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ウルススの迷宮

●先日採ってきたぎんなんは、バケツのなかでざぶざぶ何度も揉み洗いをして果肉を落とし、濡れ縁で干した。

臭い思いをして、これでマズかったら悲しいなあ、と思ったのだが、月曜から食べ始めてみると、苦みがほとんどない上にほんのり甘く、すこぶる美味かった。むしろ、もうちょっと苦みがあってもいいかも、なんて贅沢なことを思うほど。採ってきたばかりで新鮮なので、炒って殻と薄皮を剥くと綺麗な色。

我が家では私以上にぎんなん好きのちびも、「このぎんなん、おいしい!」と感動していた。とはいえ、ちびはまだちびなので、ぎんなん中毒を防ぐため。基本、「年齢の個数以上は食べてはいけません」制限付き。かみさんはもともとぎんなん好きだが、アレルギー持ちになって以来食べられない。

新鮮で美味しいうちにせっせと食べて、食べ尽してしまおう。そして近いうちに、もう一度くらい拾いにいってみよう……。

kuhinitoさんのT-34が完成した。183工場製1942年型の比較的初期の仕様、例のスミェリ号を再現している。ドラゴンのT-34(特に1942/1943年型)の抱える問題をきっちり直してある上に、実車の細かい仕様を丹念に再現していて、こういう工作をみると、「オレって工作粗いなあ」とつくづく思わされる。

しかも転輪はゴムリム付きも緩衝ゴム内蔵転輪もドラゴンママではなく(ゴムリム付きは薄いタイプを履いているので当たり前だが)、ゴムリム付きは改造、緩衝ゴム内蔵は1から自作したうえで複製。うわあ……。

ちなみに車輌名(というかスローガン)の「スミェリ(смелый)」は「勇敢な、大胆な」といった意味で、ポーランドの装甲列車「シュミアウィ(śmiały)」と要するに同じ名前。カタカナで書くと「スミェリ」と「シュミアウィ」はだいぶ違っているように見えるが、耳で聞くと「ああ、同じ単語なんだな」と思えるくらいには近い(こういうときにForvoは非常に便利だ)。

●先日の、「ウルススA型トラックのレバー類ってどこから生えてるんだ」問題の続き。

F1011391 その後、改めてキットをよく見てみると、ミッションから横に四角く突起がある。写真は裏側から見たところで、実際には車輌の右側(運転席側)に向かって突き出している。

これがレバーの根元に繋がるのであれば、「ミッションから直接レバーが生えている=車輌中心線あたりにレバーがある」という比較的アタリマエの配置とは違っていることになる。

F1011317

もっとも、以前も載せた写真で判るように、キットの床板にケガかれたレバーの根元位置は、シャーシフレームよりさらに外側にある。

仮にシャーシフレームのぎりぎり内側位置でレバーを生やすとなると、もろに運転手の両足の間にレバーが来ることになる。……なんだそりゃ。あるいは、ミッション横のバルジ自体はそこそこ大きいが、レバーはその端ではなくもっと内側、ミッションのすぐ横あたりから出ているとすると、比較的常識的な位置になる。もちろん、その両方ともキット床板のケガキ位置とはまるでズレる。

ちなみに椅子の座面はバキュームフォームの余りプラバンで作ったもので(元のパーツは横幅が合わなかったので)、座面が左右に分かれているのも元パーツにおおよそ合わせている。しかし、狭い方を運転席側に、広い方を助手席側にしたのは、オペル・ブリッツあたりに合わせたもの。キットの説明図では明示されていないので、実は運転席側のほうが広い、などということもあり得るのかもしれない。というわけで、この分割線の位置はレバー位置を考える際にあまり基準にはならない。

●もちろんこんな「あーだこーだ」は実車写真があれば一発で解決することなのだが、URSUS A型の外見の写真さえあまり多くなく、キャビン内の写真などまるで見つからない。

そんなわけで、URSUS A型の原型にあたる、イタリア製トラックSPA 25の写真を探してみることにした。正確にはURSUS A型の原型はSPA 25C Poloniaというのだが、一応、SPA 25系列であればコクピット周りのレイアウトはある程度の共通性があるかもしれないので、その辺は適当に探した。

そこで見つかったのが、SPA 25/10バスの写真。特に注目がこの写真この写真「右ハンドルの車輌であるにもかかわらず、床のレバーが右側(車体外側)にある」という、「なんだそりゃ」な配置が、とりあえず同系の車両で実在する、というのが確認できたわけである。いやもう、ほんとに、なんだそりゃ……。

もっとも、このSPA 25/10というのは、URSUS A型の原型であるSPA 25C Poloniaよりちょっと古そうで、キャビンもURSUS Aよりだいぶ幅が狭い。キャビン前部で、おそらくシャーシフレームの幅しかないから、フレーム内側いっぱいでシフトレバー他が立っていても、キャビン内でだいたいこの位置になるのかもしれない。というわけで、URSUS A型の場合のレバー位置の直接の資料にはならないのが惜しい。あくまで参考という感じ。

(続く)

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