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2015年9月

Spanish Panzer I (12)

SUMICONネタ、I号戦車(スペイン改造型)製作記の続き。砲の製作。

●この改造型は、イタリア製ブレダ20mm砲(Breda 20/65 Mod. 1935)を搭載している。もともとは軽対空機関砲だが、スペイン内乱当時の軽装甲の戦車相手なら、十分強力な武装だったはず。なお、wikipediaによれば、ドイツの20mm機関砲、FlaK30や38とは弾薬が共通だそうだ(ゾロトゥルン系の20mm砲弾)。

L6やAB41の主砲として使われている……といっても、模型製作上、砲身の先が共通なだけなので流用対象外だが、機関部まであるベアなタイプがイタレリのAS42サハリアーナに入っているほか、ロバだか馬だかが牽引する単体キットもある(ただし、そちらは店頭で見たことはない気がする)。

もっとも、そこから砲身周りだけ流用するとごっそりパーツが余ってしまうし、そうまでして使いたいほどシャープなパーツではないので、コツコツ自作することにする。

●単純に「きれいな丸棒」を使いたい場合はエバーグリーンかプラストラクトがいいのだが、砲身に使うには柔らかすぎて曲げてしまいそう。適当な細さでテーパー加工しやすそうなパーツを探して、結局、フジミ76のPaK40の砲身を削ることにした。

ただし、最初はイタレリのパーツを参考に1本まるっとテーパーをつけて削ればいいのかと思っていたのだが、実物写真を見ると明らかに途中で太さが違うので、結局前後分け、後ろ側は別材(たぶんカステンのランナー)て作って接いだ。

砲身下のロッド(というかガスパイプ?)はコントレールのプラ棒。フラッシュハイダーとその後ろのリングもやはりコントレールのプラパイプを削ったもの。

F1012922 F1012924

と、ここまで作って、I号戦車改に搭載のものは中途に小さい防盾が付けなければいけないことを思い出す。フラッシュハイダーとリングが未接着で差し込んであるだけだったので助かった。

F1012991小防盾は円筒の表面を切り取った形状をしていて、最初は0.3mmプラバンを熱して型押ししようと思ったのだがシワシワになって上手くいかず、エッチングの切れ端も面倒くさそうで、結局、ドラゴンのM10パンターの不要部品(おそらく元のG型の排気管カバー)を切り抜いて縁を薄く加工した。

砲身後半の上部に変な箱状のものが付くのはブレダ20mmの特徴だが、I号改に搭載のものは、ある程度鮮明に写っている写真で見る限り、現存の砲や、イタレリのパーツのそれとちょっとディテールが異なっている。もしかしたら、カバーをかぶせた状態なのかもしれない。

ひとまず加工の終わった砲身と、イタレリのパーツの比較は以下。

F1012988 F1012987

●1枚目の写真にあるように、カステンの履帯の整形と繋ぎも並行。トライスターのI号A型は、旧版キットはカステン製、新版キットは(契約が切れたのか、それともバルクで仕入れたパーツがなくなったのか)自社製の履帯が入っている。

F1012923ディテールそのものには特に優劣はない感じだが、塗装の手間を考えると、非可動のトライスター製より可動式のカステンのほうがありがたい。

製作中、やけにプラがパキパキと硬くもろいのが気になった。以前にもカステンの何かの履帯のランナーを加工していてそう思った。もともと硬くもろいプラを使っているのか、それともプラが劣化しやすいのか、ちょっと気になる。

キット指定の枚数は87~88枚だが、87枚だとちょっときつすぎる感じ。つなぎ終わった記念に、足回りを仮組して全体形の写真を撮ってみた。

F1012950 F1012953

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Spanish Panzer I (11)

SUMICONネタ、I号戦車(スペイン改造型)製作記。とにかく8月前半の猛烈な暑さにはすっかり参ってしまい、ほとんど製作が進まなかったこともあって、久々の報告。

前回前々回で砲塔のかさ上げ工作を行ったので、今度は防盾を作る。

ブレダ搭載回収型の防盾は、ごく大雑把に言ってしまえば、標準のI号戦車のものを大型化したような(むしろヒンジ用の切り欠きなどがない分、さらに単純な)形状の内部防盾となっている。

基本、砲の上下動などは最初から諦めているので(面倒なので)、半円筒に防盾カバーを貼り付ける形で工作をする。

F1012755b内側の円筒は、普通に考えれば適当な太さのプラパイプか、あるいはそれにプラバンを重ねて太さを調節したものを使うのだろうが、そこそこ都合のよいパーツが手元にあったので、それを使った。

タミヤの48、ロシアンパックのマーダーIIIの展示台取り付けナット固定用カバーのパーツで(右写真黄色で囲ったA9)、もちろんこれでは横幅が足りないので、2つ割りにした上で、さらに径がほぼ等しい、35ヴェスペの転輪内側パーツ2枚分を挟み込んだ。……なんというか、素直にプラパイプを使うよりもずっと余計な手間を掛けているような気がする。

Iatur抜きのテーパーが掛かっていることもあって表面を若干削り込んで滑らかにした後、防盾カバー部分を0.3mmプラバンで工作した。

最初は左側のように枠型に切り抜いたプラバンを貼ったのだが(実際にはこの通りではなく、上下部分は長めに残して、貼ってから削る工程を踏んだ)、歪んでしまって上手くいかなかったので削り落とし、結局、右側のように4辺をそれぞれ別のプラバン細切りでつくり、さらにコーナーに極小の三角のプラバン片を貼って、後から表面を整えるという、ずいぶんとプリミティブな方法を取ることになってしまった。

F1012696なお、この方法だとコーナーがrではなくカクカクとしてしまうことになるのだが、なにぶん細かい部分なのでよほど目を凝らさなければわからないし、そもそも、実車も「少なくとも単純に直角の角にはなっていない」程度しかわからない。

そんなこんなで、出来上がった防盾の基本形状が右写真のような感じ。

●さらに、これを砲塔前面に取り付けるフランジ部分を工作する。

とにかく、このあたりがはっきりと分かる鮮明なクローズアップ写真があまりなくて苦労するのだが、一応、

  • 砲耳軸をカバーする出っ張りが左右にあり、
  • さらにその出っ張りも含めて、外周すべてにフランジがあり、
  • フランジ上下に取り付けボルトの頭がそれぞれ1列並んでいる。

F1012754ということは何とか読み取れるので、それらしく工作する。工作法は結局防盾カバーと似たようなもので、四周をそれぞれ細切りプラバンで作り、軸カバー部分の出っ張りに対応した部分は後から足して、その後継ぎ目を処理した。

ボルト列は4つとしてあるが、実際には、不鮮明な写真からは4つなのか5つなのか、今ひとつはっきり読み取れない。なお、軸カバーはちょっと実際よりも大きくなってしまったかも。もちろん面倒なのでもう作り直さない。

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撤去された丸ポスト

F1012843●あっつぅ~。

もちろん、先月上旬の頭の中まで煮立ってしまいそうな暑さからすれば格段に過ごしやすい、常識的な暑さではあるのだが、やはりこの時季の、ちょっと揺り戻したような蒸し暑さはじわじわ応える。

(写真は名越の長勝寺、四天王の邪鬼)

●鎌倉国宝館で毎夏恒例「仏像入門」展が9月6日まで。

毎回「見に行かねば!」と思っていて、実際には行けたり行けなかったりなのだが、今年はなんとか、終了1日前の5日土曜日に行くことが出来た(本当その前日、空いている平日の金曜日に行こうと思ったのだが、歯医者と胃腸科のハシゴになってしまった)。

F1012827 少なくとも2011年以来(もしかしたらそれ以前からずっと)、この定例企画展のキャッチフレーズは「ミホトケをヒモトケ!」という脱力系ダジャレなのだが、最初は「いくらなんでもこれは……」と思ったものの、最近はむしろ「やっぱりこれだよな」と思うまでに慣れてきた(というより慣らされてきた?)。

もっとも、真面目な顔の仏像の写真に「ぶつぞうまんさい!」とか「今年の夏は仏像ざんまい!」とか、「仏罰当たらんのかコレ?」的なフキダシを付けていた過去のポスターに比べると、今年のそれはちょっとおとなしくて物足りない(何を求めてるんだか……)。

展示そのものはいつも通りよかった。そもそも鎌倉国宝館自体小ぢんまりした施設で、展示スペースは大きな広間ひとつしかないが、それを半分に仕切って、半分が常設展示で半分が企画展。土曜日なのでいつもよりずっと混んでいたが、それでも、平日だと下手すれば2、3人しかいない客が10人以上いる、くらいのことで、かぶりつきで仏像や軸物を見られる良さは変わらない。もっとも昨日(5日)は、展示のまん前で大声で世間話を繰り広げるおばさん2人組がいて、流石にそれにはうんざりした。

●朝にサンドイッチを食べ、昼飯は食べずに家を出たので小腹が空いていて、鎌倉国宝館に行く前に買い食い。

F1012830F1012832若宮大路の羽床(まぐろの専門店)の店先で「かじき串焼き」というのがあったので食べる。ハーブ+塩で切り身をネギ間の串焼きにしたもの。200円。値段の割に大振りの串で、柔らかくジューシーで美味。

鎌倉の中心地、特に小町通りや若宮大路の食い物は観光地価格で、美味しいかもしれないけど、ちょっとこの値段はボッてないか? むしろ鎌倉ボリって彫物じゃなくてそれ? などと思ったりするのだけれど、これは個人的に久々ヒット。

それだけではちょっと足りない気がしたので、小町通り出口のところの腸詰屋でソーセージ。ホットドッグ400円。ちょっと高めかな、と思わなくはないけれど、安定の美味さ。

●個人的にかなりのショック。

鎌倉、小町小路の蛭子神社入り口脇にあった丸ポストが、いつの間にやら撤去されていた。在りし日の姿はこちら

F1012813 F1012808 F1012809

根石の跡が白々としていて、なんだか、長年暮らした家を出て行くとき、ガランとした部屋でタンスの跡がくっきり残っているのを見る寂しさ。

鎌倉は全国の市町村のなかでも現役の丸ポスト数は1、2を争う多さで、積極的にそれを残そうとしている意思も感じるのだが、それでも、やはり撤去されるときはされてしまうのだ。

ポストマップ」で頂いたコメントによれば、狭い路側帯に置かれていたことが撤去の理由ではないかとのこと。

ちなみに「丸ポストのまち」を標榜する東京都小平市には、市役所のページによれば36本が現存、うち現役が31本(日本郵政29本、私設2本)だそうだ(2014年3月現在)。ただし、現役・私設の1本は、市内の愛好会が作った投函可能な巨大オブジェなので、それを除けば30本。現在、鎌倉市は「ポストマップ」で数えたところ、現役丸ポスト数は30本だった。

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