wz.34装甲車リベンジ(3)
●週末模型親父さんのところの「SUMICON2017」にエントリーした、wz.34装甲車製作記。
●毒を食らわば皿まで工作その1。
結局、初期型装甲ボディを作ってみることにした。前回書いたことと重複するが、
- 後期型ボディで作る場合でも、キットのパーツそのままでは使えず、結局ほぼ丸ごと作り直すことになる。
- 後期型ボディの場合の、シャーシ後端の処理(形状)が今ひとつよくわからない。
- 後期型ボディばかり一般的で、初期型ボディは目新しさがある。
……などが理由。
初期型ボディは戦闘室後面が垂直なのが特色(後期型は傾斜している)で、他に、以下のような特徴がある。
- 戦闘室の幅が後期型よりも広く、砲塔が正位置では左右にはみ出さない。
- その代わり、戦闘室側面下部は(ハーフトラック時代の足回り形状に合わせて)えぐれていて、段になっている。
- 前方から見た時の大きな識別点として、戦闘室正面バイザーが大小2つある(後期型は1つだけ)。
- エンジンルーム左右装甲板の形状、ディテールレイアウトも後期型と異なり、ルーバー、点検ハッチがやや後ろにある。
- 初期型ボディのさらに初期生産型と思われるが、エンジンルーム上面フード前方が別体。
……など。後期型ボディとはすべての装甲面で寸法が違うのだが、前に書いたように「Wydawnictwo Militaria No.318」に出ている初期型ボディの図面はまったく信用できないので、「PIBWL Military Site」の中のwz.34解説ページの参考図なども見つつ、「だいたいこんなもん?」で寸法や形状を決めていく(←いい加減)。
初期型装甲ボディに関しては、FTFから72で唯一のインジェクションキットが出ていて、これも若干の立体参考資料としたが、このキットは、形状的には「Wydawnictwo Militaria No.318」の図面と近く、初期型ボディを正しく再現しているとは言い難い。
このキットでは、ボディ側面下のえぐれた部分も3つの面で膨らんだ形状となっているが、影の付き方などから見て、ここは素直に同一平面になっているものと判断した。初期型ボディの比較的鮮明な写真資料に関しては、「PIBWL Military Site」のwz.34ギャラリーページ(2)が助けになる。
また、原型となったwz.28装甲車では確実にこの部分が平面であるのは、同じく「PIBWL Military Site」のこのページで判る。
そんなこんなで、砲塔同様にwaveの目盛付きプラバンを使ってボディを新調。
前半はシャーシとのつじつま合わせも必要になってくるので、ある程度シャーシの目途が付いたところで工作の予定。戦闘室前面・上面は装甲板の重なりを表現するため0.3mm板を被せるつもり。
●毒を食らわば皿まで工作その2。
どうせほとんど見えない部分だし、シャーシはキットのパーツを使っちゃおうかなあ、とも思ったのだが、結局こちらも自分で作ることにした。
ひっくり返して裏を見せるつもりも特になく、エンジンまで作り込む気もないので、作りやすさ優先でシャーシ外形に合わせてプラバンで底板を作り、そこにフレームやある程度のディテールを盛って行く形式とした。
後輪スプリングを支えるビームのうち、前側のものは、中央がドライブシャフトを避けて窪んでいる(その形状については、この写真で確認できる)。それほど複雑な形状でもないが作るとなると面倒で、作成法についてちょっと悩む。結局、円筒形のジャンクパーツ(たぶん、タミヤの48マーダーIIIの固定用ナット抑え)を輪切りにして、それをプラ材に貼り付けてから削り込んだ。
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コメント
かば◎さん
wz.34装甲車、面白くなってきました。
途中停滞することのないようにこのまま突き進んで製作してください。
ところで細かなことですが、前輪(後期型での確認ですが前期型も多分同じ)が前から見ると逆ハの字状になっていますがこれも再現されるのでしょうか?
ぜひそうされると完成したときの微妙なリアルさがカッコイイものになると思うのですが。
投稿: hiranuma | 2017年5月29日 (月) 09時23分
>hiranumaさん
前輪のポジティブキャンバーに関しては、(2)で書いた通りで、再現の予定です。
もともとのキットでも表現されていますが、キットのキャンバーはややきつ過ぎな気がします。
投稿: かば◎ | 2017年5月29日 (月) 11時52分
かば◎さん
いい加減に読み飛ばしていて失礼しました。
かば◎さんなら当然チェック済みでしたね。
投稿: hiranuma | 2017年5月29日 (月) 14時14分
>hiranumaさん
いえいえ。
資料「Wydawnictwo Militaria No.318」の図面でもキャンバーは無視されてたりしますし。
元キットで表現されていなかったら、私も見落としていたかも。
投稿: かば◎ | 2017年5月29日 (月) 15時01分
FTFのはちょっとガッカリな感じ?
自国車輛なのに。
投稿: めがーぬ | 2017年5月30日 (火) 12時31分
>めがーぬさん
そうですね。ちょっと残念ですね。
とはいえ、初の旧型ボディのインジェクションですし、「Wydawnictwo Militaria No.318」レベルには仕上がっていると考えると、それなりに頑張っているのは確かなんですよね。
エンジンルーム左右装甲板の下端形状の処理も、旧型。新型でしっかり作り分けていますし……。
いや、それでももうちょっとどうにか……(^^;)
投稿: かば◎ | 2017年5月30日 (火) 21時50分
壊れた車両の写真は構造がわかって面白いですね。しかしペラッペラの装甲...
この時代のものはそうなのかもしれないけど、フェンダーとかありえないくらい華奢な取り付け方してるんですね。
模型で表現するの難しそう、ゴツくするとイメージ変わりそうだし。
投稿: hn | 2017年6月 1日 (木) 22時33分
>hnさん
本当にこの写真を見ると、装甲ペラペラですね。
それだけじゃなく、この装甲車、確か床板は木製なんですよ。
ちなみに元キット(参考キット)もフェンダーは割と薄く成型されていて、初版キットは濃いブルーグレーのプラだったのですが、フェンダーパーツはちょっと光が透けていて、「おお、このキット、頑張ってる!」と感心しました。
もっとも今回改めてミラージュ版を見ると、0.5mm以上はあったので、単に初版は透けやすいプラだったのかも。
まあ、出始めの頃の東欧製キットのひとつとしては、ある程度以上の大きさのパーツを0.5mmくらいの厚みで作ること自体、なかなか気合が入っているとは思いますが。
投稿: かば◎ | 2017年6月 4日 (日) 14時14分