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2014年11月

がん、でん、じー

●夢の中に沖縄のユタのオバァが出てきて「うんどぅぶすくー!(運動不足)」と厳しく指弾するので、昼に散歩に出掛ける(もちろん理由のほうは捏造)。

考えてみれば、仕事でうんうん唸ったり、仕事の振りをしてマウルティアを作ったり(いかんね)して、外に出るのは久しぶり。

F1017274F1017275●家を出てほどなく、道端の電信柱の下に白いタンポポを見つけた。

白い花を付けるタンポポがあるというのは知っていたが(西日本ではポピュラーであるらしい)、身近には初めて見た。

もっとも、白い花のタンポポには数種あり、これがいわゆるシロバナタンポポなのか、それともまた別の白いタンポポなのかは不明。そもそもシロバナタンポポは春咲きの花らしいのだが、その一方で、「秋咲きのシロバナタンポポ」というのもあるらしく、これがそもそも同一種なのかもちょっと判らない。

F1017271●名越切通を通り、途中で例によって期間公開中のまんだら堂やぐら群に立ち寄り、さらに大切岸上の尾根道を歩いてハイランドまで行く。

ハイランドの西友でお惣菜だのおにぎりだのを買って食べる。

右写真は名越切通入口脇にある標石。神の企てし水!

とてもご利益がありそう(実は単に神奈川県企業庁水道局の略)。

●この季節、鎌倉に紅葉目当てに来る人も多いが、そもそも中途半端な気候・海沿いの低丘陵地である鎌倉・逗子の紅葉は、全体的に見れば、特に綺麗なわけでもない、と思う。

もっとも、ピンポイントで見れば綺麗に紅葉している木もあるし、今年は強風による塩害もなかったので、だいぶマシ。

F1017268 F1017267 F1017261 F1017260 F1017258 F1017257

左上から。

・まんだら堂やぐら群前の平場のイチョウとハゼノキ。
・その足元の落ち葉。
・大切岸の尾根道で拾った椎の実。
・ハイランド端の公園のカエデ(2枚)。
・おなじくハイランド端の公園。樹種としては安定して紅葉が綺麗なハゼノキ。

F1017253 ●ハイランドの西友前から逗子行きのバスに乗って山を降りる。ふと思い立って、途中下車して岩殿寺に行く。

「がん、でん、じー!」

と叫ぶと、何か変身できたり必殺技が出たりしそうな音の響き。いやまあ、だからどうしたって話ですが。

ちなみにこの寺は坂東三十三箇所観音巡礼の札所の二番目で、時折、観光バスを仕立てて人が来ていることもある。

我が家からは二番目に近い寺(たぶん)なのだが、通り抜けができて散歩コースに組み入れられている隣山の法性寺と違って、ちょっと引っ込んだところにあるので、5年以上前に1度行ったことがあるきり。

F1017247 山門からだらだら坂の法性寺と違い、こちらは奥の観音堂まで階段が続く。観音堂の左手からさらに山の上に上がることができ、T字路を右に行けば露天の観音像とあずまや。左に行くと聖徳太子像。この観音像は、山の下のバス通りからも普段、見上げることができる。ちなみに、山上のあずまやは盛大に傾いでいる。崩壊間近な感じ。

ちなみに、坂東三十三箇所観音巡礼の札所の一番目は鎌倉・二階堂の杉本寺で、現在、華頂宮邸裏手の尾根筋を辿ってハイランドに抜ける巡礼古道は、ハイランドの造成前は、この観音像のあたりに繋がっていたそうな。

F1017235 ●隣の鎌倉(特に旧市街の鎌倉)では大量の丸ポスト(郵便差出箱1号(丸型))が現役であるのと違って、逗子市内にはほとんど残っていない。

そんななか、この久木3丁目のポスト。ポストそれ自体は1号角型なのだけれど、よく見ると隣に丸ポストの土台の石(根石)だけが残っている。

なぜ根石だけが撤去されずに残っているのかは判らないが、隣の角型よりも、ど真ん中にいて主役顔。

F1017169 ●さすがに11月も末になると、たまにハナアブを見かける程度で、虫の姿が少なくて少し寂しい(もちろん、顔の周りでわんわん色々な虫に飛び回られても困るが)。

今日の散歩ではないが、22日に湘南鎌倉総合病院に行った帰り、初めて寄った大船フラワーセンターで撮ったナミホシヒラタアブを一枚。妙にくっきり綺麗に撮れたので。

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らば乃巣

●タイトルは(c)セータ☆さん。

●「週末模型親父」さんのところのネット・イベント、「イタレリ作せり2014」用に作っているイタレリ1:35、オペル・マウルティアの進捗状況。

なお、最初にもちょっと触れたように、今時マウルティアを作るならドラゴン/サイバーを選んだほうがずっとよいはずで(もちろん、I号戦車B型などの例にみるように、一概に『新しいからいい』というわけではないと思うが)、今回は、

ある程度、見栄えをよくする手入れはするが、根本的な切った貼った作業はしない。

を基本方針とする。まあ、要するに、「高いドラゴンをいまさら買うのもなー。イタレリももったいないしなー」という製作動機(若干後ろ向き)。

それにしてもここ最近の製作記の頻度はどうだ! まるでモデラーのようではないか!(いやまあ、モデラーなんですが)

●キャビンの工作。

F1017149F1017184キットの運転席足元は、エンジン~トランスミッションのクリアのための凸部は緩やかに丸く盛り上がっているのだが、ブリッツの実車写真で確認できる限り、四角く出っ張っている様子。

窓から覗き込んだときのチラ見え対策用に、現物合わせで適当工作。また、半端な一体モールドだったペダルも新調した。

また、キャビン後面もつんつるてんだったので、適当にリブ工作。どうやら左右端は、ポケット状になっている様子。そういうのって、ドアにでも付けておいた方が便利なのでは……。

F1017197 また、椅子も「とりあえず椅子」という形状の部品でしかなかったので、実車写真、タミヤのブリッツの説明書(web上で見た)などを参考に、座面を運転手側・助手席側で分割。位置は目分量。もしかしたら、分割線はもうちょっと助手席寄りのほうがよかったかも。ちなみに今さら気付いたのだけれど、ドラゴンのキットは座面の分割線が中央にあるようだ。

その後、エッジ部分(と呼べるほどにエッジは立っていないが)に伸ばしランナーでパイピングを施した。前面左右端のヒケは、どうせ見えないので埋めない。

●ボンネット周りの工作。

F1017194 ボンネット上面中央の固定部は、キットでは筋彫りで表現されているだけ。中心線に軽く折り目を入れた0.3mmプラバンを張り増しした。

また、バンパーとフェンダーの間の“三角地帯”には筋彫りを入れた。プラ材にペンナイフの古い刃を瞬着で貼り付け、角から一定の幅で筋彫りできるようにした、お手製安直工具を作成した。

ボンネット横の留め具は、若干ヌルいモールドなのだが、一応、「これで留めてある」程度はわかるので放置の方向。

グリル上の、オペルのフード・オーナメント(フードクレストマーク)は、キットの指示だとほとんどボンネット側に乗る形になるが、グリル側に比重があるのが正しいようだ。

オーナメントがラジエーター・キャップ上に乗る車も多いが、ブリッツの場合は純粋オーナメントのみ。ラジエーターキャップは、右側ボンネットを開けてアクセスするよう、ラジエーター上部の右後ろに突き出す形になっている(したがってキットの、ラジエーターてっぺんのモールドは誤り)。

ちなみに、タミヤのブリッツ(キット名称は『ドイツ3トン4×2カーゴトラック』)では「大人の事情」でつんつるてんだった稲妻マークには、きちんと「OPEL BLITZ」のロゴが入っている。

もっとも、タミヤからはアベールのエッチング付きのセットも出ていて、アベールのエッチングではしっかり「OPEL BLITZ」のロゴが入っている。どういう扱いになっているのやら。

グリルが明瞭に下すぼまりなのは、タミヤ、ドラゴンにはない、イタ・ブリの特徴。

F1017203 ●履帯は、古いカステンの非可動式のストックを使用。先日掘り出したI号指揮戦車の箱に、なぜか指揮戦車ではなくI号戦車B型のキットと一緒に入っていたもの。

カステンの非可動式は、最近の製品と違って、ガイドホーン側面の溝は表現されていないが、キット全体とのバランスからいえば充分な出来ではないかと思う。装着方向は、なぜかI号戦車とマウルティアとでは逆。

それがどうした、という話ではあるけれど、発見したI号線指揮戦車の箱の中に入っていたカステン履帯は、1枚の過不足もなくマウルティアにぴったりの枚数だった。もちろん、本来は1号B型に合わせてもっと沢山入っていなければおかしいわけで、残りをどこにやってしまったのか、まるで謎。

とにかく、履帯を組みながらどんどん枝が減ってきて、最後に足りなくなるかとちょっとドキドキした(その時は、同じパーツが入っているAZIMUTのヴィッカース・ユーティリティから拝借して来ようかと思った)。

F1017207●後々、荷台に物を載せたいと思っているので、足回り組立中に若干、前傾姿勢がゆるくなるようボギーシャフトの取り付け基部を削ったこともあって、履帯の垂れ具合の確認を兼ね、ほぼ真横から撮影。荷台床板は仮置き。

……って、写真そのものがちょっと傾いているような?

改めて見てみると、ちょっと誘導輪が後ろに振られすぎている感じもする(もちろん今さらいじったりしない)。

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イタレリのらば(訂正)

●前回の題名(および内容)の訂正。

いきなり素で間違えていたが、ドイツ語のMaultierはロバではなくラバ(ロバとウマの交雑種)。

単に荷役に使うというだけでなく、別車輌同士の足周りを掛け合わせているという意味も含めたネーミングなのだろうと思う。

●ドラゴンのパーツを見たら(web上で)、排気管はもっと大胆な曲がり方でデフをまたいでいた。どうせ見えないだろう、ということで放置。

一方、排気管の出口は、イタレリのキットではシャーシ後端近くだが(ブリッツ仕様?)、ドラゴンのキットではクローラ部の前後ボギーの間くらいまで前進している。

F1017148こちらは足回りの隙間からチラ見えする場所でもあり、現存のパンツァーヴェルファーの実車でもその位置だったので、一度付けた排気管をマフラーの前後で切り詰めて前進させた。

一応、イタレリの在庫処分製作を志す人向けに書いておくと、前側は、マフラーの車体への取り付け脚のちょっと前で切断(つまりマフラーも6mm少々短くなる)、後ろ側はマフラーと排気管の継ぎ目で切断。マフラーの前後を入れ替えて(これでマフラー位置自体が前進する)、排気管との接続部にはドリルで穴を開け、適宜切り詰めた排気管と繋ぐ。

写真はシャーシ裏側から(ボギーは現時点では自由回転するのでひっくり返っている)。

●名前繋がりの話題。

前回も書いたように、このキットのメーカー、イタレリ(ITALERI)は旧称イタラエレイ(ITALAEREI)という。「…ラエレイ」、という音の繋がりが呼びづらかったからか、なぜかその時代、日本では「イタラエリ」と呼ぶのが普通だった(と思う。別に私の周辺だけではないよね?)

ちなみに、一時提携していたトミーのファイティング・ヴィークル・シリーズの説明書には、きちんと

「トミーとイタラエレイ(伊)が提携」

と書いてある。まあ、さすがに提携先の社名を勝手に読み変えちゃいかんわな。

その「イタラエレイ」という社名なのだが、今頃になって、

ITAL(イタリアの)+AEREI(航空機 aereo の複数形)

なのだと気付いた。そういえばメーカーロゴマークは、中心に飛行機のシルエットが書かれている。バックのトリコローリ(三色旗)も三角形になって、全体でAの字になっているのも、おそらくAEREIの頭文字なのだと思う。模型メーカーとしての初期の製品は基本的に飛行機ばかりだったはずで、だから社名も「イタリア機」だったのだろう。

それはそれとして、新社名「ITALERI」のERIってなに? エロエロ? まさかエッセーレ(英語におけるbe動詞に相当)の2人称半過去 eri?

社名変更直後、「これは日本で売るには、言いやすい上に“至れり尽くせり”に通じるからこう変えたんだよ」という俗説が流れたが、ホント?

考えてみれば、社名変更の結果、ロゴマークがAの字形をしている意味もなくなってしまったわけだが(Aの字を表しているとして、だが)、こちらはそのまま継続して使われている。

ちなみにその昔、イタリア語をほんのちょっとだけかじったときに、

ソーノ・セイ・エ、シアーモ・シエーテ・ソーノ

という、エッセーレの現在形活用を真っ先に覚えさせられたが、当然(なのか?)半過去に到達する前に挫折した。

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イタレリのろば

●前々回、「9月以来、常に追い立てられていた地図の仕事が、昨日(11月8日)ようやく終了」と書いたのだが、その後若干の揺り戻しなどあり。

11日(火曜日)に神保町の事務所に行って、最終提出分についての出典資料をひと通りプリントアウトして、S社に提出。

すっかり終わった気分で、母からの用事を片付けに一泊で実家に行ったのだが、翌日打ち合わせに呼ばれ、片付いていない部分を追加で依頼された。新しい仕事の進行と被ったりして、結局また少しじたばた。

●そのS社の地図の仕事は、18日、「先ほど印刷所に何とかデータを引き渡せた」と担当氏からメールが来て、ようやく今年の分は一件落着。

結局今年もバタバタ仕事。この後、大きな間違いなど発覚しなければよいけれど。

●実家ではK叔父も来て、一緒に酒を飲んで、島唄も歌ったりなんぞして大騒ぎ。翌日、母の仕事の荷造りをしたり、庭木の剪定をしたり、トイレの水の出を調節したり、銀行にお使いに行ったり。

ちなみに庭木の剪定は主に叔父がやったのだが、年寄りがハシゴでやたら危なっかしく高いところに上るので、見ているほうがハラハラ。

F1017137 ●後期型が出るまで待っていようか、とも思っていたのだけれど、つい我慢できなくて購入。Riich Modelsの別ブランド、CAMs(Combat Armour Models)の第一弾、ヴィッカース水陸両用戦車(初期型)。

Riich Models自体をこれまで買っていないので、例えば以前に出たユニバーサル・キャリアあたりと比べてどうなのか、というのは判らないが、それなりに凝っているものの、成型技術等で若干至らない部分もあるかな、という感じ。

詳しいレビューはまたいずれ。

●「週末模型親父」さんのところのSUMICON2014は終了したばかりなのだが、矢継ぎ早に「イタレリ作せり2014」がスタート。要するにみんなでイタレリを作って楽しみましょう、という趣旨。何年かに1つ完成するかどうかという私としては無謀なのだが、なんとなく勢いで参加。

あれにしようかこれにしようかだいぶ迷ったのだけれど、結局、棚の奥に眠っていて、こんな機会でもない限りは絶対眠ったままになっていたであろう、オペル・マウルティア(ろば)を作ることにする。燃料タンクの裏側に、旧称の「ITALAEREI」のロゴがあって、ちょっと懐かしい。

F1017141 現在、オペル・マウルティアをきっちり作る気ならドラゴンの新キットがあるので、ヌルく、最小限の手入れで作る予定。20日正式スタートのところ、フライングで作り始めて、現状、ほぼシャーシを組み上げてこんな感じ。

一応、ポイントのみ書いておくと、

・転輪はおそらくあまり一般的なタイプではないが、フォードのマウルティアで使用例があり、まあ、ありえなくはないだろうくらいの適当さで、キットのまま。ただしキットのパーツは、ゴムリム付け根の、ホイールディスク外周の立ち上がりがない。なお、キットでは転輪も誘導輪も同型のパーツだが、実際には転輪はゴム縁付き、誘導輪は金属リムで、若干形状が違うのではないかと思う。

・キットのゴムタイヤは昔ながらのイタレリ純正、「恐怖のプラ溶かしタイヤ」だったので、一昔前の定番工作で、タミヤ1:24のロータス・スーパー7のタイヤに交換。「なんちゃって民生仕様」とした。その昔、まだアフターパーツが充実していなかった時代には、サイズ的にほぼピッタリ合い、しかも当時の民生用タイヤに見えなくもないこの方法は、非常に簡単で「使える手」だった。

パターンの正確なブリッツ用タイヤが各種発売されている(さらにはタミヤやドラゴンから流用の手もある)今となっては、新たにロータスのタイヤを買ってするほどのことではないが、我が家には「いつか使うかも」と買いだめておいたものが、3袋=15個、ブリッツ換算で2輌分もあった。

今回ようやく日の目を見たものの、マウルティアで使うのは予備タイヤを含めて3個だけ。残りはどうするんだ、これ……(と思ったが、TFマンリーコさんからZIS-5系列にも使える、と教えてもらった。アランもFORTも、高いアフターパーツを奢りたいほどの出来ではないくせに車輪は何らかの対処をしたいキットなので、これは非常に有難い)。

ホイールも、実際には、マウルティアの場合は8穴タイプがふさわしいのだが、そちらはキットのままとした。ショーモデリングの8穴車輪パーツも買って持っているはずなのだが、発見できなかった。こんな機会でもなければ一生使い道がないパーツなのに……。

(ちなみにショーモデリングのブリッツタイヤは設計ミスで、タイヤの内外がうまく合わさらないらしい。製作中に発見できたら、タイヤ部分は削り取ってしまって、ホイールだけ使おうか、などと妄想中)

F1017134 なお、プラ溶かしタイヤは一応小袋に隔離してあったが、隔離前にすでにプラを少し浸食していた。被害のあった転輪と、隔離した小袋に、実験用に一緒にいれておいたランナーの様子。転輪の被害部分はそのまま裏側に向けて知らん振りした。

・履帯は、カステンのI号戦車用初代の非可動式。ただし、非可動式といっても、わずかに噛み合わせ部にピンと溝穴が作ってあり、接着しなくても仮に繋ぐ程度は出来る。ガイドホーン外側の窪みがない点は、より新しいパーツに劣っているが、イタレリをほぼそのまま作る程度であれば、これで充分だと思う。

F1017139 ・排気管はデフと干渉する。おそらく、ブリッツのままの形状のためだと思う。実際のマウルティアでそうなっているのか判らないが、指でぐいぐい曲げて、デフをまたぐ形にした。

・デフは、hideさんが以前に考察していたところによれば、後期のひし形タイプであるべきらしいが、これまた面倒なのでそのまま。

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隼号、発進(12)

●ARMO JADAR-MODEL製の1:35、ポーランド軍用オートバイ&サイドカー、ソクウ(Sokół 1000/CWS M111)製作記、細部についての若干の補足。

完結することが滅多にない当「かばぶ」の模型記事だが、ソクウの製作記はこれで終了。初回が6月半ばだったので、期間的には1クールよりやや長く、回数的にはほぼぴったり(だからどうした、って話ですが)。

●前回の完成写真では見せられなかった細部について少々。

キットでは、前照灯のほか、2ヶ所の小ライトのレンズは、透明のプラシートに外形が(前照灯は模様も)印刷されたものが入っていて、それを切り取って使うよう指示されている。

さすがにペッタンコでは情けないので、前照灯は製作記中でも書いたように、wave製のプラのレンズを削ってはめた。

尾灯と、サイドカーのフェンダー上の小ライト(車幅表示灯)に関しても、本来はレンズ部が盛り上がっているようだし、しかも直径1mmほどのものを綺麗に丸く切り抜くなんてことは、少なくとも私には技術的に無理そう。

そこで、以前からちょっと目を付けていたのだが、ネイリストをしている娘の商売道具から爪の表面の盛り上げ等に使う「ジェル」を使わせてもらった。

要するに光硬化性の透明樹脂で、伸ばしランナーの先で少しすくって、ライト部分に付けた。水あめ程度の粘性があるので、いい具合に軽く盛り上げることができた。ジェルネイル硬化用の紫外線ライトのボックスに数分入れて硬化。

14110902 14110907

ただし、透明度が非常に高く、右のサイドカーフェンダー上の小ライトのように、色付きでない場合は、角度によってレンズが入っているんだかいないんだか、よく判らない。左の尾灯のほうは赤マジック(マッキー)で色付けした。

この方法は、ミニスケールの前照灯でも使えそう。

ちなみにフェンダー上の車幅表示灯は、実際には尾端部分がぽちっと赤く透明になっていて、サブの尾灯になっている。作ってから気付いた(最初から気付いていても、細かすぎるので工作したかどうかわからない)。

ところで、こうして拡大写真を撮って、はじめて、後のナンバープレートの上辺近くに塗り残しがあることに気付いた。いかんね。

14110905 ●右は、燃料タンク上に一つだけあるメーター(スピードメーター?)。本体パーツ(レジン)の上に印刷済み透明シートを丸く切り取って貼り付け、さらにエッチングの枠を付けるという構成。

前述の尾灯や車幅表示灯のレンズに比べればずっと大きいが、それでも直径3mm程度しかなく、丸く切り取るのに非常に苦労した。

皆さん、こういうパーツってどうやって切り抜いているんですかね?

枠部分は、可能性としては銀色か車体色のほうが高そうな気がするが、アクセントとして綺麗だったのでエッチングパーツの色のままとした。もっとも、ここまで拡大するとエッチングシート表面の塗装が残っている部分と、それが剥がれて真鍮の字の色が出ている部分とがまだらになっていて、あまり綺麗ではない。

●製作途中の記事でも述べたが、燃料タンク右側に付いている変速レバーは、エンジンに比べ外側に張り出し過ぎていて、エンジン側のアームとの間のロッドが、前に向かって斜めに飛び出すような格好になってしまう。

これについては少々悩みつつも、結局ほぼキットの指定通り、単純にアームを付けたのだが(下半分だけ、軽く内側に斜めに向けた)、実際には、アーム上側が、燃料タンクのカーブに沿って曲がっており、アーム中央の軸は、もっと車体側に奥まって付いているのが正しいようだ。

F1017125 F1017125b

見づらい写真で申し訳ないが、上は作例のアーム部分を、ほぼ正面から撮ったもの。右写真に黄色く描き込んであるのが、本来はこんな感じ、というアーム形状。キットの軸部は切り詰める必要がある。

……いやまあ、実際に製作してみようという人がいるかどうかは別として。

以上、お付き合い有難うございました。

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ようやく

●9月以来、常に追い立てられていた地図の仕事が、昨日(11月8日)ようやく終了。

この後、出典資料提出等の残務整理に加え、若干の訂正・追加の要求などあるかもしれないが、とりあえず、今年のこの仕事は一段落。ほっと一息。

それにしても、この仕事、何年か前までは夏前に始まって秋まで、というスケジュールだったのが、だんだんスタートが遅くなり、しかし基本的にゴールは動かないという具合で修羅場度が増し、とうとう今年は9月末スタートだった。たまらん。

F1016987 ●ここのところの日常のあれこれ。

今年も近所に咲いていたトリカブト。10月24日撮影。

●10月31日、唇のデキモノの切除手術に行く。

病院に行ってすぐに手術着に着替えさせられ(唇の手術でも全部着替える)、けれどそこから小一時間待機。本を読んで暇をつぶす。

その後いよいよ手術。例えば歯医者の手術などでもままあることだが、局部麻酔の注射が一番痛かったような。それはそれとして、手術室に小林明子の「恋に落ちて」とか、なんとなく走馬灯っぽい曲がBGMに(結構それなりのボリュームで)流れているってのはどうなんだ、と思った。

その後、経過を見るために翌11月1日、8日と通院。

●11月4日の晩、仕事から帰って来た息子が私の部屋に顔を出し、はいこれ、とCDをくれた。初任給で親にプレゼントを買うにしては2年近く遅いし、私の誕生日は来月なので、どういう風の吹き回しなのかは不明。

くれたのは、「YELLOW MATTER CUSTARD」という2枚組。

同名の、有名なビートルズの海賊版の歴史的名盤があり、最初はそのリニューアルCD版なのかと思ったのだがそうではなく、(息子が言うには)そこそこ名の知れたバンドのメンバー、腕のいいセッションミュージシャンなど、玄人受けするメンバーによる、全編ビートルズ・カバーのトリビュート(ライブ)アルバム(ちなみに私はビートルズ・マニア)。

そもそもトリビュート・アルバムというものはあまり聞かない私なので、ちょっと引いた感じで聞き始めたのだが、これがなかなか楽しい。

正確に再現しているとか、自分たちの音楽として消化しているとかいった意味でのスマートさはなく、ライブということもあって割と荒削りな演奏なのだけれど、「うわ、絶対コイツらビートルズマニアだ」とわかる、サビやオカズの入れ方。

なんというか、マニア同士でカラオケに行ってビートルズを歌いまくり、「おおっ。やっぱり今のとこそう歌っちゃう? いやあ、判ってるねえ、スシ食いねぇ」みたいな感じ?

●音楽繋がりで、先の長野出張時のこぼれ話。

長野出張は冒頭書いた地図の仕事とは無関係の、交通量調査に類する仕事だったのだが、なにしろ一日中座って見張っているだけなので、だんだん鬱屈してくる。

人も通らないのをいいことに、歌を歌って気を紛らわせたりしていて、なんだか知っている歌の総ざらえをした感がある。

初回出張時に組んだのは、セミプロのボサノヴァ歌手でもあるE君だったのだが、そんなこんなで、2人で座っている時に音楽話になり、さらにロシア民謡話になる。その中で出たのが「そういえば、(魔法使い)サリーちゃんの歌って、(旋律が)ロシア民謡だよね」。

言われてみれば確かにそんな感じで、サリーちゃんの歌の途中、任意の部分で「一週間」に切り替えてもまるで違和感がない。テュリャテュリャテュリャテューリャーリャー。

●そのE君から出張時に聞いた、もう一つツボにはまった話。

「月刊住職」という専門雑誌があるのだそうで、それだけでもなかなかインパクトがあるが、その中の特集記事のタイトルのひとつがこれ。

「お寺にAEDは本当に必要なのか」

――「ちょ、ちょっとそれは読んでみたいぞ」感爆発。ちなみに、書泉グランデの宗教・精神関係のフロアには(ちょっと見て回った限りでは)置いていないようだった。

●病院に行った帰りに大船のミスドでちょっと休憩していたのだが、ポン・デ・リングにパーティング・ラインがあることに今さら気付く。まあ、形状から考えて、あって不思議はない。

F1017082その昔、nifty模型フォーラムのモデラー仲間の「はるとまん」氏が、静岡ホビーショーの行き帰り、由比の海岸のテトラポットを眺めながら「あのパーティング・ラインを消すのは大変そうだ……」とつぶやいたのを、不意に思い出す。

まあ、何というか、モデラーの業のようなもの。

●11月9日(つまり本日)、午後に鎌倉駅前まで散歩に行く。

「どりるがまわって、とってもつよいぞ、ごーてんごー、ごーてんごー」と鼻歌を歌いながら歩いていると(我ながらその選曲はどうかと思うが)、ふと気が付くと、前をこの辺では珍しい縦ロール(いわゆるドリル)の女の子が歩いており、ますます「轟天号、轟天号」が頭にしみついてしまった。

14110908 ●ソクウの細部写真を撮ろうとしていたら、娘がスマホのほうが撮りやすいだろうと、自分のそれを貸してくれた。

その後、画像をメールで送ってくれたのだが、なぜか本日の娘自身の爪写真付き。

娘は職業・ネイリストだが、最近「痛爪」に走り中。

●そんなわけでソクウの細部写真もいくつか撮ったので、近々「隼号、発進」最終回をお届けの予定。

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隼号、発進(11)

●忙しさにかまけて更新できずにいるうちに、週末模型親父さんのところのネット上模型コンペ、「SUMICON2014」の締切日(10月31日)が来てしまった。

隼号――ソクウ(ARMO JADAR-MODEL 1:35, Sokół 1000/CWS M111)は一応は完成していて、締切前日に撮った写真では、このような感じ。とりあえず、題名を裏切らず“発進”できてよかった……。

F1017049 F1017044 F1017045 F1017042 F1017041 F1017054 F1017043 F1017068

●というわけで、少々巻き戻って、前回(9月29日付)以来の製作記を。

F1016859 まずは基本塗装後のサイドカー。椅子とカバー付き予備タイヤは、タミヤウェザリングマスターで若干のメリハリを付けてから取り付け(付けた後では塗りづらくなるため)。この後、スプリングは黒く塗り分けた。

このキットでは、サイドカーの車輪にブレーキドラム(ブレーキディスク?)と中途半端な形状のリンクアームは付くのだが、本体のブレーキペダルから後輪に伸びるロッドから連結している機構は省略されている。

リンク機構の基部だけはサイドカーのフレームにモールドがあるのだが、これは若干向きがおかしい。

とりあえず、その基部は一度切断して向きを変え、フレームの中を貫通しているらしい、サイドカーブレーキ用のロッドの一部は取り付けたが、結局、本体側ロッドとの連結部、車輪側のアームその他は略した。

形状がいまいちよく掴めなかったためと、実車とキットでの微妙な位置関係のズレなどもあるが、本音を言えば、サイドカーを本体に付けた後でスキマをごちょごちょ工作するややこしさを思ってめげた。

●ある程度オートバイの形になって以後の工作の山場になるのが、コード&パイプ類。

F1016968 適当な太さの伸ばしランナーをしごいて柔らかくし、エンジンに取り付け。後々の塗装の手間を省くため、そのままの色で誤魔化しが効くものをと、グレーのランナーと黒のランナーを使った(ちなみにグレーのランナーはすぐ手元にあったRODENのVOMAG88のもの、黒のランナーは、「何か黒のプラのキットがあったっけ?」としばらく探し回った結果見つけた、エレールのヨーロッパミヤマクワガタから。なんでこんなキット買ったんだオレ……)。

エンジン前部に繋がっている、若干太めのグレーのものは、タンク前方下部に繋がる(たぶん)オイル用チューブ。黒い細いものは電気コードで、2本はエンジンのプラグに繋がるのだが、真ん中の1本はどこに繋がっているのか不明。結局、燃料タンク下部のスキマに滑り込ませて「行き先不明」にさせてもらった。

実際にはこの他にもコードはあるのだが、「どことどこが繋がっている」を追求しだすとややこしいので省略。

なお、キットの説明図のコード図示は非常に怪しく(そもそも燃料タンクに繋がるものしか書いていないが)、このあたりは実車写真とにらめっこで工作した。

F1017000燃料タンク下面には、タンク左右で燃料が偏らないようにするため(?)のU字チューブが付く。燃料タンク部品にピンバイスで穴を開けて、U字に曲げたランナーを差し込めるようにしたのだが……。

実際には、このU字の間を本体フレームが通るので、タンクを本体に取り付けてから、改めて、エンジンとタンクの狭い隙間にピンセットでこのU字部品を入れて、その足をタンクの穴に差し込まなければいけない。取り落としたり、片方の足が入ったのにもう片方が入らなかったり、そちらが入ったと思ったらもう片方が抜けたり、本格的に“ワジワジする”作業。

●エンジンへのパイプ、コード類の取り付けが済んだところで、排気管を取り付ける。

この排気管パーツ、そのまま付けようとすると、エンジンとの間にだいぶ大きなスキマが空く。位置にも微妙なズレがある。

F1016960そんなわけで、またまたケトルの湯気に当てて形状(方向)修正。そうすると、付け根2本の間が狭まってくるので、フットステップとフレームの間に滑り込ませて位置を確認するのが、次第に知恵の輪状態になってくる。その後の付け根の延長工作と合わせて、入らないとか外せないとか、何度かあれこれやっている間に、右フットステップがポロリと取れてしまった。当然ながら取れたままにして、排気管取り付け後に再接着。

ボケているうえにコントラストが弱いので確認しづらいが、排気管付け根の延長工作は写真のような感じ。微妙にくさび型に、プラバンで延長して削ってある。

F1017001 ●燃料タンクの取り付け後、燃料タンク下部のフィルターと思しき小部品(それともただのバルブ?)から気化器へ、燃料パイプも作って付ける。

レストアされた実車ではつなぎ方が適当なものもあるのだが、おそらくこれが標準なのではと思われる、金属パイプで途中に一周、くるりとループが入る形状にした。0.3mm真鍮線で工作。

また、右側面では、排気管の取り付け後、ブレーキペダルから後輪へのロッドも取り付けた。

この部分、キットではなぜかブレーキペダルからではなく、バッテリー下あたりのフレームに「くの字」形のリンクアームを付け、そこから後輪へロッドを連結させるという、実車にはない謎ディテールになっている。

F1017004 後輪ブレーキディスクに付く「つの字」型のアームは、キットのエッチングパーツでは形状もちょっとおかしい上に小さすぎる。エッチングパーツの“余白”部分を使い(もっと具体的には、CWSのロゴマーク部分の余白の円弧を活用)、キット部品より大きい「つの字」を製作。付け根部分だけ、キット部品を切り取って移植した。

なお、このブレーキロッドは、途中でクランク状に曲がっている。当初、これはフレームを避けるために後半で外側に出ていると思っていて、右写真でもそんな風に付いているのだが、実際には、どうも排気管を避けているようで、前半が外側、後半が内側になっている。あとから実車写真をみていて気付いて、あわてて付け直す羽目になった(しかも外れて欲しくない場合はポリロポロリとよく外れるくせに、こんな時に限ってしっかり瞬着が効いていて、外すのに苦労した)。

なお、キットには、後輪歯車に接続するような格好で、ごく小さな歯車とその基部がエッチングパーツで用意されている。これはレストア実車ではあったりなかったりするパーツなのだが、基部形状の再現がいまいちで、追加工作が面倒くさくなったので付けていない。しかしよく考えると、どうたらこれはスピードメーターの歯車のようだ。メーターの表示部は付けておいて歯車を付けていないのはいただけないが、さすがにサイドカーも付けてしまってから追加は難しい。

●その後、シフトレバーを取り付け。どうもキットのまま、漫然とパーツを取り付けると、シフトレバーがエンジンに対して外側にありすぎ、変速機との間のロッドが前方に向けて斜めに張り出すような格好になってしまう。

F1017005 F1017006 キットのあれこれの位置関係がずれているのかしらん、しかしこれはどうしようもないな、などと思いながら接着したのだが、ついさっき、再び実車写真を見ていたら、アームの上部がタンク側面に沿って外側に曲がっていて、アームの支点と下部は、ずっとエンジン側に引っ込んでいるのだった。もっと写真をよく見ておくんだった。

そんなシフトレバー取り付けを済ませ、前述のブレーキロッドの向きを直した状態がこの写真。なんだか新たに付けたエッチングが未塗装のほうが、色味が綺麗だ。

ところで(実際にはもう少し後になってから気付いたのだが)、一つ前のブロックの写真と、このブロックの写真のあいだで、前照灯の尾端に付いていたキーのパーツが外れてどこかに行ってしまっている。付ける時には、オイオイ、こんな小さなパーツ勘弁してくれよ、と思ったが、それだけにせっかく付けたパーツがなくなってしまったのはショック。停車してキーは抜いてあるという設定にして、再生はせず。

F1017028 ●その後、前輪ブレーキやスロットルなど、フロントフォーク周りのコード類を工作。

ちなみに、ハンドル前方左右に小さな三角形の突起があり、スロットルのコードはここから出ているのだが、左右からコードが出ているにも関わらず、気化器に繋がっているコードは1本で、しかも、左右どちらがそれなのかよく判らない。ええと、結局私は左右どっちのコードを繋いだんだっけな。例によって、もう片方は燃料タンクのスキマへ……。

なお、前述の「ハンドルにあるコード引き込み部の三角の突起」は、キットのモールドでは実車に対してだいぶ外側寄りにずれているのだが、面倒なので直さなかった。

以後、サイドカーを接着してしまうと、オートバイ本体の右側面が見づらくなってしまうため、ここで真側面からの写真を撮っておいた。

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若干の細部工作について、続きをもう一回書く予定。

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