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スターリングラード・トラクター工場(2)

週末模型親父さんのところのAFV模型のネットコンペ、SUMICON 2016の参加作、cyber-hobbyの「T-34/76 STZ Mod.1942」のブロック別チェックポイントメモ、その2。

▼車体上部・基本形

とにかくSTZ1942キットの車体上部は悲劇的に合わないうえ、辻褄を合わせるにしてもあっちこっち微妙にバランスが変なので、ここは潔く、ハリコフ機関車工場製仕様のキットから車体上部をパクってくることにする。

当初は1941年型キットをひとつ潰す覚悟を決めていたのだが、棚を漁ったら、YSのばら売りコーナーで買ったと思しき、ドラゴン製の車体上下パーツが出てきた。偉いぞオレ!(っていうか、買ったことくらい覚えておけよって話だ)

ハリコフ車体とSTZ1942車体の最も大きな違いは、STZ1942では車体前面・エンジンルーム後面の左右がそれぞれ組接ぎになっていること。

F1014806 車体前面に関しては、STZ1942キットでは車体上部パーツと一体、ハリコフキットでは別パーツになっている。STZ1942キットから移植する、不要パーツの1941年型キット用前面板を改造する、などのいくつかの方法が考えられるが、「第112工場製 OT-34/76 Mod.1943」のキットで不要パーツの前面板が一枚あったので(右写真)、現時点ではそれを流用の予定。

このパーツも装甲板が組接ぎになった仕様を表現しているが、少なくともSTZ1942とは組接ぎ部のバランスが若干違い、また当然ながら側面装甲板ともちゃんと繋がっていないので、多少は手を入れる必要がある。また、前面装甲板が増厚されてからの状態を表しているのか、パーツ自体厚めなので、多少裏から削ってやる必要があるかもしれない。

エンジンルーム後面板は、STZ1942に入っているパーツは、車体上部の「変設計」に引きずられたか、寸法自体ちょっとおかしい感じであるうえ、ボルトの表現もあまりよくないので、プラバンで新造したほうがよさそう。

F1014802 STZ1942キットの車体上部は、上面板と側面板も組接ぎになった仕様を表現している。実際には、アゴの削れたタイプの砲塔を積んだ車輌でも、この部分は組接ぎになっているものとなっていないものとがある。素直に考えれば、組接ぎになっているほうが新しいタイプだと思うのだが、アルマゲドンのT-34本では、組接ぎのほうが古いようなことが書いてある(p101)。また、車体上面を組接ぎ無しにした場合は、シャーシも組接ぎ無しにしたほうがいいのだろうか?という派生問題も。

▼車体上部・細部ディテール

排気管カバーおよび後面パネル中央の点検ハッチは1940年型/1941年型キットからの流用パーツで、尖頭ボルトが使われているが、実際のSTZ製1942生産型の場合は平頭ボルトが一般的。また、排気管カバーのボルトは上部が2本の独特の仕様になっているので要修正。

「T-34 maniacs」に生産工場別・時期別の仕様を書いていた頃は気付かなかったが、エンジンルーム、ラジエーター部上のカバー形状にも、生産工場により、時期によりいろいろ形状の差があるようだ。キットのパーツで比べると、多少の表現の差と思える部分以外、STZ1942とハリコフ製車体との間に差はない感じ。ただし実車ではどうなのか、この部分については私自身だいぶ知識が足りていない感じなので、なお要調査。

ミッション部の上にあるメッシュ付きカバーは、STZ1942の実車では、後縁中央付近の尾灯用切り欠きが最初からないものが多く見られる。メッシュの枠は、キットのエッチングのように角が丸くリベットのある、基本1941年型までと同じものと、角が角張り溶接になった(後の型で一般的な)簡略タイプの両方があるようだ。なお、キットのパーツは1941年型キットからの単純な流用で外周部に小さなリベットの列があるが、これは不要ではないかと思う。

F1014801 車体前面の車体機銃用バルジ(パーツG11)正面は、馬蹄形の金具が付いている状態になっている(ボールマウントの抑え金具?)。しかし、STZ製車体では下側までリングが繋がったドーナツ型金具が一般的ではないかと思う。その場合、前面下部中央部は溶接跡が途切れている。

▼砲塔

砲塔は贅沢にも3つも入っているが、1つはハリコフ機関車工場製1941年型用の砲塔で不要パーツ。残る2つがSTZ製仕様の砲塔で、アゴの削れていない初期型とアゴの削れた後期型。顎の削れていない方の砲塔は先行のcyber白箱、STZ1941のキットと同じ(はず)。

F1014800 以前にも触れたように、キットに同梱のパンフレットでは、「アゴを削ぎ落とした後期型砲塔」の溶接跡の考証について自慢しているが、個人的には、現状のように溶接跡の幅が広いタイプをパーツ化するよりも、溶接跡の幅の狭い砲塔にしてくれたほうが、どちらを作るにも楽だったのではないかと思う。

ただしそれ以前に、砲塔の基本形状自体がどうなのか、という問題もある。これに関しては改めて。

「アゴを削ぎ落とした後期型砲塔」の砲塔天井板はハッチヒンジが溶接か、ボルトorリベットかで選択式。砲塔側面とは組接ぎ式だが、組接ぎ部分がパーツの厚みそのままで、「やたら厚い天井」になってしまっている。

ペリスコープもあれこれ選択肢が多いが、右側に関しては、特にアゴ無し砲塔の場合はパーツR18のペリスコープが多く、次いでS4のフタで塞いである状態ではないかと思う(それほど多数の例で確認したわけではないが)。

砲塔後部バッスル底面の左右には、本来、ドイツ軍戦車の「ピルツ」のような円筒形の突起がある。

▼砲・防盾

砲身は、旧来の左右分割のもの1本、スライド金型を使った一体のもの2本、そしてアルミ削り出しのもの1本で、4本も入っている。形状的に何か違うわけでもなく、個人的には、スライド型のものがあれば金属砲身は要らねんじゃね?って感じ(砲口部にライフリングでも入っているなら別だが、そこまで高級なパーツではない)。

駐退器カバー部分は、普通の形状のものと、下部が尖ったバリケード(バリカディ)工場製のものとが選択式。バリカディ・タイプは基本、STZ1942仕様独特のものなので、ここはこれを選びたいところ。ただし、キットのパーツは初期の1941年型のカバーに似て、底面左右のエッジが丸くなっているが、このタイプの場合、ここは角ばっているのが普通ではと思う(とはいえ、溶接でぐずぐずになっているので、きっちりエッジが立っているわけではない)。

また、このタイプ用の防盾パーツの溶接跡表現は、もうなんというか、「溶接跡を表現する前段階として盛り上げたモールドを付け、そこから後の作業を放棄」としか言えない感じになっている。このキットに溢れる「やっつけ作業」感の一例。

ちなみに「バリケード工場」は別にバリケードを作っているわけではなく、主に大砲を生産している工場で、「国の守り」とか「社会主義の守り」とかいった意味で名付けられたものだと思う。

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