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2016年7月

スターリングラード・トラクター工場(19)

週末模型親父さんのところのAFV模型のネットコンペ、「SUMICON 2016」の参加作、cyber-hobbyの「T-34/76 STZ Mod.1942」の進捗報告。

いつのまにやら工作もほとんど最終コーナー、あちこちやり残してあったところを一つ一つ埋めている感じ。

●牽引フックと、その外れ止めのツメの工作。

後期の一般的な牽引フックの場合、外れ止めのツメはフックとは別に車体側に基部のベロを介して取り付けられているが、スターリン・グラード・トラクター工場製によく見られる、牽引フックの台座がV字型になっているタイプは、ちょっと様子が違う。

STZの1941年型では、簡略化された固定式のツメの例があり、CONCORDの「SOVIET TANKS IN COMBAT 1941-1945」18ページ上写真で確認できる。キットにもこの固定ツメがエッチングパーツで含まれているが、エラの削れた溶接砲塔を搭載した後期生産型では、この仕様は見られないようだ。一時的に用いられた仕様か、あるいは破損したツメの代わりに現地改修で取り付けられたものかも。

より一般的なSTZのツメ形状についてハラT青木伸也氏に訊ねたところ、お馴染みLEGION AFVの写真のなかから2例を紹介してもらった。多謝。

(1).ロシア、カルーガ州メディンでモニュメントとして展示されている1941年型。ハリコフ工場の1941年型としては比較的後期のものか、あるいはスターリン・グラード・トラクター工場製の最初期でまだ緩衝ゴム内蔵転輪等が導入される前のもの。LEGION AFVのキャプションでは、後者の説を採っている。

(2).モスクワ、ポクロンナヤ・ガラのクラスナエ・ソルモヴォ工場製1941年戦時簡易型。STZ製の牽引フックとは若干形状が違うが、ツメは似た装着法。

また、青木氏から「Wydawnictwo MilitariaのSTZ製T-34だけの巻に該当部分のアップの写真が出ていたかも」という話を聞いていたのだが、たまたま某所でその巻(Wydawnictwo Militaria、#265、T-34 Vol.II)を見ることができた。残念ながらアップ写真は載っていなかったが、フック部分の図解があって参考になった。

というわけで、一応の考証結果。

F1015943ツメは平たくつぶれた三角形のような形状で、中心近くに軸穴がある(軸穴左右は円筒形に出っ張り)。軸は台座のV字開口部先端に溶接されている。なんだか頼りない構造で、実際、当時の写真でもツメが取れてしまっている例が結構あるようだ。

実際にどうツメを作るか数度の試行錯誤の後、本体は0.5mmプラバンで工作。軸は0.4mmドリルで穴を開け、伸ばしランナーを通す。軸付け根の円筒形は、コントレールの細いプラ棒に、やはり0.4mmで穴を開けてドーナツ状にスライスしたもの。小さすぎてワジワジする。

●前後して、フェンダーの工作。

前部フェンダーは右側だけ装着、左は外れた状態にするのは割と初めの頃から決めていたことで。実際に右側フェンダーも接着済みだが、内側の固定ベロを工作。右側ベロはプラペーパー。リベットは未使用のフェンダーパーツから。左側はフェンダー無しでベロだけになるので、強度を考えてアルミ板(空き缶の切れ端)で。

実際には内側だけでなく上端にもフェンダー取付金具があるのだが、右フェンダーのリベット位置と対称形にしづらい(ドラゴンのパーツのリベット位置にズレがある?)等々の問題があり、金具ごと取れてしまった設定にした。

後部フェンダーは両側とも、未使用のSTZ1942の車体上部から切り取って来て、若干形状を手直しして接着。フェンダー上に装備されるジャッキブロック?も取り付けた。

内側金具は0.3mmプラバンと伸ばしランナーのリベット。

前述の牽引フックと合わせ、工作結果は以下。

F1015940 F1015939 F1015934 F1015931

なお、このタイプの牽引フックの台座は、リベットで止めた上に、さらに溶接されている。

また、ツメの根元にはツメを閉位置に保持するためのスプリングがあるはずだが、細かすぎて上手く作れる自信がないので、今のところスルー。気が向いたら追加するかもしれない。

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スターリングラード・トラクター工場(18)

週末模型親父さんのところのAFV模型のネットコンペ、「SUMICON 2016」の参加作、cyber-hobbyの「T-34/76 STZ Mod.1942」の進捗報告。

製作記の6回目である程度の目途を付けて、そのままになっていた砲塔の工作を終了(ただし機銃は破損しそうなので最後に付ける予定)。1ブロックだけとはいえ「工作終了」と言うことができるまで進んだのは、ちょっと嬉しい。

●砲塔ハッチの選択と取付。

豪勢なのか無駄なのかよく判らないが、STZ1942のキットに砲塔ハッチは5枚も入っている(初期型砲塔用に2枚、後期型砲塔用に2枚、不要部品の1940年型用が1枚)。初期型砲塔用、後期型砲塔用の2枚ずつは、それぞれ、ハッチのふくらみが幅広のものと、中央に帯状に細くなったものという組み合わせ。

実車の後期型砲塔(エラ削ぎ砲塔)では、ふくらみの幅広ハッチ、幅狭ハッチの両方確認できるが、

  • どちらかといえば(少なくとも私が写真を確認した範囲では)ふくらみ幅広ハッチのほうが使用例が多い。
  • キットに付属のふくらみ幅狭ハッチの形状がいまいちよくない。
  • 追っかけ進行のクラスナエ・ソルモヴォ工場製車輌でふくらみ幅狭タイプを使うので差別化を図りたい。

という3つの理由から、ふくらみ幅広ハッチを選択することにした。

F1015841 さて、そこでキットのパーツを切り離して合わせてみたりしていたのだが、キット付属のふくらみ幅広ハッチ2種と、さらにもう1枚、クラスナエ・ソルモヴォ工場製車輌のキットから持ってきた同型のハッチ、どれがどれだか判らなくなってしまった。

本来なら3枚とも同形状なのではと思うのだが、パーツは微妙に形状やディテールのレイアウトが違う。たぶん、上の2枚がSTZ1942のキットに入っていたもの、一番下がクラスナエ・ソルモヴォのキットのものではと思う。

実車写真と比較検討すると、上2枚は、どうも鍵穴(というか取っ手穴)の位置が端に寄り過ぎている。その点、一番下のものは割といいのだが、これは砲塔とアウトラインがうまく合わない。そこで、上から2番目(たぶんSTZ1942のキットの、初期型砲塔用のもの)のハッチから鍵穴モールドを削り取り、使わないハッチからモールドを(位置をずらして)移植した。上2枚のうちこちらを選んだのは、前縁右寄りのロック用ツメ基部が、こちらのほうが薄くモールドされていたため。

●砲手用ペリスコープ。

F1015926 F1015916 上部のカバーはプラパーツとエッチングパーツの選択式。だが、エッチングパーツは単純な円錐台形にしかならず、エッジの丸み、裾部の帯状の段が表現されていない。

簡単な解決法はプラパーツを使ってカバーを閉じてしまうことなのだが、砲塔ハッチを閉めている以上、ペリスコープは開けていないと「生きている感」が出ない気がする。

そんなわけで、プラパーツの内側を、それなりに薄く見えるようにぐりぐり削り、ヒンジを伸ばしランナーで作り替え、留金ディテールを何となくそれらしく追加して取り付けた。ペリスコープは頂部にボルト表現、前面には長円形の穴を開けた。塗装後に透明樹脂を流し入れようかと思う。

F1015917 ●砲塔ハッチ前のロック用ツメ受け後面に、ゴムダンパー。プラバンの切れ端と伸ばしランナーで表現。

前述の砲塔ハッチの鍵穴位置の修正・ハッチ取付とと合わせ、工作終了した砲塔上面レイアウトが右写真。

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「ずしのむし」

●以前よりその手の話も写真も頻繁にUPしているが、散歩の合間にガラケーでせっせと生き物の写真を撮っている。

F1015915 それなりにずっと撮っていると、あまり見かけないちょっと珍しい虫の写真が撮れたり、ガラケーのレベルにしてはなかなかいい写真も撮れたりする。

そんな写真をもとに、「ずしのむし」として、1種につき写真1枚、簡単な解説付き1ページでまとめ始めてみた。今はまだせいぜい40~50種ほど。右は試しに普通紙にプリントアウトしてみたものだが、最終的には、写真用の紙に印刷してクリアファイルに入れるとか、PDF化してどこかにアップするとか、ボンヤリ考慮中。また、内容に関しても、図鑑などを参考に最低限のデータ(体長や成虫活動時期など)はいれたほうがいいかな、などと思っている。

もっとも、昨年のハードディスクのクラッシュのせいで、昨年春以前に撮った写真のデータがごっそりなくなったために、「あると思っていたいい写真」が見当たらなかったり。

もちろん、始めてはみたものの面倒になって放置という可能性もあるので、「まとまった形」になるのはいつになるやら不明。

●25日月曜日。仕事で武蔵小金井に行くのに、行き帰り都心を通ったが、行き交う人がやたらにスマホで、つい先日リリースされたばかりの「ポケモンGO」をやっていて、その爆発的流行の程を思い知る。

いやもうなんといっても近所の奥さんとか義妹とかまでやっているし。

もっともGISと関わるようになって、ずっと以前からリアルの位置情報をうまく利用したゲームが出来たら面白いに違いないと思っていたので、イングレスやポケモンGOのヒットは、「だよなあ」という印象。いや、私自身はいまだにガラケーユーザーなので蚊帳の外なわけですが。

F1015927 ●武蔵小金井で行った先はNICT(情報通信研究機構)だが、そのNICTの玄関先でアカボシゴマダラを目撃。

一方、今年の逗子では、我が家周辺の榎に一時幼虫がいたのだが天敵に食われてしまったらしく行方不明。成虫もあまり見ない。数年前までは猛烈に定着・拡大中という感じだったのだが、ちょっとブレーキがかかってきたか? アシナガバチあたりに、「チョロイえさ」と認識されるようになったか?

●逗子銀座商店街からちょっと離れたあたりに「亀井児童公園」という小さな公園がある。

遊具なども置いてあって、パッと見、どうということのない児童公園なのだが、一角にそれなりの大きさのお地蔵さん(新しいもの)が立っていて、もともと田越川端は中世の処刑場だったり遺体遺棄の場所だったりして、まさにこの公園の場所は「大墓」と呼ばれ共同墓地であった等々の解説の札が立っている。こわ。

またその隣には、「逗子独立運動発祥の地」という石碑も立っている。これは、戦時中に軍部の意向で横須賀市と無理矢理合併させられた逗子町(当時)が戦後に再分離を果たした経緯にまつわるもの。もっとも何も知らない人が見たら、「地方自治体が『独立』って、なんだそりゃ?」と思うのは必定。

いろいろとシュールな場所である。

F1015889 そんな亀井児童公園の入り口に、先日たこ焼き屋がオープンした。人通りの多い商店街からは離れているし、通りからも奥まっているし、商売としてやっていけるんだろうか?と、他人事ながらちょっと心配になる。

すでに2回食べていて、写真は先週、用事で市役所に行った帰りに買って、海辺で食べた時のもの(ちなみにこの日は天気が悪かったので、海の家もほとんど休業、砂浜は閑散としていた)。

……おかかが多くてたこ焼きだかなんだか判りませんな。うーん。まあ、それなりに美味しいかな? もっとも、昨日25日、渋谷で「くくる」のたこ焼きを食べたが、今のところ「くくる」には勝てていない気がする。

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スターリングラード・トラクター工場(17)

週末模型親父さんのところのAFV模型のネットコンペ、「SUMICON 2016」の参加作、cyber-hobbyの「T-34/76 STZ Mod.1942」の製作記。

今回は小ネタ。

●グローサーに関するあれこれ。

これまでにも何度か触れているように、T-34はフェンダー上に数カ所のグローサー(防滑具)搭載箇所がある。一般に、ピロシキ砲塔型(1940年型~1941年戦時簡易型)の場合は、右フェンダーに3カ所、左フェンダーに2カ所ある。

F1015866 STZ1942のキットには、単純に鋼板を折り曲げて作ったような形状のグローサーのパーツが12枚分付属している。

形状としては右写真と同じものだが、右写真は、クラスナエ・ソルモヴォ製初期型キットに付属していた、マジックトラックではない初期型550mm履帯のパーツ枝にセットされているもの。STZ1942にセットされているのはグローサーだけが別になった新規パーツ枝で、表面に押し出しピン跡がないなど、ちょっと出来が向上している(クラスナエ・ソルモヴォ初期型のキットにも、その新規パーツの方も入っている)。

ただし、このグローサーは基本的に初期型550mm履帯に使われているもので、後期型550mm履帯を履いているSTZ1942では、これを載せている例は見たことがない。

8月3日追記。ただし、後期550mm履帯の初期タイプに合わせて、片側のみ内側にもう一つ穴を追加した、このタイプのグローサーの写真が、Wydawnictwo MilitariaのT-34 vol.IIIに出ている。つまり、上に「これを載せている例は見たことがない」と書いたが、載せている可能性はあることになる)

F1015863 一方、後に登場する後期型500mm履帯には、右写真のようなグローサーが使われている。このパーツは、ドラゴンのT-34-85やSUのキットに付属しているもの。

パーツの出来はいささかもっさりしているが、初期550mm履帯用に比べて履板に接する部分が広く、裏にはワッフルパターンに噛みあってガタツキをなくす突起がある。防滑用のツメは数が一本少ないが、補強用のリブがある。

●さて、後期550mm履帯は後期500mm履帯のご先祖様だけあって、グローサーも、後期500mmと似たタイプのものが使われている。

後期500mm用と比較してまず目につく特徴は、履帯への固定用ボルト穴が2連のダルマ穴になっていること。これは、後期550mm履帯のグローサー固定用ボルト穴が、当初は内側寄りにあったのが外側に移された処置に伴うもの。したがって、グローサーも生産当初は内側寄りの穴だけだった可能性がある。

そんなわけで、最初は500mm用のキットパーツに追加で穴を開けりゃいいかあ、などと思っていたのだが、よくよく見ると、どうも後期550mm用は、ツメ内側の補強リブもないようだ。パーツの厚やツメの形状もちょっと気になるし――ということで、上記の2種のパーツを組み合わせて作ることにした。

F1015914 (1).後期500mm用はツメを切り落とし、(裏の突起を活かして)表側からヤスって若干薄くする。

(2).元の固定用ボルト穴に接するように、内側に新たにボルト穴を開ける。

(3).初期550mm用はツメの部分だけ切り離し、ツメの数を1つ減らす。こちらも若干薄くする。ツメの両端は垂直。

(4).両方を合体させ、継ぎ目を消す。

もちろん、実車では「グローサーなんて全部どっかに行っちゃったぜヒャッホー」みたいな状態のものも多いので、こんなものは潔く省略してしまうのも手なのだが、「このタイプならではの装備品」と思うと、やはりちょっと載せたくなる。

F1015912 F1015861 もっとも載せるとなると1,2枚というわけにはいかず、それなりの数は必要となる。「うひー、面倒」(←自業自得)などと思いつつ、結局10枚工作した。一番面倒だったのがボルト穴で、それなりにアタリを付けて開けているはずなのにズレまくり。

10枚のうち、それなりに納得できる状態に仕上がったのは4枚だけだった(右写真の左側)。もっとも、最終的には載せた時に一番上に来るものだけマトモであればよいので、これでOK。

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スターリングラード・トラクター工場(16)

週末模型親父さんのところのAFV模型のネットコンペ、「SUMICON 2016」の参加作、cyber-hobbyの「T-34/76 STZ Mod.1942」の製作記。

なんだかあれこれ修正作業の連続で、これはいったい、戦車の形になるのはいつのことやら、などとボンヤリ思っていたのだが、車体上下をくっつけてみると、あとの工作は装備品やら、若干の細部ディテールくらいになっていた。……あれれ?

なお、なんだか行き当たりばったりにフリーダムな製作記をUPしているが、こんな記事でも「参考にしています」とメールを頂いた。その方も現在進行形でSTZ1942の製作をツイッターにUPしていて、なんだか長距離走で並走して頂いている感じ。いや、抜かされそうですが。

F1015851 F1015854 ●メッシュグリル付きカバーの留め具。

初期型T-34の特徴である、ドイツ軍の工具用クランプと同様の構造の留め具。キットはプラパーツ(B9)とエッチングパーツ(MA23+MA24)の選択式。

プラパーツは厚みもあるし形状もイマイチに思えたので、最初はエッチングパーツを使うつもりでいたのだが、現存車輌のなかでオリジナルの形態を残していると思われるもの(例えばこれこれ)と比較するとまるっきり形が違うのでボツにした。

F1015821 F1015818 どうやって作ろうかちょっと悩んだが、結局、プラ材を貼り合わせて右側写真のような形状に作り、これを切り刻んで削った(ざっくりした説明だなあ)。ループは細いエナメル線。上のフックは、使用しない増加燃料タンクの留め金用パーツ(上写真のパーツ番号MA12)を、上下を最初の筋彫り部分で切り詰めて使った。

作り終えてから改めて実車写真と見比べてみたのだが、どうもややオーバースケールだったような。また、最初に「似てないな」と思ったプラパーツが、拡大写真を撮ってみると、それなりに実物に似せようという努力が若干は感じる出来だと思い直した。面倒なので、次に作るクラスナエ・ソルモヴォではキットのプラパーツにしてしまうかも。

●車体上下接合に関する残り作業。

F1015827 F1015823 エンジンルーム後面パネルの新造に伴ってなくなっていた、パネル下端のヒンジを工作。不要部品のパネルから削ぎ取って来て使うことも考えたが、軸部分の噛み合わせが表現されていないなど、若干の不満もあったので、プラバンとプラ棒で自作した(中央の点検ハッチのヒンジは噛み合わせになっているのに)。

F1015829 ●左フェンダーの工具箱2つを工作。

前々回も触れたように、この2つの工具箱のヒンジと留め具はエッチングパーツが用意されているのだが、どうも交換する意味がなさそうなのでプラパーツのモールドのママとした。なお、キットの説明書では、後ろ側の中工具箱はモールドが3つあるほうを内側、前側の大工具箱はモールドが2つのほうを内側にするよう図示されているのだが、実際には両方とも3つのほう(ヒンジ)が内側になるのが普通のようだ(例外もある)。

ヒンジと留め具はモールドのママとしたが、フェンダーへの取り付け部分は若干いじった。

F1015836 前側の大工具箱に関しては、取り付け部分はブロック状のモールドになっているが、実際にはフェンダー側に前後2本ずつのパイプ状取付架があり、ここに取っ手を引っ掛けたベロをボルト止めする構造。

工具箱前後面のパーツ下を削り込み、プラ棒で取付架、伸ばしランナー輪切りでボルトを
表現。実物はもうちょっと繊細な感じなのだが、「適当にそれらしく見えればいいや」くらいの感じで作業していたらこんなふうになった。アバウトだなあ。

後ろ側の中工具箱の取り付け部は、大工具箱とまた違った形状をしている。

F1015831 キットはフェンダー上に取付架のモールドがあるのだが、それとは別にエッチングパーツ(MA27)も用意されている。モールドのほうにもボルト頭表現があるのだが、別にそれを削るようにも指示されていない。さらに言うと、エッチングパーツはちょっとオーバースケールな感じ。

キットのフェンダー側のモールドのママでも十分なような気もしたのだが、(1).キットのモールドに合わせると、工具箱が若干フェンダー端に寄ってしまい、コの字金具が工具箱にべったり付いた感じになってしまうこと、(2).フェンダー側取付架それ自体はパイプ状(円筒形)らしいこと、(3).まあ、せっかくのエッチングパーツだから使っておくかあ――という3点の理由で作り替えた。その際、エッチングのベロは若干切り詰めた。

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スターリングラード・トラクター工場(番外)

●ネットをふらふらしていて偶然行き当たったニュース。

近年、旧ソ連の戦場跡の湿地だの沼地だの川だのから大戦中の戦車その他が完全に近い形で発掘される例が多いが、これもまたそのうちの一つ。

どうも最近、こんなT-34が出てきたらしい。

550mmワッフルに、緩衝ゴム内蔵転輪、鋳造砲塔搭載型ではあるが、バリカディ・タイプの尖った駐退機カバー、組接ぎになったエンジンルーム後面板……。ボルゴグラードで展示されているらしいこの車輌よりも、「まさにSTZ1942!」と言える仕様のようだ。

同一車輌の別動画。こちらのほうが長い。

こちらのキャプションから、ボロネジ地方、ドン川の底から見つかったものであることが判る。

うはーっ。早くどこかに展示されてwalkaround写真とか出ないかな!(今回の製作には間に合わないだろうけれど……)

(7月30日追記)

一番最初に貼った動画が削除されてしまったので、追加でいくつか。

●AFVクラブのT-34のパーツ写真を見ていて(今頃)知ったのだが、同社のT-34キットには、誘導輪、起動輪が3つずつ入っている。含まれている誘導輪・起動輪パーツは、1942年型以降用の後期型と、1940~1941年型用の初期型、スターリングラード・トラクター工場仕様向けのもの。

現時点で実現可能性がどれだけあるのか判らないが、AFVクラブにSTD製T-34を出すつもりが多少なりともあったとは知らなかった!

ネット上では枝丸ごとの写真しか見つからなかったので、細部ディテールはいまいち不明。とりあえず出来が知りたい! 誘導輪がバッチリの出来だったりしたらどうしよう(って、たぶんどうもしないと思いますが)。

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スターリングラード・トラクター工場(15)

週末模型親父さんのところのAFV模型のネットコンペ、「SUMICON 2016」の参加作、cyber-hobbyの「T-34/76 STZ Mod.1942」の製作記。今回は比較的小ネタ。

F1015775 F1015779 ●ようやく車体上下を合体。

車体前端部や、車体前面と下部側面板の組接ぎ表現、溶接痕工作などを行う。

また、右側のみ前部フェンダーを取り付けた(不要パーツから調達)。それなりに厚みのあるパーツであることを逆手にとって、削ってダメージ表現を付加した。側部フェンダーはキットのように綺麗に一直線のまま、というのはまず有り得ないので、無理にねじって若干の波打ち表現を加えた。

F1015781 F1015782 ●車体上下の接着に先立って、側部ラジエーターグリル奥のツツヌケ防止工作。どのみちグリルを付けると見えなくなるので奥のフラップなどは工作しなかったが、念のため燃料注入口?フタだけは付けた。

おそらく、後ろから2番目が常用する燃料注入口で、カバー上の小パネルと位置が重なるはずだと思うのだが、工作が適当なのでずれてしまった。まあいいよね。見えないし。

先日工作したメッシュグリル下ともども、タミヤアクリルのオリーブドラブで塗ってから取り付け。グリルを付けてみたら、案の定まったく中は見えなかった。

●さて、操縦手ハッチもそろそろ付けておくか、と思ったら、ここでトラップ発動。

ペリスコープ用の穴が小さくて、ペリスコープの透明パーツが入らない。開口部をちょっと大きくしてペリスコープをはめ込んだら、今度はペリスコープカバーが干渉して閉まらない(どうせ開けるからいい、と誤魔化すこともできなくはないが)。

改めてディテールをチェックすると(もっと前にしておけって感じ)、ペリスコープ取り付け部が前(下)過ぎること、ペリスコープカバーがやや小さいことが原因のようだ。

F1014991 F1014989 F1015770 F1015767 F1015785 F1015784

 

以前の製作記事と重なるが、

(1).キットの元パーツ。
(2).表面を接着剤で荒らしてテクスチャー付加。ここまでが今回の工作の前段階。

(3).ペリスコープ取り付け位置を上方に移動。実際はもっと上の立ち上がり部にめり込んでいる感じかも。
(4).形状修正をしたペリスコープカバーを合わせてみたところ。やや大きめに、形状もやや丸みを持たせて、あまり整い過ぎないような感じに。
(5).ペリスコープカバーを開いて取り付け。カバーにも鋳造表現付加。
(6).下から覗いたところ。左右端にカバー作動用のロッド。ペリスコープ本体はまだ取り付けていない。

わざわざ形状修正したが、カバーは逆に、やや大きすぎたかも。むしろ、カバーがはまる窪みを、上方にやや狭めたほうがよかったかもしれない。

もちろん、最初からペリスコープ本体を付けようと思ったりせず、カバーを閉じて接着してしまい知らんぷりをする、という方法もある。

F1015773b ●ドライバーズハッチといえば、以前、「ハラT」青木氏にこんなパーツを貰っている。もともとカバーがはまる窪みも、ペリスコープもなかったドラゴンT-34-85用の代替パーツで、青木氏特製のもの。なお、こちらのパーツではペリスコープ位置は上記の修整よりもっと奥まっている。

今回はせっかく透明部品でペリスコープが付いているのでそれを使おうと思ったこと(私の場合、結局後から面倒くさくなって塗り潰しかねないが)、キットのパーツにせっかく鋳造表現を施したので無駄にしたくなかったことの2点からずるずると追加工作したが、最初から判っていれば、こちらのパーツを使ったかも。

ただし、パーツ表面はなめらかで整っているので、今回の工作に使用する場合には、溶きパテを塗りたくるなどして鋳造表現を付加する必要がある。なお、このハッチには時期や工場によって作りに差があり、STZ1942の場合は荒々しい表面のものが多いというだけで、実物でもそれなりにシュッとした出来のものはあるので、このパーツがディテール不足というわけではない。

●この「ドライバーズハッチのパーツにペリスコープがうまくフィットしない」問題は、STZ1942キットのみの問題ではなく、おそらく、ドラゴンの新型ハッチのT-34-76シリーズ共通のもの。

青木氏によるアーマー・モデリング誌上の不定期連載「ハラショー! T-34」でも、ナット砲塔型の記事内で指摘済みである可能性があるが(どうですかね?>青木氏)、そもそも当該号を持っているか不明、持っていたとしても所在が判らないので確認できず。先達の知恵を活かせないヤツ!

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スターリングラード・トラクター工場(14)

●ドラゴンの、ばかやろーーーーーーっ!(とりあえず)

週末模型親父さんのところのAFV模型のネットコンペ、「SUMICON 2016」の参加作、cyber-hobbyの「T-34/76 STZ Mod.1942」の(行き当たりばったりな)製作記。

今回はエンジンルーム後部の工作。

●エンジンルーム後部のフラップ付き開口部(冷却気排出口?)は、もともと、車体上部のプラパーツでも開口部の周りにボルト頭などのモールドがある(STZ1942のキットでも、今回私が流用した標準型のキットでも)。にもかかわらず、それらのモールドを削り取って、エッチングパーツの土台を貼り付けろという謎な構成になっている。

エッチングパーツはボルト部分も単にマルをけがいてあるだけの平板な表現なので、特に張り替える意味は感じられないのだが、一方でフラップのエッチングパーツはこれに合わせて作ってあり、プラパーツの開口部よりわずかに寸足らず。仕方ないのでキット指定通りモールドを削って土台を貼った。

F1015764 しかし、キットのフラップのパーツは後縁に揺れ止め?の小さなベロが付いているのだが、これがどうも実車写真で確認できない。結局、一度貼ったエッチングパーツを丸ごと引き剥がして、フラップはプラバンで作り直した。削ってしまったボルト列は、メッシュを通してもかろうじて見えそうな前列だけ再生。両側の燃料注入口キャップ?は、どうせメッシュを通すとほとんど見えなくなるが、念のため。

最初からプラバンでフラップを作ってしまえば済んだものを、ずいぶん余計な回り道をしてしまった。

それにしても、なんでこんなにもトラップだらけなのか、キット設計者はちょっと説明して欲しい(製作を進める前にちゃんとリサーチを済ませておけよって話ですが)。

なお、後から見直したら、エッチングパーツの前縁のボルト(に見せかける努力すらあまり感じられない筋彫り)数は4つだった。プラパーツのほうのモールドは、ハリコフ仕様の車体も、STZ1942のものも7つ。どちらが正しいのか判らないが、STZ製だとボルトを省略して1つ置きにしている可能性もありそうな気がする。

●メッシュ付きカバーの工作。

キットにはメッシュ部分もプラパーツのモールドで表現された一体のもの(G17)と、エッチングパーツを使うのが前提の、メッシュ部分がくり抜かれたもの(G25)の2つのパーツが付属していて選択式。

ただし、どちらも標準型(ハリコフ工場製)1940~1941年型キットのパーツの流用品で、そのままSTZ1942に使うには問題がある。

  • カバー周囲の裾部にリベットのモールドがあるが、STZ1942の場合は、このリベット列はない。ちなみに、このリベットはカバー裏側の補強材を止めているもののようだ(ArmagedonのT-34本1巻目、P47にカバー裏側の写真がある)。おそらく、ある時点で鋲接から溶接に変わったか、補強材そのものが廃されたのではと思う。
  • エッチングを使用するための開口部があるパーツ(G25)は、(キットではメッシュの枠部分もエッチングが用意されているにもかかわらず)表面に枠のモールドがあり、そのままでは使用できない。なお、ハリコフ製1941年型キットでは枠のエッチングパーツはなく、メッシュはカバー裏側に貼るよう指示されている。ただしその場合、プラパーツの厚み分、メッシュが奥まってしまい、だいぶみっともない外観になる。
  • パーツの開口部よりもエッチングのメッシュおよび枠のほうが大きくはみ出してしまう。

F1015754 というわけで、上記問題への対処を含め、以下のような工作を行った。

  • パーツの枠とリベットのモールドは全部削り落とす。
  • STZ製すべての特徴ではないものの、後縁中央の尾灯用の「∩」形の切り欠きがない仕様があるので、埋めて整形した。
  • STZ1942の場合、メッシュの枠は「リベット止めで角が丸い」と、「溶接で角がある」の2種が確認できる。キットのエッチングパーツは前者を再現しているが、上記のように開口部よりメッシュが大きいことを活かして、四周をちょっと切り詰めて溶接枠に変更した。
  • メッシュ枠の枠周囲に溶接痕を追加。薄い鉄板の溶接なので表現は極力控えめ。
  • 実車ではヤワな金網が張ってあるだけなので綺麗な形状を保っていることはまずないため、適当に金網に凹凸表現を入れた。

メッシュ枠は外側がプラバン、中の縦4本が薄いほうのプラペーパー。ちょっと枠が太かったような気がするが、いや、ほら、白いから今は目立ってるだけだよ……と自分に言い聞かせてそのまま。

また、エッチングのメッシュは格子の網というよりはなんとなくハニカムっぽい見た目で、交換しようか迷ったのだが、結局そのまま使った。実車でも、単純に縦横に編んでいるのではなく、交差部を絡めるように編んでいるものが確認できる(言葉だけではよく判りませんな)。

なお、メッシュを通してその下までうまく塗装できると思えないので、現時点では、カバーはただ載せてあるだけ。

●エッチングパーツの検証。

車体側面の増加燃料タンク支持架を取り付けないと決めた時点で、キット付属の大判のエッチングパーツをだいぶ余らせることになるとは判っていたが、今回のフラップ部の例で考えても、その他にもどうも意図不明というか、「要らねんじゃね?」というパーツが多そうなのでちょっとチェックする。

MA1~4:エンジンルーム後半関係のうち、上記の工作に関係した部分。結局、メッシュ(MA2)だけ使用。

MA5:燃料タンク関係。今回使用せず。

MA6:ワイヤーロープ固定用ベルト。う~ん……使わないかな。なお、T-34のワイヤーロープのアタマ部分は各工場製で使われているタイプに差があり、STZの場合キットのパーツでいいのかどうか未検証。

MA7:砲塔側面のペリスコープの庇に貼るよう指示されているもの。ただし、このエッチングパーツのような4つのボルト(リベット?)頭の付いたものは、実際のSTZタイプの砲塔では、初期のエラ削ぎ落としのない砲塔では確認できるものの(ボルゴグラードの現存車輌、ただし右側だけ)、エラ削ぎ落としタイプのの砲塔では確認できない。少なくとも後者の場合は何も貼らずプラパーツのママのほうがよいように思う。使う場合もそのまま貼ると庇部分が二重になってしまうので、一旦プラパーツの庇のモールドを削り取って付けるか、あるいはプラパーツ表面にリベットを付けたほうがよい。

MA8:燃料タンク関係。今回使用せず。

MA9、MA25:尾灯関係。今回使用せず。

MA10~11:砲塔ハッチロック機構。プラパーツよりずっと実物形状から遠く、使う意味無し。

MA12:燃料タンク関係。今回使用せず。

MA13:グローサー取り付けベルト。使うかどうか未定。

MA14~15、MA29:ジャッキホルダー。ジャッキにきちんと合うか未検証。合えば使うかな?

MA16:燃料タンク関係。今回使用せず。

MA17:前部トウフック外れ止め。STZ1942には使われていない仕様なので使用せず。

MA18:燃料タンク関係。今回使用せず。

MA19:工具箱のヒンジ。キットのモールドを削って代替するよう指示されているが、果たしてこんな形式のヒンジが使われていたのか? 少なくとも私は写真で確認したことがなく、おそらく使用しない。

MA20~21:前部フェンダー留め具。使うかも。

MA22:工具箱のフタ留め具。下側しかない。実物の形状もいまいちよく判らないので使わないと思う。余談だが、大・中の工具箱は、1940年型ではフタが外側に開くように、41年型以降は内側に開くように取り付けている気配あり。数枚の写真をもとに言っているので、「たまたま」の可能性も。要検証。

MA23~24:エンジンルーム後部、メッシュ付きカバーの留め具。プラパーツB9と選択式だが、B9は厚みがあり過ぎる感じなので、こちらを使うかも。(追記:検証の結果、エッチングの留め具は形状が実物と全然似ていないことが判明。不使用。)

MA26:前照灯取付架。使う予定。(追記。エッチングパーツはZ字型に曲げて使用するよう指示されているが、車体側は曲げず、前面に穴を開けて差し込んで接着した。実物は単純にベロ無しで溶接している模様。)

MA27:中工具箱の取り付けベロとボルト。たぶん使う。もっとも使うのは4つのはずだが、なぜか20個も入っている。(オーバースケール。私は若干切り詰め、フェンダー側の取り付け基部もプラ丸棒で作り直したが、無理に工作せずとも、キットのフェンダー側モールドのままでも十分かもしれない。)

MA28:砲手用ペリスコープカバー。プラパーツとの選択式。閉めるならプラパーツだが、開けるならこちらか。ただしヒンジ部は貧弱。

MA30~31:グローサー取付用コの字金具。平板なため印象はあまりよくない。片方はプラパーツ使用、片方は真鍮線で代替済。使用せず。

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激辛!

●参院選投票日。昼前、国民の義務を果たしに出かける。今回からの「18歳以上選挙権」って、絶対保守票上積みを狙ってるよなあ、と思う。

F1015744 ●数日前の昼食、かみさんが「特売で安かったから」と、タイ風インスタント麺を出してきた。今まで食べたことのないメーカーのものだが、これがものすごく辛い! 袋の「激辛」の文字はむしろおとなしく隅っこに書かれていて見落としそうだが、本当に辛い。「卵で食べる~」と書いてあって卵を落とすのを推奨しているが、確かにこれは卵を入れて多少なりともマイルドに調整しないとツライかも。かみさんは「最近食べた辛い料理の中で一番辛い」と言って悶絶していた。

ただし、「何にでも唐辛子をぶち込む激辛マニア向け」的な辛さではなく、きちんと味があって美味い。我が家では、さらにフリーズドライのパクチーをたっぷりふりかけて食べた。

調べてみると、ヤマモリというのは三重県のメーカーで、醤油やそばつゆなどを出しているほか、タイに進出している縁もあってタイカレーやこのインスタント麺のシリーズを展開している由。インスタント麺にはこのトムヤムエビ味のほか、トムヤムポーク味、グリーンカレー味があるそうだ。ぬう。全種食ってみたい。

Image1b ●娘がネイルアートのデコレーション用にミニチュア絵画を作成。画像データを縮小印刷して貼り込んだのではなく、すべて手書き。

ぐはっ……細密塗装技術で完全に負けている……。

ちなみに額縁の製作(工作)だけ手伝わされた。ボッチチェッリとフェルメールの額(上2つ)がそうで、エバーグリーン、プラストラクト、タミヤのプラ材を切って四角く貼っただけ。

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スターリングラード・トラクター工場(13)

週末模型親父さんのところのAFV模型のネットコンペ、「SUMICON 2016」の参加作、cyber-hobbyの「T-34/76 STZ Mod.1942」の製作進捗報告。

といっても、今回はほぼ前回の補足。

●誘導輪の追加修正。

F1015738 前回、誘導輪のリブ形状についてあれこれ書いた後、「ハブキャップの工作を終えた後で気付いたので、これは直さなかった」と書いたのだが、どうしても気になって、結局手を加えた。

ハブキャップを付けてしまう前だったら、おそらく、リブを全部1から作り直したのではないかと(そしてその方が楽だったのではないかと)思うのだが、長いほうのリブはキットのモールドの上に継ぎ足す形にした。

●予備履帯の作成。

F1015741 フェンダーの上に載せる予備履帯は、さすがにそのままというわけにはいかない気がしたので、連結部に穴開け工作。最初に0.4mmドリルで噛み合わせの一番端にだけ穴を開け、その後で0.5mmで全部を貫通させた。

センターガイドのあるほうのリンクには連結ピンを0.5mm真鍮線で作って通した。

実は工作精度が悪くて穴が真っ直ぐ開いていないので、よく見ると連結ピンもちょっと歪んでいる。

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スターリングラード・トラクター工場(12)

週末模型親父さんのところのAFV模型のネットコンペ、「SUMICON 2016」の参加作、cyber-hobbyの「T-34/76 STZ Mod.1942」の製作記。

しばらくぶり、といっても、こんなに模型の製作記を連続投稿しているのは当ブログ開始以来初めてのことで、それを考えれば、前回からそれほど間は開いていない。

●誘導輪。

スターリングラード・トラクター工場製車輌が装着している誘導輪は、穴の形が独特で、小さな丸穴と大き目の涙滴状(もしくは卵形)の穴とが交互になっている。キットは新パーツで、この独特の誘導輪を表現している。

Idler ただし、穴の形はいいものの、間のリブ形状はあまりよくない。実際には、長いほうのリブは外側に向けて斜めに高くなっており、また、中心部はハブキャップの邪魔にならないよう、その少し外側で削り込まれている。短いほうのリブはキットよりもやや長く、形は単純な三角形。右の断面図は「だいたいこんな感じ」と描いてみたものなので、寸法的には正しくない。赤がキットのリブ形状。

ソ連戦車のことなので、形状にいくつかバリエーションがあることは考えられるが、少なくとも標準的には以上のような形状ではないかと思う。私はハブキャップの工作を終えた後で気付いたので、これは直さなかった。

F1015626 ハブキャップは5本ボルト型だが、標準型誘導輪に使われているものよりもフランジが狭く、ボルトで止める部分だけが外側に膨らんだ形状となっている。キットも専用のハブキャップのパーツを用意してあるのだが、フランジが狭いというだけで、ボルト部分は外周に細い線状のモールドがあるだけ。ボルト頭もあるのかないのかよく判らないという感じのもの。

そこで外周の線状のモールドは削り取り、プラ丸棒を半円断面に削って5カ所に接着。表裏面で平らに削った後、ボルト頭を他から持ってきて接着した。ボルト頭がやや大きめで土台が外側に出っ張っているのがよく見えない状態なのは減点要素。

●履帯。

スターリングラード・トラクター工場製のT-34は、1941年型の途中(?)から、標準のものとはまったく異なるパターンの新型550mm履帯を使用している。形状としては、後に最も一般的に使われるようになる新型500mm履帯にフランジを継ぎ足したような形状。というよりも、このタイプの履帯が後々の新型500mm履帯の原型になったと考えるべきかと思う。

▼昔から「スターリングラード・トラクター工場製車輌を作りたい」と考える場合、おそらく最もネックになっていたのがこの履帯だったのではと思うが、キットには表面パターンの彫刻もシャープなマジックトラックのパーツが付属している。

F1015712 F1015731 ただし、センターガイドのあるリンク、ないリンクともに、裏面には(薄くはあるが)押し出しピン跡が2カ所ある。センターガイドのないほうのリンクはまっ平らなのでそのままヤスればOKだが、センターガイドのあるほうはちょっと厄介。単純にセンターガイドが邪魔というだけではなく、四隅に小さな突起状のモールドがあるため。

T-34の合理性(というか、部品節約法)の一例として有名な履帯連結ピンの打ち戻し機構は500mm履帯と合わせて登場したもので、新旧の550mm履帯は、頭のない連結ピンを打ち込んだ後、履板の両端に抜け止めピンを挿すようになっていて、突起のモールドは抜け止めピンを表している。

というわけで、これを削ってしまうわけにはいかないので(いったん削って再生という手もないではないが面倒くさい)、ペーパーの隅で押し出しピン周辺だけをちまちまと削る。平滑性を重視するなら一度ピン跡に溶きパテなど塗るべきだろうが、実物でもここはすり減る部分なのだし、そもそも面倒なので(←こちらが主)そのまま削った。右写真が(わかりにくいが)処理後のもの。なお、左写真でセンターガイド中央にある小穴はマジトラ成型時の射出口の跡(たぶん)。なお、(面倒だしほとんど見えないので)足回りに巻く下側に必要な分しかピン跡の処理は行わなかった。横着するところはしないと完成しないし。

F1015725 ▼とりあえず連結の最小単位となる2リンクを繋いでみたところ。BT~T-34の場合、履帯を伸ばすにも縮めるにもこの2枚1組なので、連結履帯を使って組み立てる場合、長さの調節が割と難しい。

T550この写真では判りにくいが、T-34の履帯はほとんどのタイプで一応前後方向の別がある。このタイプの場合は、(両リンク共に)連結部に隣接したリブが高くなっている部分の横幅に差がある。

左図で、黄色く塗った部分が他より高くなっているリブ。これを、前進時の回転方向で青矢印の向きに繋げていくのが標準のようだ。たまに違っている例もあるようだが、ある程度は統一されているので、一応、マニュアルなどに「正しい装着方向」が指示されているのかもしれない。

F1015734 ▼とりあえず片側分、一周繋げてみた状態。

それなりに精度の高いマジックトラックだが、T-34の場合、例えばドイツIII/IV号履帯のように連結部にリブがかぶっていたりしないので繋ぐ際にガイドになるものがなく、「平らに繋ぐ」こと自体、かなり気を遣う(実際、よく見るとやはり連結部に若干の凸凹が生じてしまった)。

本当なら、一周の上側は転輪に沿って微妙な波打ちを表現したいところなのだが、下手をすると連結部がガタガタになりそうだったので、「割と張りが強い状態」ということで無理はしないことにした。

前述のように長さ調整にはちょっと苦労しそうな気がしていたのだが、そちらは割とすんなりいったので一安心。なお、現時点では一周全部をひと繋ぎにしているわけではなく、5分割されているものを仮組みしているので、この写真では一部連結部が不自然になっている。

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種フリー

F1015641 ●逗子の街なかで見かけた看板。一応、「ご自由にお取りください」と言いたいらしい。

(7/30追記。facebookで情報を頂いたのだが、TAKE FREEと引っ掛けて、本当に「種フリー」で種を配布している由。だ、ダジャレ……)

●6日水曜日夕、買い物があって逗子駅前に出掛けたのだが、銀座通り突き当りの7-11に入ったら、レジの天井当たりをふらふらと大きなトンボが飛んでいた(おそらくヤンマ科、くらいのことしか判らない)。

ちょうど天井にとまったところで、店員の女の子に「トンボがいますよ」と言ったら、「うわっ、本当だ、キモチワルイですね!」という返事。若い女の子としては当たり前の反応かもしれないが、オジサンとしては、「うわっ、本当だ、カッコイイですね!」と、ちょっと言ってほしかった。まあ、価値観を押し付けちゃいかんですね。

●その帰り道。西の山の端に、ペンナイフでひっかいたような薄い月が出ていた。さすがにガラケーのカメラではまともに撮影できないのが惜しい。

●話は前後するが、1日金曜日、仕事で霞が関の官庁街に出掛ける。帰りに神保町の事務所に顔を出すことにして、都営三田線に乗るために日比谷公園を横断。

F1015680 花壇にハナバチでもいないかな、と思ったのだが、背の高いネズミモチの花に何か飛んでいるのを遠目に見ただけ。代わりに、樹液にカナブンが押し合いへし合いしているのを見つけた。まさか都心でこんな風景に会うとは思わなかった。

近くに樹種名当てクイズの札が立っていて、丸いドングリの絵が描いてあり、自信たっぷりに「クヌギ」と思ったら、「アベマキ」だそうだ。いや、そもそもクヌギにそんな近似種があるのを知らなかった。

●その晩は川崎の実家に行って一泊。翌日、横浜でVIVREのVOLKSに寄ったら、PLATZから1:72でガルパン版のカルロ・ヴェローチェ(CV33)2輌セットが出ていた。

おや、こんな製品が出たのか、72のCVってのも可愛くていいなあ、ちょっと欲しいかも。

と思ったのだが、帰宅して調べたらキットそれ自体はS-Model社製で、しかもオリジナルのS-Model製のキットなら値段は半額以下だった。

●本日たなばた。

数年前にようやくきちんと夏の大三角(織姫(ヴェガ)、彦星(アルタイル)含む)がちゃんと識別できるようになった私は準備万端。いや、何の準備かって言われても困るけれど。

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クラスナエ・ソルモヴォ工場(4)

●スターリングラード・トラクター工場製のついでに製作しているクラスナエ・ソルモヴォ工場製T-34(cyber-hobby #6452、“T-34/76 No.112 Factory "Krasnoe Sormovo" Early Production”)の進捗報告。

その「ついで」の方ばかり工作を進めてどうするんだ! 本命のはずのスターリングラード・トラクター工場製はどうしたんだ!?

……と言われそうだが、そちらは地味に、ちまちまと履帯(マジックトラックの新型550mmタイプ)の裏面の押し出しピン跡をヤスって消す工作中であるため。おそらくこの次に製作記を書くときにはSTZに復帰できるのではと思う。

●そんなわけで、ちょっと息抜きに、前々回からの懸案事項である防盾の再工作。

Tent3403

先述のように、一度は、クラスナエ・ソルモヴォ工場製車輌特有の、駐退機カバー横の板が短いタイプ(パーツP7、P8)で防盾を組んだ。しかし、確かに同工場製ピロシキ砲塔型の後期の車輌はそれが普通であるものの、初期はむしろ標準タイプ(パーツH2、H3)が一般的なのではないか、という疑いが出てきたため。

駐退機カバー前面板と防盾本体は同一のパーツを使用するのだが、幸い、そちらはSTZ1942のキットで余っている。そこで、先に作ったものはそのままにして、新たにもう一揃い作ることにした。下写真、左が先に作ったクラスナエ・ソルモヴォ特有タイプ、右が標準タイプ。

F1015707 F1015704

実物での違いは基本、側面の板部分の前後長なのだが、わざわざもう一つ作るついでに、気になっていた、照準口の視界確保のための側面の形状修正を行った。

側面の溝は、キットのモールドでは左のように右下がりの三角形なのだが、実際には下辺が右上がり、上辺は水平。また、そうでないと(この2枚の写真で判るように)防盾に開いた照準口との位置関係もおかしい。

しかし、修正に際しては、元々の溝を一部埋めてから彫り直さねばならず、邪魔になるボルトはいったん削ぎ落としてからまた付け直すなど、ずいぶん面倒な作業を強いられた(前面板横の窪みも、キットのものよりもっと直線的なので、一端埋めて彫り直した)。

しかも溝形状は、(おそらく工員がグラインダーか何かで割と適当に彫っていると思われるのだが、なかなかそれらしい形状に仕上げられずワジワジした。

実は先に組んだSTZ1942用のバリカディ工場製の駐退機カバーにも同じ問題があるのだが、そちらはもう組み上げてしまったので直さない。

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クラスナエ・ソルモヴォ工場(3)

●スターリングラード・トラクター工場製のついでに製作しているクラスナエ・ソルモヴォ工場製T-34(cyber-hobby #6452、“T-34/76 No.112 Factory "Krasnoe Sormovo" Early Production”)の進捗報告。

「112+27」は、な~んだ?(←ウザ) というわけで、クラスナエ・ソルモヴォ工場(第112工場)製最初期のガソリン・エンジン搭載車に、レニングラードの第27工場で施されたという増加装甲を工作する。とりあえずは砲塔分。

F1015702 F1015701 F1015698 F1015696 F1015699 F1015700 F1015695 F1015668

実物はいかにも適当に現物合わせで増加装甲板を切り出して貼りつけていった感じで、実車写真を見ても各車で微妙に装甲板の形が違う。

それだけに寸法等に「適当感」を出す必要はあるのだが、一方で、実物ではある程度の範囲内で合わせようという意図はあっただろうから、あまりにいい加減でもマズイ。そのへんのバランスが難しく、うまく仕上がったのかどうか微妙。しかし、うまく仕上がったのか仕上がらなかったのか判断しづらいのもまた確か。なんだかなあ。

砲塔側面後半の増加装甲は、作例のような1枚板タイプと、2枚に別れたタイプがある。前回紹介した、タミヤの作り掛けでは2枚タイプにしている。

個人的には2枚タイプのほうが「甲冑魚っぽさ」が高いようで気に入っていて、しかもディン・ハオのキットが1枚タイプなので、差別化のためにも2枚タイプにしたいと思っていたのだが、結局は1枚タイプにした。車体前面上端リブ無し、初期550mm履帯の仕様で2枚タイプという組み合わせがあるのかどうか、いまひとつ確証が得られなかったため。

なんだか最近溶接痕の工作ばかりしている。

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