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wz.34装甲車リベンジ(10)

週末模型親父さんのところの「SUMICON2017」にエントリーした、wz.34装甲車製作記。連日の暑さにめげていたり、仕事が滞ったりで製作も開店休業状態だったため、ちょっと久しぶり。

●貼視孔フラップを作って戦闘室周りのディテールはそこそこ進んだので(まだ済んでいない部分もあるが)、装甲ボディ前半、エンジンルーム周りを少々。

以前から「ここはちょっと厄介だな」と思っていた、左右の通風孔のルーバーを工作することにする。

以前にも書いたように、CERTIのキットではこのルーバーがそこそこ薄くモールドされていて(多少バリも付いているが)、通風孔そのものも開口しているなど、結構頑張っているのだが、残念なことにルーバーの羽板自体の形状が違う。

キットでは単純に三角に開いているだけだが、実際には羽板の先がもう一段折れた、クランク状の断面になっている。

強度も考え、金属素材で工作することにする。材料は、ドラゴン/サイバーのT-34(STZ1942)で余った、エンジンルームのメッシュカバー下のフラップのエッチングパーツを使用した。

パーツは左右3枚ずつ、計6枚必要だが、小片に切り分ける前に、後々折り曲げるガイドにするために縦に2本線をケガいた。カット後、リベット穴を0.4mmドリルで開口。エッチングパーツ上にドリルで穴を開ける場合、刃先が滑って位置が揃えづらいので、

  1. まず1枚に注意深く、1カ所穴を開け、
  2. 適当な冶具を作って2枚をピッタリ重ね、すでに穴を開けた1枚をガイドにしてもう1枚にも同じ個所に開口。
  3. 反対側も対称位置にあるので、表裏をひっくり返して開口。これを必要回数繰り返す。

という方法を取った(下写真左)。その後、ケガキ線を頼りにクランク形状に折り曲げた(右)。

20170717_023200 20170717_171436

本来ならきちんとエッチングベンダーなどの専用の工具を使うべきなのだが持っていないので、ペンチやピンセットを使用。0.2mmもないような金属板だが、ここまで小さくすると固さに往生した(ケガキ線をもっとちゃんと入れておくべきだった)。なんとなく綺麗に直線も平行も出ていない。工具をケチっちゃいかんなあとは思うのだが、その手の工具ってそこそこのお値段するしね……。

(なお、この後、外側の折り曲げ部分が長過ぎる気がしたので、接着前にヤスって幅を詰めた)

●金属パーツのプラパーツ上への接着固定は毎度悩ましい。特にこのルーバーのように、複数のパーツを前後できっちり位置を揃えないとみっともないものの場合、瞬着による一発決めはできれば避けたい。

SUMICON掲示板で、hnさんから「金属パーツの裏側に一度プラペーパーを貼って、それでスチレン系溶剤のプラ用接着剤で接着可能にする」という技を教えて貰った。これは目からウロコの優れ技だが、このルーバーの場合は(もとが薄いうえに厚みが直接目に触れるので)、プラペーパー貼り増し法は使いづらい。

20170721_020808 結局、一度普通のプラ用接着剤で仮止めした後、見えにくい場所(つまり開口部側)から伸ばしランナーの先などで瞬着をちょんと付けて固定。さらに金属パーツに開けた穴をガイドにプラ本体側にも0.4mm穴を貫通させ、MasterClubのリベット(0.5mm)を通して、これを裏から瞬着で固定(この部分は床を設けていないうえ、補強材も側面の穴を避けてえぐってあるので、裏からアクセスできる)。要するに、補助的ではあるが、MasterClubのリベットを本物のリベット用途で使った。

ルーバーよりも通風孔の上下幅が短いのは、厳密な考証に基づくものとかではなく、「なんとなく」の寸法で開口部を作って、いざ今回ルーバーを作る段になって「これじゃちょっと短いかな」と、ルーバーを長目に作った結果。いやまあ、本物だってそうなってるかもしれないでしょ!(強弁)

上下2カ所の小リベットは、なぜか、開口部直後にもある。じつは内側にも逆向きにルーバーが付いているのか?とも思ったが、以前にも紹介したこの写真では、何かあるようには見えない。謎。

工作完了状態は下。

20170717_223837 20170721_022753

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コメント

wz34のホイール。これは!という形のものはなかなか無いですね。
そういえば、ZIS-5のホイールは2つ穴でしたね。
Miniart/ZiS-6系ホイール:miniart-models.com/ja/products/35201/
テーパーのアールをプラの成形厚の中で削り込んで修正できるかは未知数ですが。

miniart版は未所有なので確認できませんが、
ズベズダのZIS-5のホイールを測ったら直径は14mmでした。
まあ、修正なしで使える流用パーツが見つからなければ、
思い切ってヒートプレスで作っちゃう、のもアリかもしれませんね。

投稿: hn | 2017年9月16日 (土) 09時56分

ZIS-5はアランとRORTのキットを持っていて、実はFORT版のホイールは、「う~ん、これ使えるかな、どうかな」なんて思って見ていました。

もっとも、これのためにキットを1つつぶしてしまうのも……。いや、FORTもアランもそれほど潰して惜しいキットでもないんですが、「形状バッチリ」というわけでもないのに持って来てしまうのはちょっと二の足を踏みます。

しかし、hideさんの「2つ穴でしたね」の言葉ではたと思い至ったのが、イタレリのドイツ6輪装甲車。今見てみたんですが、なんだか使えそうな雰囲気です。うう……使っちゃうかな……。

投稿: かば◎ | 2017年9月16日 (土) 10時44分

 こんにちは。金属の接着ですが、触らないのであればGクリアボンド(合成ゴム系)をラッカーシンナーで適度に薄めたものを使ってみてはいかがですか?瞬着は粘りが出るまでパーツを保持しなければなりませんが、これは最初からある程度粘りがあるので割とすぐにその場に付きます。強度が出ない替りに修正はしばらく効きます。扱いやすいので艦船モデラーはエッチングをこれで組むそうです。たしか、ファインモールド辺りの推奨だったと思います。これで止めて強度が必要なら、楊枝や極細ノズルで瞬着を付けたらよいでしょう。小生は、F9Fパンサーのプラの塗装済みパイロン複数にレジンの塗装済みロケット弾を並べてイモ付けするのに使いましたが、位置や角度を揃えるのに有効でした。

投稿: L | 2017年11月 1日 (水) 11時11分

>L様

コメントありがとうございます。
(ちょっと仕事で切羽詰まっておりまして、お返事遅れました)。

ゴム系接着剤を薄めて使う方法、これは確かに便利そうです。
今回試した「プラ用接着剤での仮止め」は、「とりあえずその時点では乗っているものの、実際にはほとんど接着はされていない」状態で不安がありますが、仰る方法だとその点は安心ですね。機会があればぜひ試してみたいと思います。

いわゆるプラモデルに合成ゴム系をほとんど使わないのは「少しでもはみ出すとベタベタくっついて汚くなりがち」というのが敬遠されるからだと思うのですが、薄めて仮付けに使うのであれば、量も少ないし、気を付ければはみ出しもほとんどなく作業できそうです。

よい手法を教えて頂きました。重ねて、どうもありがとうございます。

投稿: かば◎ | 2017年11月 8日 (水) 16時45分

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