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ビッカース水陸両用戦車、参戦(4)

●パソコンも買い換えたし、週末のAFVの会にロールス・ロイス装甲車を持って行きたいし、などなどあって、「軽戦車コンペ」(K-CON)参加作品、CAMsのビッカース水陸両用戦車はペースダウン中。

とはいえ、一応履帯は両方繋いだので、また全体を仮組みして記念撮影した。ううむ。なかなか格好いいじゃないかキミ(手前味噌)。

F1013868 F1013891 F1013892 F1013885

●履帯のほか、わずかながら進めた工作は、

▼排気管に穴(というかスリット)を開けた。

▼唯一の車外装備品である左フロート上の工具箱を接着。上面のフロート取付金具の上に乗る形になるが、そのままだと金具のモールドが若干強調してあるせいで、箱がちょっと浮き上がり気味になる(上、一枚目の写真は仮置き時のものなので隙間が開いている)。実際は隙間はごくわずかなので、金具のボルトモールドを削り落とした。

▼車体前端、波切り板の取付金具を工作中。この部分のエッチングパーツは妙に凝っていて、(平板だが)蝶番表現のあるベースを車体側、波切り板側両方に取り付け、その上からまたボルト表現のある帯金を重ねて貼る。

車体側は取り付け位置にボルト列がモールドされていて(波切り板を付けない場合のことを考えているのだと思う)、エッチングのベース板にはそれに対応して穴が開いている。

波切り板側のベースパーツにも2ヵ所の穴があって、波切り板のプラパーツ(C3)にもそれに対応しているらしい凸があるのだが、位置が合わない。

▼車体全部上面のU字金具(A26)の直後に、部品取り付け穴のような凹がある。前照灯のコードの引き込み穴?とも思ったのだが、それにしては穴が大きすぎるので、とりあえず埋めた。

F1013886●おおよそ形になったところで、もう一度実車の話を。

この戦車、右写真で判るように、砲塔も操縦席も左寄りに付いている。一方、排気管が車体中ほどの右端から出ているが、エンジンはこの下、車体右側にあって、要するに、その重量バランスを砲塔と人員で取っていることになる。

試作車ではそのバランスの取り方がうまくいかなかったらしく、左足回りのサスボギー外側に、ガーダービーム形式にバラスト(おもり)を取り付けている。浮くためにとことん軽く作ったために、無理をすると車体がゆがみかねないという逸話もトホホ感が漂うが、そこに今度はバラストを付けるというのがまた何とも。

実際に、試作車の走行/航行シーンを撮った、おそらくVickers社製のプロモーション・フィルムが残っていて、「Tanks Swim Now !」と誇らしげなタイトルが付いているのだが、実際の航行はかなりアップアップな感じで、進むたびにどんどん車体後部が沈んでいっているようにも見える。もうちょっと川幅が広かったら水没しているんじゃなかろうか。危ねえなあ(笑)。ちなみに、動画の20秒前後のところで、足回りのバラストが確認できる。

その後の改良でどうにかなったらしく、生産車ではバラストがなくなっている。先の動画の試作車を見ると、どうも生産車よりも(主に前後方向に)小さいような気もするので、車体を拡大して浮力を稼ぐとともに、内部の機器の配置をいじって対処したのではないかと思う。

それにしても、砲塔(武装)と乗員でエンジンと釣り合いを取るというのもちょっと不安を感じる設計な気がする。乗員の体格によっては、2人分で結構差が出てしまいそうだし、弾薬を消費すると、それもまたバランスに影響しそうだ(あるいは弾薬庫は車体中心線近くにあるのだろうか)。

そもそも、車体後半はかなり薄く切れ上がっているので、エンジンは前後方向で見ると車体中央近くに搭載されているはず。つまり戦闘室の真横にあるはずなので、排熱で居住性もかなり悪そうだ。

後部車内は燃料タンク等になっているのだと思う。上の3枚目写真で、車体後部上面にある2つのキャップの配置が判る。両方とも燃料注入口なのか、あるいは片方はオイル用かもしれない。CAMsのキットで気づかされたが、2つのキャップは蝶番などではなく、3つの蝶ネジで締め付けるようになっている。おそらくゴムシールなどが付いていて、水密性を高めているのだと思う。もしかしたら、燃料を使って重量バランスの微調整が出来るようになっているのかもしれないが……うーん。そんな高級そうな装備が付いてるかなあ。

●上写真でも判るように、この車輌は、車体後部中央にダクト上に上方に延長した開口部(吸気口?)がひとつ、あとは操縦手ハッチと砲塔ハッチがあるだけで、他に開口部やハッチはない。

おそらく、エンジンのオーバーホールなど行う場合には、上面装甲板の周囲にびっしりあるボルトをいちいち全部外して、砲塔だの何だのひっくるめて外さないといけないのだとおもう。うわっ、面倒くせえ。

(おそらく)世界初の水上航行ができる水陸両用戦車という興味深い存在でありながら、ほとんど売れなかったのはそのあたりに問題がありそうだ。

いやまあ、そういうトホホなところが模型的には逆に面白いのだけれど(注:個人差があります。me20さんみたいな但し書き……)。

●CAMsのT.Wongさんからメールで、いよいよ中華民国国民党の中央軍が購入した後期型は発売される旨、案内をいただいた。

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基本、今私が作っている前期型とは砲塔上面とハッチが違うだけ、先に発売されたオランダ東インド軍仕様とはデカールが違うだけ、ではないかと思う。……でも「龍」のマークは格好いいなあ。

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