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2015年1月

這いよれ!ニュル子さん

●ニュルンベルク・トイ・フェアの情報で発表された各社の新製品情報があちこちでUPされ始めた(タイトルは思いっきり周回遅れな感じだけれど)。

例えばPrime Portalはこんな感じ。各メーカー名で、ブースに展示された新製品ピックアップの写真を見ることができる。

年末にウワサが流れたタミヤのソミュアS35は、一抹の不安はあったのだけれど、本当に実現してくれて嬉しい。missing-lynxにタミヤ発表のサンプル画像が掲載されていて、パーツも感じがよさそうだ。履帯はパチハメの連結可動式になるらしい。形状的にはちょっとどうなんだろうと思わなくはないけれど、最近のタミヤの軟質樹脂履帯はあまり信用ならない感じがするので、それよりはずっとよい。

それにしても、これでタミヤからは、第二次大戦フランス物のAFVは3種、ソフトスキン2種、フィギュア1種の計6種も出たことになる。たいしたもんだ!

フランス物といえば、Prime Portalには出ていないが、セータ☆さんのところで見て知ったのだが、ICMからパナール178が予告されているそうな。箱絵はこんな感じ。この勢いで、どこかがまかり間違ってAMC P-16をインジェクションで出さないかしらん……。

●ICMはパナール以外にもいろいろ元気。ほとんどソフトスキンに特化しつつあるのかと思ったら、なんとT-34を出すらしい。ナット砲塔、(少なくとも発表された箱絵で見る限りでは)ハードエッジタイプで、キューポラ無し とキューポラ有り の2種が予告されている。

ホルヒ108 Typ 40は、幌を畳んだ状態と広げた状態とで、それぞれ別キットになるらしい。……それくらいコンパチで出しゃいいのに、と思わなくもない。

クレックナー・ドイッチュ(マギルス)の3tトラック(S3000)がびっくり。ICMのことだから、当然これのマウルティアもそのうち出すのだろう。これで量産されたマウルティアは全種インジェクション化?

●T-34関連では、AFVクラブ系列のディン・ハオが、「112工場(クラスナエ・ソルモヴォ工場)製のピロシキ砲塔型に、第27工場でペタペタ増加装甲を貼り付けたとされているタイプ」を発売する(長いよ)。

もっとも、これはおそらく、AFVクラブで出ている「T-34/76 1942年型 112工場製」をベースにしたもの。AFVクラブのキットは112工場製のピロシキ砲塔型でも後期の生産型、増加装甲を貼ったものは初期の生産型がベースなので、そのままだとするとヌエ的な仕様になってしまう。見本が履いている後期500mmワッフル履帯も似つかわしくない。

ニュルンベルクでは、しばらく前に発売予告が出ていた、アカデミーの112工場製T-34-85の見本も飾られていた。マケットで出ていたのと同じ、ザロガ先生言うところの「コンポジット砲塔」のタイプ(実際に砲塔をツギハギで造っているわけではない)。パーツ写真に写っていたのでそう組めるだろうことは判っていたが、「両開きキューポラハッチと2連ベンチレータ」の初期生産仕様、「片開きキューポラハッチと前後セパレートのベンチレータ」の後期生産仕様のコンパチになっているようで、両方の砲塔が写っている。このキットはちょっと興味を引かれる。

●とある出版物に書いた原稿で、JAMSTECの新型AUV(自律型深海探査機)「じんべい」の名前を、数箇所「じんべえ」と間違えたのがそのまま出てしまった。新年早々のポカ。

ちなみに名前の由来と思しきサメの正式な和名は「ジンベエザメ」なのが、またちょっとしたトラップ。

●29日。神保町某事務所で今年初会議。その後、九段下「おかってや」で遅い新年会。くぴくぴ飲んで魚を食う。

●神保町に行く前に秋葉原に寄って、YSでミニ四駆用の「カーボン強化ギヤ G13・8Tピニオンセット」を買う。ジーメンス・シュッケルトの反転機構に使えないか検証予定。

2組あるのでうまくいったらマッキMC72も!!

bookoffで、山田譲「がらくたストリート」(1)(2)。麻生みこと「海月と私」(3)。「がらくたストリート」は、web上でちょっと試し読みして面白かったので買ってみたもの。良い!

●以前にもちょっと触れたことがあるが、世の中的に難病とされる病気持ちである(ただし、病気の種類がそうであるというだけで、今のところ症状的には、幸いにも重篤ではない)。

安倍政権下で特定疾患に関する法律が変わり、医療費補助の受給者証も変わって、その申請だのなんだのもややこしかった、というのは、すでに去年の話なのだが、新しい受給者証が届いたので医者に行く。

これまでの受給者証は名前と番号と病名と有効期限とが書いてあるくらいのものだったのが、新しい受給者証は受診のたびに病院・薬局での記入欄があり、自己負担の額も大きい。

去年までと同じ診療・薬での負担額が4倍にはね上がってしまったのは、指定難病の種類が大幅に増えて補助が「広く薄く」なったからです、と言われれば納得せざるを得ない。しかし、(基本、申請時に診断書類を書いてもらった)病院が指定されて、そこ以外で診療を受けた場合には補助が受けられない仕組みになっているのは、何だかちょっと納得がいかない。

私の場合は、それほど症状も重くないし、今の行きつけの病院以外に行く予定もないが、セカンド・オピニオンで、別の病院で診てもらいたいという人もいるだろう(例えば私が罹っている病気も、研究の結果、とある大学病院系では新しい治療法が試されている)。そんな場合、新たに申請し直すとか、ややこしい手続きが必要になるのだと思う。わけわからん。

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反転ロータリー

●みやまえさんがコメントで、ブロンコの新製品「ロイド・キャリア」を「高すぎ!」と評していたが、実際、このところの円安もあって、模型はいよいよ高く、年中ビンボーな私は、おいそれと新製品には手を出せないご時勢である(確かに、特にブロンコは高い)。

F1017640 しかし、そんなご時勢下にありながら、「このキット、輸入物で、この出来で、なんでこの値段で出せるの?」と、コストパフォーマンスの高さにのけぞって、先日(昨年末)、思わず購入してしまったのが、チェコのエデュアルド製1:48、ジーメンス・シュッケルトD.III(ProfiPACK版)。

第一次大戦末期に登場した空冷エンジン単発単座の複葉戦闘機。第二次大戦の戦闘機の1:72キットなみに小柄だが、それでも48で、必然的にパーツ数が増える複葉機で、ローゼンジ・パターンの大判のものを含むカルトグラフ製のデカール3枚、彩色エッチング、車輪用のエクスプレス・マスク、カラー印刷の説明書まで付いて、2175円+税だった(秋葉のVOLKSで)。

●実機について少々。

ジーメンスといえば電機系の一大コンツェルンで、現在もドイツを代表する大企業(日本法人は英語読みのシーメンス)。日本の古河電工との合弁会社が両方の頭文字を取って富士電機で、その通信機部門が独立して富士通になった、というのは割とよく言われる日本企業トリビア。そのジーメンスが、第一次大戦当時は傘下で飛行機も作っていたというわけ。

キットのSSW(ジーメンス・シュッケルト・ヴェルケ) D.IIIは、前述のように大戦末期に登場したもの。登場が遅く、しかも大戦終盤のドイツにはフォッカーD.VIIという傑作戦闘機があったから、生産機数はさほど多くなく、部隊への配備数は姉妹型のD.IVと合わせても100数十機であったらしい。

第一次大戦機のなかでも小柄な、というよりも寸詰まりな印象の戦闘機で、木製モノコックのほぼ円形断面の胴体に、頭でっかちの空冷星型ロータリーエンジン、これまた機体の割に大きい4翅ペラと、かなり個性的な風貌。

ここで言うロータリーエンジンは、マツダが得意とした、一般的なシリンダーとピストンの代わりに三角のローターがあるエンジンのほうではなく、エンジン本体がぶんぶん回るもののことで、第一次大戦の頃までの空冷星型エンジンといえば、ほとんどがその形式である。考え方としては、「エンジンがプロペラを回す」のではなく、「プロペラと一体になったエンジンが機体を回す」わけである(もちろん実際には柄のデカイ機体ではなくエンジンとペラの方が回るわけだが)。

なんでエンジンまで回らなきゃならんのか、というのは、エンジンそれ自体にフライホイールの役割を兼ねさせるとか、冷却効率をよくするとか、詳しいあれこれはwikipediaを読んでいただくとして、しかし、当然、重いエンジンが回るぶん機体に働く回転トルクも大きくなる。ロータリーエンジン搭載機は、左右でロール特性がだいぶ異なっていたそうな。

と、普通のロータリーエンジン搭載機でもそうなのに、このジーメンス・シュッケルトD.IIIに搭載された、系列企業のジーメンス・ハルスケ製のSh.IIIは単列11気筒というゴッツイ代物。これでそのまま4翅ペラを直結して一緒に回ったら、小柄な機体では御しきれないトルクになってしまうところ、ジーメンス・ハルスケSh.IIIは「エンジンとペラが反転してトルクを打ち消しあう」という、これまたドイツらしい妙に凝り過ぎな機構を持っているのだった(WINDSOCK DATAFILEではカウンター・ロータリーと表現している)。

第二次大戦末期から戦後にかけて、二重反転ペラというのは時々見るが、エンジンとペラの反転なんていうのは、この系列だけかも……。模型でも、機体側にギアを噛ませて反転を表現したくなるモデラーがいそう(いや、手軽にできるなら私もやってみたい気がする)。

●簡単なキット内容の紹介。

実はエデュアルドから48でジーメンス・シュッケルトD.IIIが出るのはこれが2度目。最初はシリーズ初期、まだエデュアルドがいかにも簡易インジェクション然としていた頃の製品。それでも結構、愛情と気合いのこもったキットだったように記憶しているけれど(比較で写真を出そうと思ったが、棚の奥底にあるらしくて発見できなかった)、流石に新キットが出てしまうと、今から作るのはつらそう。

というわけで新キットのほう。寸法は、基本的にWINDSOCK DATAFILE #29の図面に準拠しているようで、ほぼぴったり重なる(といっても、WINDSOCK DATAFILE #29が出たのはもう20年以上前)。木製モノコックの胴体は筋彫り表現。

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布張りの第一次大戦機の場合、その布張り表現の繊細さがキットの印象を大きく左右するが、このキットは単にリブ表現だけでなく、リブテープを貼った上から縫い止め糸まで表現している。もっとも、基本的にはこの上に2枚、場所によっては3枚のデカールを貼り重ねることになる(ローゼンジ+リブテープ、および国籍マーク)。合板製であるらしい水平安定板は細かい釘表現入り。

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機首のエアスクープは、フチの厚みは少々目立つものの、すべて開口表現。スピンナーの4つの穴も開口しているが(写真を撮ったがピンボケだった)、これもフチが厚いうえ、実機では前から見た時にエッジが直線ではなく楕円になっているはずなので、若干の削り込み工作が望ましい。

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脚柱と胴体支柱は、鋼管に薄板を巻きつけて留めた表現。なかなか凝っているのは確かなのだが、実機写真を見ると、どちらも素直に翼型支柱もしくはフェアリングのような……。

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コクピット内やエンジン周りも、必要充分な細密度でパーツ化されている。シュパンダウ機銃と椅子は、ワンピースのプラパーツと、エッチングと組み合わせるものとの選択式。

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エッチングはエデュアルドお得意の彩色式。椅子の背もたれの右にあるのは、指定塗装例のひとつが翼間支柱にくくりつけている人形。本当は平らじゃないんじゃないかなあ、と思うのだが、そもそもそれほど鮮明な写真が残っているわけでもない(WINDSOCK DATAFILE #29でも『人形かテディベア』と書かれている程度の写り方)。デカールは前述のようにカルトグラフ製で、翼上下全面に貼るローゼンジ・パターン、リブテープ、それからマーキング類の3枚構成。

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説明書はフルカラー。指定塗装は、ジーメンス・シュッケルトD.IIIに乗っていたことがあるエースといえばこの人、エルンスト・ウーデットの「LO!」ほか5種類。

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ぼいて75mm(4)

●相変わらずネタも作業も地味な、イタレリ1:35、7.5cmPaK97/38製作記の続き。

砲本体と上部砲架の作業を進める。

●ここで(今さら)重大事実発覚。

前から、どうも上部砲架に揺架の後ろ側が隠れすぎる気がしていて、かといって、揺架を後ろにずらすと前側のバランスがおかしくなるし、単純に後ろを延長すると、ただでさえ長めの砲身がますます長くなってしまう。

結局、全体にバランスがおかしいのだろう、というような納得の仕方をしてスルーすることにしたのだが……。

上部砲架に揺架を取り付けかけて(というよりも一度は取り付けてしまってから)、初めて砲耳(というか、揺架についた仰俯軸受け?)の上下位置がおかしいことに気付いた。

97f1017320_2初回の主要パーツ比較で載せた写真なのだが、揺架に対する砲耳の位置はイタレリ、ドラゴンともにご覧の通り(下がイタレリ)。揺架にベロが付いた形になっているのだが、軸穴下に4つ並んでいるボルトは、揺架側面よりも上にある。

しかし実際には、ベロはこのボルトで揺架に固定されているものらしく、要するに、このボルトが揺架側面に来ていないとおかしいのである。

F10177462というわけで、イタレリの揺架からベロを削り取り、それにドラゴンのベロを削ぎ取ってきて高さを低めて接着した。ドラゴンのベロを使ったのは、単に、イタレリのベロを補修無しで使えるほど綺麗に削ぎ取るのが面倒だっただけの話。位置的には、ちょうど、ベロの角が斜めになっている部分が揺架から上に出る感じになるようだ。

別設計のキットが両社とも同じように間違えているというのも変な話だが、後追いのイタレリが、寸法的には手直ししつつ、この部分の位置関係はうっかりそのまま、先行のドラゴンを真似した可能性はあるかもしれない。

とりあえず、これで上部砲架と揺架・砲身の位置関係は改善されたが、キットそのものは、砲架に対し砲身が低まった位置関係でまとめられているわけで、今後防盾の取り付けで齟齬が出てこないかちょっと心配。

●と、ひと悶着あったものの、上部砲架に砲身・揺架を取り付けた。前回書いたように、ギア部のディテールの関係で、仰俯可動は諦めて固定。

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仰俯ハンドルの中心には、砲手用の撃発ノブを追加。根元のボックスから、揺架後方に向け、撃発機構に繋がるケーブルが付く。ちなみにイタレリの揺架パーツには、左右にケーブル引き込み穴のモールドがあるが(窪み表現だけで貫通していない)、当然、実際には左側にしかない。

2つのハンドルのパーツそのものはドラゴンから。ハンドルの輪の部分に両社で大きな差はないのだが、イタレリのハンドルは取っ手が短く作り直しが必要だったので、手っ取り早くドラゴンから流用した。

照準器架もドラゴンから。イタレリのパーツはディテールがだいぶ貧相で、ここに関してはドラゴンのほうがしっかりした出来。ただし、内側部分の高さが低く、そのまま付けると砲手用ガードと干渉して、仰俯ができない位置関係になってしまう。一度内側上部を切り取ってかさ上げ。この時、後ろ側の長さも切り詰めた。また、外側の実際に照準器のスコープを付ける部分は、前方にベロだかフタだか、薄いモールドが伸びているのだが、現存品で確認できなかったのと、行く行く防盾を取り付ける際に干渉しそうだったので切り取った。

ちなみに、両社ともパーツは照準器架だけで、スコープはパーツ化されていないため、射撃状態の情景にするなら、スコープを自作する必要がある。

砲架右のシリンダー上部は、小キャップと小穴が並んだ状態に作ってある。これは現存品のwalkaround写真を参考にしたのだが、どうやら、小穴のほうは本来あったキャップが外れてしまった状態らしい。うがー。

前回作った仰俯ギアのカバーは意外にそれらしく出来ている気がしてお気に入り。ただし、先述の砲耳部の位置変更もあって、砲耳から等距離の円弧になっていない。砲架側の接続部が外に出っ張り過ぎているようだ。今さら直さないけれど。

●工作的にはようやく折り返し点。次回以降は下部砲架/脚。

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ぼいて75mm(3)

●仕事が煮詰まっていてヤヴァイ状況なりけり。

●そんななか(だからこそ)、PaK97/38に時折逃避中。なお、週末模型親父さんのところの「イタレリ作せり」コンへのエントリーは、マウルティアが本命、こっちはオマケなのに、マウルティアは工具ホルダーを作るのが面倒で放置中。いかんね。

F1017727 ●砲尾は、(砲腔から偏心して尾栓が付いているので)下側に向けて太くなっている。キットも一応はそうなっているのだが、特徴的な段差が表現されておらず、また、右下方向に偏って下ぶくれになっているのも無視されているので、プラバンを貼り増して削った。

上部に付くブロック状のディテールは、キットのモールドは前過ぎたので削り落として新造。

尾栓は、なぜかドラゴンのパーツが、イタレリの砲尾の穴にあつらえたようにピッタリはまる。純正のイタレリのパーツは径が足りずガタガタ。開閉回転用のレバーやハンマーなど、付随したモールドも(少なくともこの部分だけは)ドラゴンのもののほうが出来がよい。イタレリのものは貧弱すぎる。

F1017722 揺架にもあれこれ追加工作をして、砲身を載せてみたのが右の状態。

オリジナルのM1897野砲の拉縄(りゅうじょう)、と言っていいのかどうか、とにかくハンマーを引っ張る紐も残っているのだが、PaK97/38では、左側のハンドルから撃発装置に繋がるコードと、その先の“引き金”が追加されている。コードはまだ付けていないが、揺架後部左に小さく開いているのが、そのコードが通る穴。

F1017716F1017719●上部砲架・左側面は、仰俯ハンドルからの縦軸・ウォームギアのカバーがカマボコ型に一体モールドされていたので、一旦削り落として、ランナーやプラバンで作り直し。

右側面は、砲耳軸から繋がるシリンダー(ダンパー?)が、イタレリ、ドラゴンともにY字フォークまで含めて一体成型で実感に乏しかったので、これも作り直し。フォーク部はドラゴンのパーツから切り取って大幅に削り直し、シリンダー下のシャフト/蛇腹はイタレリのパーツから持ってきた。

●揺架後部下には仰俯用の弧状のギアが付いていて、イタレリのキットでも揺架に一体にモールドされているのだが、位置も後ろ過ぎ、どこにも繋がっていないのが丸見えになってしまう(ドラゴンも基本的には同様)。

F1017730というわけで、まずは上部砲架側にギアの接続部を工作。ドラゴンのキットには、この接続部の一部と思しき、何だか中途半端なパーツが1つあって、それを元に削ったり貼り増したり。

一方、揺架側のギアはイタレリもドラゴンもむき出しなのだが、実際にはホコリよけのカバーが掛かっているようなので、曲線のランナーにシワを彫り込んでカバーを製作中。伸縮が利かないので、揺架はそのまま上部砲架に接着し、長さを調整してギアの付け根とカバーを取り付ける予定。

前回の続き。

砲口直後の「謎突起」は一体何のためにあるのか、という話だが、その後、みやまえさんからのコメントで、

米軍によるM1897およびその米改良型のマニュアル

ウェブ上の記事、「フランスの“ななじゅうご”について語ろう」

を教えていただき、おおよそ疑問は解決した。何かに砲身を固定するとか、何かを固定するとかに使うイメージでいたのだが、あれは、砲身が後座した際にレールに収まるローラー(もしくはガイド)なのだそうだ。

F10177353703 なんでそんなところにローラーが?――と思わなくもないが、上記マニュアルの中の図解から考えるに、復座レールに通常接しているローラーは砲身側面のボルト位置、つまり右写真の①と②にあるらしい(写真上)。

発射時に、砲身が最大位置まで後座すると(写真下)、①の後部ローラーはレールからはみ出してしまうのだが、それに代わって③の先端部ローラー(部品はまだ付けていないが)がレールに収まって、②だけになってしまうことを防ぐ、という仕組みであるらしい。場合によってはレールにゴミとかホコリとか入りやすそうだし、頭がいいのか間が抜けているのか、どちらにも取れそうな機構。

ちなみにM3ハーフトラックの対戦車自走砲にも搭載されている米改良型では先端部ローラーがないが、代わって、砲身側のガイドレールが前方に延長されている。アメリカ型は、オリジナルに比べ砲身にやたらにタガがはまっているが、そのタガの部分の下にローラーがあるようだ。

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冬の虫

F1017705 ●12日月曜日。家人が皆出掛ける用事があり、半日、チビの相手をする。午前中は家で粘土細工などして、昼からは散歩。

晴れて見晴らしがよく、ハイランド手前のパノラマ台からの富士山が綺麗だった。相変わらず写真はお粗末だが、鎌倉中心市街と富士山。左端、岬の向こうに江ノ島。

●その後、ハイランドを抜けて、久しぶりに久木大池公園に行った。

池の周りのコンクリートの手すりにいた冬の虫あれこれ。

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左上から。

▼成虫で越冬中のツヤアオカメムシ。

▼二番目は、越冬中というよりも、わざわざ冬に成虫になる「フユシャク」のひとつ、ナミスジフユナミシャクのメス。名前に「ナミ」が2回も出てくるのが、なんだかくどい。フユシャクは幼虫がシャクトリムシの蛾、シャクガのうち、冬季に羽化するものの総称(複数の亜科にまたがる)。どれも皆、メスは翅が退化して飛べない。冬に羽化するのは、そのぶん天敵がいないからとか、メスの翅がないのは冬の寒さに対応して体温を奪う翅をなくし、そのぶんのエネルギーを産卵に回すためだとか言われている。いろいろな点で興味深い。

▼コンクリートに張り付いたカエデの葉の陰にいた何かの幼虫。写真も少々ボケており、正体特定できず。陸棲のホタルの仲間の幼虫にも似ているし、クサカゲロウの類の幼虫にも似ているし。

●年末に流れた「タミヤがソミュアを発売する」という噂に何か続報がないか検索してみたが、特にその後の動きはないようだ。

ところで、「TRACK-LINK」の掲示板での、この噂に関する書き込みで、

Many Bothans died to bring us this information.

というのがあった。決まり文句っぽいが、何なんだろうと思って検索してみたら、比較的簡単にたどり着いた。「スター・ウォーズ」ネタで、多少の情報を補って和訳すると、

「我々に(デス・スターの)情報をもたらすために、大勢のボサン(という種族)が命を落としました」

という感じ。ここに出てくるデス・スターは2番目のものらしいので、このセリフのシーンは3作目?

しかし、これでソミュアが発売されなかったら、ボサンは無駄死にだなあ……。

●PaK97/38に関連して、みやまえさんから、その原型、M1897野砲の(アメリカにおける)マニュアルがネット上にあるのを教えていただいた。

おっと。そういえば、砲口近くの謎突起について、その用途などが説明されているんじゃないか?

と思って、頑張ってそれらしき場所を探してみた。……というわけで、ここがそうだという箇所を見つけたのだが、私の英語力ではほとんど理解できなかった。当該箇所の説明は以下の通り。

Muzzle hoop.— On the bottom of the hoop a projecting lug extends from the right and left sides. A round hole in each at right angles to the bore of gun receives the two muzzle roller trunnions,which are secured on the inner side of the projections with the trunnion nuts. These are pinned in position permanently with the trunnion nut pins. Directly above the trunnions a rectangular hole passes through the hoop into each end of which a muzzle roller cover, 12A (fig. 3, sec. G-H), is inserted. Between the two covers a muzzle roller cover spring guide is placed with a roller cover spring on each end. The springs act to force the covers apart and the latter are retained in the hoop by a muzzle roller with its assembled bushing placed on the outer end of each trunnion. The rollers in turn are retained by a muzzle roller side plate placed on the end of each trunnion and secured with a muzzle roller center screw. The rectangular hole which passes through the hoop, being open on the under side between the two projecting lugs, is covered with the muzzle hoop bottom plate, secured with six muzzle hoop bottom plate screws, to hold the covers in position.

(WAR DEPARTMENT, "TECHNICAL MANUAL -- GUN AND CARRIAGE, 75-MM, M1897, ALL TYPES, AND SPECIAL FIELD ARTILLERY VEHICLES", April 20, 1942)

むー。わからん。

ところでこの謎突起、PaK97/38のものは、もとのM1897野砲からそのまま引き継がれているものなのだと単純に思っていたのだが、改めてよく見てみると、PaK97/38の場合は前回アップしたwikimedia commonsの写真にあるように、砲口近くにいくつかリングがはまったようになっていて、突起も別体。しかしM1897では砲身と一体に作られているように見え、しかも突起の形状自体もわずかに異なっている。

つまり、PaK97/38に改修する際に、この突起もわざわざ作り直しているわけで、それだけ必然性のある部位らしい。ますます謎。ちなみにアメリカ製の改良型、例えばM3 75mm対戦車自走砲に載せられたタイプ(A4)では、この突起はなくなっている。

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ぼいて75mm(2)

●マウルティアも停滞しているのに、75mm対戦車砲PaK97/38の続き。

前回はイタレリとドラゴンのパーツを比較、少なくとも砲身に関しては、イタレリのほうがまともそうだというところまで行き着いた。

F1017493 その後、イタレリのマズルブレーキに、モールドをガイドにしてちまちま穴を開けるという内職じみた作業もしてみたが、東京AFVの会の折、サニーでRB models製の金属砲身を見かけて、結局、ついつい購入してしまった。マズルブレーキに、エッチングパーツも付いて1100円。RBはこの円安時代でもコストパフォーマンスが高い。

砲身丸ごとではなく、太さが三段になったうちの、最前部のみを(キットのパーツを切断して)挿げ替えるという構成。イタレリのパーツとのプロポーション比較は右のような感じ。下のRBの仮組みは、マズルブレーキ先端部品は取り付けていない状態。

イタレリのパーツが、穴が片側7列しかないのに対し、RBは実物と同じく9列ある。とはいえ、プロポーション的にはちょっと疑問な部分もある。

●そもそも、実物の砲身先端部およびマズルブレーキがどうなっているかは、この写真が判りやすい。出所はwikimedia commons。フィンランド、ミッケリの歩兵博物館の展示品。

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●さて、RB modelsのものは、せっかくの別売金属砲身なのだから、ぱっと挿げ替えて、それで問題解決! といってほしいのだけれど、部分的には(特にマズルブレーキ後ろの段差ごとのプロポーションなど)イタレリの砲身のほうがいい部分もあるのが悩ましいところ。

F1017680c結局、放置できなくなって、多少いじった。その結果と、当初仮組みとの比較が右。手を入れた箇所は、

①マズルブレーキ本体が、長さに比べて太すぎる気がしたのでヤスった。ただし、適当にペーパーがけしただけなので、実際にどれだけ細くなっているかは未知数。

②マズルブレーキのエラが角張り過ぎている感じだったので、若干ヤスって丸めた。

③長さバランス調整その1。マズルブレーキ基部を切り詰めた。パイプ切断工具などは持っていないので、適当なプラバンにカッターの刃を付けたジグで均等幅にケガキ線を入れ、そのラインまでヤスリで削り込んだ。

④謎突起の付く部分のリングは、実物では偏心しており、上部ではほとんど段差がない。RBのパーツでもリングのパーツの内径が少し大きいので、そのままずらして接着した。もっともこうして見ると、あまり偏心が目立たず、もう少し太いパイプに交換すべきだったかも。

⑤長さバランス調整その2。最後部のリング部分を1.5倍ほど?(適当)延長。汚く灰色になっているのは、継ぎ目が消えているかどうかサーフェサーを塗って確認したため。

⑥砲身本体先端の段差との間に、ほんの少し隙間を開けた。実物でも細く隙間があるため。

これらの作業の結果、プロポーション的にはよくなったが、もともとイタレリに比べ長かったRBの砲身が、また僅かに長くなってしまった。何らかの対処をするか放置するか思案中。

F1017683 ●砲身先端下に付く謎突起の3社比較。左からドラゴン、イタレリ、RB models。

上の実物写真で判るように、謎突起は、これが付くリング部と同じ前後幅なので、ドラゴンのパーツは(少なくともRBの砲身には)狭すぎて使いようがない。RBのエッチングパーツはだいぶ厚い板材を使っているが、それでも実物に比べ「単に板を曲げました」という外見で(実際にその通りなのでしょうがないが)、実物の金属ブロック風の感じに欠ける。

というわけで、ここもイタレリのパーツを採用することになるが、ちょっと左右幅がありすぎるかもしれない。

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その後のらばさん(3)

週末模型親父さんのところの「イタレリ作せり」コン参加作、イタレリ製のオペル・マウルティア(勝手な略称「イタらば」)製作記の続き。

実のところ、こちらの方の作業はここ最近さっぱり進んでいないのだが、一応、前回以降の進捗を書いておくことにする。

●荷台や幌骨については、追求すればするだけいろいろありそうだが、前回までの工作で終了。続けて、シャーシ後部の細々を工作。

F1017358 イタレリのキットにはその手のパーツはないのだが、タミヤのブリッツ、ドラゴンのブリッツとマウツティアは、いずれも(少しずつ形は違うが)後部アオリ用のダンパーが付いている。ネット上にある「ドラらば」の素組み写真を参考に、シャーシ側にダンパーステイとダンパー、荷台側にその受けと思われる帯金表現を追加。

こういう、「こことここが対応してるんだな」みたいなディテールが結構好き。

また、イタレリのキットでは荷台下に丸型の尾灯とナンバープレートのパーツが付くようになっている。しかし尾灯に関しては、前部にノテク・ライトが付いているので、基本、それと組になっている車間表示灯が付くのではないかと思う。取り付け位置も疑問。

そんなわけで、車間表示灯は(ノテク・ライト同様に)タミヤII号から。ステイやプレートも作り直し、取り付け位置はダンパーステイ下に変更した。

この車間表示灯、ホビーサーチの「ドラらば」素組み写真を見ると、なぜか上下逆に付いている。そんな仕様あったのか? ……とはいえ、メーカー側見本素組みにも関わらず(たぶん)、履帯も逆向きに履いていたりするので、これは信用しないことにして、素直に通常の上下で取り付けた。牽引具周りはちょっと怪しい出来だが、ここはスルー。

荷台下三カ所に付く工具箱には、少なくとも普通に置いても見えそうな、前側の取付用の帯金を追加した。

なお、イタレリのキットに含まれる足回り後ろ側の泥除けは、実車写真では(少なくとも私は)見たことがなく、もし実在していたとしても一般的ではなさそうなので省略した。

F1017227 ●本体に関しては、この他にキャビン周りの細々(ヘッドライトや工具類)がまだ終わっていないのだが、気が乗らないので(←ダメダメな感じ)後回しにし、荷台に載せるものを工作。

その主役として、タミヤのフィールドキッチンをストック棚から掘り出してきた。

もともと、何か大戦後半のトラック物(といっても、このマウルティアかRSOしか持っていないのだけれど)に載せようと思って買ってあった、モデラーズギャラリー限定の袋物キット。――なんて書くと用意周到な感じだけれど、ご覧のようにビニール袋が茶色くなるまで死蔵してあったもの。

さて、タミヤがキット化するほどなので、現物も残っていそうなものだが、手頃にディテールアップの資料にできるwalkaround写真がweb上に見当たらない。さすが裏方車輌。

結局、主に資料サイトMILITARY MODELSの写真を参考にした。見出しで判るようにシーン別の写真集で、写っているフィールドキッチンのタイプは雑多。ドイツのものだけでなく、鹵獲品も混じっているような感じ。

German Gulaschkanone (Field Kitchens)

●さて、上記写真のうちPart 1が特に車載状態の写真を集めている。車載状態といっても、単純に車輪付きのまま載せてあるものと、車輪は外し、架台を介して載せているものとがあるが、模型で車輪付きにすると、いかにも手を抜きましたという感じになってしまいそうなので、架台を作る。

どうもこの架台も、適当に現物合わせ的に作っているものと、ある程度標準化されているものとがあるような感じ。いずれにしても限られた写真からは正確な形状はよく判らないのだが、その辺は心眼で補って(要するにいい加減)、標準タイプ“風”の架台とした。

●一方で、フィールドキッチン本体にも若干は手を入れようと、上記写真の中で、タミヤのものと同じタイプを探してみたのだが、どうも「よく似ているけれどちょっと違う」ものも混じっている。そもそもタミヤのキットは、いつ頃作られた、なんというタイプのフィールドキッチンなのかもよく判らない。

そんなわけで、もうちょっと調べてみると、Panzer Armeeというサイトに行き当たった。ここのリサーチページでは、他ではあまり扱っていないようなアイテムも整理・解説されていて、その中に、ドイツ陸軍の馬匹牽引のトレーラー類(Heeresfahrzeuge、略号Hf.。直訳すれば陸軍車輌?)もある。

これによれば、ドイツ軍純正のフィールドキッチン(フェルトクッヒェ、通称グーラッシュカノーネ)には、大型のHf.11/Hf.13と、小型のHf.12/Hf.14の2系統があり、タミヤのものが前者、IBGで最近出たものが後者(IBGのものはキット名称でHf.14と明記されている)。

Hf.11は第一次大戦前に開発されたもので、この時点ですでにほとんど完成形になっているのに驚く(逆に言えば、質素で知られたドイツ軍のメシはその時点から進歩していないのかもしれない)。第二次大戦前、小改良型のHf.13が登場、古いHf.11にもこれに準じた改修が施されたらしい。

さらに1941年末頃にHf.13の改良型が出現、これは右側にロースターが追加されていて、2本目の小煙突がある(これは取り外しができるらしい)。

さて、それでタミヤのキットがそのどれに当たるのかだが、どうも、Hf.13の初期型と後期型の特徴が入り混じっているような感じがする。

●……何だか深く追求してはいけないような気がしてきたので、キッチン本体には、適当に最大公約数的な追加工作を数箇所に施した。

(いや、深く追求すれば面白そうなのだけれど、土台のマウルティアが考証的に適当なので、キッチンばかり攻めても仕方がない。)

F1017408 そんなこんなで、架台に載ったキッチンはこんな感じ。このあと、架台の足元に固定用のリベットを追加した。本体の工作は

  • いちばん目立つ追加は右側の折り畳み式のラダー型の棚(?)。プラストラクトのL字材と0.3mmプラバンで工作。チェーンは、中と左の灰の掻き出し口のものも含め、縒った銅線を潰したもの。
  • 謎のラダー棚の脇に斜めに出ているのは引き出し式の補助脚ではないかと思うがよく判らない。やはりプラストラクトのL字材とプラバンで。
  • 左右前端近くに取っ手状の突起を追加。
  • エントツの折り畳みヒンジ(プラバンと伸ばしランナー)と、折り畳んだエントツの固定用かと思われる金具(エッチングの切れっ端)を追加。

工作の途中で気付いたのだが、実は左側焚き口脇に、実物では何やらクランクハンドルが付いている。適当に工作していたツケで、架台の位置とカブってしまった。今さら架台を作り直すのも面倒だったので、あっさり忘れることにした(なんていい加減な!)。

なお、タミヤが比較的最近出し直した、馬無し・料理当番兵付きバージョン(「野戦炊事セット」の名称で出ているもの)は、銘板デカールが付いているだけでなく、箱絵に、キットでは表現されていない焚き口側ディテールが細かく描かれていて資料性が高い。不鮮明な写真を漁るより、よほどディテールアップに役立つかもしれない(これも工作終盤になって気付いた。いや、そもそもこのキットは持っていないので)。

F1017411F1017641●なんだかんだとその他に載せるものも用意中。ベージュの木箱は、使わなかった背の高いアオリ板パーツの再利用。

ジェリカンはタミヤの「ドイツ・ドラムカンセット」のもの。省略されている溶接ベロはプラペーパーを挟んで接着して追加した。1枚の枝に水ジェリカンは2個しか入っていないが、刻印は片側だけなので、重ねて使ってそれ以外も水ジェリカンに扮してもらう予定。さすがにカマドの隣にガソリンは置かないだろうなあ、ってことで。

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チャイニーズ・ドラゴン

●……などと書くと、まず第一に「アチョー」の方、あるいはモデラーなら模型メーカーを思い浮かべるのが普通なのだろうが、ここで話題にしたいのは、「drag-gun(大砲を引っ張る)」転じてDragonになった、ビッカース社製のトラクターのほう。概略はwikipediaを。

このビッカース・ドラゴン、本国イギリスでは牽引車を装輪式に統一する方針が出たので早々にお払い箱になったが(そのくせ、後にキャリアで6ポンド砲を引っ張っていたりするわけだが)、海外では、ベルギーで軽ドラゴンがT-13自走砲に化けたり、タイではポンポン砲搭載の中ドラゴンを輸入したりと、大戦中も地味ながらあちこちで使われている。

ネット上で大戦中の中国軍車輌を検索している中にも、時々、このドラゴンが出てくる。

中国軍が装備した車輌・砲の虎の巻、滕昕雲編著、軍事文粹刊の「抗時期 機械化/装甲部隊歴畫史」とか「抗時期陸軍武器裝備」には載っていないので不思議に思っていたのだが、どうやらこれは、広東軍閥が南京政府とは別に輸入したものであるらしい。

写真はたとえばコレ(元ページ)。

軽ドラゴン(Light Dragon)の一種で、ベルギーのT-13B1およびB2自走砲のベース車体になったのと同じタイプ。足周りはビッカース水陸両用戦車とほぼ同形なのだが、履帯はI号戦車のものの原型となったワイドピッチ・タイプを履いている。

そうか、ビッカース水陸両用戦車が発売されたから、このタイプの軽ドラゴンやT-13自走砲のスクラッチビルドは、ちょっとハードルが低くなったのか……。履帯はI号戦車のものが使えるとして、起動輪はI号戦車の歯の部分だけ移植ってできるのかな……。(←妄想するだけならタダ)

ちなみにサス形状は微妙に違うので、本当にハードルは「ちょっと」低くなっただけ。

●ところで、これが引いている砲がまた見慣れない変な砲である。何だか、1番目の写真で見ると、後ろが暴走族の竹ヤリみたいになっているし。

やはりビッカース社製の75mm高射砲だそうな。高射砲らしく、十字型の砲架(脚)を持って要るのだが、前方2本は野砲/対戦車砲の開脚砲架のように畳み、後方は途中で折り畳んだ上で上方に引き上げて固定するらしい。なかなか珍しい方式。

軽ドラゴンとセットで広東軍が輸入装備したものらしく、これも「抗時期陸軍武器裝備 ―歩兵砲/防空砲兵篇―」に載っていない。……中国軍装備、奥深し。というより、魑魅魍魎の世界?

●1月4日。娘らが秋葉原に行くと言うので付き合う。以前にも触れたように、極度の公共交通機関音痴。方向音痴のため、ガイドに動員された格好。

キャラクターグッズの店をあっちこっち行き、ドネルケバブを食べる。イエローサブマリンで、マスタークラブのキャッスルナットと、しばらく前から探していた、むーさんの「J-Tank」第18号が再入荷していたので買う。

キャッスルナットは0.7mmで、尾藤満氏がI号戦車の起動輪に使っていたもの(Panzer Memorandum参照)。YSでも「I号戦車の起動輪に」とタグを付けて売られていた。もっとも、尾藤氏も書いているように、0.7mmは強調気味な感じ。0.6mmでよかったかも。

たまたまニュースで、神田明神限定のガシャポン(海洋堂製)を取り上げていたので、初詣ついでにそれをやりに行こう、などと思っていたのだが、ホビーロビー他、秋葉原各所に点々と置いてあった。有り難味なし! 大黒様が出た。

●「J-Tank」は扉に「日本戦車愛好家ノ外閲覧ヲ禁ズ」と書かれていて、さて、そうなると私が読んでいいのかどうか、ちょっと微妙なところ(嫌いではないが特に好きではない)。

ただしこの18号は、鹵獲戦車・車輌が多数展示された、昭和14年1月戦車大博覧会の記事が載っているので欲しかったもの。

記事はむーさん著で、基本は、博覧会の経緯、内容の紹介。写真の質は鮮明で大判のものは少なく、昔の出版物からのコピーはあまり鮮明でなく車輌ごとの枚数も少ない。それでも、I号戦車やSd.Kfz.221がそれぞれ複数写っていたり、なかなか珍しい車輌もあって興味深い。

実はこれにも、鹵獲品のビッカース軽ドラゴンの写真が1枚掲載されている。

中国軍ほか、日本軍とは逆側からの興味で見ると、なかなか興味深い点、謎な点もある。

▼まず、鹵獲車輌に関して言えば、「どこ戦線でどのような経緯で鹵獲したか」が明確ではない。そのため、ソ連製車輌に関しては、中国戦線での鹵獲品か、ノモンハンでの鹵獲品かが、実際にははっきりしない。ただし、3輌のT-26については中国軍からの鹵獲品、「ソ連製装甲自動車」として展示されたFAI装甲車(記事ではBA-20としている)は中国が受け取った形跡は他資料に見られず、ノモンハンでの鹵獲品の可能性が高いのではないかと思う。

▼中独合作で輸入したと考えられるが、他資料に出ていない車種がある。10ページに出ているクルップ・プロッツェがそうだが、時期的にはタミヤが出しているL2H143ではなく、その前のタイプであるL2H43(1933年から1936年にかけて生産)である可能性も高そう。

▼隣の「ヂーゼル車」は特徴的なフェンダー形状から見てベンツLo2000~Lo3000。「抗時期 機械化/装甲部隊歴畫史」にもLo2750が出ているが、「写真から判断してLo2750」レベルなので、どの車種を何輌といった詳細は判らない。どうやらラジエーターに星章を付けているようなので、鹵獲後、日本陸軍がしばらく使っていたものらしい。

▼3輌のT-26は、すべて砲塔側面に青天白日マークが書き込まれているが、これはオリジナルな塗装なのだろうか。今までのところ、中国軍が装備している状態での写真では、すべて戦闘室側面後部、車台前後面に書かれていて、砲塔に書かれた例は、他に見たことがない。不思議。プロッツェに書かれた青天白日も怪しい気がする。

▼一方で、カーデンロイド豆戦車Mk.VI(p.6)の前面に書かれた「B 77」はおそらくオリジナルのマーキング。カーデンロイド豆戦車で最初に編成された教導第一師戦車隊時代から、どうやら後々部隊が再編されてもこの車種にはずっと使われていたマーキングのようで、アルファベットは3つの分隊を示し(A、B、C)、数字は車番。もっとも、18輌しかないはずのカーデンロイドMk.VIなのに、この番号は3桁のものも確認でき、どういう基準になっているのかよくわからない。

▼展示車輌配置図(p4)中、鹵獲品のほうで「英ストラウスラー装甲自動車」とされている2輌は、記事にもあるようにドイツ製のSd.Kfz.221。一方で参考品のなかの「英ストラウスラー装甲自動車」は正しくストラウスラー(p8に写真あり)。ハンガリー人技術者、ニコラス・ストラウスラー(シュトラウスレル・ミクローシュ)の設計したもので、ハンガリー軍チャバ装甲車の兄貴分。これを装備したオランダ東インド軍と戦うのは数年先の話なので、これはその通り参考品として入手したものなのだろう。

▼11ページ右下の見慣れない装甲車は、抗時期 機械化/装甲部隊歴畫史 1929-45 中國戰區之部」のp.11上に出ているのと、おそらく同一車種。既存のトラックをベースに装甲車体を被せたもののようだが、詳細は不明。

●ここまで来たらついでに中国ネタをもう1つ。

中国軍が装備した戦車のなかでも極度にレア物と思われるのが、ルノーZB軽戦車である。そもそもあれこれの資料でも触れられていることは少なく、最初にweb上で写真を見た時には、「これって中国軍じゃなくて、仏印軍なんじゃないの?」とも疑ってしまったほど。

基本的には、中国軍が使用しているZBとされる写真はこれ1枚しかないようで、どこのサイトでもこれを使い回している。よくみると、車台前面右下に、うっすらと青天白日が見える。左側は「30」はいいとして、頭の文字or図形は何なのだろう。「田」ではないだろうし。

一見すると、フランス本国でも使われたAMR35によく似ているのだが、転輪が4つしかないAMR35に比べ、こちらは5つある(ルノーR35やAMC35と同様の配置)。しかし、サス形状はAMC35(ACG1)に非常によく似ているものの、履帯幅はAMC35より狭く、AMR35と同一のように見える(起動輪、誘導輪も)。つまり、AMR35とAMC35のちょうど中間くらいの感じ(ちなみにソミュールにあるAMC35は履帯と誘導輪がまったく別の車種のものなので注意)。

そもそも輸入状況も使用状況もなんだかよく判らないのだが、某中国のサイトに記述があって、その機械翻訳から読み取ったところによると、30年代半ば以降、雲南軍が独自に輸入したもので、後に中央軍に引き継がれ、第200師に配属されてビルマ方面で使われた由。記述のある元サイトはここだが、本命のページの上にやたらに広告窓がかぶさるので、開く人は覚悟すること。

また、wikpedia英語版のAMR35の項では、「1936年3月、中央政府が12輌、その数カ月後に雲南政府が4輌発注、後者は1938年10月に届いたが、前者は1940年になるまで届かなかった」というようなことが書いてある(私の読解が正しいのかどうかも若干問題だが)。これに従えば、中央政府輸入分も一応は届いていることになる。

●当ブログへのコメントおよびBBSで、L1E1(TWong)さんから教えて頂いたネタ。

CAMsのビッカースの足回りパーツに入っている空冷ブローニング機銃は、オランダ東インド軍装備車輌のもので、後期型発売の布石であるらしい。BBSで後期型パーツも紹介していただいた。ひゃっほー。

手持ちのパーツもよく見直すと、砲塔天井・ハッチパーツの枝に、薄く継ぎ目がある。おっと。金型差し替えをするなら枝の隅っこのような気になって見落としていた。

●mixiでハラT青木氏から教えてもらったネタ。

アカデミーからT-34-85が発売されるそうで、しかもそれが112工場製で、大戦末期に登場したタイプ。Zaloga氏言うところの、「Composite turret」型(実際には、砲塔前半と後半がちぐはぐに“見える”だけで、ツギハギにしているわけではない)。

Hobbyeasyにパーツ写真も上がっていて、発売間近。個別パーツではスパイダーウェブ転輪が写っていて不安になるが(112工場製車輌では、純正の状態では見られない)、素組例写真では正しくディッシュ転輪になっている。

前部角型フェンダーのヒンジとか、起動輪の形状とか、んんん?と思うところもないわけではないが、少なくとも昔のマケットよりはずっとよいだろうし、最近ドラゴンがドイツ軍鹵獲仕様で出した「112工場製の85」はトンデモな製品だったので、これはちょっと面白い。

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CAMs 1:35 ビッカース水陸両用戦車

F1017670 ●しばらく前に購入した、新レーベルCAMs(Combat Armour Models、戰甲模型)製の第一弾キット、ビッカース水陸両用戦車A4E12初期型のキット紹介。

箱に書かれたキット名称は、

Vickers Carden-Loyd Amphibious Tank A4E12 Early Production
維克斯・卡登・羅伊徳 水陸兩棲坦克 早期量産型

ビッカース・カーデンロイドの音写は数種あるようで、台湾発行の資料本、「抗戰時期國軍 機械化/装甲部隊歴畫史 1929-45 中國戰區之部」には、「維克斯考登勞爾特」の表記で出ている。

以前にも書いたが、CAMsは、Riich Modelsの別ブランドである由。

その後、グムカのブログで触れられていたのだが、このキットは、元ドラゴン、元トライスターのキット設計者、Leeさんという方の手によるものであるとのこと。詳細はこちら

1月29日追記:メールで指摘を頂いた。CAMsに関して、Riich.Modelsサイト上のNEWSLETTERSには、“Regional brand of Riich.Models”と書いてあるけれども、実際には非常に小さくはあっても、独立した企業であるそうな。また、上記Leeさんはプロジェクト・マネジメントを担当。実際にキットの設計、箱絵、説明書の制作はT. Wongさんが担当されたとのこと。Wongさん、どうもありがとうございます。)

●実車についての概略はwikipediaを(最初の原稿を私が書いているので手前味噌だけれど)。

若干の補足をすると、唯一まとまった数を使ったのは中華民国陸軍だが、これは、縦横に水路が巡らされた長江デルタ地域での使用を想定してのことであったらしい。

まとまった数とはいっても29輌しかないにもかかわらず、中国陸軍の装備車輌には2仕様ある。砲塔ハッチが左右で直線になっている、キットの仕様が初期生産型、ハッチが大きく半円形で、縁が側面に被るような格好になっているものが後期生産型と、キットの説明書では解説されている。

1/7追記このサイトには、ヴィッカース水陸両用戦車は、1934年に中央政府が16輌を購入、別に12輌を広東軍閥政府が1933年以降に買ったと書かれている。……1輌足りない。まあそれはそれとして、これが正しければ、おそらく、もともと広東政府が購入したものが初期型、中央政府が購入したものが後期型である可能性がある。実際、広東軍のものとされる写真の車体はキットと同じ仕様となっている。)

ソ連はこの車輌をサンプル的に輸入し、自前の水陸両用戦車開発の参考品としたため、クビンカに実車が1輌現存している。

さすがに戦間期のイギリス戦車、生産数はせいぜい40輌ちょっと、まともに使用したのは中国軍だけとあってはキット化など望めないと思っていたのだが、ガレージキットをすっ飛ばして、まさかのインジェクションキット化。

「いい時代になったもんですなあ」と言ってもいいのだけれど、要するに、キット化アイテムにいよいよ詰まってきたことと、キット開発の中心である中国の自国ネタであることの相乗効果の産物と言えるかも。

ちなみに、対日戦争中の中国軍ネタファンである私はスクラッチビルドを構想したこともあり、模型ストックの山のどこかに、プラバンで一応は形にした車体基本形がある。他にも、この車輌用のために流用可能パーツを取り分けてあったりする。嬉しいやら侘しいやら。

F1017589 F1017590 ●キットの構成。インジェクションのプラパーツが4枚、エッチング1枚、デカール1枚。組立説明図は黒・青の2色刷りでちょっと高級な感じ。

プラパーツ4枚のうち、2枚は足回り片側分ずつの同一パーツ(Aパーツ)。車体上・側面、フロートなど、比較的大振りなパーツが中心のBパーツ(写真左)、車体底面・後面、砲塔上下面に前後面、ほか小パーツのCパーツ(写真右)。

フェンダー上の工具箱1つ以外に何の車外装備品もなく、部品はあっさりしたもの。

●車体は各面別パーツの箱組み。側面、上面、底面、前面、後面の6面で、構成としてはオーソドックス。

F1017648 しかし水陸両用戦車のため前後に曲面があり、特にスクリューが付く後面は、可展面ではあるけれど、なかなか凝ったカーブとなっている。さらにもともと装甲が極薄な車輌なので、各面パーツの突合せは、双方、斜めに削がれている(もちろん、プラの厚みが接合部に出るような構成だと大いに困ってしまうので、箱組みならこの接合法は当然)。

しかし、合わせはかなりデリケートなうえ、ランナーゲートが接着面となる斜めの部分にごつく接続している(右写真)。加えて、側面パーツには若干の反りもあった。とにかく入念な擦り合わせは必須。

F1017660説明書では、まず底面に側面、前後面を接着し、最後に上面を取り付けるよう指示されているが、最終的に辻褄の合わない部分が上面に来てしまうと悲しいことになる。むしろ、底面を最後にしたほうがいいのではないかと思う(もちろん、ピタッと隙間なく組み上がることが確実になるまで入念な擦り合わせができるのなら別だが)。

ちなみに私は、後面に両側面、上面、前面という順番で接着した。現段階で底面は未接着。

F1017663 一見して「リベットだらけ」のこの戦車だが、実際には、周囲の面は基本丸リベット、上面はほとんど六角平ボルトで止められている。なにしろ華奢な戦車なのでリベット/ボルト頭も非常に小さいのだが、一応、キットのモールドも、車体上面は六角平ボルト頭を表現しているようだ(右写真)。

車内は、運転席だけはパーツが入っているが、あとは何もなし。車体後部のシャッター付き吸気口から中が覗けてしまうので、何らかの目隠し措置は必要だと思う。

車体両側のフロート(浮き)を兼ねたフェンダーはコの字になった本体(上の箱組みした車体パーツの左上に一部写っているもの)に底面が別パーツだが、合いはあまりよくなく、こちらも入念な擦り合わせが必要。場合によっては、プラバンで底面だけ作り直してしまったほうが楽かもしれない。

●砲塔はビッカース6t戦車の双砲塔型とほぼ同形。キットも、ミラージュ・ホビーの6t戦車双砲塔型同様、前後左右を別パーツにしてリベットのモールドを入れている(ただし、ミラージュの6t戦車双砲塔型は、最近のものではパーツ構成が変わっているかもしれない)。

F1017672 その部品分割自体はいいのだが、全体的にリベットの突出具合が車体に比べ大きく、金型に対し面が斜めになるほど、リベットの形が崩れてしまっている。

特に右側面部分のパーツでは、砲塔前面に繋がる突出部側面を抜き方向に正対させたかったのか、そのすぐ脇のリベットは、だいぶ間延びした涙滴形になってしまった(右写真)。少なくともこの部分だけでも修正したい感じ(余力があれば後面左右端も)。

車体後面の曲面のリベットにも同様の傾向はあるが、そちらは場所が場所だけに目立たない。

F1017645 ●足回り。履帯はインジェクションパーツで、部分ごとに一体成型された、いわゆる「リンク&レングス」方式。起動輪、誘導輪に絡ませる部分も1リンクずつではなく、2、3リンクずつ成型されている(したがって正確には「リンクス&レングス」?「レングス&レングス」?)。

ユニバーサルキャリア等と同系で履板が細かいので、この方式がふさわしいとは思うが、若干、部品の細かさに金型がついていっていないようで、パーツに余計な力が掛かって変形している部分、ゲートから切れている部分などがあった。

右写真上の長いパーツは接地面だが、多少波打ったり、パーツに力が掛かって白化している部分がある。ただし、使用できないほどの変形や破損はなかった。

なお、モデルカステンのユニバーサルキャリア用履帯(非可動)もほぼ同形だが、水陸両用戦車の履帯は(おそらく軽量化のため)ガイドホーンが1リンク置きになっている。したがって、もしカステンに履き替える場合は、使用するリンクの半分をちまちま加工する手間が必要になる。

F1017585 転輪はユニバーサルキャリアと同形(だと思う)。若干の型ズレが見られた。キットの転輪のスポークはまっ平らに作られているが(タミヤのユニバーサルキャリアも同様)、実際には、このスポークは外側から見て、中心に向けてわずかにふくらんでいて、裏面にはリブが付いている。つまり、断面形状はT字型。後期の試作車か、初期の生産型では表側にもリブが付いたものもあるようだ。

ただし、おそらくユニバーサルキャリアの実車写真を見ても、外側からはなかなか「ふくらんでいる」と判らないレベルなので、作り直す手間と効果を考えれば、スルーするが吉、ではないかと思う。

F1017577 F1017583起動輪はこのような感じ。これにキャップと3カ所のボルト頭の極小パーツが付く(どこかにはね飛ばしそうで怖い)。

表面形状はパッと見よいのだが、歯にだいぶ厚みがあり、そのままでは履帯とうまく噛み合わないようだ。

サスはドイツI号戦車と親戚関係。キャリアのコイルスプリング採用前に、初期のビッカース軽戦車・軽ドラゴンに使われたリーフスプリング形式のもの。

F1017584 形状はそこそこよく出来ているように思うのだが、残念なことに、前側サスの片側パーツに成型不良(あるいは金型の破損?)があり、アーム部分のリブが欠けている。

私の購入したキットの同一枝2枚ともが同じ状態になっていたので、当初生産分のほぼ全部そうなっている可能性がある。右写真の、4つあるサスパーツの左上が問題のパーツ。

車体右側ではこのパーツは内側に回るのでそのまま使っても誤魔化せるが、左側では外側に出るので修正必至。

F1017651 ●エッチングパーツのうち、左下の大振りなパーツは、砲塔下/操縦席のバルジ、および操縦席ハッチの垂直面。抜きの関係でつんつるてんの部分にリベットを付加する目的のもの。

処理としては妥当だと思うが、ここの部分は本来は(前述のように)小丸リベット。凝りたい人はプラパーツに直接リベットを植えてもいいと思うが、大きさ的にも場所的にも、エッチングのように綺麗に列を揃えるのは難しいかも。

フェンダーステイもエッチングだが、その留めボルトもエッチングで別パーツ(0.5mm径以下)というのは、ちょっと組立のハードルが高い(しかもちょうどピッタリの数しか入っていない!)。

●塗装とマーキング。基本、イギリス本国・ビッカース社で施された迷彩のまま。塗り分けパターンは、説明書で図示された3種とも同一になっているが、実際には各車バラバラのようだ。

キットの指定では、クリームイエロー、ブラウン、グリーン、グレーの4色迷彩(+黒の縁取り)だが、ボービントンにあるビッカース軽戦車、ビッカース6t戦車は(同じくビッカース社の迷彩を復元したものと思われるが)、グレーを除いた3色迷彩になっている。どうやら3色迷彩説と4色迷彩説があるようなのだが、それほど多くないモノクロ写真からでは判断しづらい。

砲塔に「龍」と書かれた写真は有名だが、あちらは砲塔ハッチの形状が異なる後期型。

●キットにはいくつか不要パーツも含まれていて、何らかのバリエーション展開も考えられている様子。不要パーツから見ると、同一の砲塔(銃塔)に、空冷機銃が連装で搭載したタイプのようなのだが、今のところ、私はそのようなタイプの写真は見たことがない。謎。

後期型は発売になって欲しい気がするが、砲塔上面およびハッチのパーツが、初期型・後期型関係なく必要なパーツの枝の真ん中に入っていて(前掲Cパーツ)、ちと出るのかどうか怪しい感じ。

●総じて、非常にこの車種に関して「好きでキット化しました」感が詰まっている感じで好感が持てるが、どうもインジェクションパーツとして具現化する技術のほうが若干追い付いていない感じはする。一昔前の簡易インジェクションほど精度が曖昧なわけではないし、バリもほとんどないが、(何度か言っているように)入念なパーツの擦り合わせは必須。

もっとも、少なくとも車体箱組みをしてみた感じでは、擦り合わせを怠らなければパテ不要なレベルには組める感じ。手間は掛かるので、「面倒を厭わず、この車種を組みたい」と思うコアなファン向けキットと言えるかもしれないが、まあ、そもそもそういう人でなければ買わないアイテムとも言えそうな……。

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謹賀新年2015

●本年もよろしくお願い申し上げます。

F1017611 ●階下に置いてある小さな鏡餅が、知らない間にこんなデコレーションをされていた。

わけがわからないよ……。

●例年通り、大晦日に川崎の実家に行き、年越しの晩を実家で過し、1日夜に帰宅。

ふだんテレビを観ないので、何を観ていいやら判らず。紅白やバラエティは特に見たくないし、母と一緒に「憑物語」を観るのも何だし。

結局、放送大学を結構たっぷり観た。あとはニューイヤー駅伝。

鶏飯(けいはん)をたっぷり食い、下仁田ネギやら昆布やら岩国れんこんやら貰って帰る。逗子に帰ってきたら、川崎よりもはるかに寒かった。

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