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2014年12月

イリイチ

●知人がfacebookで「へそくりを見つけた」報告をしており、うらやましくなったので、私もへそくりを探してみる。

F1017610もちろん今まで、どこかにへそくりを隠した覚えはまったくないのだが、「まあ、歳なんだから忘れているかもしれないし」という、まるっきりいい加減な理屈付き。

発見した金、その1。旧ソ連のルーブル札2枚(50ルーブルと10ルーブル)。ウラジーミル・イリイチ・レーニンの肖像付き。

ソ連崩壊直前の通貨価値がガタ落ちしていた時期のものであり、また、そんなこんなで持っている人も多そうなので、おそらく価値はティッシュ並み。とはいえ、史料として個人的にはプチ宝物。

発見した金、その2。旧ユーゴスラビアの100ディナール札。かみさんが若い頃に旅行した時の使い残し。

F1017606 F1017608 札裏の「100」の左右に振り分けて、4つの言葉で100ディナールと書いてあるのが、いかにも旧ユーゴスラビア。4つの言葉は、おそらく左上下がセルビア語とスロベニア語、右上下がクロアチア語とマケドニア語。

セルビア語とクロアチア語は文字が違うだけで基本は同一の言語なので、キリル文字とローマ字で綴りが同じならこの2国語、違うのがマケドニア語とスロベニア語になる。

なお、その一方で、札の表の「ユーゴスラビア人民銀行」と、札の裏の「ユーゴスラビア社会主義共和国連邦」は3つの言語でしか書いていない。しかも表はスロベニア語がなく、裏はマケドニア語がないようだ。激しく謎。

そもとも最初から持っているのを覚えていたうえに通貨価値のまるでない金を掘り出しても仕方がないのだが、なんと、その過程でいつの使い残しなのかまったく不明の米ドル数千円分が出てきた。いやあ、ダメ元でも探してみるもんだなや。年が明けたら両替してこよう……。

●読書メーターでSO-122さんの感想を見て興味を惹かれ、松戸清裕「ソ連史」(ちくま新書)読書中。よい悪いではなく、淡々とソ連の歴史(経済政策、農業政策、工業政策が中心で、政治的権謀術数や外交的対決などはその関連で触れられる程度)を追ったもの。

とはいえ、(ソ連戦車ファンではあっても共産主義やソ連に憧れを覚えたことはないのだが)読み進むうちに、「せめて次の対策はなんとか成功してくれよ……」という気になってくる。

●30日。年末最後の鎌倉散歩。稲村ヶ崎まで行く……というか、行きは稲村ガ崎までバスと江ノ電で。そこからふらふら回り道しつつ鎌倉駅前まで。

経路は、稲村ヶ崎駅-稲村ガ崎(海岸)-極楽寺駅-極楽寺/笛田間トンネル-大仏切通-長谷大谷戸-市役所通り-鎌倉駅前。

▼稲村ヶ崎(七里ガ浜)。風強し。左はハマボッスのロゼットの紅葉。2枚目はホンダワラか何かの浮き。

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▼安定の鄙びた佇まい。江ノ電極楽寺駅。

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▼極楽寺の谷戸を奥へ奥へ進むと、笛田方面に抜ける山の上のトンネルがある。極楽寺側からの上りは、これが車が通れるトンネルに繋がるのか?という道。確かに時折軽自動車は通るのだけれど。

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▼大仏切通を抜けて高徳院側に降りたところに、大正か昭和初めと思しき、古びた建物がある。常々何なのだろうと思っていたのだが、帰宅後調べてみたら、比較的簡単に検索でヒットした。「旧大仏坂体育館」とのこと。昭和10年築、元は水道のポンプ施設の建物で、その後鎌倉市が借り上げ、剣道場等に使用していたらしい。2002年に閉鎖されて水道局に返還されたというが、むしろ、2002年まで使われていたのがちょっとびっくり。入口の扁額は、「清泉露萬戸」と書かれているらしい。字面からするとポンプ場時代のものなのだろう。

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▼大谷戸の道から垣間見た大仏ぁん。

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▼稲村ヶ崎駅前の食料品店で買った、地場のぎんなん。昨年末より100円高かった(380円、税別)が、昨年よりちょっと大粒な気がする。

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●というわけで、今年最後の更新です(明日は川崎の実家の予定)。皆様よいお年を。

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かもしか

●年明け早々の締切仕事を抱えているので、年内の仕事納めがどうの、という状態ではない。

年末の出費が痛いので、N社の忘年会は何年か出席を断っていたら、その後の内輪の仕事納めの飲み会のお誘いも来なくなった。世知辛い世の中だぜー。

●27日土曜日。SO-122さんの書評で「げんしけん」最新刊が出たのを知ったので、鎌倉駅前の本屋まで買いに行くことにして、散歩に出る。

名越の切通を通って大町に降り、さらに釈迦堂切通だのなんだのぐるぐる遠回りして鎌倉駅前へ。名越切通で、リスがわんわん吠えていた。

リスがわんわん、などというと怪訝な顔をされそうだが、逗子・鎌倉近辺にわんさかいるタイワンリス(クリハラリス)は、(どうやら何かに対し威嚇する際に)小型犬そっくりの声で吠える。ちなみにもっと普通には、「きょろきょろきょろ」といった感じの鳴き声を上げる。

鶴岡八幡宮から続く若宮大路の段葛は補修中。フェンスで仕切られ、中の桜は、若干の細い若木を除き、すべて引っこ抜かれている様子。どこかに移していて、補修後にまた同じ場所に植え戻すのか、それとも新しく苗木を植えるのかは不明。

そもそも桜の木は病虫害にやられやすい木のようで、古い木は、腐朽菌にやられていきなり倒れる等の事故もあるらしい(やたらにサルノコシカケの類のキノコが噴き出しているハイランドの桜並木はちょっとアブナイ気がする)。それを考えると、全面植替えもあるのかも。

ミスドで読みかけの恩田陸を読み進めたりして、日が暮れてから帰る。

●散歩途中の風景あれこれ。

レモンの木のレモン色の紅葉。いや黄葉。

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ここでいけません。

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釈迦堂切通。数年前に完全ロックアウトになって以来見ていなかったが、久しぶりに行ってみた。補修などはされないらしく、やはり柵で仕切られていた。ここが通れないと、大町-二階堂間がずいぶん遠くなる。ただし柵の脇は開いていたので、こっそり通っている人はいそうな……。

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これまでにも何度も取り上げている、大町の奥から東勝寺方面に抜けるトンネル。

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かもしか。特に意味は無し。

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日没後の富士山、小坪から。手前は江ノ島の灯台の電飾仕様。

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ちなみに、江ノ島の電飾は、「関東三大イルミネーション」のひとつだそうだ。この「関東三大イルミネーション」、「夜景観光コンベンション・ビューロー」なる団体が「夜景サミット2012 in 長崎」で認定したのだそうで、他の2つは「あしかがフラワーパーク(栃木県足利市)」と「東京ドイツ村(千葉県袖ヶ浦市)」。

認定したという団体がどうにも怪しげである上に、認定された三ヶ所とも微妙にマイナー感が漂っているところがなんとも。モンド・セレクションと怪しさはどっこいどっこいな気がするが、認知度ははるかに劣る。

●常々、名古屋には名物として「きしめん」と「味噌煮込みうどん」があるのに、「味噌煮込みきしめん」はないのか? ひらぺったいきしめんは、煮崩れて煮込みには適さないのか? ……などと思っていたのだが、名古屋方面のI姐さんによれば「普通にある」そうだ。

「宮きしめん」というブランドから、袋ものの味噌煮込みきしめんも出ているそうな。今度名古屋に行く機会があったら是非買ってこよう……。

などということを書くのも、寒いと味噌煮込みうどんが食べたくなり、血中の赤味噌濃度が欠乏しているかのように感じるからだ。

●28日日曜日。仕事上の用事もないのに都心に……というか、秋葉原に出掛ける。

昼頃出かけ、最初は秋葉原で昼飯を食うかあ、などと思っていたのだが、ふとラーメン屋の看板を見てよろめき、地元・逗子の久木水道路沿いのラーメン屋で昼食。

脱サラして(あるいは定年で)、趣味でラーメン屋を開きましたという感じの小父さんがやっている4席しかないラーメン屋で、かといって、ものすごく趣味に走ったラーメンを出すわけでもない。実に昭和っぽいラーメンらしいラーメンが出てくる。もう開店して何年か経つが、自宅に近いので逆に行く機会はなかなかなく、今回が2度目。

(12/29追記。脱サラ、あるいは定年後に始めたラーメン屋ではなく、以前にも同じ場所でラーメン屋をしていたが、しばらく閉めていて、また復活した説をかみさんから聞いた。いやまあどうでもいいんだけど)

サンマー麺を食べる。酸味のあるとろみをつけた餡が掛かっているイメージを抱いていたのだが、これは頭の中でサンラー麺(酸辣麺)とごっちゃになっていたようで、合っていたのは後段だけ。別に酸味はなく、単純に五目あんかけラーメンだった。もちろんサンマは入っていない。

あとで調べてみると、サンマー麺は(wikipedia的定義では)「細麺を使った塩ラーメンもしくは醤油ラーメンの上に、歯ごたえが残る程度に炒めたモヤシ入りのあんをかけた麺料理」だそうだ。うーん。モヤシ入ってたかな……。

それよりも、これが「神奈川県のご当地料理」であるというのを知らなかった。神奈川県民なのに!(もちろん、ケンミンSHOWで扱われるが如く、ごく日常的に食べていて全国区の定番料理だと思っていたわけでもない。単純に、マイナーな中華麺のバリエーションだと思っていただけの話である)

●イエローサブマリンで、アスカのイタリアン・ジェリカンを購入。VOLKSで、エデュアルド新作のジーメンス・シュッケルトD.IIIを購入。最近、陸物ばかりで、飛行機を買ってもなかなか作らなそうなのだが、あまりのコストパフォーマンスの高さにクラクラしてしまった。これについてはいずれ内容紹介を。

P40自費出版本もあったのだが、ジーメンスを買ったので自粛。

●イエローサブマリンで、HOBBYBOSS新製品の44M TAS(タシュ)の製品見本を見る。……なんというか、まあ、実物がないのだからしょうがないのだけれど、どう見ても「模型の模型」。

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Bronco、KV戦車用履帯セットレビュー

F1017455 ●東京AFVの会の折に、ケン太さんより頂いた、Bronco Models製、1:35、“Russian 650mm OMSH Track Link Set for KV-1/KV-2 (Workable)”のレビュー。

KV戦車はそれなりに有名車輌でもあり、別売履帯は、古いモデルカステンの非可動式以来、だいぶあちこちの会社から出ているのだが、どうも「入手しやすく、使いやすい」ものがそれほどなく、ちょっと隔靴掻痒な状況にある。

ブロンコのこのセットは、値段はカステン可動式よりも安いし、形状がバッチリであれば大歓迎な製品なのだが、

Russian 650mm OMSH Track Link Set for KV-1/KV-2

という製品名からして、大いに怪しい(なお、「OMSH」とあるのは工場名かと思うが、はっきり判らない)

●KV系列の履帯のおさらい。基本、「私の理解では」という範囲での記述なので、間違っていたら御勘弁を。

T-34ほど煩雑ではないが、KV系列にも何種類かの履帯が使われている。細部をあれこれ言い出すとバリエーションが増えそうだが、基本は以下の通り。

標準型KV(KV-1、KV-2)に使われたものは700mm幅で、初期にはすべて1ピースタイプのリンクだったが、1941年型の後期、おそらく鋳造砲塔が使われ始めたのと前後して、2ピースタイプのリンクを混ぜ履きするようになる。

KV-1s、SU-152では、当初、左右フランジを斜めに削ぎ落としたような軽量型履帯が使われる。これも、1ピース型と2ピース型の混ぜ履きが標準。

軽量型履帯は「ちょっとやりすぎ」と考えられたのか、何か不具合があったのか、1s系の後期には、再びフランジが四角くなった履帯に戻る。標準型KVのものと非常によく似ているのだが、実際には左右幅が詰められていて、650mm幅となっている(上記軽量型も650mm幅か?)。これも、1ピース型と2ピース型の混ぜ履きが標準。後継であるJS戦車が初期に最も普通に履いている履帯も、まったく同じものと思われる。

なお、700mm幅履帯と650mm幅履帯は非常によく似ているが、以下のような点で見分けられる。

  • KV系列の履帯は内側から連結ピンを挿し、外側でCリングで留める?ような形になっている。ピンヘッドよりも、ピンエンド側がより突出しているが、700mm履帯ではピンエンドが履板フランジのラインよりも凹んでいるのに対し、650mm履帯ではほぼ同一線上になる。
  • 2ピース型の履板は、700mm履帯では分割部裏側に盛り上がり(センターガイド)がある。650mm履帯の2ピース履板にはこれがなく、まったく平面になっている。

ちなみに、KVの源流である多砲塔重戦車SMKや、KVの試作型は、標準型よりもやや幅の狭い履帯を使っているように見えるものがある。詳細未確認。

各タイプは、噛み合せ部の寸法はまったく同じで、混ぜて繋ぐことが可能であるらしい。

比較的有名な、KV-1s改造のKV-T戦車回収車の後姿の写真があるが、どうやらこの車輌は、700mm履板、軽量型履板、650mm履板を混ぜて履いている(左側履帯の中央の1枚だけ、幅が広い)。

●そんなわけで、ブロンコの履帯は、標準型のKV-1/KV-2用と銘打って650mm幅履帯を出している時点で、「えっ、何それ?」ということになる。

もっとも、上記のように650mm履帯と700mm履帯は、パッと見の形状はよく似ているので、知らん振りをして標準型KVにこれを使っても、気付くのはよほどのマニアだけ、とは言えるかもしれない。

そもそもこの履帯セットは、同社SU-152用に使われているもののうち、1ピース履板だけを倍にして発売したもの。どうせなら、2ピース履板もそのままにして出してくれたら、1s系用にもJS用にも使いやすかったはず。もっとも、そのタイプに関してはモデルカステンのJS用タイプB(SK-14)があるので、それほど必要性は高くない。

ちなみにトランペッターのSU-152の履帯は、聞くところによるとこれまた悩ましいもので、幅は700mm履帯なのに形状(2ピース履板の裏)は650mm履帯になっているそうな。

F1017453 F1017451●実際のブロンコの履帯セット詳細。ためしに、ピンのランナー一枝分を連結してみた。

表裏のモールドはこんな感じ。表(接地面)には鋳造を示す梨地が入っているが、表現は割と画一的というか、硬め。裏側もフランジ端がカクッと斜めに綺麗に削がれていて、これまたちょっと硬質な感じがする。

ただし、インジェクションの履帯にはよくある、押し出しピン跡がどこにも付いていないのは非常に好ましい。

連結ピンは、(当然そうなっていないと困るが)内側用のピン頭(平頭)と、外側用のピン先(留めリングの段付き)の2種付き。ただし、履板のピン穴開口部がやや大きく、ピン先のほうは、段の部分が履板にほぼ埋まってしまう。

F1017449●すぐ取り出すことができた他社の履帯との比較。

まずは、左から、マスタークラブのレジン版、ブロンコ、モデルカステンSK-7。

モデルカステンのSK-7は、間違えて歯数が1つ多いタミヤのKVに無批判に合わせているために、明らかにピッチが細かい。そのため、そのままではタミヤのKVにしか使えない(ただし、トラペその他の新しいKVキットに使用するために、わざわざ間違った歯数で作られた修正用起動輪が同梱されている)。

ブロンコとマスタークラブはほぼ同じだが、厳密には、わずかにブロンコのほうがピッチが広い。ただし、実際に模型に使用する分には誤差の範囲内で、少なくともトランペッターのKVの起動輪には問題なく巻けた。

ピッチの差は、マスタークラブ8リンクに対しカステン9リンク。ブロンコ6リンクに対しカステン7リンク、といったところ。

F1017437F1017445r 幅の比較。左はブロンコとマスタークラブ。こうして繋げてみると、幅の違いは歴然としている(逆に言えば、こうして繋いでみないとよく判らないのも確か)。

標準型KV履帯の幅は、後世の1:35戦車模型に合わせたかのような寸法であり、マスタークラブの履帯もきっかり2cm幅。噛み合せは、本来ならまったく同じのはずだが、この2社のパーツ間では、「ぐいぐいやればなんとかはまる」レベル。

右はモデルカステンとブロンコで、ピッチがおかしいカステンは、幅はほぼ標準型に近く、19mm強。こうしてみると、いかにも鋳造部品っぽい有機的なディテールはカステンのほうが「らしい」感じで、寸法間違いが惜しい。そろそろ潔く、トランペッター他の「新しいKVキット向け」に標準型履帯を(できれば初期の1ピースのみと、後期の2ピース混ぜ履きの2種で)出し直してくれないものだろうか。

F1017435 F1017440ついでに、各社接地面比較(左写真)。左から、トランペッターの標準型KVシリーズに入っている部分連結式履帯、ブロンコ、カステン、マスタークラブ。撮影時に適当に並べたので、左右と、真ん中2本とで向きが違う。

ちなみにトランペッターの部分連結式は、ご覧のようにディテールはマスタークラブに劣るが、それなりのレベルには仕上がっているし、幅はきっちり2cm。ただし、裏側にやたらに押し出しピン跡がある(右写真)こと、本来は2分割リンク混ぜ履きであるはずの後期型KVにもこの履帯パーツしか入っていないこと、位置がずれている上部転輪にあわせた弛みが付いていることなどが弱点。

●話がブロンコ履帯からずれた。

というわけでキット名称通りの使い方は出来ず、いささか特殊な仕様のブロンコKV履帯だが、1sでも、なぜか1ピース履帯だけを使っている例がある。

1sとしては割と有名な、砲塔に大きく白で2ケタ番号を書き入れた1部隊の連続写真があるが(たとえばこれ)、この部隊の車輌は、1ピースタイプの履板だけを繋げた履帯を使っている。この仕様を作る場合には、ブロンコの履帯は都合がいいことになる(というより、これしか使い道がない?)。

っていうか、どこか、安くて使いやすい700mm幅・2分割混ぜ履きタイプ出してよ……(現時点で比較的入手しやすいのが、高いフリウルかマスタークラブ・メタル版くらいしかない)。

●まったく関係ない話題。

少し前から、ネット上で、タミヤがソミュアS35を発売するという噂が飛び交っているらしい。しかも製品番号が35344であるとか、妙に具体的。

実際のところ、ルノーR35か、ソミュアS35かは、タミヤが出してもいいんじゃないかと常々思っていて、しかしそう思っている間にR35はホビーボスから出てしまった。残るフランスもののメジャーどころといえばS35だけだったわけで、出るとしたら非常に嬉しい。

●たまたま覗いたmixiで、いしぐりん氏から教えてもらった話題。

エアフィックスの2015年の新製品予定というのがなかなかトンガッテいて、どうやら72の新金型でデファイアントや九七艦攻が出る模様。飛行機がらみのセレクトだが、アルビオンAM463とかいう燃料補給車(リンク先のページでは643になっているが、正しくは463であるらしい)、ベッドフォードMWD軽トラックが48で。これは飛行機と絡めなくてもちょっと欲しい感じ。

●さらに関係のない話。

38(t)系列の操縦席は、ドイツ戦車とは逆に右側にある。なるほど、ドイツとチェコとでは道路が右側通行か左側通行かで違うんだな、と、ボンヤリ思っていたのだが、考えてみればヨーロッパ大陸は、各国とも右側通行のはず。あれれ?

と思って調べ直してみると、どうもチェコも戦前までは左側通行だったらしい。

もっと詳しく調べたらいつ左側通行から右側通行になったのか正確な時期がわかるかもしれないが、もしかしたら、ナチスドイツのチェコ併合で切り替わったのか?

というわけで、38(t)の車体ハッチは、操縦手席の上にあるわけではなく、無線手席の上にある。ついうっかり、「操縦手ハッチ」と言ってしまったりするが、アレは「車体ハッチ」ではあっても、「操縦手ハッチ」というには無理がある。トランスミッションの後ろを回って席に着くことを考えると、砲塔ハッチを使っても「こっちの方がちょっと遠いかな?」くらいではなかろうか。いずれにせよ、いざという時、操縦手は逃げ出しづらくてかわいそうだ。

ちなみに、ドイツ占領下で設計された駆逐戦車38(t)ヘッツァーでは、ペリスコープ位置で判るように、操縦手席は左に移動している。

そういえば、38(t)に「改造キット」を被せて「なんちゃってヘッツァー」を作ったという設定のガルパンはどうなっているのだろうと改めて思ったが、ちゃんと操縦手席は左に移動していた。まあ、そうでないと砲が載らない。

しかし実際の話、本来砲尾の右側から装填するPaK39を右に寄せて搭載してしまったため、ヘッツァーはひどく装填作業のしづらい車輌であったと聞く。それならば、操縦席は右側のままで、砲は左に寄せて搭載したほうがよかったんじゃないだろうか。

ところで、ヴィッカース6t戦車は、操縦席が右側にある。イギリスは左側通行だからこの位置は当然だと言えるのだが、同じヴィッカース社の水陸両用戦車は、操縦席が車体左寄りにある。なんつーいい加減な。

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東京AFVの会2014

●12月21日日曜日、下北沢の北沢タウンホールで開催された東京AFVの会に行く。東京AFVの会に出たのは何年かぶり(5年以上は行っていない気がする)。

久々に出席したのは、

  • 何年かぶりに完成品があって気をよくしていた。
  • ハラT青木氏が来るというので。
  • 週末模型親父さんのところのSUMICON2014で、個人的に最もインパクトがあった作品、ケン太さんのツュンダップの完成品が見られる。

――などの理由による。

●ARMO JADAR-MODEL製、1:35のソクウ(Sokół 1000/CWS M111)と、数年前の完成品であるバンダイ1:48、ダイムラーMk.I装甲車を持っていく。

少なくともソクウに関してはディテールの強度に関しても不安があり、AFVの会までには何かしらベースを作って、それに固定して持ち運びもしやすいようにしよう、などと考えていたのだが、結局、SUMICON締め切り時のまま。

さらに、仕事が終わらずにバタバタしていたため、当日朝まで梱包する箱がないか探す泥縄ぶり。結局、いつもは別売のリベットセットの小袋などをまとめて突っ込んである取っ手付きの百均プラケースに、ティッシュを詰めて収納。

幸い、行きも帰りも破損はせずに済んだ。

F1017430 F1017432 ●東京AFVの会は10時からだが、会場到着は11時頃。すでに腹丁先生も来ていた。前回に比べると膨張が止まったような気がしたが、本人がいい気になってもいけないので言わず。萎んだわけではなさそうだし。

お目当てのケン太さんのツュンダップもすぐに見つかり、ご本人とも無事お会いすることが出来た。ウェブ上でビシッと形状出しをした細部工作写真を見せられていると、作品がものすごく大きなものであるかのような錯覚がどんどん進行していて、見た瞬間の感想は、

「小さい!」

だった。もちろん、1:35の模型に比べれば巨大なのだけれど。

本当はエンジン周りの作り込みと質感を写真で見せたいところ、携帯電話の写真がピンボケだった。

●ほか、目に止まった作品等々。

ソクウ、ツュンダップ以外にも、オートバイの模型がちらほら。おお、これは!と思ったのは、ロシア(だっけ?)のAIM Fan Models製、ソ連のオートバイPMZ A 750の単体とサイドカー付き。

このキット、アイテムの珍しさから私も店頭で手に取ってみたことがあるのだが、スポークはエッチング・パーツが入っていたり、なかなか気合いがこもっている一方、プラパーツはそれなりに細かいものの「一昔前の東欧製」な出来で、

F1017426F1017427「あっ、ごめん、間違って声掛けちゃった~」

みたいな顔をして棚に戻した記憶がある。

しかし飾ってあったのはビシッとした出来で、あのキットがこうなるんですか?という感じ。

ケン太さんはツュンダップの他にKV-2のジオラマも持参してきていて、そのKV-2も、KV maniacsの私の製作記事を参考にして下さった由。ちなみにKV maniacs自体は閉鎖中で、記事はそれだけ独立して置いてあるもの。

F1017423 そのジオラマには、ズベズダ1:35のIMZ M-72サイドカーが登場していて、これまた、スポークを1本1本、伸ばしランナーで植え替えたというもの。私自身は、この手法は、いつか挑戦したいと思いつつ(というか、いつか挑戦しないといけないんじゃないだろうか、くらい)、未挑戦。……それにしても、なぜこんなに綺麗に揃って張れますか?

戦車の作品の中で、個人的に最もインパクトがあったのは、1:25フルスクラッチのFCM 2C。

最初、パッとテーブルを見た時に、

「でかっ! MENGの2Cって、完成するとあんなにデカイのか!」

などと寝惚けたことを考えたのだが、実際には1.5倍近く違う。

F1017418 F1017422添えてあった製作メモによれば、ペーパーモデルを基本資料にプラバンで工作しリベット打ち、製作中にMENGの1:35が出たのでこれも参考にしつつ製作。履帯は複製せず、1枚ずつ手作りしたそうな。

斜め前からの写真では、向こう側に別の人のMENG製2Cも写っている(隣にあるわけではないので大きさの比較にはならないが)。

青木氏は、関西でのイベントで組んだという、タミヤ48の新製品、38(t)E/F型のテストショット未塗装品を出品。非常に出来はよい感じ。実際、テストショットとはいえ調整は終わっているらしく、スラスラ組めたとか。

しかしE/F型って、電撃戦の時期からは外れているし、東欧小国への供与はG型が主なので(E/F型も少数行っているけれど)、どうも地味な印象。

TACOM、Amusing Hobby、PANDAの3社のオブイェークト279を、1人で作り比べしている方も。……いったい何があなたをそこまでさせる? まさか六鹿さんか? と思ったが違ったようだ。

久しぶりに中村コウさんとも邂逅。カードも書かずにこっそりとACE72のトラクシオン・アヴァンを展示していたが、黒ツヤの綺麗な民生仕様、ドア開閉ギミック付き。やるなあ……。写真を撮り忘れた。

●午後は講演、入賞作品表彰など。

ケン太さんのツュンダップが懐かし部門1位、およびアーマーモデリング賞を受賞。

ついでに私のソクウも、ガレージキット部門第3位を受賞。しかし、投票対象となる昼までのガレージキット完成品の展示は、せいぜい5つくらいしかなかったような……。いや、まさか3つしかなかった、ということはないと思うけれど……。

ちなみに大賞(だったかな?)は、1:6の巨大な、ロレーヌ牽引車ベースのマーダーI。日本のMoja-Q Modelingというところから、ABS樹脂をメインとしたガレージキットが出ているらしい。これに他社製のPaK40のキットを加えてマーダーIに改造。さらに他の会社のトレーラーカーゴを牽引させていた。しかも、走るところは見なかったがラジコン搭載である由。

そんな大スケールで、よくいろいろ揃うものだと思ったが、要するにGIジョーのスケールであり、小物から車輌まで、意外にあれこれあるものらしい。

●その他、AFVの会のこぼれ話。

▼ケン太さんから「オミヤゲ」と言われて、BRONCOの1:35、「Russian 650mm OMSH Track Link Set for KV-1/KV-2 (Workable) 」を頂いた。これはなかなか微妙な製品で、ケン太さんも「買ってみたものの使い道がないので、何かのネタに」とのこと。

なんて書くと不良在庫が回ってきたふうに見えてしまうが、これはこれで興味深いものであるのは確か。

ありがとうございます>ケン太さん。KV-1sを作るとき……が、いつ来るのかは判りませんが、そのような折にぜひ役立てたいと思います。

詳しい内容紹介等々は、いずれ改めて。

▼昼食は、腹丁青木氏、ケン太氏、金子辰也氏らと、総勢7人で近くの台湾料理屋。

▼昼食後にサニーに寄る。RB ModelのPaK97/38用砲身を買う。

▼会場には、ほかにも高野さん、VKインタラさんら、SUMICON参加者が複数いらしていた由。事前に掲示板で打ち合わせなどしていなかったこともあって、ご挨拶もお話も出来ず。

▼ケン太さんに、「あとで、ツュンダップとソクウを並べて写真を撮らせて下さいよ」と言って快諾を得たにもかかわらず、撮り忘れた(そんなんばっかし)。思い出したときには、ツュンダップは、アーマーモデリング賞受賞作として撮影用にアーマーモデリング誌に貸し出されてしまった後だった。

▼JAMESの笹川さんはお出でにならず。実は我が家には、とある事情でヒゲさんこと故・小澤勝三氏のスクラッチ作品のルノーFTがあり、笹川さんにお会いできたら、JAMESで保管して貰えないか頼もうかと思っていた。

●AFVの会終了後、青木氏と四谷仙波堂に行く。

店主氏がちょうどドラゴンの新製品、ビットマンズ・ティーガーをいじっているところで、たっぷり旧製品との違い等教えてもらう。といっても、基本、私には無縁の商品であり申し訳なし。

タスカ(アスカ)のイタリア軍ジェリカンセットを買おうと思ったが惜しくも品切れ。代わりにこれはどうかと、レジン製のジェリカンセット(ブラチ? いや、ロイヤルモデル?)を薦められたが、3倍近い価格差はどうもなあ……。

KV履帯2分割混ぜ履きタイプの、マスタークラブのレジン製のものが売れ残っていないかと思ったが、残念なことにもうなかった(そもそもレジン版で2分割は出ていなかったかも)。「国本戦車塾第8号 イタリア最強戦車P40」を買おうと思ったが売り切れ。キャッスルナットの小径のものが欲しかったが、これも無し。結局、RB Modelの57mmZiS-4の砲身を買った。440円(税別)。

どうも仙波堂に行っても、結局いつもちんまいものを買うばかりのことが多く、まあ、要するに有り難味のない客である。まあ、どこへ行っても有り難がられるほど金満家でもないので仕方ないけれど。

●青木氏と酒を飲みにいく(兼・夕食)。

青木氏は前日から東京に来ていて、前日もモデラー仲間と飲みに行き、居酒屋でたっぷり揚げ物を食った由。というわけで、今日は揚げ物以外――魚がよいという。

四谷の飲み屋街もちょっと歩いてみたが、結局、私の行き慣れた九段下の「おかってや」に行く。以前に青木氏とも行ったことがあり、氏の評価もよかった店。

魚を食いつつ、くぴくぴ酒を飲みつつ、いつものように盛大に馬鹿話(と若干の考証話)をする。腹丁青木先生が朗々とパルナスのCMを歌うのを聴きながら酒を飲むのも、まあ、乙なものであると書いておこう。いや、パルナスを歌っていたのは店を出てからだったかな? 酔っ払ってたんで、よく判らないや。

ちなみに揚げ物は避けたいと言っていたにも関わらず、ふぐの唐揚をお代わりした。美味かったけれど。

酔い覚ましを兼ね、俎橋から秋葉原まで歩く。秋葉原で青木氏と別れ帰宅。

●何の弾みでか、青木氏と「リチャード獅子心王は、なぜ獅子心なのか」という話題になり、そこからの流れで、「ジョン失地王とかと並んで、迂闊王なんていそうですな」「いそうだねえ」などと益体もない話をする。

2日ほどして青木氏がツイッターでつぶやいていたが、氏は、T-34の研究をしつつイングランドを統治し、後世の歴史家に「T-34王」と称されたいそうだ。

むしろ「揚げ物王」と呼ばれるのではないか、とres。

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シュトレン2014

●体調不良。

もともとチビ助がどこからか「お腹の風邪」を貰ってきて、ゲーゲー吐いていたのがこちらに回ってきたらしい。幸い、吐き気は比較的すぐに治まったものの、なんとなくお腹が痛かったり。

次にはかみさんに移って、どうも一家の中でリレー中。

一応、ノロではないようなのが救い。

F1017413 ●先週金曜日(12日)、川崎の実家に行って、ドイツ人Pの実家製シュトレンを貰ってくる。

ドイツのママは昨年倒れて現在リハビリ中なのだが、昨年末に続き、今年もパパがママの監督総指揮のもと、焼いたらしい。

市販のものにくらべ見た目は素朴そのものだが、甘すぎず、身はずっしりと重く、美味い。クリスマスに向け、ちびちび食べている。

F1017404 ●15日月曜日。大阪日帰り出張。行き先は市内ではなく、関空のすぐ近くだったので、往復とも、久しぶりの飛行機。

しばらく乗らないと、飛行機って、何か乗り方忘れる気がする……。

会社は初めてのスターフライヤー(ANAとの共同運航便)。

尾翼のマークはその頭文字の「SF」(すこしふしぎ、ではない)。右のように縮小されていると線の細いところが見づらくなるので普通に「SF」に見えなくもないが、実物をパッと見たときには、「LF……?」と思った。

F1017401 ところで、羽田のターミナルからD滑走路方面を見ると、その向こうに何やら巨大遺跡めいたものが見える。何なのかと思って、帰宅後GoogleMapsで見てみたが、どうやらアクアラインのトンネル部分の通風孔(「風の塔」)らしい。

そういえば以前にも、ありゃなんだ、と思ったことがあったようななかったような。

●ちなみに、正規のANA便は、胴体横に何のつもりだかよく判らないのだけれど、

Inspiration of JAPAN

というスローガンが書いてあった。なんだか直感で飛行機を飛ばしているようで、どうなのよソレ、って感じ。

●帰りに関空の中でたこ焼きを食う。しかも蓬莱の豚まんを買って帰る。まさにおのぼりさん的。

●ネット上で見た話題。

全国3000の書店員への調査と、雑誌「エンタミクス」編集部による「2014年 コレ読んで漫画ランキング」というのが発表されていて、その第1~20位の顔ぶれは以下のようになっている。

  • 第1位:七つの大罪(著者/鈴木央、出版社/講談社)
  • 第2位:僕のヒーローアカデミア(著者/堀越耕平、出版社/集英社)
  • 第3位:ハイキュー!!(著者/古舘春一、出版社/集英社)
  • 第4位:聲の形(著者/大今良時、出版社/講談社)
  • 第5位:コウノドリ(著者/鈴ノ木ユウ、出版社/講談社)
  • 第6位:魔法使いの嫁(著者/ヤマザキコレ、出版社/マッグガーデン)
  • 第7位:月刊少女野崎くん(著者/椿いづみ、出版社/スクウェア・エニックス)
  • 第8位:かくかくしかじか(著者/東村アキコ、出版社/集英社)
  • 第9位:高台家の人々(著者/森本梢子、出版社/集英社)
  • 第10位:僕だけがいない街(著者/三部けい、出版社/KADOKAWA角川書店BC)
  • 第11位:ピアノの森(著者/一色まこと、出版社/講談社)
  • 第12位:甘々と稲妻(著者/雨隠ギド、出版社/講談社)
  • 第13位:累(著者/松浦だるま、出版社/講談社)
  • 第14位:応天の門(著者/灰原薬、出版社/新潮社)
  • 第15位:火ノ丸相撲(著者/川田、出版社/集英社)
  • 第16位:子供はわかってあげない(著者/田島列島、出版社/講談社)
  • 第17位:だがしかし(著者/コトヤマ、出版社/小学館)
  • 第18位:スピリットサークル(著者/水上悟志、出版社/少年画報社)
  • 第19位:東京喰種トーキョーグール(著者/石田スイ、出版社/集英社)
  • 第20位:逃げるは恥だが役に立つ(著者/海野つなみ、出版社/講談社)

自分では結構「マンガ読み」な気でいたのだが、この中で読んだ(読んでいる)のは1作のみ(「魔法使いの嫁」)。しかも個人的には、2巻まで読んだ時点で、今ひとつパッとしていない。

なお、最も最近買ったマンガは「クレイモア」最終巻。

●某アニメのエンディングテーマの歌詞の一部が、何度聞いても「まさに死んだ場所でしょ」と聞こえるので話題にしてやろうと思ったのだが、試しに検索してみたら、すでに散々ネタにされていた(結局書いてるけど)。

PMMSによれば、3Dプリンターによる世界初の1:35AFVフルキットとして(たぶん144とかでは既にあったのではと思う)、ETS35というメーカーから「オチキスH39」が発売されるそうな。同メーカーのfacebook上の案内はこちら

確か、このメーカーはこれまでに、3Dプリンターを使ったオチキスのディテールアップパーツを何度かに渡って出していて、要するに、最終的にそれらが1輌分揃ったということなのだと思う。

ペーパークラフトが、昔は印刷物として売られているだけだったのが、今はPDFなどでオンラインで頒布されていることを考えると、立体の模型も、いずれはデータで流通する時代が来るのかもしれない。

……とは思うものの、「カラーが印刷できるプリンター」が一般家庭に入る必然性に比べて、3Dプリンターが一般家庭に普及するきっかけはちょっと想像しづらい。さすがに「模型を自宅で出力できます」が、それほど購買力のインパクトになるとは思えないし。

●ついでに。Meng ModelからA7Vが発売される由。在庫の化石化(あるいは不良債権化)がどんどん進むなあ……。

ちなみにA7Vに関しては、「そうか、しょうがないな、じゃあタウロのA7Vはそのまま作るかあ」くらいだが、エデュアルドのジーメンス・シュッケルトのリニューアルは、結構ショックが大きかった。自分でもなぜだかよく判らないけれど。

●TFマンリーコさんのところで、203mm B4重榴弾砲の話題が出ていて、ネット上で写真など漁っているうち、だいぶ興味が沸いてくる。

結構現存品が多いらしく、primeportalに出ている大量のwalkaround写真は、少なくとも2門の写真が混じっているようだ。他のサイトにも、walkaround写真が結構ある。

もともとの話題は「左右角はどうしているのか」だったが、この写真で判るように、脚の付け根にギアがあった。

なお、関連してあれこれ調べていたら、砲の仰俯角、左右角操作の機構について、ツイッターで解説しているまとめページがあった。判りやすい。

そうか、プチロフM1902や四一式山砲のような仰俯機構は「螺旋式」というのか……(いや、まんまな名前だけれど)。

●サイトの閲覧履歴が広告に反映されるというのは、マーケティングの手法としては当然の進化なのかもしれない。

というのは判らなくもないのだけれど、仕事上の用事があって京都学園大学のサイトを時折見ているおかげで、どこに行っても「太秦その」ちゃんが出てくるのは、いい加減にウザイ。っていうか、大学のPRに、萌えマスコットキャラを前面に出すのはよそうよ……。

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その後のらばさん(2)

Aori●イタレリのオペル・マウルティア製作記の続き。

結局、アオリ下のヒンジは我慢できずに作り替えた。我ながら律儀なことよ、と思わなくもないが、実際には、

  • イタレリのマウルティアにはアオリが2種類(背が低くて柵付きのものと、背の高いもの)入っており、使わない背の高いほうのリブ下端を削り取ってきて継ぎ足せば、比較的楽に改修できるのでは?――と考えて加工を開始。
  • しかし、削り取って加工していたリブ下端を、早速ピンセット先で弾き飛ばしてしまい紛失。数が足りなくなり、使用を断念。
  • とはいえその時には、すでに荷台のほうはリブ下端を削りとってしまっており、結局、すべて(11箇所)ちまちまプラバンから工作することに。

という、何ともお粗末な経緯。

●荷台の内側に関しては、兵員輸送用の簡易椅子(というよりただの板)を渡す基部があるのは「イタらば」のキットの特徴でもあるのでこれを残し、また、小荷物を載せるのに都合がいいので(と、乗員が考えたことにして)最前部の板だけは取り付けてみた。

F1017293F1017292  もっとも、キットではこの座板は、本当に単純に左右に差し渡してあるだけなのだが、実際には、1、2ヶ所はつっかえ棒でも入れないと、兵員がびっしり座ると板が折れるとか、そこまで行かずとも、たわむくらいはするのではないだろうか。

また、後部のアオリ内側には、何やら折り畳みの板が付くのも「イタらば」の特徴。これはどうやら、アオリを下ろした際に、人が乗り込むためのステップになるものらしい。

本当にこんなものが付いていたのかどうか判らないが、仕組みとして面白い気がしたので取り付けた。

●前回、プラパイプで作り替えた幌骨ホルダーだが、hideさんから、

「幌骨は本当は板状で、ホルダーも四角いんですよ、うひひひひ」(大意)

という悪魔の囁きをいただき、さてこれはどうしたものだろう、目撃者を始末してしらばっくれようか、とも思ったのだが(いや嘘です嘘です)、実のところ、プラパイプを貼っただけの修正をそれほど惜しんでもしょうがないので、プラペーパーで作り直し。また、前部2ヶ所については、エバーグリーンのプラ材で幌骨を立てた。

F1017333 この幌骨の仕様に関しては、(前回記事へのhideさんのコメントにあるが)、グランパ掲載の寺田氏の記事にある由。どうも最近のグランパはマジメに立ち読みもしておらず(どうやら逗子の本屋には入らないか、それともさっさと売り切れる部数しか入れなくなってしまったらしい)、まったくそうした情報を関知していなかった。いかんね。

というよりも、ドラゴンのキットでそのような仕様になっているのははっきりネット上の写真でも確認できる。見逃していたというよりも、「まあ、こんなもん、幾通りか仕様があったんだろう」くらいに考えていた。ヌルし。

ところで、そんな経緯で改めて実車写真を見ると、この幌骨ホルダーはいささか謎なツクリになっている。

最初は、幌骨を固定するために、下の止め具には底でも付いているのではと思ったのだが、どうやら、上も下も単純なコの字金具であるらしい。その証拠に、オペル・マウルティアの戦時中の写真としてはおそらく最も有名な、ギガントから降りている写真を改めてよく見ると、幌骨がアオリ柵の上端まで落っこちていて、幌骨の先は荷台下にまで突き出てしまっている。

Bundesarchiv_bild_101i559108507_ita

もっとも、そうなっていない写真もあるので、(幌骨の途中にピンを挿すとか)何らかの固定の仕組みは持っているはず。これもグランパの記事にあるかも。

●先にキャビン工作について書いた際に触れるのを忘れたのだが、履帯部の前側に関しては、キャビンパーツの切り欠きも必要になる。

イタレリの説明書では、キャビンサイドのステップ部の切り欠きだけでなく、ドアの後下端と、キャビン背面板の左右下端も切り欠くよう指示されていて、実際、そのための筋彫りもパーツ裏側に施されているのだが、後2者に関してはどうやら切り欠き不要のようだ。

なお、上写真の実車もそうだが、前側フェンダーは、初期生産型には装着されていないそうだ。

また、イタレリのキットは後部にも立派なフェンダーが付くのだが、これは初期後期に関わらず、付いている実車写真は確認できなかった。唯一、「あ、付いているのがあった」と思った画像は、画質が落ちて一見実車写真に見えたレベルの箱絵だった。

まあ、それほどの数の実車写真を見たわけではないので、存在しなかったとは言い切れないものの、少なくともあまり一般的ではないようだ。

そんなわけで、荷台下の工具箱にあったフェンダー取付用ガイドは削り取り、荷台下のステイ用の穴も埋めた。

●順番としては幌骨より先に工作していたのだが、キャビン外回りの追加工作も再開。

F1017329 ドア取っ手を作り直し(太すぎたようだ)、サイドウィンドウ前部の小さな庇も追加。

また、ライト類はとりあえずノテクライトだけ付けた。

イタレリのオペル・ブリッツ/マウルティアは前照灯もノテクライトも取り付け位置が妙に高く、前から見た時にカエル顔になっている。ノテクライトは、架台はキットのパーツを削り、ライトと基部はタミヤII号戦車のパーツを流用。位置もキットの指示より下前方にずらした。

ライトコード引き込み部も工作したが(写真に僅かに写っている白ポッチ)、実車より、この「三角地帯」の面積が違うのか、架台自体がもっと小さいのか、位置関係がだいぶ窮屈になってしまった。本当は架台も、もう僅かに下にずらしたかった。

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ぼいて75mm

●唐突だが、イタレリとドラゴンの1:35、75mm対戦車砲PaK97/38の比較検討。

週末模型親父さんの「イタレリ作せり」コンのおかわりネタに選択したため。しかし完成品が数年に1作ペース(それでも以前より回復基調)の私が数ヶ月で2作も出来るのか?

●社名だけ併記すると、ドラゴン製キットのほうが新しいような気がしてしまうが、ドラゴンのPaK97/38は2000年リリース、イタレリのものは2007年リリース(たぶん)で、イタレリのほうがだいぶ新しい。

にもかかわらず、モールドの切れ等々で、「こちらのほうが新しい!」と思える部分はなく、イタレリの凋落ぶりを示しているようでちょっと寂しい。

古きよき時代のイタレリからそのまま技術進化すると、ブロンコのようなメーカーになるんじゃないかと思ったがなあ……。

●それはそれとして。

実物は、wikipediaにもそこそこ詳しく出ているが、世界で初めて液気圧式駐退復座機を搭載したフランス製野砲、75mmM1897を、鹵獲したドイツでごにょごにょした対戦車砲。5cm対戦車砲PaK38の開脚式砲架に載せ、多孔式マズルブレーキを装着している。

新鋭の75mmPaK40が揃う前のピンチヒッターだが、PaK40登場後も二線級部隊に回されて使われたほか、ルーマニア、フィンランドなどにも供与された。そんな経緯から、フィンランドにはそこそこの数が残っていて、展示されている砲も複数あるようだ。

なお、元になった75mmM1897は、時折誤ってシュナイダー製とされることがあり、昔のTOMのキット名称もそうなっていた(そのため、私も以前は「シュナイダーの75mm野砲」などと言っていた)が、実際にはシュナイダーとは無関係。後に出てきたまったく別設計のM1912やM1914などがシュナイダー製で、それと混同されているだけである由。

97f1017318●ドラゴン、イタレリのキットの仕様の差として目に付くのは、主車輪の形式が違うこと。写真は左からドラゴン、イタレリ、イタレリの人力移動用補助車輪。補助車輪のみ、ドラゴンの主車輪と同一タイプの車輪が入っている。

ちなみに、人力移動用補助車輪は、陣地内での移動等の際に、閉じた脚の先に装着するもの。ドラゴンのキットは私の持っている初版には補助車輪が入っていないが、その後出たPremuim Editionには入っているようだ。

主車輪の2タイプは、どちらも砲架の流用元である50mmPaK38で使われているもので、生産時期の差(あるいは下請工場の差)ではないかと思われるが、当方、資料不足でよくわからない。PaK97/38でも両方使用例が確認できる。

もともとドラゴンのキットを持っていて、そちらをストレートに作ろうと思っていた私が改めてイタレリを買ったそもそものきっかけがこの車輪で、フィンランドが使ったPaK97/38が、写真で確認できる限りすべてイタレリがパーツ化した穴開きタイプだったため。

もっとも、フィンランド軍のPaK38でドラゴンと同タイプの車輪のものもあるので、フィンランドのPaK97/38でもそちらのタイプが絶対になかった、とは言い切れない。

パーツの再現度としてはどっこいどっこいで、トレッド部の2本の溝は、ドラゴン、イタレリともに単純な段差表現で誤魔化している。ドラゴンのパーツは、ゴムリム部にダメージ表現あり。ただし側面が若干ヒケていた。イタレリのパーツは、ゴムリム根元の、ホイールディスク部の縁表現がない。

なお、ドラゴンの車輪とイタレリの車輪ではゴムリムの厚みも違っており、ドラゴンは約2.5mm、イタレリは約3mm。ただし、現存品の写真を比べると、両タイプで実際にゴムリムの厚みが違うようにも見える(パッと見の印象なのでなお検討の要あり)。ただし、イタレリは主車輪も補助車輪も同じ厚み。

97barrel01●単なる仕様の差ではない、決定的な両キットの差は砲身。ご覧のように長さが大きく違う。

実物はどうなのかだが、wikipediaで見る限りでは、元のM1897野砲の砲身長が2700mm、PaK97/38の砲身長が2722mmと書いてある。

もともと同一の砲身だし、PaK97/38の数字がマズルブレーキ込みとは考えにくいから(さすがにマズルブレーキ長が2.2cmということはあるまい)、少なくともどちらかは間違いなのだと思うが、とりあえず、1:35での誤差は0.5mm程度しかないので、この際深くは追求しないことにする。

計算結果は、1:35で77~78mmというところだが、イタレリの砲身長(A'+B+'C')は77.5mmで、ほぼ合致する。

ドラゴンはマズルブレーキ付け根で74mm、マズルブレーキ先端までで81mm。いずれにしても上記数字とは合わない。

砲身全体の長さと共に大きく違うのが、砲身の段差ごとの長さの比率で、イタレリはおおよそ3等分に近いのに対し、ドラゴンは中間部分(B)が極端に短く、根元(A)が長い。

97barrel02ほぼ横から取った実物写真と見比べると、イタレリのプロポーションのほうが近い。ただし、マズルブレーキは、イタレリのものはやや大きめのようだ。

ちなみに、両キット以前に出たTOM modelbau/RPMのM1897野砲のキットはかなりプリミティブな出来だが、砲身長およびに段差間のバランスは、ほぼイタレリのキットに等しい。

97f1017320_2 ●上記砲身の長さと関係しているが、揺架はドラゴンのものが短く、各部のプロポーションも若干違う。

モールドに関してはどっちもどっちな感じ。

97leg_2 ●脚に関しては、わずかにイタレリが長いものの、それほど目立った差はない。

最も顕著な差は、架台に接続する軸の角度が違っていることだが、これが最終的にスタイルにどれだけ影響するかは、若干組み進めてみないとよく判らない。もしかしたら、架台に対する車軸位置が両者で違っていて、それと関係して脚の角度が違うなんてこともあり得るかもしれない(思いつきでテキトーなことを言っています)。

中途に立ち上がっているツメは、人力移動用補助車輪の収納用ホルダー。両社でツメの高さが違うのは、前述の車輪の厚みの違いが影響しているものらしい。

ただし、穴無し車輪(実際には小さな穴が5つあるが)のほうは穴開き車輪より実際に薄い可能性があり、このホルダーは薄い穴無し車輪にしか対応していない可能性がある(現存砲のディテール写真でもそれほど高く見えないので)。なお、両社とも立ててモールドしてあるが、実際はこのツメは折り畳める。

参考までに、実物写真での補助車輪装着状態はこちら。また、脚を閉じて補助車輪をホルダーに留めた状態がこちら。後者の写真は、主車輪が穴開き、補助車輪が穴無しのイタレリと同じ組み合わせで、この写真でも、穴無しのゴムリムのほうが薄いように見える。

なお、イタレリの脚は、内側に数箇所の押し出しピン痕が窪んでいて、埋める必要がある。

97shield_2●防盾は、パッと見、似て見えるが、並べて比較すると明らかに形状に差がある。

縦幅に差があるだけでなく、大きな違いは、上辺が、真横から見た際にイタレリは前面からほぼ直角であるのに対し、ドラゴンは上方に切れ上がっていること。

また、照準窓の大きさ、砲身が通る開口部形状にも違いがある。

まず全体に関して。寸法的には、市川方面某氏がハメーンリンナの砲兵博物館でメジャーを当てて測ってきてくれていないかな、などと無茶な期待を抱きつつも、とにかく現状では判断材料がなく何とも言えない。ただし、先の実物写真などからプロポーションを見る限り、ドラゴンのほうが近い感じがする。少なくとも、上辺に関しては、前面に直角でなく切れ上がっているほうが正しいようだ。

照準窓に関しては、イタレリは明らかに大き過ぎ。しかしドラゴンでもまだ大きい感じ。ドラゴンの場合、内側の辺はちょうど側部のカーブが始まったあたりにあるが、実物はもっと外側にある。

砲身用のスリットは、特に上部の形状が違うが、ドラゴンのものが尖った形になっているのは、50mm対戦車砲PaK38用のパーツを改修せずに流用したためではと思う。PaK97/38では砲身が太いので、この形状だとスリットの頂点まで仰角を掛けられない。

●そんなこんなで、実際に製作する場合には、イタレリをベースに、細かいパーツはその都度比較して、使えそうなものをドラゴンから流用するプチ贅沢をしようなどと構想(妄想)中。

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その後のらばさん

●わたしぃのぉ~、らばさ~ん~、イタリア~のぉ生まれ~

●週末模型親父さんのところの「イタレリ作せり」コンのエントリー作、オペル・マウルティア(らば)の進捗状況。

F1017222 先日でキャビン内部は一区切り。その後荷台の工作に移った。工作のメインは荷台四周にびっしり付いている幌固定用のU字金具の付け替え。

太さを正確に揃え、強度を確保するには真鍮線に替えるのがベターなのだが、裏側を削る手間を考えて伸ばしランナーにした。

最初、キットのモールドを削った後に直接ドリル(0.4mm)で穴を開けようとしたらずれてしまい、結局埋めて開けなおすことになった。やはり横着したらいかんね。

全40箇所あり、履帯つなぎに続く単純反復作業。

F1017278 ●四周を立てて組んだ状態。

荷台もキャビンも、シャーシに仮置きしてあるだけ。

荷台内側のリブが白いのは、リブ部分に押し出しピン跡があるためで、結局リブごと削り落とし、プラペーパーにリベット打ちで再生した(一部、キットのモールドのまま生かしている部分もある)。

●なんだか手順がちぐはぐだが、左右アオリの幌骨差し込み金具をプラパイプで作り替えた。(四周を組む前に作業しろよって感じ)。

もともとのモールドは、そのすぐ横の柵の留め金具と同じ形をしていて、それだと、幌骨がT字断面をしていることになってしまう。

F1017285 プラパイプを切る時、単純にそのまま切ると、いつも切り口が斜めになってしまってみっともない。今回は個数もあるし揃っていないと恥ずかしいので、簡単なジグを作った。

といっても、プラ材(ドラゴンのランナータグ)やプラバンを適当な厚みに重ね、ぴったりプラパイプの径の穴を開けただけのもの。ここにプラパイプを差し込んで、表面にナイフの刃を滑らせて削ぎ切ると、ちょうど同じサイズのプラパイプの輪切りが量産できる。

って、わざわざ細かく書くほどの新機軸ではないですが。

幌は張らないが、後々幌骨だけは立てる予定。

F1017281また、左右・後部アオリの固定用フックは、キットのモールドではフック部分は単にハンドルバーにしかなっておらず、受けのほうも位置がズレ加減。受け金具をプラバンとプラパイプで作り直し、そこに差し込む形でフックも付け足した。

アオリのリブ下端は本来は可動の軸があるのだが、形状が変で、そのままモールドのrに合わせて軸を差すと、ますます妙な具合になってしまう。本格的に直すのも手間なので思案中。

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