冬の虫
●12日月曜日。家人が皆出掛ける用事があり、半日、チビの相手をする。午前中は家で粘土細工などして、昼からは散歩。
晴れて見晴らしがよく、ハイランド手前のパノラマ台からの富士山が綺麗だった。相変わらず写真はお粗末だが、鎌倉中心市街と富士山。左端、岬の向こうに江ノ島。
●その後、ハイランドを抜けて、久しぶりに久木大池公園に行った。
池の周りのコンクリートの手すりにいた冬の虫あれこれ。
左上から。
▼成虫で越冬中のツヤアオカメムシ。
▼二番目は、越冬中というよりも、わざわざ冬に成虫になる「フユシャク」のひとつ、ナミスジフユナミシャクのメス。名前に「ナミ」が2回も出てくるのが、なんだかくどい。フユシャクは幼虫がシャクトリムシの蛾、シャクガのうち、冬季に羽化するものの総称(複数の亜科にまたがる)。どれも皆、メスは翅が退化して飛べない。冬に羽化するのは、そのぶん天敵がいないからとか、メスの翅がないのは冬の寒さに対応して体温を奪う翅をなくし、そのぶんのエネルギーを産卵に回すためだとか言われている。いろいろな点で興味深い。
▼コンクリートに張り付いたカエデの葉の陰にいた何かの幼虫。写真も少々ボケており、正体特定できず。陸棲のホタルの仲間の幼虫にも似ているし、クサカゲロウの類の幼虫にも似ているし。
●年末に流れた「タミヤがソミュアを発売する」という噂に何か続報がないか検索してみたが、特にその後の動きはないようだ。
ところで、「TRACK-LINK」の掲示板での、この噂に関する書き込みで、
Many Bothans died to bring us this information.
というのがあった。決まり文句っぽいが、何なんだろうと思って検索してみたら、比較的簡単にたどり着いた。「スター・ウォーズ」ネタで、多少の情報を補って和訳すると、
「我々に(デス・スターの)情報をもたらすために、大勢のボサン(という種族)が命を落としました」
という感じ。ここに出てくるデス・スターは2番目のものらしいので、このセリフのシーンは3作目?
しかし、これでソミュアが発売されなかったら、ボサンは無駄死にだなあ……。
●PaK97/38に関連して、みやまえさんから、その原型、M1897野砲の(アメリカにおける)マニュアルがネット上にあるのを教えていただいた。
おっと。そういえば、砲口近くの謎突起について、その用途などが説明されているんじゃないか?
と思って、頑張ってそれらしき場所を探してみた。……というわけで、ここがそうだという箇所を見つけたのだが、私の英語力ではほとんど理解できなかった。当該箇所の説明は以下の通り。
Muzzle hoop.— On the bottom of the hoop a projecting lug extends from the right and left sides. A round hole in each at right angles to the bore of gun receives the two muzzle roller trunnions,which are secured on the inner side of the projections with the trunnion nuts. These are pinned in position permanently with the trunnion nut pins. Directly above the trunnions a rectangular hole passes through the hoop into each end of which a muzzle roller cover, 12A (fig. 3, sec. G-H), is inserted. Between the two covers a muzzle roller cover spring guide is placed with a roller cover spring on each end. The springs act to force the covers apart and the latter are retained in the hoop by a muzzle roller with its assembled bushing placed on the outer end of each trunnion. The rollers in turn are retained by a muzzle roller side plate placed on the end of each trunnion and secured with a muzzle roller center screw. The rectangular hole which passes through the hoop, being open on the under side between the two projecting lugs, is covered with the muzzle hoop bottom plate, secured with six muzzle hoop bottom plate screws, to hold the covers in position.
(WAR DEPARTMENT, "TECHNICAL MANUAL -- GUN AND CARRIAGE, 75-MM, M1897, ALL TYPES, AND SPECIAL FIELD ARTILLERY VEHICLES", April 20, 1942)
むー。わからん。
ところでこの謎突起、PaK97/38のものは、もとのM1897野砲からそのまま引き継がれているものなのだと単純に思っていたのだが、改めてよく見てみると、PaK97/38の場合は前回アップしたwikimedia commonsの写真にあるように、砲口近くにいくつかリングがはまったようになっていて、突起も別体。しかしM1897では砲身と一体に作られているように見え、しかも突起の形状自体もわずかに異なっている。
つまり、PaK97/38に改修する際に、この突起もわざわざ作り直しているわけで、それだけ必然性のある部位らしい。ますます謎。ちなみにアメリカ製の改良型、例えばM3 75mm対戦車自走砲に載せられたタイプ(A4)では、この突起はなくなっている。
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コメント
カメムシは元気ですね・・・つーかよく見つけますね!毎度感心してしまうやら羨ましいやら。
ところで1897野砲のマズルのローラーですが、
ググってみたら、どうやら後座した時にあの部分が複座レールに入って方針を安定させる役目をするようですね。
http://xbradtc.com/2011/12/11/m1897-75mm/
↑このページの真ん中編にそのようなことが書いてあって、そのもっと下にyoutubeの生きた野砲の発砲動画が!
投稿: みやまえ | 2015年1月15日 (木) 20時36分
>みやまえさん
なんと!
結局、みやまえさんのおかげで全部わかってしまいました。
どうもありがとうございます。
形からみて、砲身を何かに固定するか、何かを砲身に固定するかなのだと思い込んでいましたが、後座時のガイドになるものだったとは。
いや、そもそも砲口がレール先端に届くまで後座すると思ってませんでした。
それで、レールに隠れている部分でローラーを増やしたアメリカ改良型にはなく、そうでないPaK97/38ではわざわざ先端部のローラーを付け直しているわけですね。
投稿: かば◎ | 2015年1月16日 (金) 00時14分
そういえば、今出てるアーマーモデリング誌の「東京AFVの会」レポートに、ソクウ1000 も写真付きで載ってましたよ。
立ち読みなのでうろ覚えですが、「かば◎氏の希少な完成品」とか何とかコメントも付いてたような。
投稿: セータ☆ | 2015年1月16日 (金) 22時07分
1897野砲とそのドイツ版、楽しいアイテムです!
日清戦争直後の大砲だと思うとその完成度には目を見張ります。
こちらを覗かなかったら知ることもなかったでしょう。
ありがとうございます。
投稿: みやまえ | 2015年1月17日 (土) 01時04分
>セータ☆さん
おお。それは立ち読みしに行かねば(←買えよ)。
>みやまえさん
なぜ前部にローラーが必要かなのですが、どうやら、最も後座した状態では、最後部のローラーがレールから飛び出してしまうようです。
要するに、最前部のローラーと最後部のローラーが入れ替わりになる、ということですね。
アメリカ型では、ローラーを増やすとともに間隔を詰めることで、最前部を不要にしているようです。
投稿: かば◎ | 2015年1月18日 (日) 13時01分
>要するに、最前部のローラーと最後部のローラーが入れ替わりになる
なるほど、綱渡りですな・・・
レールを後ろに伸ばせばいいのにってかんじですが、
何かの理由でできなかったんでしょうかね。
投稿: みやまえ | 2015年1月18日 (日) 21時13分