大ブス
●鎌倉大仏が修復工事に入った(1月13日~3月10日)。
別に金ぴかにするわけではないが、さび落としやら脆くなっている箇所の補修やらをするらしい。大きな足場を組み、全体にカバーをかけて、しばらく見られなくなってしまうらしい。
なお、工事期間中は拝観料がタダになる(大仏が見られない状態で高徳院に入ることにどれほどの意味があるかは微妙だが、売店等は営業しているうえ、内部のモニター映像などを流す予定だそうだ。
とはいえ、現時点ではまだ足場となる鉄骨を組んでいる状態なので姿は見ることができる。
●そんなわけで、「しばらく見られなくなるからその前に」ということではなく、むしろ「こんな状態の大仏を見られるのは今だけ!((しかもタダ!)」という理由で長谷まで出掛ける。退屈していたらしい娘とチビも一緒に行く。
鎌倉大仏は当初あった大仏殿が大風等で数度倒壊し、1369年の倒壊以降は再建された形跡がない由。従来は明応年間の南海トラフ大地震(1495年もしくは1498年)の津波で流された説が主流で、大仏脇の解説板にもそう書かれているのだが、大地震前に鎌倉を訪れた旅行記ですでに露地である旨書かれており、近年の発掘調査でも否定されているようだ。
まあそれはともかく、大仏っつぁんにとっては数百年ぶりの屋根ができるわけで、「もうこのまま大仏殿にしちゃえば?」と思うのは私だけではあるまい。
●ちなみに観光都市である鎌倉では、あちこちに各国語(英語、中国語、韓国語)の案内標識が出ているのだが、どういうわけか、大仏の韓国語案内は、
- デブル:「大仏」の音読み
- ダイブス:「だいぶつ」の音写
とが並立している。どちらも日本語で聞くとだいぶ情けない。せっかく与謝野晶子に「美男におわす」と言われたのに「大ブス」じゃなあ……。
●せっかく長谷まで出掛けたので、文学館入口のたい焼き屋「なみへい」で一つ食べる。数年前に出来た店で、これまで横目で見つつ通り過ぎるだけだったのだが、年末の鎌倉浪花家開店の際に、ここも麻布十番・浪花家で修業した人がやっていると知ったため。
しかし、鎌倉浪花家の方は年始に食べて、十番の浪花家に近い味だと思ったのだが、こちらは「う~ん。普通のたい焼きだなあ」という印象。形もちょっとぽってりしていて餡も甘め。もちろん、そちらが好きな人もいるだろうけれど。
●初めて鎌倉文学館に行く。鎌倉文学館は鎌倉の三大洋館にも数えられ(旧前田侯爵別邸)、バラの庭が有名なのだが、これまでなんとなく(20年以上近くに住んでいながら)行く機会がなかったもの。
「作家 身のまわり」展開催中。それ自体は地味な展示だなあ、という感じだが、ちょうど団体客とかち合ってしまい、屋敷の中はだいぶ混んでいた。
こんな季節にも関わらず、バラがいくつか、ぽつ、ぽつ、と咲いていた。
ちょっと谷戸の奥まったところ、緩い斜面を階段状にして庭と建物があり、綺麗に海が見渡せる。さすがのお屋敷。
| 固定リンク
「かば◎の迂闊な日々」カテゴリの記事
- 8月のヨモヤマ(2024.08.25)
- ミニスケール2題(2024.07.04)
- シロマダラ(2024.06.24)
- 梅雨入り前のあれこれまとめ(2024.06.12)
- のの字坂(2024.05.12)
コメント