R-1の下調べなど
●週末模型親父さんのところのAFV模型ウェブコンペ、「SUMICON2016」が5月1日にスタートする。
とりあえず現時点では(←優柔不断な奴)、ルーマニア軍軽戦車R-1でエントリーすることにしていて、その下準備など。
●ルーマニア軍のR-1軽戦車は、チェコČKD社の開発した軽戦車(というより豆戦車に近い?)AH-IVの輸出型で、社内名称はAH-IV-R。M. AXWORTHYほか著、「THIRD AXIS FORTH ALLY」(ARMS & ARMOUR)によれば、ルーマニアは騎兵部隊用にこれを35輌輸入・配備している。ルーマニア国内でライセンス生産する計画もあったらしいが、これは頓挫している。
重量4.2トン(サイト“WorldWar2.ro”だと3.5トン、wikipedia記載のデータだと3.9トンになっている)、機銃2丁装備。1丁は回転砲塔に装備したvz.37重機関銃(イギリスのベサ機銃の原型)、1丁は車体右袖部に装備したZB26軽機関銃。どちらも7.92mm×57弾なので、弾薬そのものは同じなのではと思うが、給弾形式が違う。補給とかメンテとかを考えると、同じ機銃を装備していた方がいいと思うがなあ……。まあ、素人には判らない何か大事な理由があるのかもしれない。
足回りは同じČKD社のLT vz.38(要するにPz.Kpfw.38(t))とそっくり。AH-IVと、LT vz.38の原型であるTNHの設計ほぼ並行していたようなので、同じ原設計で大小2種を作った、という感じかもしれない。ただし、いかにも「大直径転輪」という感じのLt vz.38に比べ、AH-IVのそれは、ドイツ戦車で言うとIII号/IV号程度しかない。その直径で片側4つだから、この戦車の豆さ加減が判る。
●写真だの図面だのに関する手持ちの資料としては、チェコ戦車の資料として手頃かつ信頼性も高いMBIの「Praga Export Tankette」を買って持っていたはずなのだが、今は発掘できない(なんて整理の悪さだ!)。
代わりに当座の比較検討資料として出してきたのが、「タンコ・マステル」誌の1998年No.2-3。手塚治虫のマンガに出てくるわんわんパトカーそっくりの、スペイン内乱時の装甲車が表紙に出ている(関係ない話だが、この装甲車はトラック改造で装甲ボディをかぶせたものなので、別角度から見るとそれほどわんわんパトカーには似ていない)。
このなかに8ページの、第二次大戦中のルーマニア軍AFVの記事があり(といっても全部ロシア語だが)、R-1の写真5枚と1:35の図面が出ている。
あとはウェブ上でかき集めた写真が少々。なお、R-1は現存車輌はない(はず)。きっちりルーマニア軍R-1の塗装でキリキリ走り回っている現代の動画などもあるが、レプリカ車輌。それとは別に、スウェーデン向け輸出型のAH-IV(Strv m/37)が残っていて、walkaround写真などもそこそこある(たとえばこことか)。ただし、Strv m/37に関しては細部の仕様がだいぶR-1と異なっているので、あくまで参考に止めておく必要がある。
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