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2015年5月

Spanish Panzer I (2)

SUMICON参加ネタ、スペイン内乱時のI号戦車A型改の製作記の続き。

とはいっても、まだまだ全然スペインに向けて船出していない感じ。

なお、前回書き忘れたが、本棚を漁って、アーマーモデリング誌の、尾藤満氏による「ACHTUNG PANZER! Modellieren」の連載を数冊発見することができた。見つけたのは、

  • 2008年3月号 連載第1回「I号戦車A型(クルップトラクター)(第1生産シリーズ)」
  • 2008年4月号 連載第2回「I号戦車A型(第2生産シリーズ)」
  • 2008年6月号 連載第4回「I号戦車A型(第3生産シリーズと改修型)」
  • 2008年9月号 連載第7回「操縦訓練車(後編)」

ヌケがあるのは惜しいが(もしかしたらもう数冊持っている可能性はある)、とりあえず、A型製作のツボは押さえられる。その後のキット改修による新パーツ登場等々の変化もあるので、尾藤満氏のpanzer memorandumのI号戦車B型製作記と合わせ読むとなおよい。

パンツァー・トラクツでのディテール解説や、グランドパワー、legion-afv.narod.ruのwalkaroundなどが車体製作のメイン資料だが、それらで見逃していたディテールについて、尾藤氏の工作で気付かされることも多い。

もちろん、「気になりポイント」には個人差もあるし、投入するパーツにも違いがあるので、尾藤氏の工作のなかで気に入ったところを取り入れたりアレンジしたり、場合によっては余計なところに手を付けたりというのが、今回の基本製作姿勢。

F1010957F1010802●車体前部の床板左右の延長に関しては、前面板、バルジ部の辻褄合わせ工作を行い、溶接痕も追加。具体的には、床板の延長でバルジ下部に段差が出来てしまったのを解消するため、バルジ下半分に0.3mmプラバンを貼り増して削った。溶接跡は戦闘室回り同様に伸ばしランナー。

ひっくり返して見るほどの丁寧な工作は行っておらず、ではなんのためにわざわざ切り貼りしたんだよ!感たっぷり。

●転輪比較。各社とも、A型の中途から用いられた強化リブ付き転輪を表現している。原型となったヴィッカースの転輪に比べて、ずいぶん凝った作り。

F1010258上左:イタレリ  上右:ドラゴン旧版
下左:トライスター新版 下右:トライスター旧版

右下(トライスター旧版)が、製作中のキットのもの。なお、トライスター新版には、この転輪も不要パーツとして一揃い入っている。

トライスター新版の転輪は、ホイールリム外側リングを別パーツにしていて、内側溝部がきっちり再現できるようになっており、再限度は一段上。なお、一体成型のその他3つと、このトライスター新版とでは、リング部分表の表現も異なっているが、これは実車にも見られるバリエーション。生産時期によるのかどうかは未検証だが、とりあえず、のっぺりタイプのほうが一般的なようだ。

またここには出していないが、ドラゴンの新パーツも似た構成で、リム外側をエッチングパーツで用意してある。ただし、

  • すでにパーツが切り離された状態で袋入りになっているのは親切なものの、
  • 販売の過程で、微妙に変形しているパーツもある。
  • 微妙にドーナツの幅が不安定(つまり、内周と外周で中心がわずかにずれているものがある)。
  • あまり接着剤がはみ出して欲しくない部位なのに異種素材なので接着が面倒。

という弱点があり、個人的にはトライスター新版のほうが好ましい感じ。

トライスター旧版は、単に溝が表現されていないだけでなく、スポークと強化リブが形作る三角穴の角が丸過ぎる感じなのが、実車と異なる。もっとも私自身は、こうして並べてみて、初めて「あ、何か違う」と気付いた。ヌルし。

意外に頑張っているのがイタレリで、穴形状はトライスター旧版よりずっとよく、メリハリもある。また、イタレリの転輪パーツに、ちゃんと表裏の別があるという点にも、今回初めて気付いた。

I号戦車の転輪のスポーク根元には、6本のうち2本に、表側にのみ、グリース注入部?と思しき突起がある。惜しいことにイタレリでは1カ所だけになっているものの、この突起が再現されている。エライ。

そんなわけで、今回は「転輪はいっそイタレリに交換してしまおうか?」とも思ったのだが、先述の「突起が一個しかない」ことに加え、厚み不足!という問題があり、付属の履帯との相性も考え、結局は旧版転輪をそのまま使うことにした。

F1010967b●最前部転輪基部。

ショックアブソーバーは、トライスターのキットのものは、A型第4シリーズからB型にかけて用いられた後期型を再現している。今回は一般的な第2シリーズ後期~第3シリーズくらいをイメージして作っているので、前期型に変えたい。

ここで好都合なことに、ドラゴンのB型シリーズの新しいもの(たぶん47mm自走砲以降)には、A型用パーツがたんまり入っており、初期型ショックアブソーバーが余る。新シリーズはどのキットもそうなのか判らないが、少なくとも私の持っているsIG33自走砲では、この初期型ショックアブソーバーが2輌分も余った。有り難い。

写真は上がトライスターのもの(旧版・新版とも同一)、下がドラゴンA型用。上部の横方向のシリンダー下のボルト?が、後期型は大きなものが1つ、前期型はやや小さめで2つ付く。ここはアームごと、ドラゴンのパーツを微調整して使うつもり。

F1010256●サスペンション用コイルスプリングは、写真の左端がキット(トライスター)のもの。中2つはドラゴンのA型用、右端は旧B型用。

ドラゴンはB型シリーズの新キットでは、中2つのパーツを使うよう指示しているのだが、尾藤氏が指摘しているように、これはA型第3シリーズまでの線が細いスプリング。

というわけで、ドラゴンのB型シリーズには右端の旧パーツを使うと、A型用パーツがこれまた都合よく余る……のだが、ちょっとオマヌケなことに、ドラゴンのこのパーツは右左で巻きが逆の「専用パーツ」になっている。わざわざ左右でバネを作り替えたりするかヨー!

アーム&ショックアブソーバー同様、実はこのバネも2輌分入っているので。巻きの正しいほうだけ使って1輌作れるが、上端の基部も含め、ちょっとサイズが大振りな感じなのも気になる。そもそもあまり見えないところでもあるので、キットパーツをそのまま使うほうに傾き中。

ちなみに、ドラゴンのB型用旧パーツは、よ~く見ると、バネがコイルではなく単なる蛇腹になっているという、より一層トホホなパーツになっている。

(追記。ドラゴンの上記A型用も、改めてよく見ると、「右左で巻きが逆」なだけではなく、モールドがコイル状ではなくて、裏側では逆斜めになって、要するに「斜めの蛇腹」にしかなっていない。なんて無神経なパーツ設計!)

F1010959●転輪用ボギーは、ディテールに若干の省略もあり、マスタークラブのキャッスルナット(0.7mm頭)で追加工作。上が未改修のキットパーツ、下が追加工作済み。

具体的には、スプリング根元の省略されているナットを追加、さらに中途の束ね金具のナット部分も曖昧なモールド表現なので作り直した。

ただし、マスタークラブのリベット/ボルト/ナットセットは、望む位置に穴を開け、脚を挿し込み位置決め後、裏から接着固定するのが通常の工程で、それが利点でもある(位置決めが容易で表側を接着剤で汚さない)のだが、この部分には見えなくなる裏側がない!!

板ばねの根元側は深く穴を開けて挿し込み、接着は瞬着だとやり直しが利かないので、差し込む前に穴にサーフェサーを塗って接着剤代わりに。

束ね金具部分はもっと厄介で、穴を貫通させることができない。me20さんのところでのリベット談義でも話に出たのだけれど、頭部分だけ切り取って瞬着で着けるのは難易度が高過ぎる。とりあえず、浅く穴を開けて、脚を短く切り詰めて位置決めをしてみようと思ったのだが、やはり扱いづらく、いじくり回しているうちに弾き飛ばして紛失してしまい断念。結局、

  1. 細切りのプラバンに、キャッスルナットを2本通して瞬着で固定。
  2. 脚部分を切り飛ばし、ヤスって、裏側を平滑に。
  3. キットパーツは台座部分のモールドも削り落として、(2)を接着し、台座形状を削って調整。

……というような面倒な工程を踏むことになった(ちなみに尾藤氏は、束ね金具の脚も含めて作り直している)。

現時点で、1つだけ作業終了。これをあと7箇所もやるのかと思うとちょっとげんなりする。

●上部転輪は出っ張るべきところが凹んでいたりして、あまり形状がよろしくないので追加工作した。

F1010981F1010978これは新版でも同じパーツが入っているのかと思ったら、金型改修されていた。私の追加工作も割と適当だが、改修パーツの方もなんだか実車の雰囲気と違う。

出っ張り部分は、百均で買ったポンチの2mm径で0.3mmプラバンを抜いたもの。ちょっと径が大きかった。考えてみれば、最近は綺麗に丸く切り抜いたプラ板パーツなども売っているので、そちらを使えばよかったかも。

真ん中は、ジャンクパーツのドラゴンT-34の排気管カバーのボルトに、またしても48マーダーIIIの平頭リベットを重ねたもの。

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Spanish Panzer I

SUMICON参加ネタの、スペイン内乱時のI号戦車A型改。ちっくりと、ではあるものの、製作を開始したので、ここ2、3週ほどの進捗報告。繰り返しになるが、使用キットはTristarのGerman Panzer I Ausf.A(ドイツI号戦車)の旧版(35003)。

製作の対象はブレダ20mm搭載の改造車輌だが、砲塔かさ上げのスマートな工作方法がイメージできていないので(結局は愚直に工作することになりそうだが)、とりあえずは通常型とまったく差がない車体部の工作から。

F1010113●誘導輪は、尾藤満氏のpanzer memorandumにあるI号戦車B型製作記に倣って、中心部のボルトをマスタークラブ製のキャッスルナットに交換した。

右写真は、最初に工作をしたもの。これには尾藤氏と同じく頭サイズ0.7mmのものを使用したが、これは実車と比べるとやや大きい(尾藤氏の製作記でも、強調のため大きめのサイズを使った旨書いてある)。しかし、片側1枚のみ工作を終えたところで、部屋の片付けをしているどさくさに、加工終了した起動輪が行方不明になってしまった。

どこへ行ったのやら発見できず、仕方がないのでもう一つのストックからパーツを拝借してきて工作をやり直した。

F1010278この際、キャッスルナットは1サイズ小さい0.6mmに変更した。尾藤氏のように全体に徹底工作をするなら一部の強調は効果的かもしれないが、私のように気の向いたところだけティテールアップというやり方だと、悪目立ちしそうだったので。

右写真は加工済みと、未加工のキットのパーツとの比較。

●新版でも表現されていないが、I号戦車の車台底面は、単純な長方形ではなく、前端は、ギアハウジングの出っ張り下にまで、少し平坦部分が続いている(ドラゴンの新しいA型では、若干妙な具合ではあるものの、この平坦部が表現されている)。

F1010290F1010282キットのまま作ったとしてもほとんど見えない部分で、しかも単なる床板延長では済まず、前面のカーブ部分も調整する必要が出てくる。手間と効果を比較するとだいぶ割に合わない感じがする工作なのだが、なにしろSUMICONは半年の長丁場でもあるので、ついつい余計なところにまで手を出してしまう。

今のところ、床板を延長し、前面装甲カーブ部分の下部を切り欠いただけで、調整は未着手。右側が未加工のキットの状態(中途半端で放ってあるもうひとつのストック)。

F1010495●並行して、エンジンルーム隔壁を止めているものと思われるボルト列を加工。タミヤ48のマーダーIIIの床板から削ぎ取ってきた。先日のヴィッカース水陸両用戦車の砲塔は丸頭部分を使ったが、こちらは平頭(実際には六角ボルト?)。

ちなみに、リベットを削ぎ取っているマーダーIIIは、R-1軽戦車に履帯ほかのパーツを流用するために仕入れてきたもの。特価品だったとはいえ、ろくでもないキット(フェアリー企画のR-1!)のためにシャープな良品を犠牲にするのはなかなか忍びないものがあり、その分、使える部分はとことん利用したい。

F1010237●TristarのI号戦車A型は、新版では溶接痕のモールドが追加されているが(ただし車体のみ、砲塔部は変化なし)、現在作っている旧版にはないので、伸ばしランナーで追加した。

この溶接痕については、キット発売当時、「なぜないんだ!」と物議を醸したように記憶しているのだが、実車はペラペラな装甲をエッジで溶接してあり、クローズアップの鮮明な写真でなければ確認できないレベル。今回はひと手間掛けたが、なければないで構わない程度のものではないかと思う。

追加工作も、「塗装したらあまり目立たなくなるくらい」を目指した。

アンテナ基部は後々作り直すので、穴を開けてモールドは削り落とした。

F1010506●装甲が薄いI号戦車ならではという感じだが、この車種には、車体表面各所に埋め込みネジがある。これに関しては、そもそもツライチに処理されているために実車ではほとんど目立たないのだが、実車の華奢さを表現するために追加工作することにした。

まず最初に、車体ハッチ下側周囲。上記のように実車ではほとんど目立たないのである程度省略してもいいのだが、ここに関しては、上面周囲には元からキットにモールドがあるので、バランス上からも追加しておきたいところ。

0.4mmドリルで穴を開け、そこに伸ばしランナーを挿して、ほんの少し窪ませて接着した。ネジのマイナス溝などはどうせ見えないので切っていない(ヒートペンなどだと楽に表現できるのかもしれないが)。

なお、左右の増加装甲は、実際はキャッスルナットで止まっていて、尾藤満氏はマスタークラブに交換しているが、私は個人的にキットのモールドで充分だと思ったのでそのまま(起動輪のナットはちょっとダルな表現だったが、こちらはそれなりにメリハリもあるので)。

F1010711続いて車体前部上面。ここのネジは、車内の無線機枠とか計器盤とかを止めているものだと思う。

操縦手用クラッペ下の一列(4ヶ所)は、車体ハッチ周囲同様「穴を開けて埋め込み」式で工作したが、その他の場所は、安直に玉ぐり工具の先を押し付けて表現した。下端の、キットにもとからモールドしてある戦闘室結合用ネジ列よりは小さめ(実際には車体ハッチ周囲、クラッペ下なども小サイズだと思う)。……塗装したら消えてしまいそう。

戦闘室周囲のクラッペの周りにもネジがあって、それは追加工作するか、あっさり省略するか迷っていたのだが、この「玉ぐり工具押し付け」式は比較的楽なので、クラッペ周囲にも追加の方向に傾きつつある。

なお、クラッペ周囲が埋め込みネジなのはA型の特徴で、B型では尖頭リベット(ボルト?)になる。

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しつこく古レール建築

●この土日は静岡ホビーショーの一般公開日(およびモデラーズクラブ合同展)だったのだが、今年はもうハナから行ける気配なし。だんだん静岡が遠くなるなあ……。

もっとも、あっと驚く会場発表などもなかったようだ。

●日曜日夕、電器の量販店に行ってついでに外食をしようと言われ、大船で家人と待ち合わせ。往路は鎌倉経由にして、ついでに鎌倉駅ホームの古レール屋根柱を再チェック。ちなみに、鎌倉駅ホームの古レール柱は、中央階段逗子側から、ホーム事務室のあたりまで使われている。

改めてチェックしてみると、先日のものだけでなく、意外に多く刻印が確認できた。

F1010345 F1010344確認できた刻印は一部しか読めなかったり、そもそも「なんだか刻印が入っていることだけは判る」状態のものもあったりする。読みやすさという点では、先日のものが最も状態がよいようだ。

読めるものに関しては、先日のものと同じく英キャンメル社製のものが多いようだが、先日のもののように「CAMMELL S ~」と所在地が略号で入るのではなく、「CAMMEL SHEFFIELD ~」と略さず書かれているものもある。「古レールのページ」によれば、これは、略号で入るものよりもさらに古いものだそうだ。右写真の製造年はちょっと読みづらいが、「1883」と書いてあるようだ。また、末尾に「I.R.J.」と書かれているが、これは発注者名、「Imperial Railway of Japan」の略である由。

F1010351またこの他、レール国産化以前に英国製とともに輸入されていたドイツ製レールも確認できた。右写真の左側のれーるがそれで、最初の文字列、「UNION」が読める。

これは、ドイツ・ドルトムントの「Union, AG für Bergbau, Eisen- und Stahl-Industrie」社というメーカー製であるらしい。製造年までは確認できなかった。なお、右側の湾曲しているレールはやはり英キャンメル社製で、これも製造年は「1883」と読める。末尾に「I.R.J.」とあるのも、上写真と同じ。

何しろ日曜日でホーム上に人も多かったので、そうそう丹念にチェックもできなかった。そのうちまた調査したい。

F1010436F1010429●先月末、名越の尾根道で、木のうろにニホンミツバチが営巣しているのを発見した。なにしろ山道のすぐ脇の木からひっきりなしにハチが飛び立っているので、危険視されて駆除されたらかわいそうだと思っていたが、月曜日(18日)午前中再訪してみたら元気に活動中だった。

思い切って近付いて、ガラケーを数十センチくらいまで近付けて写真を撮ってみたが、特に警戒しているような行動も取られなかった。ミツバチ、鷹揚すぎる……。しかしこれなら、今後も駆除対象になどならずに済むかも。

F1010486●ハチつながり。

ウツギの花に、この時季、この花にだけやってくるウツギヒメハナバチが多数。コマルハナバチよりもさらに「年に一度の荒稼ぎ」だけで生きている連中。

羽音もよく聞き取れないほど小さい、スマートなハチだが、脚にたっぷり花粉をつけて忙しなく飛び交っているのは、なかなかサマになっている。ミツバチ等のように社会性のあるハチではなく、単独性。たくさん来ているのは、「たまたまみんなでその木をアテにしているから」であるらしい。

それほど行動範囲が広いハチではなく、ウツギの樹から数百メートルの範囲で、地面に穴を掘って巣作りするそうだが、今のところ私は見たことがない。

F1010397●名越の山道でカジイチゴを見つけてつまみ食い(ひとつだけモミジイチゴが混じっている)。

なかなか大粒だし、色だけみるととても美味しそうなのだが、いざ食べてみたら、あまり甘くも酸っぱくもなく、ちょっとマヌケな感じだった。残念。

F1010286●市内のスーパーで、これまで知らなかった巨大な乾パンを見つけて衝動買い。普通売られている乾パンはせいぜい3cmくらいだが、これは長辺が8cmもある。調べてみると、自衛隊にも卸しているらしい。

ゴマも入ってなかなか美味しい(こういうビスケット系の、しかも比較的堅めに焼きしめたものは結構好きなのだ)。

F1010287ついでにもうひとつ、別のスーパーでタバスコチョコなるものを見つけて、これも衝動買い。チョコレート自体はかなりダークで、それにタバスコが混ぜ込んであるらしい。後味はそこそこ辛いが、それなりに美味しい。

なんとなく、ショカコーラ的雰囲気があるなあと思ったのだが、調べてみると、ショカコーラによく似た丸い缶入り版もあるのだそうだ。

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続々・古レール建築

●コマルハナバチの稼ぎ時にゅっと

コマルハナバチは我が家周辺で最もありふれたマルハナバチ。このコマルハナバチ、春の間だけ活動して、夏にはもういなくなってしまう。デカンショ節よりもさらに働く期間が短い。そんなんでやっていけるのか、と思わなくもないが、この時季は日本全国、都市部でも花が多いので、その期間に集中的に働いてあとは休眠するスタイルは、むしろ好都合なのだそうだ。

F1010078F1010074特に5月の初めは住宅地でも寺社でもツツジが一斉に咲くので、そんな場所に行くと「む゛~ん」と羽音が聞こえてくる。右写真は安養院のつつじ(5月5日)。数年前と比べると、ちょっと咲き方が今ひとつだったような気もする。

月半ばにはツツジの盛りは過ぎてしまうが、ミカンの花やラベンダーなどにやってくる。

近所のコンフリーの花もマルハナバチのお気に入りで、去年も今年も大盛況。しかし不思議なことに、去年人気だった近所のナニワイバラは、今年は一度もマルハナバチを見ないうちに花が終わってしまった。同じナニワイバラの花に去年は何匹も来ていたベニカミキリも未見。あれは近所で見かける虫のなかでもひときわ綺麗なので残念。

とにかく、そんなマルハナバチの写真をせっせと撮って、一昨年から調査員として登録している「マルハナバチ国勢調査」にメールで送っている。虫写真にご興味のある方は、ぜひご一緒に。月間投稿数がトップになるとご褒美ももらえます。

●ほか、最近のいきもの写真。

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上左:トラマルハナバチ!……と思ったらアブだった。ベッコウハナアブ?
上右:コマルハナバチ!……と思ったらまたアブだった。アシボソミケハラブトハナアブ?

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上左:日光でお腹がハチミツ色に透き通ったミツバチ。
上右:色自体は地味なのに模様が凝っていてイタリアン・ニットのようなイヌビワハマキモドキ。

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通称「ハゲ山」のヤマザクラ。

F1010060 F1010114 F1010160

上左:実家のミカンの花に来ていた、妙にスタイルのいいハナバチ。シロスジヒゲナガハナバチのメスか?
上中:おそらくサシゲチビタマムシ。模様がシック。
上右:ミカドトックリバチ(たぶん)。

F1019930●月初め、逗子・鎌倉の海に赤潮が発生。昼間見ると海に赤茶の帯が出来ていて汚らしいが、主原因は夜光虫で、数日、夜になると波打ち際が時折光って綺麗だったらしい。

写真は5月2日、披露山公園から見下ろした海。

この日の晩、新宿の浜まで夜光虫が光るのを見に行ったのだが、残念ながらタイミングが合わず、目の前で光るのは観察できなかった。ただし、浪子不動の磯で時折ちらちら青白く光るのがわずかに見えた。

F1019933 F1019943ついでに、これまでにも話題にしたことがある披露山公園の海軍高角砲(高射砲)陣地跡。

近景の花壇、中ほどの展望台、遠方のサルの檻が、円形のコンクリート製台座を利用して作られている。

F1019947もっとも、横須賀海軍警備隊「砲術科兵器目録」によれば、設置されていたのは12.7cm連装2基だったとのことで、もともと3基据えるつもりで作って余っていたのか、それともひとつは何か別のもの(測距儀とか)が置かれていたのかはよく判らない。

なお、浪子不動から披露山公園に上る道、山上からちょっと下のあたりには、弾薬庫なのか、それとも避難用なのか、小さな壕の跡がある。現在はコンクリートブロックで入口が塞がれている。

F1019877●軍事遺構繋がり。

名越の送水管隧道の逗子側出口については先月ちょっと書いたが、月初めに散歩した折、草刈りされていてさらによく見えた。

同じく先月載せた久木隧道。以前に書いたように、この一帯を接収して作られた工員宿舎と、逗子駅の間のショートカットとして戦時中に作られたもの。近くを通ったので、今度は夕方ではなく昼間に撮影。なお、隧道前を過ぎてもっと谷戸の奥、久木共同グラウンドのちょっと手前には、防空壕なのか、あるいは何か他の地下施設なのか、おそらく大戦中のものと思われる大きな壕がある(このあたりに多い中世の「やぐら」は、通常綺麗に四角く掘り抜いてあるので見分けが付き易い)。

F1019990 F1019994 F1019998

●ゴールデンウィーク最終日の5月6日、兄弟分のドイツ人Pが家族で遊びに来るというのに合わせ、前泊で川崎の実家に行く。P家の長女・三女とも久しぶりに会って、大いに喋って大いに飲む。昼から飲み始め、途中酒を買い足しにまで行って、Pと2人で缶ビール10本、日本酒2本(もちろん一升瓶ではなく700ml)。ほろ酔いで帰宅。

●5月14日、打ち合わせで外出時、鎌倉駅で古レール製のホーム屋根柱を見ていたら、珍しく刻印がちゃんと読める箇所があった。

F1010241 F1010248 F1010247 F1010246 F1010244

CAMMELL S TOUGHENEDSTEEL W 1888 (?) SEC 351と書いてあるらしい(一部不明)。

ここを参考に刻印の意味を読み解くと、

CAMMELL:英チャールズ・キャンメル(キャメル)社
S:シェフィールド(キャンメル社工場もしくは本社所在地)
TOUGHENEDSTEEL:強化鋼(商品名)
W:不明。
1888:1888年製
(?):金具などに隠れているが、位置的に発注者名略号が入っている可能性あり
SEC351:形状規格351番

1888年(明治21年)は、横須賀線の開業よりもなお1年古く、仮にこのレールが横須賀線に使われていたものだとすれば、開業時に敷かれた由緒あるレールの可能性がある(もちろん廃材なので別のところ(東海道線とか)から持ってきた可能性もある。

この時期、まだ日本の近代鉄鋼業は始まったばかりで国産のレールは作られていなかったようで、レールは主にイギリス、ドイツから輸入されていたらしい。

F1010238 F1010239なんだか、デパートの石壁にアンモナイトを見つけるような楽しみがある。

なお、刻印は長いレールに1、2カ所入っているかどうか、というものなのかと思っていたのだが、このレールは2mほど上にもう1カ所、刻印が入っていた。

またこれ以外にも刻印のあるレールを見つけたが、雨どいに隠れてよく見えなかった。

●うちのかみさんは、俳優の上川隆也について、「リュウ・マオシンを演った人」と表現するのだが、「大地の子」で陸一心(ルー・イーシン)を演じてはいても、史上最年少の特級厨師を演じたことはないと思うぞ。いやそれでも判るけど。

●最近、我が家近辺では、中国語の四声の練習をしているような特徴のある抑揚の大声の鳥がいて(しかもその声が異様に長々と途切れない)、いったいあれは何なのだろうと思っていたのだが、先日、姿を確認する機会があって、ようやく、絶賛勢力拡大中の外来種、ガビチョウだということが判った。ムクドリに近いくらいの中型の鳥で、メガネっ子。

以前から名前は知っていたが、間近にホンモノがいたとは知らなかった。

数日前からホトトギスが聞かれるようになった。昼夜の区別のないヤンキーなヤツで、今年初めての啼き声も夜中だった。それにしても、ウグイスといい、ホトトギスといい、コジュケイといい、新来のガビチョウといい、近所の鳥にはなんでこう大声のヤツが多いんだか。

なお、ここ数日、割と家の近くで、「ちゅぴー、ちゅぴー、ちゅぴー」という特徴ある声を聞かせてくれる鳥がいるのだが、声からの検索というのはなかなかうまく行かず、未だ正体不明。

●「てさぐれ!部活もの」という、ものすごくグダグダなアニメがある。

ここしばらく観たことがなかったのだが、たまたま現在放映中の第3期「てさぐれ!部活もの すぴんおふ プルプルんシャルムと遊ぼう」を観たら、OPでBT-7が疾走していた。しかも「なんだかBTっぽい」ではなく、きっちり「BT-7 1933年型 ハチマキアンテナ付き」の特徴を描き込んである。なんぞ……。

と思ったら、第一話の本編中でも、キャラの一人がBT-7に乗って登場してきた。実は中の人は「ガルパン」のノンナさんと一緒で、本人が熱心なBTファンであるらしい。私が言うのも何だが変な人だ……。

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I号戦車の準備の続き(2)

SUMICONネタのI号戦車A型改、ブレダ20mm搭載型の仕様考証。

●前回補足。

(1).評判のよいガレージキット・メーカー、LEADWARRIORからも、このブレダ20mm搭載型のコンバージョンキット(トライスターまたはドラゴン用)が出ている(出ていた)。

ネット上で写真を見る限り、成型もシャープでそれらしい出来のキットだが、メーカーによる実車説明のページによると、「この車輌の写真はたった1枚が知られている」だそうだ。考証の材料的にはMBと同レベル……。

(2).「ブレダ20mm搭載のI号A型は4輌改装された」説だが、STEVEN J ZALOGA著、“SPANISH CIVIL WAR TANKS -- The Proving Ground for Blitzkrieg”(Osprey Publishing, NEW VANGUARD 170)にそう書いてあるのを見つけた。

もちろん、ザロガ先生が何に基づいてそう書いているのか、というのはあるけれど、それなりの資料に取り上げられている説であることは判った。

なお、同書によれば、改装は1937年夏、セビリャのFábrica de Armas(兵器工廠、とでも訳すべきか)で行われたとある。

●実車写真による仕様の検討。まずは砲塔周り。

・外形的には砲塔のみが改修されていて、車体に変化はないものと思われる。砲塔は基本形状を活かしたまま、天井部分をかさ上げして容積を拡大している。天井を新造している可能性もあるが、ハッチ等は同形なので、とりあえず、砲塔側面と天井板を切り離し、両方ともそのまま活用しているものと仮定する。

・砲塔前面はかさ上げ部も含めて同一平面なのか、かさ上げ部は角度が変わっているのか、今ひとつよく判らない。要検討。

砲塔天井前端に2カ所、ハッチ用ダンパー。例えばこの写真では単純な円柱形に見える。元のI号戦車の場合、図面等ではダンバーは円錐台形で描かれている場合が多いが、円筒形に見える写真もあるので、もともとバリエーションとして「どちらもあった」のかも。

・主武装はブレダM35 20mm機関砲を搭載。中途に、円形の板を丸めたような、小さな防盾を装着している。これはオリジナルにはないもののようなので、I号戦車に搭載した際にわざわざ追加されたらしい。砲身付け根上に小さな箱のようなものが載っているが、これはブレダM35 20mm機関砲に元から付いている。ただし、この箱状パーツが付いていないように見える写真もある。

●車体。

・エンジンデッキ部、通風孔に装甲カバー付きの改修型。とりあえず、確認できる写真では全車に付いている。通風孔カバーはA型生産終了後の追加改修なので、生産時の仕様とは無関係。

・戦闘室側面下部の増加装甲付きが確認できる写真はあるが、増加装甲なしと断言できる写真は見当たらない(標準の戦車型ではないものも確認できる)。ただし、先の写真の車輌は増加装甲なしのようにも見える。この車輌は別カットで、同じ右側面と、反対側の左側面の写真があるのだが、どちらもニヤけたおっさんが立ちふさがっていて増加装甲の有無を確認できない。おっさんそこをどけ! なお、とりあえずこの車輌はジャッキ側面にワイヤーカッターを装備している。

・初期生産型の特徴、ホーンにラッパ付きが確認できる写真もある。

・クラッチ/ブレーキ点検パネルの幅については、はっきり確認できる写真がない。

・写真で確認できる限り、全車、フェンダー前後のマッドフラップなし。

・前照灯にはカバーをかけていないことが多そう。

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I号戦車の準備の続き

F1010026SUMICONネタのI号戦車、製作前準備の続き。

作る予定の、スペイン内乱におけるブレダ20mm砲搭載改装型は、これまでにそのものズバリのキットも、1:35で2種発売されている。

片方はチェコのHiPM製(下)、もう片方はウクライナのMB(マスターボックス)製(上)。どちらも、それぞれの会社から出た通常型のA型のバリエーションとして発売されたもので、HiPMのほうは、箱に1999年と書いてあった。MBのほうはいつ発売されたものだったか、よく覚えていない。

もともとこの変態的改造車輌には惹かれていて、そのためにこの両キットも買ったのだが、今となってみると、ベース部分でトライスターのキットと比べだいぶ見劣りする。今回はあくまでも参考品程度。

●HiPMのI号A型は、明らかにイタレリのI号B型をコピーして、A型、B型の相違部分だけ新造してあるという、いささか倫理的に問題のあるキット。

F1010019 F1010021よく見ると、車体前部はイタレリの増加装甲付きのままコピーされていて、部品取り付け指示の凸モールドもそのまま(また、そのためにクラッチ/ブレーキ点検用パネルは、生産第3シリーズ末から使われた幅広のものとなっている)。

起動輪はイタレリのパーツのヒケ部分にパテか瞬着を盛って、しかしきちんと削ったりせずにそのままコピーしている(しかも片方だけ)のがトホホ感たっぷり。

F1010023砲塔は、通常型と改装型の両方が入っていて、要するにコンパチキットになっている。クラッペの開口部はなくなっているが、これもおそらく原型はイタレリなので、少なくともドラゴンのI号B型よりは外形寸法上はマトモ。ただし特に改装型の砲塔はかさ上げ部分と元の砲塔との継ぎ目に若干の段差が出てしまっており、また表面も「鋳造砲塔?」と言いたくなるような細かな凹凸付き。

上面前方にお公家さんマユゲのような2ヶ所の凸モールドがあるが、これはハッチのダンパーのつもりだろうか。しかし少なくともダンパーなら、実車はもっと前寄りにあり、径はもっと小さく、もっと背が高い。

F1010017●MASTER BOX(MB)は現在も活動中のメーカーだが、これが同社でも初期のキットだったと思う。HiPMとは違い、こちらは完全独自設計。ちょっと硬質な感じのモールド(だからといって、シャープな出来かというと微妙)。右写真のような部品構成。こちらは砲塔は改装型の1種類のみ。若干、砲塔が前後方向に間延びしているような印象があるのだが、トライスターの砲塔と重ねてみても1mm違うかどうか、くらいの差しかなかった。

改装型の砲基部に関しては、HiPMは内装式の防盾と防盾カバーが一体成型だったが、こちらは別パーツで砲の仰俯が可能……ということ以前に、砲の装着位置がまったく違う。

F1010014HiPMのキットでは、砲がほぼ砲塔の中心ライン上にあるのに対して、MBのキットでは大きく右側にオフセットされている。それは、箱に印刷されたカラー4面図にもはっきり示されている。

MBの説明書には、

大砲を射撃と受持ちの便利さのために少し右に移した。こういう風に戦車を改良した例がいくつかあると考えられている。しかし、“Breda”つきのPz.1Aの写真が一枚しか残っていない。

と、なんだかもっともらしいことが(いささかヘタクソな日本語で)書いてあるのだが、残された写真から判断すると、砲はほとんど中心線上にある。実際のところブレダ搭載の改造I号A型の写真は現在はそこそこの枚数が見つかっているのだが、おそらく、MBのキットは(説明書にある通り)、写真資料が出回る以前、たった1枚の写真を元にキット化したのだろうと思われる。

●資料。

▼T. L. Jentz, H. L. Doyle, "Panzer Tracts No.1-1 Panzerkampfwagen I Kleintractor to Ausf.B"

とにかく今の世の中、ドイツ戦車・車輌に関しては、「虎窟(トラクツ)を読まずんば虎子を得ず」みたいな風潮だが、そうでなくとも、I号A型は戦車開発・生産の練習台的な存在なので、同じA型の中での仕様変化が大きく、トラクツの解説は役立つ。

ただし、トラクツ自体は写真・図版は入っていてもメインは文章なので、いまいちよく判らない部分もある。

トラクツを元にした“目で判る資料”といえば、尾藤満氏による、アーマーモデリングの2008年から2009年にかけての連載だが、私は雑誌資料の(というよりアーマーモデリングの)管理がよくないので、どれだけ掘り出せるか不明。というより、ちゃんとその号を持っているかどうかも不明。ダメダメな感じ。

同じく尾藤満氏の「アハトゥンク・パンツァー第7集」も図解で仕様・装備品を確認できるが、アーマーモデリングのほうがもっと詳細だったはず(AM誌の連載は、生産シリーズごとに、その時点の仕様を整理している点も得難い)。

▼Breda 20mm砲搭載I号戦車A型アルバム

そういう資料があるわけではなく、要するにせっせとネット上でかき集めたもの。wikipediaによれば、ブレダ搭載改修型は4輌製作されたらしい(出典不明)。そんな生産台数の割りに写真は多く、写真の質はどうあれ、およそ20種くらいの写真を集めることができた。30輌生産されたはずなのに、戦時中の(生産型の)写真は3、4枚しかないVanatorul de Care R-35よりよほど恵まれている。

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SUMICONお題決定

●あーだこーだ迷っていたSUMICON参加用のネタ選定なのだが、あれこれ考えるだけ、むしろ候補が増えて収拾がつかなくなりそうな感じだったので、「えいやあ」という感じで、I号戦車A型改(ブレダ20mm搭載型)に決めてしまった。

実のところ、TACAM R-2に決めかけていて、車内工作の参考になりそうな写真もそこそこ集まったのだが、その過程で、ブロンコの35(t)に中途半端にエンジンがモールドされたバルクヘッドなど、ある程度の車内再現があることを知った。

普通の戦車型を作るのなら、だいたいハッチは全部閉めてしまうので、車内パーツはそのまま余る。というわけで、いずれブロンコの35(t)を買ってパーツを流用できる時までTACAMはペンディングすることにした(いや、今買えよって話のような気もするけれど)。そうこうしているうち、ブロンコからTACAMが出てしまいそう。

●さて、本題のネタ、I号戦車A型。キットはトライスターの旧版(35003)で、これをスペイン内乱時のブレダ20mm砲搭載型に改造予定。

ずいぶん昔、確か朝比奈のBOOKOFF(HARDOFF)で買った中古で、箱に定価が書かれていないためにどう値付けしたらいいか判らなかったらしく、税込み756円というお買い得品だった。

F1010037トライスターのI号戦車A型は、通常の戦車型だけでも数種が出されているのだが、キット番号35003は、その最初のもの。その後「後期型」キット(35008)やいくつかのバリエーションを経て、「初期/後期型」のコンパチとしてキット番号35028が出たが、この最後のキットでは、ずいぶん内容が改修されている。新旧キットを並べてみたのが右写真。

とりあえず、今回のネタは左側の旧版だが(車内の様子がまったくわからない改造車輌に車内再現の新版はもったいないというだけでなく、SUMICONのレギュレーションとしてお手付き不可のため)、一応、真似できる部分があれば取り入れる方針で、新版における改善箇所をチェック。

F1010028▼新旧版で大きく違うのは、新版はエンジンも含め車内がすべて再現されていること。

▼旧版では一体成型だった車体下部が、新版では箱組み。フェンダーも別部品になっている。これは車内再現と関連した措置と思われ、外側に限れば大きな変化はない。今回は車内は見せないので、この辺は問題無し。

▼車体上部も一新され、戦闘室部分とエンジンルームが別部品に。新版ではエンジンルーム部品が2種入っており、車内再現と関連してハッチ類も別部品に。車体前端部もトランスミッション点検パネルの長短が選択式に。これに関しては、今後のリサーチ次第では、余りパーツの流用も考慮。

▼戦闘室部分は、新版では装甲継ぎ目の溶接痕を再現。これは追加工作も特に難しくないので、今後工作予定。

▼砲塔周りは変更なし。同一の部品枝が入っている。そのため、ここは新版でも溶接痕は再現されていない。

F1010031▼旧版は車体上部が同一枝に入っているが、サスペンション周りのパーツはまったく同じ。

▼転輪・誘導輪は、新版ではリム部が部品分割されて再現度が上がっている。中身を別とすれば、これが新版の最大のアドバンテージ。なお、起動輪や上部転輪は旧版と同じパーツを使用。そのため、同一枝の旧版転輪・起動輪もそのまま入っている。今回は素直に旧版転輪を使用の予定。もったいないし。

▼履帯は旧版ではモデルカステンのものが入っているが、新版では自社製に変更。前者が可動式であるのに対し、後者は非可動なので、これに関しては旧版のほうがいい。

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ビッカースのおみ足

●SUMICONも始まっているのだが、そちらはエントリー作を決めただけで工作自体は未着手。

CAMsのビッカース水陸両用戦車は工作をかなり注意深く進める必要があるので、おそらくSUMICONを本格的に始めると進行がストップしてしまうと思うのだが、とりあえず、ここ数日の工作報告。

F1019867●前回報告の砲塔は、ハッチと前面装甲を接着した。特にハッチはきっちりはめ込むには入念なすり合わせが必要。天井板側のヒンジはすり合わせの過程で噛み合せ部分を半分削り落としてしまったので、伸ばしランナーで再生した。

機銃の内蔵式防盾と前面装甲もはめ合わせがきついので、若干のすり合わせをした。

●足回りの工作。まずは起動輪。

F1019870レビューの時に書いたように、キットの起動輪は歯が厚く、そのままでは履帯の穴にはまらない。履帯と接する部分の歯を削り落とすのが工作手順としては手っ取り早いのだが、私はちまちまと裏側から削って、全体に歯を薄くした(まだ片側だけ)。

左が歯を削ったほうで、右はキットのまま。これで、キットの履帯の穴にも無理なく入る。

F1010045起動輪に関しては苦労はこれだけではなくて、表面の3カ所にグリース・ポイント?と思われるボルト頭が付く。

これをわざわざ別部品としてパーツ化するメーカーの姿勢はさすがだ!……と思うが、これを紛失することなくランナーから切り取り、ゲートを処理し、所定の位置に接着するのは、一体これは何の修行ですかレベル。

ちなみに私は、最初の一個目で接着直前に取り落とし、床にはいつくばって探すはめになった。ああ、見つかってよかった。現在、片側分だけ終了。あと3個無事に済ますことができるのか戦々恐々。なお、ランナーゲートは無理に処理せず、所定位置に接着したあとで、ナイフの先で「こちょこちょ」した。

なお、パーツはこれでも実物に比べるとちょっと大き目かな?という感じもあるので、お財布に余裕のある方は、マスタークラブのレジンのボルト(キットの表現に従えば座金付きのもの、ボルト頭の二面幅、0.8mmとか0.7mmとか?)を使えば、工作も楽だし綺麗に仕上がると思う。

F1010039●片側分だけ組んだサスペンションと起動輪。

前側のサスに関しては私が入手したキットでは樹脂がうまく回っておらず、リブが欠けている部分があったのだが、これはプラ板で再生した(手前側のサス、白い部分)。

キットの転輪は表裏の別がないが、これは実車でもパッと見て判らないので、キットに敬意を表してそのまま使うことにする。ただ、若干の型ズレがあるので、丁寧に段差を消す必要がある。

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