古レール探訪
●12日水曜日、神保町の事務所に行くついでに、山の手線内の古レール建築の中でも特に「名所」であるらしい、日暮里駅を見に行った。
最も内側にある、11-12番線ホーム。大きな特徴は、屋根を支える古レール柱が線路の向こう側に立っていて、両側からホームの大屋根を支え、ホーム上に柱がまったくない構造になっていること。
(山手線を基準として)内側柱は、線路脇の法面から斜めに突き出している。ついでに、駅の中ほどを突っ切る跨線橋の脚部も古レールが使われている。
外側柱は線路と線路の間に立っている。内側柱も外側柱も、何だかヨーロッパの教会建築のような優美さがある。
外側柱を上から見たところ。ご覧のように片側は切除されている。隣ホームもかつては同じ型式の、ホーム上に柱のない大屋根構造だったのが、改修によってホーム上に柱のある構造になっている。
これはさらに隣のホーム。わずかにアーチ2つ分の古レール柱が残っている。ちなみに私は漫然と「綺麗だな~」と眺めていただけだが、同駅の古レール柱を時代ごとの変遷含め細かく考察しているサイトもある。興味を持たれた方は参照していただきたい。
●ついでの探訪。お隣、鶯谷駅。
駅の規模自体も違い、日暮里駅ほど凝ってはいないものの、ここも緩やかなカーブが連続してなかなか優美。
屋根柱がひとつ置きに線路を跨ぎ、架線駐を兼ねている。架線柱上部に補強用か、あるいは純粋に装飾なのか、3つのリングがはめ込まれているのは、田端駅も同様であるらしい。
●さらについでの上野駅。
ここは日暮里駅と似て、線路と線路の間に屋根柱が立てられているにもかかわらず……。
なぜかホーム上にも柱が2本立つという、柱だらけ仕様になっている。強度的にはホーム上に立っている2本だけでも充分であるようで、上写真の一部を除き、多くの線路間のレール柱は取り除かれてしまった様子。
そのため、ご覧のように屋根端に、ばっさり切り取られたレールの断面が見えている箇所が多数ある。
●話は前後するが、今月初め、逗子駅の1番線ホームでも、中途部分に一部、古レールが残っているのに気付いた。しかも刻印が残っている箇所もあった。
例によって「古レールのページ」を頼りに読んでみると、米ベスレヘム・スチール社、スチールトン工場、1923年製であるらしい。鎌倉駅のキャンメル社やウニオン社のレールよりは新しいが、それでも、刻印が読めるというだけで貴重な気もする。
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コメント
本当に優美な!
曲げ方ってどうやったんでしょうね。
ジグとかあったのかな
親指でこすって曲げてたりして・・・
投稿: みやまえ | 2015年8月20日 (木) 23時55分
>みやまえさん
逗子、鎌倉の古レール柱はデザイン的には非常に素っ気無いんですが、山手線のものは、どこも、結構優美なんですよね。
以前に紹介した代々木の、90度以上曲げているものなんて、古レールってこんなに自由度のある鋼材なのか、と感心してしまいます。
投稿: かば◎ | 2015年8月23日 (日) 21時39分