隼号、発進(12)
●ARMO JADAR-MODEL製の1:35、ポーランド軍用オートバイ&サイドカー、ソクウ(Sokół 1000/CWS M111)製作記、細部についての若干の補足。
完結することが滅多にない当「かばぶ」の模型記事だが、ソクウの製作記はこれで終了。初回が6月半ばだったので、期間的には1クールよりやや長く、回数的にはほぼぴったり(だからどうした、って話ですが)。
●前回の完成写真では見せられなかった細部について少々。
キットでは、前照灯のほか、2ヶ所の小ライトのレンズは、透明のプラシートに外形が(前照灯は模様も)印刷されたものが入っていて、それを切り取って使うよう指示されている。
さすがにペッタンコでは情けないので、前照灯は製作記中でも書いたように、wave製のプラのレンズを削ってはめた。
尾灯と、サイドカーのフェンダー上の小ライト(車幅表示灯)に関しても、本来はレンズ部が盛り上がっているようだし、しかも直径1mmほどのものを綺麗に丸く切り抜くなんてことは、少なくとも私には技術的に無理そう。
そこで、以前からちょっと目を付けていたのだが、ネイリストをしている娘の商売道具から爪の表面の盛り上げ等に使う「ジェル」を使わせてもらった。
要するに光硬化性の透明樹脂で、伸ばしランナーの先で少しすくって、ライト部分に付けた。水あめ程度の粘性があるので、いい具合に軽く盛り上げることができた。ジェルネイル硬化用の紫外線ライトのボックスに数分入れて硬化。
ただし、透明度が非常に高く、右のサイドカーフェンダー上の小ライトのように、色付きでない場合は、角度によってレンズが入っているんだかいないんだか、よく判らない。左の尾灯のほうは赤マジック(マッキー)で色付けした。
この方法は、ミニスケールの前照灯でも使えそう。
ちなみにフェンダー上の車幅表示灯は、実際には尾端部分がぽちっと赤く透明になっていて、サブの尾灯になっている。作ってから気付いた(最初から気付いていても、細かすぎるので工作したかどうかわからない)。
ところで、こうして拡大写真を撮って、はじめて、後のナンバープレートの上辺近くに塗り残しがあることに気付いた。いかんね。
●右は、燃料タンク上に一つだけあるメーター(スピードメーター?)。本体パーツ(レジン)の上に印刷済み透明シートを丸く切り取って貼り付け、さらにエッチングの枠を付けるという構成。
前述の尾灯や車幅表示灯のレンズに比べればずっと大きいが、それでも直径3mm程度しかなく、丸く切り取るのに非常に苦労した。
皆さん、こういうパーツってどうやって切り抜いているんですかね?
枠部分は、可能性としては銀色か車体色のほうが高そうな気がするが、アクセントとして綺麗だったのでエッチングパーツの色のままとした。もっとも、ここまで拡大するとエッチングシート表面の塗装が残っている部分と、それが剥がれて真鍮の字の色が出ている部分とがまだらになっていて、あまり綺麗ではない。
●製作途中の記事でも述べたが、燃料タンク右側に付いている変速レバーは、エンジンに比べ外側に張り出し過ぎていて、エンジン側のアームとの間のロッドが、前に向かって斜めに飛び出すような格好になってしまう。
これについては少々悩みつつも、結局ほぼキットの指定通り、単純にアームを付けたのだが(下半分だけ、軽く内側に斜めに向けた)、実際には、アーム上側が、燃料タンクのカーブに沿って曲がっており、アーム中央の軸は、もっと車体側に奥まって付いているのが正しいようだ。
見づらい写真で申し訳ないが、上は作例のアーム部分を、ほぼ正面から撮ったもの。右写真に黄色く描き込んであるのが、本来はこんな感じ、というアーム形状。キットの軸部は切り詰める必要がある。
……いやまあ、実際に製作してみようという人がいるかどうかは別として。
以上、お付き合い有難うございました。
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コメント
>爪の表面の盛り上げ等に使う「ジェル」
以前に、邦人さんが使っていた
http://www.gaianotes.com/products/g-material_m04.html
コイツと同じようなものでしょうか。
購入しようと思いつつ、忘れてますけど。
投稿: めがーぬ | 2014年11月11日 (火) 12時56分
>めがーぬさん
素材的にはまったく同じものだと思います。
我が家の場合は、ネイリストの「業務用」だったんで、ジェルは瓶入り、
紫外線ライトは手を突っ込むためのマクラみたいな形状のものでしたが。
投稿: かば◎ | 2014年11月11日 (火) 17時17分
改めて完成おめでとうございます。
イタつくの注文をJadarに出すときに、ソクウの在庫を確認しようか一瞬頭をよぎりました。流石に二番煎じはなぁ、と思って一先ず今回は見送りましたけど(笑)。
にしても前エントリーの痛爪といい、ある意味しっかりモデラーのDNA が受け継がれてらっしゃいますね(って話は耳にタコかもしれませんが)。透明樹脂はタミヤの透明アクリルでも同じ事ができそうに思います。
投稿: hide | 2014年11月11日 (火) 21時31分
すごく参考になりました!ソクウはつるチャンスないと思いますが、ストックのいろんなバイクに役立ちそうです!
でもこんなに細か雨は作れないとおもいます!
ナンスカこの速度計とか!わたしなら黒く塗っておしまいっす!細かすぎて神っす!
ジェルは是非活用したいのです。いい情報有り難うございます!
投稿: みやまえ | 2014年11月12日 (水) 02時10分
いつも拝見してます。
ソクウ、1/35スケールとは思えない精密度ですねぇ~。
素敵です!
レンズ面に透明樹脂を使用する旨、大変勉強になりました!
…ところで、1~3mmの円形切り出しの話ですが、
ワタクシは専ら”ポンチ”を使用しています。
予め印刷された丸型にポンチを上手く合わせて
打ち抜くには、多少の慣れが必要かもしれませんが…。
投稿: キジ男 | 2014年11月12日 (水) 23時55分
>hideさん
どうもありがとうございます。
>>流石に二番煎じはなぁ、と思って一先ず今回は見送りましたけど(笑)。
では、基本同一キットのChoroszy Modelbudの、重機銃運搬車とか弾薬運搬車バージョンはいかがでしょうか。こっちもJadarで売ってましたよ(うひひ)。
ちなみに弾薬運搬車バージョンは、どうもそのままの格好で、ポーランドの郵便サイドカーとしても使われていたようです。
結局、娘も息子も「手先の仕事」に就いたという点では、いくらか伝わってるものがあるんでしょうかね?
それにしても、こんな爪を描いている娘から
「父さんはオタクだし」とか言われるのはちょっと納得いかんです。
投稿: かば◎ | 2014年11月13日 (木) 10時37分
>みやまえさん
この次にバイクの模型を作るとしたら、ツュンダップK800ですが、これはインジェクションで出来もよく、しかもスポークのエッチングは型押し済みという、お手本のようなキットなので、ここまで面倒な思いはしないと思います。
速度計に関してですが、これはキットに付属の、透明シートに模様が印刷済みのものなので、とにかく、切り取ることさえできれば、あとは銀色に塗ったメーター表面に貼り付けるだけです。ですから、細かいのは全然私の功績ではありません。
でもよく見ると、ちょっと斜めになってますね(笑)。
光硬化樹脂は、めがーぬさんのコメントにもあるように、ちゃんと模型用に少量のものが出ているとのことなので、そちらのほうが使いやすいと思います。
少なくとも、ネイル用のそれを使った感じでいうと、ねばっとしたものを穴に満たして固めるので、量を多めに凸面にする、あるいは少なめにして凹面にするのは簡単でしょうが、綺麗に平らな面を作るのは難しいかも。
固めてから平らに削るとかはどうなのかは判りません。
(それがやりやすければ、72飛行機の着陸灯などに使えますね)
投稿: かば◎ | 2014年11月13日 (木) 10時44分
>キジ男さん
どうもありがとうございます。
切り抜きにポンチ……実は「何かに使えそうだ」と、数種類の径のポンチを買って工具の引き出しに入れてあったのに、なぜかそれを使うというところに思い至りませんでした。
しかも、今見たら、ちょうどこのメーターにピッタリの3mm径のものもありました。なんてマヌケな!
もちろん、仰るように、うまく印刷された絵に合わせて打ち抜くのは難しそうです。
もしもその時にずれてしまわないか、結構ドキドキものですね。
投稿: かば◎ | 2014年11月13日 (木) 10時55分