名越送水管路ずい道
●数日前、歩いて鎌倉駅前に出る途中、名越隧道脇の、ふだん鎖を張られているゴミ収集車駐車場が開いていたので、その奥の送水管路隧道入口の写真を間近で撮らせてもらった。
この送水管隧道についても、水道路(すいどうみち)についてもこれまでに何度も取り上げているが、基本的なところだけ繰り返すと、この隧道は、はるか中津川から横須賀まで引かれた軍港水道半原系(大正7年完成)のために作られたもの。軍港水道は戦後横須賀市に移管されたので、鎌倉市(反対側出口は逗子市)にあっても横須賀市の管轄下。
半原系水道は2007年に取水中止、2015年に廃止になっているが、この地点では鎌倉市内で合流した有馬系水道が並走しているため、この隧道は現役のはず。
レンガは1段ごとに長手のみ・小口のみとしたイギリス積み。猿島で見られたフランス積み(フランドル積み)が明治前半によく見られるのに対し、こちらはそれ以降に一般化したもの。
最後の写真は入口の格子の隙間から撮ったもので、遠くに逗子側出口が見える。少なくともトンネル入り口付近は内壁もレンガ積みのまま保存されているのが判る。水道管は1本だけで、有馬系のものだろうか?
下は逗子・久木側。2015年5月に撮って当ブログにも載せたもので再掲。こちらはかなり手前からフェンスで仕切られて立ち入り禁止になっており、しかも夏季は両側の藪も茂るのでなかなか見づらい。
●オマケ。久木川に架かる橋近くの、同水道の空気弁マンホール。ともに横須賀市の名と市章入りだが形が違う。鎌倉の海岸橋近くや、逗子の沼間あたりだと海軍の錨マーク入りの点検蓋もある。
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コメント
レンガ地肌を見ることができるって貴重です。
地元の野比-久里浜の海軍トンネルは十年くらい前からコンクリート吹きつけられてみる影もありません。
投稿: みやまえ | 2017年3月23日 (木) 00時22分
この送水管隧道の隣の県道のトンネルのうち、明治時代に掘られた小坪隧道・名越隧道(有名なお化けトンネル)もポータル(入り口面)はレンガ積みで、なかなか風情がありますよ(ただし、名越隧道のほうの逗子側はしばらく前に入口延長工事が施されているので、旧ポータルはほとんど見えません)。
開通時は素掘りで、その後、大正になってからレンガ張りになったのだそうで、こちらもイギリス積みでした。トンネル内壁面は近年の改修でパネルで覆われています。
投稿: かば◎ | 2017年3月23日 (木) 17時36分