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T-34こぼれ話(2)

●ドラゴン/サイバーからは、何種類かのドイツ軍鹵獲仕様のT-34が出ている。

ドイツ軍はかなり多数のT-34を鹵獲使用していて、もちろん、単純にバルケンクロイツを書き加えただけのものも多く、ドラゴン/サイバーの通常仕様のキットでもそれらのデカールが含まれていたりする。

一方で、III/IV号のキューポラを増設してみたり、ゲペックカステンを取り付けたりという独自改装を施しているものもあって、わざわざドイツ軍鹵獲仕様として出しているキットは、そういった仕様を再現している。

●そんななかで一番最初に出たのが(そしてベース車両としても一番旧タイプなのが)キット番号6185、「T-34/76 German Army」で、旧型車体ハッチ/溶接砲塔の1941年型にIII/IV号用のコマンダーズキューポラを増設したもの。車体周囲にもいろいろ工具箱やら工具やらを追加している。キット内容に関してはこちら(PMMSのレビュー)を参照のこと。

さて、キットではもともとの砲塔ハッチにそのまま穴を開けてキューポラを装着した状態になっている。もちろん、実際にそういう例がなかったとは言い切れないが、車外装備品から見て、ドラゴンがモデルにしたと考えられる仕様は、実際にはそうなっていない。

お馴染みのBeutepanzerの写真の話なのでご存知の方も多いかもしれないが、同一位置に装備品を装着した車両が出ている(このページでは、2.Kompanie/Panzer-Abteilung z.b.V.66所属車としている)。興味深いのは上から5番目の写真で、これを見ると、キューポラの隣にハッチがあって、開いたハッチに腰かけて砲塔内部に足を突っ込んでいる。

さらに、おそらく同じ修理廠で改造されたと思われる、ほぼ同一仕様の車輌が、「Germans repair  plant modified」と題されたページにも出ている。良い写真が載っているのは、その2ページ目3ページ目

2ページ目のクローズアップ写真を見ると、もともとのハッチは取り払い、新たに鋼板を溶接して塞ぎ、その上にキューポラを装着。さらに右側は砲塔縁にヒンジを持つハッチとしている。キューポラはぎりぎり左に寄せているのだが、それでも新設のハッチはやけに狭く、体を横向きにしないとくぐれそうにない。

他写真を見て判るように、砲塔側面にはハッチ受けが新設されていて、ハッチは水平か、それよりやや高めで止まるようになっている。残念ながら、ここに出ている写真ではヒンジ形状は判らない。

3ページ目2枚目の写真を見ると、同様の改装を施された車輌にも多少のバリエーションがあることがわかる。キットは標準的な1941年型車体に溶接砲塔だが、ここに写っている実車の3輌は、

  • 一番手前:1941年戦時簡易型の比較的初期の車体(もしかしたら車体ハッチも旧型の基部を残している仕様)に溶接砲塔。
  • 二番目:1941年型に溶接砲塔でキットの仕様に近いが、装着されたキューポラが旧型(Kommandantenkuppel 021 B 9261)。直線的な前部フェンダー。
  • 一番奥:1941年型で鋳造砲塔。直線的な前部フェンダー。

基本、ドイツ軍鹵獲仕様にはあまり惹かれないのだが、これはちょっと面白い。いやまあ、面白いと言っているだけで作らないだろうけど。

ちなみに、III/IV号キューポラ付きT-34に関しては、興味深いことに、ソ連軍が使用中の写真もある(CONCORD、“SOVIET TANKS IN COMBAT 1941-1945”、p50上段)。1944年夏、レニングラード戦線(フィンランドから奪取した街で、とあるのでカレリア戦線と言うべき?)での写真。溶接砲塔搭載の1941年型で、旧型キューポラを装着。ソ連軍が同様の改装をした車輌である可能性もなくはないが、ドイツ軍から再鹵獲して使っているという可能性の方がもっと高そうな気がする。

●上記、「Germans repair plant modified」の4ページ目もなかなか興味深い内容で、こちらには、II号戦車F型のキューポラを装着したT-34の写真が出ている。全部がそうなのかは判らないが、こちらはもともとのハッチをそのまま活かしていて、しかも開閉機構も残している。

3枚目の写真がちょっと謎で、両開きハッチが付いている。III/IV号キューポラから、上部のハッチ部分だけ持ってきたのだろうか。

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コメント

ガソリンエンジン主流のとこへディーゼルエンジンで燃料の供給に苦労しそうですね>ドイツ軍のT-34

投稿: みやまえ | 2016年8月 9日 (火) 21時04分

>みやまえさん

トラック類には結構ディーゼルを使っているので、大丈夫なんじゃないでしょうか。
でなければ、Sd.Kfz.234装甲車シリーズに、わざわざ空冷ディーゼルを採用しないでしょうし。

ディーゼルエンジンつながりで、突然、そういえばスーパーモデルのブローム&フォス飛行艇が作りかけだったなあ、と思い出しました。
……どこにしまってあるのかもわかりません(苦笑)。

投稿: かば◎ | 2016年8月 9日 (火) 22時19分

御無沙汰しております。
なんとMSD(旧マケット)のキットNo35036「T-34-76用鋳造砲塔 第112工場製 1942-1943型」は、キューポラ横の横開きハッチがパーツ化されています。凄いぞMSD!(笑)

投稿: 司龍 | 2016年8月12日 (金) 00時57分

>司龍さん

お久しぶりです。
web上で、中身を確認しました。
なんで! よりによって112工場仕様の鋳造砲塔で!!
これは、ドラゴンのII号戦車C型改修型(キューポラ付き)のキットには、なぜかポーランド戦時のII号戦車のデカールが(オマケで)含まれている的なアレと同じような感じなんですかね?

おそらくフルキットの112工場製ピロシキ砲塔タイプから砲塔パーツだけ別売したものかと思うので、フルキットの方にも含まれているんでしょうね……。

MSDは、他では出ていない横リブのないT-34初期500mmが出ているので(35047)欲しいんですが、なかなか国内では入荷しないし、これだけ通販を頼むのも面倒というかもったいないし、というわけで未入手です。

投稿: かば◎ | 2016年8月12日 (金) 02時22分

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