う。

これは前輪と予備タイヤが正解で、後輪は(CERTI/MIRAGEのキットパーツも)間違い。前輪・予備タイヤはボルト部分を作り直したので修正したが、後輪はドイツ・6輪装甲車のキットパーツのままとしたため。正直に言うと手抜き。

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コメント

予備タイヤ、たしかにかっこいい! ゴム部がゴムっぽい素材の別部品が用意されてるソフトスキンとか装甲車のキットって、なんかわくわくします。
スーパーモデルのイタリア戦闘機とかもタイヤはゴムでしたな・・・

投稿: みやまえ | 2017年10月10日 (火) 20時29分

このタイヤ、実は元のGAZのホイールにもきつくてはまらないんですよ……なんでだろう。
いずれポーランドの即席装甲車「クブシュ」を作る際にもこのタイヤを流用しようと思っているのですが、その際にはホイールごと使おうと思っていたのに、ちょっと厄介です。

スーパーモデルのゴムタイヤ、懐かしいです。……っていうか、漁ればまだ在庫が出てきますが。

大学生の時に(初めての海外で)イタリアに行き、その時、フィレンツェの模型屋で買ったのがスーパーモデルのキットでした(スーパーモデルというメーカーの製品に会ったのもそれが初めてでした)。
買ったのはMC.205ヴェルトロとCR.32で、ヴェルトロがゴムタイヤでした。

そのうちのヴェルトロは、在学中に完成させました。
今考えても割と難物キットだったと思うのですが(何も考えずに形にするだけならそうでもないのかもしれませんが)、接合部は埋めて筋彫りはやり直し、風防は絞り出しで作り替えたりして……偉いぞ当時のオレ!

投稿: かば◎ | 2017年10月11日 (水) 19時48分

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