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スターリングラード・トラクター工場(18)

週末模型親父さんのところのAFV模型のネットコンペ、「SUMICON 2016」の参加作、cyber-hobbyの「T-34/76 STZ Mod.1942」の進捗報告。

製作記の6回目である程度の目途を付けて、そのままになっていた砲塔の工作を終了(ただし機銃は破損しそうなので最後に付ける予定)。1ブロックだけとはいえ「工作終了」と言うことができるまで進んだのは、ちょっと嬉しい。

●砲塔ハッチの選択と取付。

豪勢なのか無駄なのかよく判らないが、STZ1942のキットに砲塔ハッチは5枚も入っている(初期型砲塔用に2枚、後期型砲塔用に2枚、不要部品の1940年型用が1枚)。初期型砲塔用、後期型砲塔用の2枚ずつは、それぞれ、ハッチのふくらみが幅広のものと、中央に帯状に細くなったものという組み合わせ。

実車の後期型砲塔(エラ削ぎ砲塔)では、ふくらみの幅広ハッチ、幅狭ハッチの両方確認できるが、

  • どちらかといえば(少なくとも私が写真を確認した範囲では)ふくらみ幅広ハッチのほうが使用例が多い。
  • キットに付属のふくらみ幅狭ハッチの形状がいまいちよくない。
  • 追っかけ進行のクラスナエ・ソルモヴォ工場製車輌でふくらみ幅狭タイプを使うので差別化を図りたい。

という3つの理由から、ふくらみ幅広ハッチを選択することにした。

F1015841 さて、そこでキットのパーツを切り離して合わせてみたりしていたのだが、キット付属のふくらみ幅広ハッチ2種と、さらにもう1枚、クラスナエ・ソルモヴォ工場製車輌のキットから持ってきた同型のハッチ、どれがどれだか判らなくなってしまった。

本来なら3枚とも同形状なのではと思うのだが、パーツは微妙に形状やディテールのレイアウトが違う。たぶん、上の2枚がSTZ1942のキットに入っていたもの、一番下がクラスナエ・ソルモヴォのキットのものではと思う。

実車写真と比較検討すると、上2枚は、どうも鍵穴(というか取っ手穴)の位置が端に寄り過ぎている。その点、一番下のものは割といいのだが、これは砲塔とアウトラインがうまく合わない。そこで、上から2番目(たぶんSTZ1942のキットの、初期型砲塔用のもの)のハッチから鍵穴モールドを削り取り、使わないハッチからモールドを(位置をずらして)移植した。上2枚のうちこちらを選んだのは、前縁右寄りのロック用ツメ基部が、こちらのほうが薄くモールドされていたため。

●砲手用ペリスコープ。

F1015926 F1015916 上部のカバーはプラパーツとエッチングパーツの選択式。だが、エッチングパーツは単純な円錐台形にしかならず、エッジの丸み、裾部の帯状の段が表現されていない。

簡単な解決法はプラパーツを使ってカバーを閉じてしまうことなのだが、砲塔ハッチを閉めている以上、ペリスコープは開けていないと「生きている感」が出ない気がする。

そんなわけで、プラパーツの内側を、それなりに薄く見えるようにぐりぐり削り、ヒンジを伸ばしランナーで作り替え、留金ディテールを何となくそれらしく追加して取り付けた。ペリスコープは頂部にボルト表現、前面には長円形の穴を開けた。塗装後に透明樹脂を流し入れようかと思う。

F1015917 ●砲塔ハッチ前のロック用ツメ受け後面に、ゴムダンパー。プラバンの切れ端と伸ばしランナーで表現。

前述の砲塔ハッチの鍵穴位置の修正・ハッチ取付とと合わせ、工作終了した砲塔上面レイアウトが右写真。

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コメント

かば◎ さん

ますます精密になりましたね。
ハッチの部材の位置を修正するところなどは共感します。
だれも気が付かないことですが自分が気にするのですね。
このように作り込むと塗装したときの出来栄えが映えるでしょう。
私の場合はまだまだ塗装の練度を上げないとだめですが。

投稿: hiranuma | 2016年7月28日 (木) 07時25分

>hiranumaさん

ありがとうございます。
塗装は私もかなり自信がありません。

これに関しても、単色塗装で仕上げるのは決めていますが、その分、単色でものっぺりしないよう工夫しなくてはいけません。
それなのに、そのへんのノウハウがほとんどないので、今から結構不安です。

なお、先のコメントで伺っていたことについて。、

>>このキットは素組にしようと思っていたのに始めてしまうと次々と加工するところが、、。 
>>T34でこんなに工作箇所があるなんて思ってもいませんでした。
>>タミヤのT34を買わずに良かったです。

とのことですが、まず、このキット(サイバーホビー、T-34/76 STZ Mod.1942)は、設計そのものに破綻があり、「素組」自体がまともに出来ない地雷キットです。
ドラゴンのT-34シリーズそのものは佳作キットだと思うのですが、その中の「鬼っ子」的存在です。
もちろんシリーズ全体を通しても多かれ少なかれ「ここはちょっと……」な部分はあるのですが、そのへんはある程度、作り手の思い入れ次第かと。

なお、タミヤのT-34は、発売時期を考えると、当時としては標準的なキットより頭一つくらい抜けた傑作と言っていいのではと思います。
いろいろと資料が豊富に出回り、研究も進んだ今となってはアラが目立つのは確かですが、時代を考えると仕方がないかな、と思います。

細かい話をすると、タミヤのT-34(古いゴムキャタピラのものは除外)で最初に出たキット名称「T-34/76 1942年型」に関しては、ソ連からイギリスにレンドリースの見返りとして評価試験用に提供された1輌をもとにしているようなのです。
しかしこの車輌はおそらく、背の高い六角砲塔(ナット砲塔)搭載型の車体に、背の低い砲塔(ピロシキ砲塔)を載せて1輌でっちあげたヌエ的仕様で、キットはそれをほぼそのまま再現してしまったという不幸な出自を持っています。

それに比べると、その後に発売された「1943年型」は仕様的には破綻が少ないのですが、砲塔それ自体の基本形状があまりよくない(今パッとキットが出てこないのでうろ覚えで言っていますが、前後方向に細長い、のかな?)という弱点があります。

投稿: かば◎ | 2016年7月28日 (木) 16時28分

かば◎ さん

T34について(だけではないですね)の造詣さすがです。
私は製作するモデルに関してWeb検索で写真を中心に収集・分類して一つ一つ確認しながら作っているので情報が不完全です。妙に細かなディテールに拘ったりしますが正しいかどうかは怪しいままだったりしますので自己満足の暴走だったりします。

>>このキットは素組にしようと思っていたのに始めてしまうと次々と加工するところが、、。 というコメントはT34とは関係なく、いま作っているもののことで、目にしてしまったディテールに引っかかるいつものパターンです。

投稿: hiranuma | 2016年7月28日 (木) 19時04分

恐るべし考証モデリング。毎回楽しみにしています。しかしペリスコープのくだりなど、結局はリアルという感覚の問題なのだと改めて気づかされます。

グローサーの話も凄まじかったですが.. そうそう、MiniArtの新作、SU-122に高解像度の後期型グローサーが入ってますね。他にも燃料注入口? とか車体とフェンダーの溶接痕がしっかり再現されてるパーツを眺めて嬉しくなったりしてたのですが、はたと、かば◎さんがフェンダーを全溶接しているのが気になって改めて調べてみたら、現存するSTZ車体は他で一般的な断続溶接とは違ってびっしり溶接してあるんですね.. スターリングラードには几帳面な溶接工がいたのかしら? ..恐るべし。

投稿: hn | 2016年7月28日 (木) 19時52分

>hiranumaさん

確かに、ささっと組立説明図通りに組んじゃおう、と思っていながら、資料を見ているうちについ深入りしてしまうことはよくありますね。
以前はそれで気持ちがくじけては新しいキットに手を出して次々にお手付きを増やしていたんですが、最近はどうにか、1つを作り通すことが(常に、ではないものの)できるようになりました。

投稿: かば◎ | 2016年7月28日 (木) 22時32分

>hnさん

どうもありがとうございます。
miniartのSU-122、よさそうですね!
SU-122は好きな車両で、内部パーツ無し版が出たら買おうと思っています。

フェンダーの溶接なのですが、あまり深く考えずにベタ付け表現にしていました。
改めて見直してみると、私の手元に写真があるSTZ製の現存車輌2輌は、ともにフェンダーはベタ付け……かと思ったら、片方は一部破線付けのように見えるところもあって、なんだかちょっとアヤシイです。

T-34-85などでは確実に破線状になっている例が確認できるし、ナット砲塔だともう破線状が一般的?
もっとも、ナット砲塔でもなんだかベタ付けっぽく見えるのもあるし……。

112工場のピロシキ砲塔の比較的初期の車体だと、ベタ付けらしいものもあるようで、時期で違うのか、工場で違うのか、同じ工場でもいろいろあるのか……。

特に当時の写真ではそこまで細部が鮮明に写っているものは少ないので、なかなか悩ましいところですね。

投稿: かば◎ | 2016年7月28日 (木) 22時44分

かば◎さん

ありがとうございます。フェンダーの止め方、正解はなさそうですね。
板厚の違うものの溶接は、溶接速度が遅いと薄板に穴が空いたり反ったりするので、装甲板同士の溶接でない限りはベタ付けは避けるようになった、という見立てもできます。

固有の特徴なのか標準的な仕様だったのか2台以上の証拠を探すこと、私もよくあります。大抵は別の新しい事例を発見してしまい、さらに謎が深まったりするんですけど。

とか言いつつ、「ずしのむし」も気になってます。仕事で逗子にはよく行ってたので、いろいろ思い出します。まあ専ら帰りがけに駅前の魚佐次商店で地物の魚を物色するのが日課でしたが。
..やはり、モデラーとしては原寸で表示するとかスケールにこだわって欲しいなー w

投稿: hn | 2016年7月29日 (金) 18時52分

>hnさん

2台以上の証拠を探して、結局どんどん新しい仕様が!

……あります。むしろT-34は「そんなんばっかり!」と言っていいのではないでしょうか。困ったものです(^^;)。

「ずしのむし」は、散歩に行った先の行き当たりばったりで撮っているうえ、対象の大小の差がはげしいので、さすがに原寸大は……(^^;)

標本の写真なら、じっくり真上から撮って、原寸大で隣に添えたりできるのですが。

駅前の魚佐次の元常連さんでしたか。あの魚屋さんはいいですね。つい余計なものを買いそうになります。

投稿: かば◎ | 2016年7月29日 (金) 19時50分

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