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永遠の0

●前回の書き込みをした11日は建国記念日だったのだが、仕事がずれ込んでいたこともあって、夜になってようやく祝祭日であることを知った。

いつ出来たか判らない国のいたかどうか判らない初代王様の即位日なんて理由で休んでるんじゃない! みんな働け!(←自分が仕事をしていたので八つ当たり)

ちなみに我が家の五歳児は、保育園で「にほんのいちばんさいしょのてんのーのたんじょうび」と教わったと主張しているが、本当にそう教わったのか、本人が間違って覚えているのかは不明。しかし少なくとも、伝説の料理人・陳建国氏が日本に麻婆豆腐を伝えた日、という私の主張よりは近い。

●12日木曜日。仕事で都心の東に行ったり西に行ったり。

午前中は新大橋で、複数の企業と自治体による、歴史的建造物の3Dモデルデータ構築の事業結果の説明会。午後は東中野でとある新しい仕事の打ち合わせ。以前、麻布十番に勤めていた頃、その近所にあった知り合いのプロダクションなのだが、その後代々木に引越し、さらに数年して東中野に引っ越した由。じわじわ西へ?

●その合間に秋葉原に寄り道する。イエローサブマリンにて、新しいアーマーモデリング誌が出ており、SUMICONの記事を立ち読み(←買えよ)。

また、アカデミーの新製品、112工場(クラスナエ・ソルモヴォ工場)製T-34-85のパーツが飾ってあった。気付いた点、気になった点などランダムに。

・初期型、後期型の砲塔は、砲塔上面のディテールを選ぶようになっているのかと思いきや、砲塔上部が丸ごと別パーツで2つ入っていた。

・エンジンルーム後半の通風孔カバー部分が、かなり前後方向で幅が足りない印象。アカデミーというだけで、どうせコピーキットだろうと安易に判断する人もいるが、実際には、最近のキットはきっちり自社設計している。……が、そのぶん、ちょっと前に出たヘッツァーもそうなのだが、どうも細部の寸法バランスがおかしい。T-34-85は、少なくとも183工場製は実物がソウルにもあるのだから、おおよそのバランスくらい採寸すりゃいいのになあ。

・砲塔、操縦手ハッチなど、鋳造部分のテクスチャ表現はだいぶ荒々しい感じ。

・車体下部は箱組み。

・転輪は以前ネットで見たサンプルでスパイダーウェブを履いていて若干不安があったが、ちゃんとディスクタイプになっていた(112工場製は後々交換されたりしていない限り、基本、ディスク型しか使われていない)。

・角型フェンダーのヒンジが以前見たテストショットでは1カ所しかなかった(本来、112工場製は2カ所)問題に関しては、確認し忘れた。

●その日夕刻、川崎の実家に寄り、夕飯を食って、田舎から送ってきたという「たんかん」を貰って帰る。親戚から送ってきた「たんかん」は純粋自宅消費用だそうで見た目は悪いが味はそこそこ。

●百田尚樹「永遠の0」読了。

作者のメディアでの俺様な発言振りを見るにつけ、知り合いにはなりたくないタイプだなと思っていたが、作品と人間性は一致しないことがままあるし、話題になった作品でもあるし、ネタ的にも、一度は読んでおこうと思っていたもの。

もっとも、昨年の正月に飛行機モデラー仲間の石黒氏から、「戦時中のエピソードは基本、他から持ってきている感じ。それ以外のところになると突然薄っぺらくなる」といった感想を聞いていたので、図書館で借りるか、bookoffで安く買えるかしたら読もうと考えて、1年以上経ってしまった(さすがヒット作だけあって図書館は予約満杯、bookoffでは500円台とか、古本だと考えちゃうな的値段だったので)。

しかし結局、本はそのどちらでもなく、義妹が持っていることが判って借りた。直後、bookoffで250円まで下がっているのを発見したが、もう買わん。

一応、感想。

凡そのところは石黒氏から聞いていた通りで、芝居の書割のように薄っぺらい情景描写と人物描写。戦時中のエピソードだけいきなり血が通う感じだが、実際のところ、「あ、これは読んだ覚えがある」という部分が随所にあり、基本、他の回顧録・空戦記のほぼ切り貼りではないかと思う。もちろん、文章として書き換えてあれば盗作とは言えないだろうが、中身的にそのままというのは、「作家=話を“作る”人」としてどうなのよ、と感じなくはない。

某新聞を名指しで罵っているに等しい、というよりも、そのためにこそ出してきました的な新聞記者・高山の描写のステロタイプぶりは失笑を禁じえないレベル。また最終章で、それまでの謎に答が出される部分、2段目(ヤクザの部分)は話が出来過ぎというか作り過ぎというか、「ここ、要らないんじゃね?」という感じ。エピローグも、いかにもお涙頂戴のダメ押し的。

全体のストーリーとしては、実は事前の予想よりずっと面白かったのだが、これは小説というよりドラマや漫画の「原作」であって、ここからもう一段の加工があって初めて作品と言えるんじゃないか、とも感じた。

実は義妹は百田作品を何冊も持っているのだが、義妹の評価ポイントは「とにかくすらすらとすぐ読めちゃうから」である由。実際、その評価は的確で、この「永遠の0」以前に、図書館から借りた1冊と、義妹からの1冊を読んだのだが、最初の感想は「ショートショートのような文章だな」というものだった。(文章の豊かな表現という意味での)レトリックを廃して、ただ一気にストーリーだけを追うといった感じ。この「永遠の0」は前述のように他からの切り貼り部分が多く、その分が「読み応え」にもなるが、前の2冊はそれこそ、普通の本の半分とか1/3とかの労力で読めてしまった。

ただし、それは文章が下手だということではなくて(いや、もしかしたら下手なのかもしれないけれど)、要するに文章力とか表現力といったものは一切信じていない(あるいは余計なものを入れず的確に筋を追うことこそ文章力だと思っている)人なのだと思う、というのがここまで3冊読んでの公約数的感想。もともと放送作家だというのも関係しているのかも。

実はあと2冊借りてしまっているので、それは読むかもしれないけれど、正直「もういいや」感たっぷり。

●ocnから「ホームページのサービスを終了します」という通知が来て、「えっ、『かばぶ』はどこかに引っ越さなきゃいけないのか?」と思ったのだが、改めて考えてみたら、ここはniftyだった。

もちろん無関係というわけではなくて、元の個人HP、「河馬之巣」が今はocnに置いてある。どうするかなあ。

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コメント

私のホームページは、楽天の無料のホームページの終了でなくなっちゃいました。時代の流れですかね…

投稿: nyamalfetta | 2015年2月14日 (土) 10時40分

>nyamalfettaさん

私のHP「河馬之巣」も、もともとniftyに持っていたアカウント付随のHPスペースで開いたもので、今度どこかに移ったら2度目か3度目の引越しです。

投稿: かば◎ | 2015年2月14日 (土) 21時26分

永遠の0→その後に作者はTVの脚本とかやっている人と聞いてああ、そういう事かと、まあ、お話の土台としてはこういう物の書き方をするのかなと自分では納得していました、
ちなみに映画の方は、たまたま父親(昭和6年生まれ、戦争に行かなかった世代、映画は良く見に行く方)を誘って一緒に見に行ったのですが、”最近こういう映画は無いから良かった”とか、それなりに満足していたので映画を作る人は結構がんばってたと思います。

投稿: | 2015年2月16日 (月) 02時32分

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