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ぼいて75mm(2)

●マウルティアも停滞しているのに、75mm対戦車砲PaK97/38の続き。

前回はイタレリとドラゴンのパーツを比較、少なくとも砲身に関しては、イタレリのほうがまともそうだというところまで行き着いた。

F1017493 その後、イタレリのマズルブレーキに、モールドをガイドにしてちまちま穴を開けるという内職じみた作業もしてみたが、東京AFVの会の折、サニーでRB models製の金属砲身を見かけて、結局、ついつい購入してしまった。マズルブレーキに、エッチングパーツも付いて1100円。RBはこの円安時代でもコストパフォーマンスが高い。

砲身丸ごとではなく、太さが三段になったうちの、最前部のみを(キットのパーツを切断して)挿げ替えるという構成。イタレリのパーツとのプロポーション比較は右のような感じ。下のRBの仮組みは、マズルブレーキ先端部品は取り付けていない状態。

イタレリのパーツが、穴が片側7列しかないのに対し、RBは実物と同じく9列ある。とはいえ、プロポーション的にはちょっと疑問な部分もある。

●そもそも、実物の砲身先端部およびマズルブレーキがどうなっているかは、この写真が判りやすい。出所はwikimedia commons。フィンランド、ミッケリの歩兵博物館の展示品。

800px75_pak_9738_mikkeli_7

●さて、RB modelsのものは、せっかくの別売金属砲身なのだから、ぱっと挿げ替えて、それで問題解決! といってほしいのだけれど、部分的には(特にマズルブレーキ後ろの段差ごとのプロポーションなど)イタレリの砲身のほうがいい部分もあるのが悩ましいところ。

F1017680c結局、放置できなくなって、多少いじった。その結果と、当初仮組みとの比較が右。手を入れた箇所は、

①マズルブレーキ本体が、長さに比べて太すぎる気がしたのでヤスった。ただし、適当にペーパーがけしただけなので、実際にどれだけ細くなっているかは未知数。

②マズルブレーキのエラが角張り過ぎている感じだったので、若干ヤスって丸めた。

③長さバランス調整その1。マズルブレーキ基部を切り詰めた。パイプ切断工具などは持っていないので、適当なプラバンにカッターの刃を付けたジグで均等幅にケガキ線を入れ、そのラインまでヤスリで削り込んだ。

④謎突起の付く部分のリングは、実物では偏心しており、上部ではほとんど段差がない。RBのパーツでもリングのパーツの内径が少し大きいので、そのままずらして接着した。もっともこうして見ると、あまり偏心が目立たず、もう少し太いパイプに交換すべきだったかも。

⑤長さバランス調整その2。最後部のリング部分を1.5倍ほど?(適当)延長。汚く灰色になっているのは、継ぎ目が消えているかどうかサーフェサーを塗って確認したため。

⑥砲身本体先端の段差との間に、ほんの少し隙間を開けた。実物でも細く隙間があるため。

これらの作業の結果、プロポーション的にはよくなったが、もともとイタレリに比べ長かったRBの砲身が、また僅かに長くなってしまった。何らかの対処をするか放置するか思案中。

F1017683 ●砲身先端下に付く謎突起の3社比較。左からドラゴン、イタレリ、RB models。

上の実物写真で判るように、謎突起は、これが付くリング部と同じ前後幅なので、ドラゴンのパーツは(少なくともRBの砲身には)狭すぎて使いようがない。RBのエッチングパーツはだいぶ厚い板材を使っているが、それでも実物に比べ「単に板を曲げました」という外見で(実際にその通りなのでしょうがないが)、実物の金属ブロック風の感じに欠ける。

というわけで、ここもイタレリのパーツを採用することになるが、ちょっと左右幅がありすぎるかもしれない。

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コメント

マズルブレーキ基部の偏心とかすごいです!
・・・ところで、この大砲、教えていただいたウオークアラウンドサイト見て気がついたんですが、
撃発機構がハンマー式なのですね!
素敵すぎてイタレリのキットを探そうかなと思いました。

投稿: みやまえ | 2015年1月11日 (日) 20時52分

>みやまえさん

コメントを拝見して、私も写真を見直しました。これってバネか何か仕込んであって、パッチンと戻るのでしょうか。

撃発装置の引っ張り紐(拉縄/りゅうじょう、という言葉が判らなくて検索でウロウロしました)は元のM1897野砲時代から付いているものだと思いますが、それとはまた別に、PaK97/38に改装時に付けられたものらしい、操作ハンドル側から復座レールの底を通って引き金?を動かすようになっているらしいケーブルも気になります。

さすが世界初の実用液気圧式駐退復座機付き大砲、元のM1897の機構も面白いし、改装で加わったあれこれも面白いし、これはなかなか楽しめます。

投稿: かば◎ | 2015年1月12日 (月) 01時01分

これ、仰るとおりりゅうじょうのほかにも俯仰ハンドル真中のボタンでボーデン索経由で復座レールにあるシアを押して引き金を落とすシステムもあるようですね。
りゅうじょうの場合は引っ張って話すだけなのでしょうか。
また、ハンマーが落ちてるか落ちてないかで閉鎖機をブロックしたりとかするんでしょうか。とても興味深いです。

投稿: みやまえ | 2015年1月13日 (火) 00時06分

ハンマーの先にある「受け」の部分は回転するようで、そのロックの刻み目もありますね。

90度回すと、突起がハンマーを受け止める形になって、撃針を叩けなくなる感じですね、これ。

ところで、私は拉縄ってのは「引っ張ると発射」なのかと思っていました。しかしこの砲を見ると、「引っ張ってハンマーを起こす」ふうになってますね。

投稿: かば◎ | 2015年1月13日 (火) 00時26分

>ハンマーの先にある「受け」の部分
単純かつよく考えられた安全装置ですね。
りゅうじょうは引っ張って放す(コック&ロックはされず)って原始的な仕組みのようですね
http://www.wargunner.co.uk/58th/images/p25.jpg
ハンマーはバネじかけのラックギアで落とされるという仕組みのようですね。
http://warmemorials.us/images/artillery/m1897_75mm-black_river_falls_right_rear_cu.jpg

http://en.wikipedia.org/wiki/Canon_de_75_mod%C3%A8le_1897#mediaviewer/File:Canon_de_75_breech_mechanism.jpg

投稿: みやまえ | 2015年1月13日 (火) 23時38分

マニュアル見つけました
アメちゃんのですが
http://usacac.army.mil/cac2/cgsc/carl/wwIItms/TM9_1305_1942.pdf
薬莢のエジェクターまで載ってます!

投稿: みやまえ | 2015年1月13日 (火) 23時51分

>みやまえさん

これはよい資料を紹介していただきありがとうございます。
マニュアルのPDF、めくってもめくっても英文ばかりで気持ちがくじけかけましたが(笑)、そのぶん、最後のイラスト群は中身が濃いですね!

車輪にキャンバーが付いているの、初めて知りましたよ……。
いやまあ、RPMのキットはキャンバーがどうのこうの以前の問題ですけれど。

これ、英文を読み解いたら、例の砲身の先の謎突起が何の役割を持っているのかわかるんでしょうか……。

(閉鎖機のレバーの根元のシリンダーみたいな部分、バネケースだったんですねえ)

投稿: かば◎ | 2015年1月14日 (水) 11時44分

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