●ドラゴンの、ばかやろーーーーーーっ!(とりあえず)
●週末模型親父さんのところのAFV模型のネットコンペ、「SUMICON 2016」の参加作、cyber-hobbyの「T-34/76 STZ Mod.1942」の(行き当たりばったりな)製作記。
今回はエンジンルーム後部の工作。
●エンジンルーム後部のフラップ付き開口部(冷却気排出口?)は、もともと、車体上部のプラパーツでも開口部の周りにボルト頭などのモールドがある(STZ1942のキットでも、今回私が流用した標準型のキットでも)。にもかかわらず、それらのモールドを削り取って、エッチングパーツの土台を貼り付けろという謎な構成になっている。
エッチングパーツはボルト部分も単にマルをけがいてあるだけの平板な表現なので、特に張り替える意味は感じられないのだが、一方でフラップのエッチングパーツはこれに合わせて作ってあり、プラパーツの開口部よりわずかに寸足らず。仕方ないのでキット指定通りモールドを削って土台を貼った。
しかし、キットのフラップのパーツは後縁に揺れ止め?の小さなベロが付いているのだが、これがどうも実車写真で確認できない。結局、一度貼ったエッチングパーツを丸ごと引き剥がして、フラップはプラバンで作り直した。削ってしまったボルト列は、メッシュを通してもかろうじて見えそうな前列だけ再生。両側の燃料注入口キャップ?は、どうせメッシュを通すとほとんど見えなくなるが、念のため。
最初からプラバンでフラップを作ってしまえば済んだものを、ずいぶん余計な回り道をしてしまった。
それにしても、なんでこんなにもトラップだらけなのか、キット設計者はちょっと説明して欲しい(製作を進める前にちゃんとリサーチを済ませておけよって話ですが)。
なお、後から見直したら、エッチングパーツの前縁のボルト(に見せかける努力すらあまり感じられない筋彫り)数は4つだった。プラパーツのほうのモールドは、ハリコフ仕様の車体も、STZ1942のものも7つ。どちらが正しいのか判らないが、STZ製だとボルトを省略して1つ置きにしている可能性もありそうな気がする。
●メッシュ付きカバーの工作。
キットにはメッシュ部分もプラパーツのモールドで表現された一体のもの(G17)と、エッチングパーツを使うのが前提の、メッシュ部分がくり抜かれたもの(G25)の2つのパーツが付属していて選択式。
ただし、どちらも標準型(ハリコフ工場製)1940~1941年型キットのパーツの流用品で、そのままSTZ1942に使うには問題がある。
- カバー周囲の裾部にリベットのモールドがあるが、STZ1942の場合は、このリベット列はない。ちなみに、このリベットはカバー裏側の補強材を止めているもののようだ(ArmagedonのT-34本1巻目、P47にカバー裏側の写真がある)。おそらく、ある時点で鋲接から溶接に変わったか、補強材そのものが廃されたのではと思う。
- エッチングを使用するための開口部があるパーツ(G25)は、(キットではメッシュの枠部分もエッチングが用意されているにもかかわらず)表面に枠のモールドがあり、そのままでは使用できない。なお、ハリコフ製1941年型キットでは枠のエッチングパーツはなく、メッシュはカバー裏側に貼るよう指示されている。ただしその場合、プラパーツの厚み分、メッシュが奥まってしまい、だいぶみっともない外観になる。
- パーツの開口部よりもエッチングのメッシュおよび枠のほうが大きくはみ出してしまう。
というわけで、上記問題への対処を含め、以下のような工作を行った。
- パーツの枠とリベットのモールドは全部削り落とす。
- STZ製すべての特徴ではないものの、後縁中央の尾灯用の「∩」形の切り欠きがない仕様があるので、埋めて整形した。
- STZ1942の場合、メッシュの枠は「リベット止めで角が丸い」と、「溶接で角がある」の2種が確認できる。キットのエッチングパーツは前者を再現しているが、上記のように開口部よりメッシュが大きいことを活かして、四周をちょっと切り詰めて溶接枠に変更した。
- メッシュ枠の枠周囲に溶接痕を追加。薄い鉄板の溶接なので表現は極力控えめ。
- 実車ではヤワな金網が張ってあるだけなので綺麗な形状を保っていることはまずないため、適当に金網に凹凸表現を入れた。
メッシュ枠は外側がプラバン、中の縦4本が薄いほうのプラペーパー。ちょっと枠が太かったような気がするが、いや、ほら、白いから今は目立ってるだけだよ……と自分に言い聞かせてそのまま。
また、エッチングのメッシュは格子の網というよりはなんとなくハニカムっぽい見た目で、交換しようか迷ったのだが、結局そのまま使った。実車でも、単純に縦横に編んでいるのではなく、交差部を絡めるように編んでいるものが確認できる(言葉だけではよく判りませんな)。
なお、メッシュを通してその下までうまく塗装できると思えないので、現時点では、カバーはただ載せてあるだけ。
●エッチングパーツの検証。
車体側面の増加燃料タンク支持架を取り付けないと決めた時点で、キット付属の大判のエッチングパーツをだいぶ余らせることになるとは判っていたが、今回のフラップ部の例で考えても、その他にもどうも意図不明というか、「要らねんじゃね?」というパーツが多そうなのでちょっとチェックする。
MA1~4:エンジンルーム後半関係のうち、上記の工作に関係した部分。結局、メッシュ(MA2)だけ使用。
MA5:燃料タンク関係。今回使用せず。
MA6:ワイヤーロープ固定用ベルト。う~ん……使わないかな。なお、T-34のワイヤーロープのアタマ部分は各工場製で使われているタイプに差があり、STZの場合キットのパーツでいいのかどうか未検証。
MA7:砲塔側面のペリスコープの庇に貼るよう指示されているもの。ただし、このエッチングパーツのような4つのボルト(リベット?)頭の付いたものは、実際のSTZタイプの砲塔では、初期のエラ削ぎ落としのない砲塔では確認できるものの(ボルゴグラードの現存車輌、ただし右側だけ)、エラ削ぎ落としタイプのの砲塔では確認できない。少なくとも後者の場合は何も貼らずプラパーツのママのほうがよいように思う。使う場合もそのまま貼ると庇部分が二重になってしまうので、一旦プラパーツの庇のモールドを削り取って付けるか、あるいはプラパーツ表面にリベットを付けたほうがよい。
MA8:燃料タンク関係。今回使用せず。
MA9、MA25:尾灯関係。今回使用せず。
MA10~11:砲塔ハッチロック機構。プラパーツよりずっと実物形状から遠く、使う意味無し。
MA12:燃料タンク関係。今回使用せず。
MA13:グローサー取り付けベルト。使うかどうか未定。
MA14~15、MA29:ジャッキホルダー。ジャッキにきちんと合うか未検証。合えば使うかな?
MA16:燃料タンク関係。今回使用せず。
MA17:前部トウフック外れ止め。STZ1942には使われていない仕様なので使用せず。
MA18:燃料タンク関係。今回使用せず。
MA19:工具箱のヒンジ。キットのモールドを削って代替するよう指示されているが、果たしてこんな形式のヒンジが使われていたのか? 少なくとも私は写真で確認したことがなく、おそらく使用しない。
MA20~21:前部フェンダー留め具。使うかも。
MA22:工具箱のフタ留め具。下側しかない。実物の形状もいまいちよく判らないので使わないと思う。余談だが、大・中の工具箱は、1940年型ではフタが外側に開くように、41年型以降は内側に開くように取り付けている気配あり。数枚の写真をもとに言っているので、「たまたま」の可能性も。要検証。
MA23~24:エンジンルーム後部、メッシュ付きカバーの留め具。プラパーツB9と選択式だが、B9は厚みがあり過ぎる感じなので、こちらを使うかも。(追記:検証の結果、エッチングの留め具は形状が実物と全然似ていないことが判明。不使用。)
MA26:前照灯取付架。使う予定。(追記。エッチングパーツはZ字型に曲げて使用するよう指示されているが、車体側は曲げず、前面に穴を開けて差し込んで接着した。実物は単純にベロ無しで溶接している模様。)
MA27:中工具箱の取り付けベロとボルト。たぶん使う。もっとも使うのは4つのはずだが、なぜか20個も入っている。(オーバースケール。私は若干切り詰め、フェンダー側の取り付け基部もプラ丸棒で作り直したが、無理に工作せずとも、キットのフェンダー側モールドのままでも十分かもしれない。)
MA28:砲手用ペリスコープカバー。プラパーツとの選択式。閉めるならプラパーツだが、開けるならこちらか。ただしヒンジ部は貧弱。
MA30~31:グローサー取付用コの字金具。平板なため印象はあまりよくない。片方はプラパーツ使用、片方は真鍮線で代替済。使用せず。
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