« wz.34装甲車リベンジ(8) | トップページ | 人工衛星 »

wz.34装甲車リベンジ(9)

週末模型親父さんのところの「SUMICON2017」にエントリーした、wz.34装甲車製作記。今回は割と控えめな進捗報告。

●前回に引き続き、戦闘室周りのディテール工作。

車体左側面、車体後面にある大きなハッチドアの蝶番と取っ手を作成する。ちなみにキットの取っ手パーツはひしゃげたキノコのような形状で使いようがない。

取っ手はエバーグリーンの0.5×1.0プラ棒を刻んだものに0.5mm径金属線(ちなみにリン青銅線。真鍮線よりやや柔らかく扱いやすい気がする)を刺して竹トンボのようなものを作り(右)、それをヤスって形を整えた(左)。作業のやりやすさを考えて、持ち手代わりに金属線は長めに切ってある。

20170630_014013

大きさを比較するものが写っていないので何だが、この状態で一度車体に挿してみたらだいぶ大き目な感じだったので、さらに削って小さくした。

20170630_125614 20170630_144532

後面扉の取っ手側上下にある小さな4つずつのリベットは、扉内側にあるロック機構に対応したもの。蝶番のリベット同様、タミヤ48のマーダーIIIのリベットを削ぎ落として使った。

●さて、ここで大きな問題は、上記の取っ手が、「扉を閉めてロックした状態」でどういう向きになっているのが正しいのかがよくわからないこと。

そもそも、wz.34装甲車の写真は、破壊されたり、放棄されたりといったものが多く、当然ながら、そうした写真では、仮に取っ手が写っていてもそれが「開位置」なのか「閉位置」なのか判断しづらい。

ちなみに、「Wydawnictwo Militaria No.318」の図面では中途半端なナナメ状態で描かれており、しかも、旧型装甲車体の側面は水平に近いナナメ、新型装甲車体の側面と後面は垂直に近いナナメ(しかもそれぞれ逆方向に傾いている)と、てんでんばらばら(ちなみに同書に旧型装甲車体の後面図はない)。どういうこっちゃねん。

もちろん、「生きている」状態の車輌の写真もあるが、肝心の取っ手が不鮮明だったりしていまひとつ決め手に欠ける。とりあえず、以前もここで紹介したポーランドのナショナル・デジタル・アーカイブ(NAC:Narodowe Archiwum Cyfrowe、リンクは英語版)にある、戦前のパレード時の写真から、取っ手部分を拡大してみた。

09 10 11 12 13

①:旧型装甲車体(写真番号1-P-2992-16より)。不鮮明だが、横向きに近い前下がりに見える?
②:旧型装甲車体(①と同じ写真番号1-P-2992-16より)。ほぼ水平?
③:旧型装甲車体(写真番号1-P-2992-17より)。これも不鮮明だが、45度に近いくらいの前下がり斜め?
④:新型装甲車体(写真番号1-P-2993-8より)。これは比較的鮮明。水平。
⑤:新型装甲車体(④と同じ写真番号1-P-2993-8より)。前下がり斜め……?

もしかしたら、外側に出ている取っ手は扉のロック機構と関係ないのか?

そんなわけで、(判断に困ったので)現時点では取っ手パーツはまだ差し込んであるだけで接着固定していない。

●戦闘室前面の貼視孔フラップには、開閉補助用のスプリングが付く(右側面もはね上げ式の開閉だが、こちらにはスプリングは付かない)。

0.3mm真鍮線を軸に細いエナメル線を巻いてスプリングを作って取り付けた。いまひとつ綺麗に工作できていない感じで、やや不満足。

20170630_142122

追記。上記工作後、スプリングがフラップに止まっていないのが気になったので、改めて留め具を追加。もっとも実車の場合どう止まっているかは、はっきり写っている写真がないのでよく判らない。丸リベット上のもので止まっているようにも見える。

加えて、砲塔のフラップ同様、スリット内側の防弾ガラスか何かを止めていると思しき(および開閉機構かロック機構かの)小リベットがこちらにもあるようだったので追加した。

操縦席前の一番大きいフラップは、スリット上の小リベットが内側寄りにもあるかもしれないが、はっきり確認できないので今のところ付けていない。

20170701_204244

|

« wz.34装甲車リベンジ(8) | トップページ | 人工衛星 »

資料・考証」カテゴリの記事

製作記・レビュー」カテゴリの記事

wz.34」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: wz.34装甲車リベンジ(9):

« wz.34装甲車リベンジ(8) | トップページ | 人工衛星 »