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スターリングラード・トラクター工場(5)

週末模型親父さんのところのAFV模型のネットコンペ、SUMICON 2016の参加作、cyber-hobbyの「T-34/76 STZ Mod.1942」の製作記。砲塔工作の3回目。砲塔本体の工作もまだ終了していないが、並行して防盾部を工作することにする。

●キットは1941年型で一般的な駐退機カバーと、やはりスターリングラード市内にあったバリカディ工場製とされる尖った駐退機カバーが選択式。せっかくSTZ1942仕様を作るのであれば、やはりほぼ同仕様特有と言える後者の駐退機カバー付きにしたい。

ただし、「スターリングラード・トラクター工場(2)」で書いたように、キットのパーツ形状には多少の不満があり、その修正を行う。

F1014840 ▼駐退機カバー左右下端は、キットのパーツでは1941年型で一般的なカバー同様に丸みが付いているが、実際は平面の突き合わせ。ただし溶接痕でぐだぐだになっているので、あまり「エッジが立っている」という感じではない。

それでもキットの丸みは溶接痕で誤魔化せる範囲を超えていて、また、その影響で左右側面の台形の板も幅が足りない。そのため、側面下部のモールドは削り落とし(ボルト頭は後で使うので綺麗に削いて取っておく)、下端をちょっと削ってから、プラ材を貼って削る。

▼バリカディ・タイプの駐退機カバーに合わせ、防盾は2種類付いている(パーツ番号S13、S14)。しかし、現存の実物の砲塔写真を見る限り、どちらも微妙に形が違う感じ。私はどちらのパーツを使ったのか忘れてしまったが(下端を裏側から斜めに削ぎ落としてあるほう)、どちらを加工しても手間は同じくらいなのではないかと思う。どうみてもおざなりな溶接痕モールドを削るついでに下部を削って形状を修整した。

▼駐退機カバー正面も、下端左右が丸くなっている。下部を数ミリ幅で切り飛ばし、ちょうど厚みが同じだったランナータグを使って左右が角ばった形に作り直した。なお、ランナータグは枝によって厚みにばらつきがある。私が使ったのはSパーツ。

F1014838 ▼駐退機カバーの「底」を削ってから、若干の段差ができるように底板をプラバンで作って接着。溶接痕を付ける。右写真は未加工のキットパーツとの比較。

ちなみに、一般的な1941年型用駐退機カバー(左右下端に丸みがあるもの)は、カバーのてっぺんと、底の中央に溶接線がある。一方、下端が角ばった1942年型(ナット砲塔)の駐退機カバーは、てっぺんと、底板左右に溶接痕がある。つまり前者では駐退機カバーは(前面板を除いて)2パーツ、後者は3パーツで出来ていることになる。

このバリカディ・タイプは断面形で言えば1942年型用に近い。しかし、駐退機カバー上面が写っているいくつかの写真(ちゃんと写っている写真があまりないのが困りものだが)を見る限り、どうもてっぺんに溶接ラインがないようだ(これに関しては絶対にそう!と言い切るほどの自信はない)。ちなみに一般的な1941年型用駐退機カバーの形状のものでも、上部の溶接ラインがないように見えるものもある。

▼防盾と駐退機カバーの溶接ラインも伸ばしランナー潰しで追加。

F1014835 ▼側面の台形の板はプラバンで再生。なお、この板は実物では前下がりだったり後ろ下がりだったり、結構いい加減な格好で付いていることが多い。再現しようと思いつつも、模型でそれをすると単に工作が下手なだけにしか見えないと思うと怖気づいてしまい、ほとんど傾けずに付けてしまった。

ちなみに、駐退機カバーの前面板は、側面に溶接などはされていない。モスクワ中央軍事博物館に展示されているこのタイプの砲塔では、駐退機カバーの底が破損していてちょっと中を覗くことができる(写真)。どうも内側に長いベロのようなものが付いていて、これで、側面前方のボルトで固定するようになっているらしい。そうなると、後ろ側のボルト列は駐退機カバーを含めた防盾全体を砲に固定するためのものかと思われるが、詳細は不明。

というわけで、前面板はどうやら取り外し可能。また側面の台形の板は、駐退機カバーの側面には溶接してあるが、前面板には固定されていない。そこから考えると、どうもこの台形の板は前面板取り付け時の位置決め用なのではと思われる(それならそれで、こんなに後方に長くなくてもよさそうだが)。

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