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池子弾薬庫跡

●連続お散歩ネタ。

26日土曜日。そういえば先週末から、「池子の森自然公園」が土・日・休日のみ公開になったんだったと、ふいに思い出し、午後、チビを連れて散歩に行く。

●「池子の森自然公園」は、有名な(といっても、現在、世間一般にどれだけ知名度があるのかよくわからないが)「池子弾薬庫跡地」の米軍接収地の一部が、新たに公園として整備されたもの。

池子弾薬庫は、かつて海軍が、横須賀海軍基地に間近い、現在の逗子市~横浜市の山地に作った倉庫・弾薬庫地区で、戦後米軍に接収され、現在もほとんどは米軍管理下にある。

かつては大きな反対運動の波があって、逗子市の選挙の大きな争点にもなった。その理由は、弾薬庫として利用されなくなってからも返還は進まず、その代わりに米軍の住宅地としての転用が決定したからだが、結局、国に押し切られる形となり、ぶっちゃけた話、「もう建てちゃったもんはしょうがねーなー」的な諦観から、現在は表立った反対運動などはない(が、もちろん地道な返還要求などはある)。

まあ、とりあえず、沖縄の多くの米軍施設のように第一線の基地機能があるわけではなく、軍用車両だの軍用機だのが我が物顔に往来するということがないというのも大きいし、そもそも戦前に海軍が接収したもので、直接的に、土地を取り上げられて悔しい思いをした人たちがほとんど亡くなっているということもあろう。

また正直な話、仮に戦後すぐにこれらの土地が戻って来ていたとしたら、今頃は、盛大に西武あたりに掘り返されて新興住宅地に変わり果てた後だと思う(もちろん、だからといって国が勝手にアメリカに進呈しちゃっていいものかどうか、というのは別の話だ)。

ちなみに「池子弾薬庫跡地」、現在の正確な名称でいうと「池子住宅地区及び海軍補助施設」は、その大部分が逗子市池子(かつての池子村)にあるための名称で、北東側は前述のように一部横浜市に入り、西側は逗子市久木に入る。

F1013934 ●さて、「池子の森自然公園」は、その米軍管理下の土地のうち、住宅地としては利用されていない一部を、逗子市が国や米軍と交渉し、公園として整備し公開するもの。「返還」ではなく、「共同使用」という形なのでゲートの内側なのだが、先週末以降、特別に申請だの身分証のチェックだのもなく、一応公園として指定された範囲内であれば気軽に入ることができる。

池子側のメインエントランスに近い一部は「スポーツエリア」で、陸上競技用グラウンドだの、野球場だのテニスコートだのがある。これは以前から申請すれば使える施設だったはず。

F1013935 その奥のトンネルをくぐった先が今回公開されたキモの「緑地エリア」で、だだっ広い、かつての里山の平地が芝生に変わったような地域になっている。山の部分は戦後の開発等が一切入っていない遷移林で、「森林保全エリア」として基本立ち入り禁止。中央の池(おそらくかつての農業用溜池)も外来魚がいない貴重な「水環境保全エリア」として立ち入り禁止になっている。この「緑地エリア」は、基本全域が逗子市久木に属し、かつての「柏原村」にあたる。

久木側にも、公開日には自由に出入りできる小さなエントランスがある。今回は行きも帰りもこちらを通った。

●中はこんな感じ。基本、遊具などは何もなく、途中、東屋や、あちこちにベンチとテーブルなどは置いてあるものの、要するに「だだっ広さを楽しむ」感じ。左写真、まあ、よく顔が判らない大きさならいいでしょうってことで、中央に写っているのがチビ。来月から小学生。

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その「ベンチやテーブル」があるのは、ほとんどが谷戸の左右の行き止まりの枝道の部分。昔の航空写真などではその場所に建物があり、おそらくそこが地上の弾薬庫または倉庫だったようだ。なお、そんな場所の一つに、塗装はボロボロだが迷彩された物置があった。それほど古いものではないので米軍が建てたものだと思うが、ここは軍用地なのだと実感させる。

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山裾部分のあちこちに横穴。やぐらもあるのかもしれないが、ほとんどは軍が掘った壕とか地下倉庫ではないかと思う。左写真など、入口も大きく、奥も深そうな印象だった。

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もともと弾薬庫跡であった名残をもういくつか。「何だかアヤシイものがあっても不用意に触ったらアカンでー」という看板と、緑地エリアの奥で見つけた線路跡。レールははがされておらず、地面からうっすらと覗いていた。弾薬の輸送用に各谷戸に線路が張り巡らされていたらしく、おそらく、現在の池子側メインゲートで、軍用引き込み線(現在の総合車両製作所・横浜事業所回送線)に接続していたのではないかと考えられる。概略はこちらのサイトで。以前に撮った横浜事業所回送線の写真はこちら

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池子側と久木側を結ぶトンネルの銘板。1992年とあるが、もともとこの場所には1941年開通のトンネルがあったはずで、拡幅して掘り直したものか? 「New Hisagi Tunnel」という名称は、その旧トンネルに対してのNewなのか、それとも久木と山の根を結ぶ久木隧道に対してのNewなのか、どちらだろう。久木隧道に関してはこちら(先述の回送線についても書いてある)。右は、トンネルの池子側、池子遺跡資料館脇の消火栓。とってもアメリカンな感じ。

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池子側、グラウンドの整備工事の際に出たらしい、シロウリガイ(第三紀中新世、約440万年前)の化石岩塊。露頭は埋め戻されているが、調査の際に掘り出された、化石の詰まった巨大な岩塊がグラウンド奥に展示されている。右はトンネルを迂回して山越えする散策路途中のニリンソウ。葉の形がトリカブトに似ているので、(私のような)にわかが不用意に手を出さない方がいい山菜。とはいえ、こうして花が咲いていれば明らかに違う。

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