Spanish Panzer I
●SUMICON参加ネタの、スペイン内乱時のI号戦車A型改。ちっくりと、ではあるものの、製作を開始したので、ここ2、3週ほどの進捗報告。繰り返しになるが、使用キットはTristarのGerman Panzer I Ausf.A(ドイツI号戦車)の旧版(35003)。
製作の対象はブレダ20mm搭載の改造車輌だが、砲塔かさ上げのスマートな工作方法がイメージできていないので(結局は愚直に工作することになりそうだが)、とりあえずは通常型とまったく差がない車体部の工作から。
●誘導輪は、尾藤満氏のpanzer memorandumにあるI号戦車B型製作記に倣って、中心部のボルトをマスタークラブ製のキャッスルナットに交換した。
右写真は、最初に工作をしたもの。これには尾藤氏と同じく頭サイズ0.7mmのものを使用したが、これは実車と比べるとやや大きい(尾藤氏の製作記でも、強調のため大きめのサイズを使った旨書いてある)。しかし、片側1枚のみ工作を終えたところで、部屋の片付けをしているどさくさに、加工終了した起動輪が行方不明になってしまった。
どこへ行ったのやら発見できず、仕方がないのでもう一つのストックからパーツを拝借してきて工作をやり直した。
この際、キャッスルナットは1サイズ小さい0.6mmに変更した。尾藤氏のように全体に徹底工作をするなら一部の強調は効果的かもしれないが、私のように気の向いたところだけティテールアップというやり方だと、悪目立ちしそうだったので。
右写真は加工済みと、未加工のキットのパーツとの比較。
●新版でも表現されていないが、I号戦車の車台底面は、単純な長方形ではなく、前端は、ギアハウジングの出っ張り下にまで、少し平坦部分が続いている(ドラゴンの新しいA型では、若干妙な具合ではあるものの、この平坦部が表現されている)。
キットのまま作ったとしてもほとんど見えない部分で、しかも単なる床板延長では済まず、前面のカーブ部分も調整する必要が出てくる。手間と効果を比較するとだいぶ割に合わない感じがする工作なのだが、なにしろSUMICONは半年の長丁場でもあるので、ついつい余計なところにまで手を出してしまう。
今のところ、床板を延長し、前面装甲カーブ部分の下部を切り欠いただけで、調整は未着手。右側が未加工のキットの状態(中途半端で放ってあるもうひとつのストック)。
●並行して、エンジンルーム隔壁を止めているものと思われるボルト列を加工。タミヤ48のマーダーIIIの床板から削ぎ取ってきた。先日のヴィッカース水陸両用戦車の砲塔は丸頭部分を使ったが、こちらは平頭(実際には六角ボルト?)。
ちなみに、リベットを削ぎ取っているマーダーIIIは、R-1軽戦車に履帯ほかのパーツを流用するために仕入れてきたもの。特価品だったとはいえ、ろくでもないキット(フェアリー企画のR-1!)のためにシャープな良品を犠牲にするのはなかなか忍びないものがあり、その分、使える部分はとことん利用したい。
●TristarのI号戦車A型は、新版では溶接痕のモールドが追加されているが(ただし車体のみ、砲塔部は変化なし)、現在作っている旧版にはないので、伸ばしランナーで追加した。
この溶接痕については、キット発売当時、「なぜないんだ!」と物議を醸したように記憶しているのだが、実車はペラペラな装甲をエッジで溶接してあり、クローズアップの鮮明な写真でなければ確認できないレベル。今回はひと手間掛けたが、なければないで構わない程度のものではないかと思う。
追加工作も、「塗装したらあまり目立たなくなるくらい」を目指した。
アンテナ基部は後々作り直すので、穴を開けてモールドは削り落とした。
●装甲が薄いI号戦車ならではという感じだが、この車種には、車体表面各所に埋め込みネジがある。これに関しては、そもそもツライチに処理されているために実車ではほとんど目立たないのだが、実車の華奢さを表現するために追加工作することにした。
まず最初に、車体ハッチ下側周囲。上記のように実車ではほとんど目立たないのである程度省略してもいいのだが、ここに関しては、上面周囲には元からキットにモールドがあるので、バランス上からも追加しておきたいところ。
0.4mmドリルで穴を開け、そこに伸ばしランナーを挿して、ほんの少し窪ませて接着した。ネジのマイナス溝などはどうせ見えないので切っていない(ヒートペンなどだと楽に表現できるのかもしれないが)。
なお、左右の増加装甲は、実際はキャッスルナットで止まっていて、尾藤満氏はマスタークラブに交換しているが、私は個人的にキットのモールドで充分だと思ったのでそのまま(起動輪のナットはちょっとダルな表現だったが、こちらはそれなりにメリハリもあるので)。
続いて車体前部上面。ここのネジは、車内の無線機枠とか計器盤とかを止めているものだと思う。
操縦手用クラッペ下の一列(4ヶ所)は、車体ハッチ周囲同様「穴を開けて埋め込み」式で工作したが、その他の場所は、安直に玉ぐり工具の先を押し付けて表現した。下端の、キットにもとからモールドしてある戦闘室結合用ネジ列よりは小さめ(実際には車体ハッチ周囲、クラッペ下なども小サイズだと思う)。……塗装したら消えてしまいそう。
戦闘室周囲のクラッペの周りにもネジがあって、それは追加工作するか、あっさり省略するか迷っていたのだが、この「玉ぐり工具押し付け」式は比較的楽なので、クラッペ周囲にも追加の方向に傾きつつある。
なお、クラッペ周囲が埋め込みネジなのはA型の特徴で、B型では尖頭リベット(ボルト?)になる。
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