砂漠の十字軍(番外)
●模型ストックを漁っていたら、未組立のハセガワ・ミニボックスの72クルセーダー(履帯無し)が出てきた。エアフィックスの箱の中に入っていた履帯の出所はこれか!
エアフィックス76(公称)の車体がやけに長いのは以前に述べた通りだが、これに関し、web上の海外の作例で、「ハセガワの車体にエアフィックスの砲塔を載せる」というお手軽解決法を試したものがあったので、出てきたついでにちょっと試してみた。
この方法にはいくつか利点があって、
- まず、ハセガワ72のスタイルがおかしい最大のポイントは上下につぶれ過ぎた砲塔なので、その点を一気に解消できる。
- エアフィックス76のキットはMk.II、Mk.IIIコンパチで、砲塔周りは完全に2個分のパーツが入っているため、組み合わせても「2個1(ニコイチ)」ではなく「2個2(ニコニ)」になってキットを無駄にしない。
もっとも私の場合はエアフィックスのMk.III砲塔はどこかにやってしまったのでキットの有効活用的メリットはなく、単純に「様子見」してみただけ。
▼とりあえず仮組みしてみたハセガワと、工作中のエアフィックスを並べてみたのが右写真。エアフィックスを手前に置いているのでそちらのほうが大きく見えるが、実際には、車体の縦横の寸法はだいたい同じ(わずかにハセガワのほうが長い)。
もちろんそれは、私がエアフィックスのキットをフェンダー後部で切り詰め工作を行っているためで、単純にキットのままの場合には、(スケールは1:76であるはずの)エアフィックスのほうが長い。
砲塔はかなりペッタンコで、むか~し昔、このキットを実際にひとつ組んだ時、当時はクルセーダーと言う戦車に特別に思い入れもなく、しっかりしたイメージもなかったが、「なんか格好悪くて変……」と思った記憶があるが、下のエアフィックスと比べると違いは顕著(もっともエアフィックスは逆に比率的には全高が高すぎるらしい)。
ハセガワのミニボックスではいくつか例があるようだが、転輪(誘導輪、起動輪も)は車体下部側面と一体成型という大胆な設計。なお、クルセーダーは起動輪が履帯の外側に噛み合うのでこれでも行けるが、ハセガワは、起動輪の歯が履帯の穴に噛み合うカール臼砲でも同じ手法を取っている。……つまり、起動輪の内側は車体にべったり貼り付いているので、キットのままでは履帯は絶対に起動輪にはまらない。
確かに、それなりに見られるバランスになっている気がする。もっとも、ディテール表現はかなり大味で、(私の場合は)別段、エアフィックスの砲塔が余っているわけでもないので、あえてこのキットの車体を活用したくなるというわけではない。
▼ハセガワの車体を使う気になれない大きな要因がこちら。
初回にも書いたのだが、二重のシャーシ側壁に対応して本来は一直線であるはずのラインが、なぜか、エアフィックスとまったく同じ間違い方になっている。初回ではweb上の写真を見て書いたのだが、手元の現物を見て改めて呆れた。上がハセガワ、下は初回にも載せたエアフィックス。
可能性としては、
- 基本設計は別だが、ディテールに関して先行のエアフィックスのキットを無批判に真似した。
- たまたま、同じ(間違えた)図面を元にキット化した。
という二通りが考えられるが、戦闘室とエンジンルームの比率などはまったく違っているので、個人的には、前者の可能性が高いのではと思う。
ちなみに戦闘室の前後長、エンジンルーム前方のエアインテイク・カバーの縦横比などはハセガワのほうが実車に近いが、エアインテイク・カバーが車体と一体モールドなのは、ミニスケールとは言えちょっと寂しく、また、前記のようにモールドが全体的に大味であること、エアフィルター周りのフェンダーの処理がやはり違っていることなどから、手を入れるベースとしてエアフィックスよりいいとはとても言い難い。
●12日、また長野日帰り出張。11月末から飯田、佐久平、佐久平と行って、今回は長野駅まで(行先は長野市近郊の中野市(長野駅からだと小布施町のちょっと先)。
行きの駅弁は長野の「鮭はらこ弁当」。
ちょうど昼頃に長野駅に到着したのだが、いきなりぶわぶわ雪が降ってきた。長野駅で待ち合わせた現地の会社の方曰く、「晴れているんで、本当に降っているわけじゃなくて、山から吹き飛ばされてきた雪ですねえ」とのこと。
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コメント
子供の頃、エーダイグリップだと思うんですが、1/76のクルセイダー戦車が出てたのがおもちゃとしてお気に入りでした。今見たらどうなのか、捨てちゃったのが残念です。
あと、メーカーはわかりませんがゼンマイ走行の小さいクルセイダーのキットが結構かっこよかった記憶があるのですが、これは今見たら苦笑するできなのでしょう・・・
ハセガワのが出たのはもっとあとでした。
投稿: みやまえ | 2017年1月14日 (土) 20時31分
>みやまえさん
エーダイって連合軍AFVも出てたんですか。
まるっきり記憶に残っていませんでした。
8tハーフの対空自走砲とか、クルップ6輪とか、なかなか渋い車輌が出ていた記憶はあるんですが。
ちなみに我が家にはエーダイのV2号セットが(屋根裏に)寝ています。
少なくとも一般的な形ではない発射台とかをどうにかしようと一部切り刻んであって、今となっては、「もったいない! そんなことをしないでストレートに作ればよかった!」なんて考えています。
おっと。言い忘れましたが、(そちらの掲示板での)妖精さん年賀状ありがとうございました。
投稿: かば◎ | 2017年1月14日 (土) 21時26分