« 2014年8月 | トップページ | 2014年10月 »

2014年9月

隼号、発進(10)

●仕事が煮詰まってしまっておちおち模型も作っていられない状態なのだが、かといってSUMICONの締切も来月一杯だし。

ということで、わたわたしている中で少しずつ進めている、ARMO JADAR-MODELの1:35、Sokół(ソクウ)1000オートバイ+サイドカーの報告。

●前回ちらりと書いたように、メインフレームを塗ってとうとうエンジンを取り付け、フレームの上下も結合した。もっとも、ブロックごとに塗装したものをガッチャンコしてハイ完成、というなら楽だが、実際には、ブロック結合をしないと付けられない小部品が多く、なおゴールは遠し。

F1016668 これまた前回書いた、変速ペダルからのロッドはこのような感じ。

メーカーの作例ではペダルを上側に迂回するように作られているが、実際にはペダルとロッドがそれぞれクランクに曲がっていて、ロッドはペダルの内側を通る。0.3mmの真鍮線で作成。

ギア側に付けたリンク部品の穴に通して、ペダル側のコの字金具の端に接着するのだが、向きが決まらなかったり取り落としたり、イライラな作業。

●それほど複雑な形状とも思えないのにやたらにフレーム形状の修正に手間取ったリアシートも取り付け、タイヤもグレーで塗って、チェーンと共に後輪をフレームに固定(一応、回転する)。

ついでにフロントフォークとタンクも仮組みしてみたのが、この姿。

F1016753 F1016755

なんだかいきなりバイクの姿になって、ちょっと嬉しい。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

きのこの山

●先週末、名越の峠道を歩いたら、あちこちに怪しいキノコが生えていた。

F1016501 F1016503 F1016494 F1016512 F1016517

どれもこれもとても食えそうに思えないところがまた……。

キノコの同定はまるで自信がない。1、2枚目はおそらく同じ種類のキノコで、傘の模様からみてテングタケ(毒)ではないかと思うが、web上で見るテングタケの写真はもっと地の茶色が濃いので、間違えているかも。いかにも絵本に出てくるキノコっぽくて愛嬌がある。(9/26追記。色が淡いのでウスキテングタケかも)

3枚目はおそらくコテングタケモドキ(やはり毒)。名前に反してだいぶ大きく、傘の径は12センチほど。

4枚目のニワトコの幹に生えているのは、春に同じ場所に生えていたものと同じなら、ヤナギマツタケ。同定が正しければ食えるキノコだが、写真はもう老菌なので食用には不適。

5枚目の縦長はそれなりに特徴があるように思うのだけれど正体不明。

●ちなみに(お菓子の)「きのこの山」と「たけのこの里」については、私は「きのこの山」派。「たけのこの里」もあれば食うけども。(誰に対する宣言?)

●隼号、発進(9.5)。

季節労働が忙しくなってしまい、模型製作は停滞がちだが、とりあえずの経過報告。写真等々は今度きちんと別建てで「隼号、発進」を書く時に。

ついにメインフレームに車体色を塗ってエンジンを搭載して、見た目はちょっと進んだ感があるのだが、これまで取り付けられなかった小パーツ群がなかなか難物。

後部座席のフレームは、取り付けようと試みてから、左右がきちんと対称になっていない(歪んでいる)ことが判明。もっともメインフレームのほうにも微妙な組立上のズレがあり、なんとか取り付けられそうな形状にするまでに、ヤカンの湯気で何度も曲げたりねじったり。

サドルのスプリングがスターターのキックペダルに干渉することが判明。きっちり他との関係を検証せずに付けたパーツは、やり直し迫られ度高し。もっとも、そもそも組立を進めないと検証できない部位も多いので仕方がない。

0.3mm真鍮線で、変速ペダルからのアームを作って取り付けたのが、最新の進捗部位。地味だなあ。

●その他あれこれの近況。

11日木曜日。事務所に行くついでに、超方向音痴、公共交通機関音痴の娘とチビを秋葉原に連れて行く。

あらかじめ「ここ、ここ、それからここに行きたい」などと提出してきた行き先希望に沿って、ラジオ会館やまんだらけやコトブキヤに行く。

ネイリストの娘は、いろいろな塗料を試したいと言って、VOLKSでファレホアクリルやら、私も使ったことがない高級筆をあれこれ買い込む。ぐぬぬぬぬ(←悔しい)。

なお、5歳で秋葉原デビューとなったチビは、ラジオ会館のドールやらガシャポン系小物やらの店で大興奮。「あきはばらにすみたーい!」とかのたまう。将来は腐女子だな……。

F1016557 12日金曜日。九段下の老舗鰻屋「今荘」でC社長に鰻重を奢ってもらう。焦げ目が香ばしい。中国産の冷凍物でさえ滅多に食べないので、お腹に沁みる。この先、ますます食えなくなりそうな雰囲気だしな……。

同日。丸の内OAZOの丸善に寄ったら、森薫「シャーリー」2巻が出ていたのでいそいそと(本当にいそいそと)購入。店頭のポスターによれば「11年ぶり」。

一度読んで、次には一巻を出して来て読む。改めて見ると初期とは結構絵柄が変わっているのに、雰囲気は一緒で違和感がない。

F1016729……などと思っていたら、セータ☆さんもブログに書き込んでいるし、SO-122さんも読書メーターにレビューを書いているし(今見たらhideさんもブログに書いていた)。きっと青木先生も買っているだろうし。周辺モデラーへの森薫浸透度恐るべし。

(9/26写真追加。23日に横浜西口ダイヤモンド地下街のの有隣堂で。)

●スコットランド独立騒ぎは、まあ、他所事ながら不発でよかったんじゃないかと思うけれど(とはいえ半数近くが独立派なら、今後もくすぶり続けるのだろう)、関連して、一度も英領だったことがないはずのハワイの州旗にユニオンジャックが入っているのを初めて知った。理由は……まあ適当にググって下さい。ものすごく端折って言うと、列強に対する魔除け?

かみさんが「テレビで(スコットランドが独立したら)ハワイの旗も変えなきゃいけなくなるって言ってた」と言うのを聞いて、「オーストラリアかニュージーランドの間違いじゃないの?」と答えて、あとでドヤ顔された。

●本日の無駄知識。

ふたご座のα星とβ星は、そのまま神話上の双子の名前を取ってカストルとポルックスと名付けられている。多くの星座の例に漏れず、カストルとポルックスは単に地球(太陽系)から同方向に見えているだけなのだが、「兄」のカストルの方は、(見かけ上は1つだが)実は2つの恒星(カストルAとカストルB)がお互いの周りを回っている連星なのだそうだ。

ところがややこしいことに、スペクトルを細かく分析していくと、その連星それぞれがまた連星(カストルAa・Abと、カストルBa・Bb)になっていて、さらにもうひとつの連星(カストルCa・Cb)まで伴っている「6連星」だったことが判明したのだという(といっても、つい最近判ったという話でもないので、天文ファンにはお馴染みのことなのだろうが)。

要するに、夜空の見かけ上の双子は赤の他人だが、その片方は本当に双子どころか「おそ松くん」だったという話。

| | コメント (14) | トラックバック (0)

中二病でも空が飛びたい!

He111a_cnac ●最近はめったに覗かなくなってしまったmixiだが、たまたま行った際に、P-斎藤さんのところで、マル中マークの「空冷」ハインケルHe111が話題に上っていた。

写真はwikimedia commonsより。

見慣れないマル中マークだけでも珍しいのに、段付き機首の初期型He111、しかも本来の生産型にはない空冷エンジン装備。そんな魔改造を受けた上で、方向舵につつましく「中二」と書き込まれているのも、そこはかとなくおかしい。

この機体については、なにしろジャンル的にマイナーなので時折ではあるけれども、出版物などでも紹介されることがあり、かつて河馬之巣の掲示板でだったか、はほちん氏あたりとの間で話題に上ったこともあったはず。

●写真を見て、改めてこの機体に興味が湧いたので、判ること、判らないことなどつらつらと。

一応、背景について触れておくと、機体の大元は第二次世界大戦のドイツ中型爆撃機の主力、ハインケルHe111(もっともまともに爆撃隊の主力を張ったのはバトル・オブ・ブリテンか、独ソ戦の初期くらいまでで、戦争後半は夜間爆撃とか、輸送任務のほうが多くなる)。

ただし写真の機体は機首コクピット部が段付きで楕円翼の初期型、そのなかでも一番最初の生産型、というよりも増加試作型として、たった10機のみ作られたA-0型である。

このA-0型、装備エンジン(BMW IV)が出力不足で所期の性能を出せず、ドイツ空軍から「要らん」と言われて宙ぶらりんになってしまう。後にドイツ空軍を代表する機体の一つになるHe111の長兄とも思えない哀れっぷりで、結局、中国に里子に出され、日中戦争に投入されて消耗した。

写真の1機はその最後の生き残りで、エンジンをアメリカ製の空冷に換装、輸送機として使われていた時期のもの。しかしこの機体も1944年12月、昆明での事故で失われ、珍しい「中国空軍のハインケル」の歴史は終焉する。

そもそも段付き機首の初期型He111は長くインジェクションキットもなかったが、しばらく前に各型がRODENから発売され、その中にA-0型も含まれる。比較的初期のRODENなので、パッと見そこそこ気合いが入っているのだが、各バーツ(しかも主要パーツ)の寸法がまるで合わなかったり、だいぶ難物であるらしい(持っているのに「らしい」なのは、まったく手を付けていないため)。

●大筋はこんなところだが、細部になると、資料によって若干の差異がある。

まず、このHe111を買った側なのだが、「中国的天空」ではざっくり「中国空軍」とあって、最初から国民党空軍が入手したような書き方。またその機数に関しても、ドイツ側視点の資料では10機丸ごと中国に売られたように書かれているものが多く、「中国的天空」でもそれに準じている様子。ただし、「中国におけるHe111Aは、このクラスの機体に不慣れな中国人や外国人パイロットに手荒く扱われ、数ヵ月でその多くが壊れてしまった。10機輸入したのに、南昌で命名式に登場したのは8機しかなく、第二次上海事変に登場したのは、わずか6機であった」とある(中山雅洋「中国的天空」8新しい翼、旧版p135)。

これとは別に、さらっと解説してくれているのが英語版のwikipedia、“Heinkel He 111 operational history”だが、こちらでは当初輸入したのは広東空軍で(1936年半ば)、機数は最初から6機、これらが間もなく中央空軍に接収されたことになっている(1936年10~11月)。

前者で「南昌での命名式」とあるのは、数少ない中国でのHe111の写真のうち、明るいグレー塗装で並んでいるシーンがそれ(のはず)。機首に「第一(?)公務員號」などと書いてあるので、募金による献納式であるらしい。であるからには、中国への到着直後ではないかと思うのだが、南昌は広東ではなく隣の広西省にある(1936年は広西、広東が手を結んで蒋介石に対抗した両広事変の年でもあるので、ただちに広東と無関係ともいえない。ただしそもそもの南昌という説明が正しければ、の話)。

また、「中国的天空」の「南昌で8機」の根拠も気になる。並んでいる写真で、8機数えられるものがあるのだろうか。

さて、中央空軍でのHe111は、第8大隊第19中隊に配属される。「中国的天空」の記述によれば、1938年12月2日、「馬丁式重轟炸機」ことマーチン139Wとともに上海の日本軍に対する作戦を実施。この作戦には5機が参加したことになっているが、低性能のHe111はマーチンおよび護衛のボーイング281戦闘機との待ち合わせに遅れ、結局、先行隊を追って出撃した日本軍機に捕まって3機が撃墜されたという(「中国的天空」14薄幸の翼、旧版p288~)。英語版wikibediaの記述も筋書きは似たような感じだが、作戦の日付は書かれていない。

日中航空戦を追った「Sino-Japanese Air War 1937–1945」(「Biplane Fighter Aces from the Second World War」内のコンテンツ)では損耗の経過がだいぶ食い違っていて、1937年8月25日、上海・蘇州方面の日本軍艦艇への爆撃に3機が出撃。1905、1903が相次いで撃墜され、Xie Wang隊長の乗る1機のみが帰還した(機番は書かれていない。なお、「中国的天空」の上記作戦を率いたと書かれている「謝芥大隊長」と、このXie Wang隊長が同一人物かどうかは、中国語の読みが判らない私には確定できない)。

さらに同サイトでは、1937年10月1日、漢口上空で味方(ホーク)の誤射で1機失われている。10月14日16:00、南京から上海の飛行場・倉庫の襲撃のため、ハインケル:2、馬丁:3、ダグラスO-2MC:5、ノースロップ・ガンマ:5、ホークIII:3の計18機で出撃。この時はちょうど日本軍機も中国空軍飛行場襲撃に来ており、中国軍機が飛び立って5分後に襲来したため、中国軍機に損害はなかったとある。

同サイトの部隊表によれば、1機が訓練用に第13中隊に移され、1937年10月2日時点で、19中隊には2機が残されているだけだったという(となると、上記10月14日の作戦は、中隊残存全機が出撃したことになる)。いずれにせよ同サイトでは、1937年10月より先にはハインケルは登場しない。

ちなみにRODENのキットのデカールには801、803の機番が入っている。前述のようにもともとの配属先は19中隊であり、中国空軍式の機番記入法では「19**」となる。「8**」なら第8中隊ということになるが、こういう機番の時期があったのかどうか、どうもよくわからない。第8中隊は、少なくとも開戦時はフィアットCR.32装備の戦闘機隊のはず(「抗日戦争時期(1937~1945)中國空軍飛機」による)。なお、19**にしろ8**にしろ、胴体に機番が記入された状態の写真は、少なくとも私は未見。「中国的天空」に出ている、上面が暗色の2色(?)迷彩と思われる写真は、惜しくも胴体後半は画面の外。

●結局、あれやこれや(どれや?)で最後に残ったのが冒頭写真の1機ということになるのだが、これも、元資料が何なのかは知らないが、wikimedia commonsの解説によれば、元の機番は1902(ということは、やはり「8**」機番の時代などなかったのか?)、エンジンを換装されたのは1943年12月であったそうな。

カウリングにはカバーが掛けられているものの、前後長がそれほどないことは判るので、エンジンは星型単列。wikimedia commonsではP&W(つまりワスプ)とあるが、DC-3初期型由来のライト・サイクロンとしているサイトもある。DC-3、もしくはDC-2由来なら、ペラもそのまま3翅を使いそうだが、写真では2翅ペラを付けている。ただし、中国ではホークII、III、シュライク、馬丁式などサイクロン(R-1820系列)装備の機体が多いので、サイクロンの可能性は高いのではないかと思う。

もともと馬力不足だったのでいつエンジンが取り替えられても不思議ではないが、ドイツとのパイプが切れたために慢性的な部品不足で共食いもあったそうなので、結局はエンジンが修理不能になったための換装ではと思う。

機首は元のグラスノーズが塗り潰されているのか、それとも新造品に取り替えられているのか、とにかく片側に小窓一つの状態になっているようだ。

翼下の登録記号は、読みづらいが「XT-ATC」らしい。ちなみにXTは現在ではブルキナファソの国籍記号らしいが、そちらは戦後のICAO(国際民間航空機関)のもの。戦中までは中国で使われていたらしく、別の機体でも「XT-***」の例が確認できる。

そこで一つ謎なのがこの機体の所属で、wikimedia commonsほかではCNAC(China National Aviation Corporation、中國航空公司)としている。実際、CNAC所属でマル中マークを付けたC-47やC-46やらの写真もあるが、それらCNACのマル中は毛筆体。He111の書体のマル中は、別会社のCATC(Central Air Transport Corporation)所属機を示すものだといくつかのサイトにある。このサイトには、CATC所属機として、

XT-ATA Ju52/3m(c/n5472) CATC Chung No.5
XT-ATB Nakajima Ki.34 CATC Chung No.1
XT-ATC Heinkel He111 CATC Chung No.2

――の3機がリストに上がっている。「中三」「中四」はどこ? 

なお、「Nakajima Ki.34」は陸軍の九七式輸送機。鹵獲機? それとも戦前輸入のAT-2? Ju52/3mは欧亜航空公司の生き残り?

なお、このマル中He111の写真には、冒頭のもの以外に、斜め前から写したものが1枚ある(エンジンが付いていない状態。エンジン換装の途中なのか、外してオーバーホール中なのかは不明)。その写真では、隣にHe111と同じ書体のマル中を書いた機体が1機写っているが、写真が不鮮明であるうえ、機首も尾翼も切れて/隠れているので、これが前述の九七式輸送機なのかどうか(少なくとも私には)よく判らない。なお、主翼形状からユンカースJu52/3mではなさそう。

●このHe111の最期も若干あやふや。最初に書いたように、1944年12月、昆明での事故で失われたようだが、このサイトでは12月25日、wikimedia commonsでは12月23日と、若干のズレがある。

どちらにしても大した違いはなさそうだが、とにかく最初から最後までモヤモヤ状態だ、とは言えるかもしれない。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

隼号、発進(9)

週末模型親父さんのところの模型コンペ、「SUMICON2014」へのエントリー作、ARMO JADAR-MODELの1:35、Sokół(ソクウ)1000オートバイ+サイドカーの製作記。

●前回からの流れで言うと、ここは車体色の塗装に入って、いよいよエンジンがメインフレームに組み込まれるか、という段階に進むべきところなのだけれど、塗装前の小部品取り付けでドツボにはまる。

●まずは問題なく進めることができた部分から。

F1016406 フロントフォークへのヘッドライトの取り付けは、フロントフォークの角度がきっちり決まる、メインフレームへの取付後にと思っていたのだが、やはり目に付きやすい場所は、塗装後の接着はなるべく少なくしたい。

そんなわけで、結局、ヘッドライトも付けてしまうことにした。ライトのお尻部分は、キットパーツはなにやらでっぷりしたドーナツのような突起がついている。が、実車では突起があったとしてもそれほど大きくはないようなので、削り込む。そのうしろにスイッチハンドルが付き、さらに中心にエッチングパーツのキーを挿す。……1:35のキーなんて勘弁してくれよぅ。

F1016407 ハンドルは、右側にホーン、左側にバックミラーを付けるよう指示されている。しかし、戦時中の写真を見ると、ソクウ1000だけでなく、とにかくポーランド軍のオートバイでバックミラーを付けている例は皆無。web上でかき集めた写真はほとんど現存実車のもので古い写真は少ないのだが、J. Tarczynski, K. Barbarski, A. Jonca, "Pojazny w Wojsku Polskim (Polish Army Vehicles) 1918-1939"(biblioteka Marsa)に何枚か写真が出ていた。印刷が悪く写真が不鮮明な資料なのだが、珍しく役に立った。

そんなわけで、ハンドルバーの左側にモールドされていたバックミラー用基部金具も削り落とす。ホーンは装着例があったのでそのまま接着。

もっとも、ホーンは左側に装着した例もあり、バックミラーを付けないのであれば、バランス上左に持って行ったほうがよかったかも。

●問題がメインフレーム。

F1016411 結局、「排気管を一時分割することになっても、右のステップとペダルを付けてしまおう」と考えて、まずはフットステップを接着。

ここで、これまで散々、「ステップを付けてしまうと干渉して排気管が通らない」と言っていたのだが、以前、一度付けた時よりフレームから若干離して付けたところ、排気管を切り刻まなくても通せることが判明。な~んだ。

……というところまではよかったのだが、今度は、ブレーキペダルの後端がまったく排気管位置に重なってしまうことが判明した。

先に、ペダルのロックアームが排気管と干渉するので、その取付位置を外側にずらすよう、基部にプラ片を接着して整形してあったのだが、プレーキペダルのほうにも同様の細工をする。

F1016409b もっとも、排気管をきっちり位置を決めて仮組みすることができないので、ペダル基部の延長がどうしても目分量になり、ペダルを付けては様子を見て、また延長し直したり、という作業を繰り返すことになった。なんて場当たり的な工作。前方のロックアームの基部も結局再延長する羽目になった(写真の黄マル部分2ヶ所)。

なお、ここまでの過程でブレーキペダルの踏面の小パーツを紛失(またかよ……)。プラバンで再生。元のエッチングパーツには滑り止めのギザが付いていたが、実車ではギザ無しのものも確認できるのでギリOK。

その後、後輪取付部左側に、後席用フットバー基部の小エッチングパーツも取り付け。右側はサイドカーが接続されるので付けない。なお、説明書では、右側フットバーは、サイドカーのフレームの妙な位置に取り付けるように図示されているのだが、どうにもウソっぽい。最終的に付けないままになる可能性大。

これら作業の結果……リアフェンダー周りは薄いエッチングが込み入っていて不用意に触れなくなっていたメインフレーム・ブロックだが、前方も不用意に触れない有様に。最前方の三角部分か、リアフェンダーの前半を怖々つまむくらいしかできない。

F1016405 ●他にも済ましておくことがなかったか、手順を再確認中。そうこうしつつ、塗装に向けて持ち手として伸ばしランナーを差し込んだりしている。

……なんだか、焚き火でマシュマロをあぶるような感じになってきてしまった。

| | コメント (11) | トラックバック (0)

見慣れない虫

●我が家の向かいのヤブガラシが、スズメバチの一大宴会場と化している。やたらでかいのが10匹も20匹も集まってきていて(大きいのは4センチ近い)、物騒でしょうがない。

ところでよく見ると、そのスズメバチも1種類ではなく、数種が混じっているようだ。

F1016236 F1016380 F1016397

左は腹端が黒いのでヒメスズメバチ(縞模様で腹端が黒いのは、日本で一般に見られるスズメバチではこれだけ)。中は腹の縞がほぼ等間隔であること、胸の後部(小楯板)が黄色いことなどからオオスズメバチと判断。右は小型で細身なのでアシナガバチの一種かと思っていたのだが、該当する色模様が見当たらない。どうもホオナガスズメバチの仲間、キオビホオナガスズメバチのようだ。

名越の山道で夏季に出会うスズメバチはたいていはキイロスズメバチなのだが、こいつは来ていなかった。

(9/2追記。「こいつは来ていなかった」ではなく、どうもこの右端がキイロスズメバチらしい。山道で遭う時には一発で『あ、スズメバチだ』と思うのに、もっと大きいのが回りに沢山いると、なりが小さいだけにスズメバチっぽく見えなくなってしまうらしい)

なお、私は中学の頃だったか、一度スズメバチに刺されたことがあるので、アナフィラキシー・ショックがちょっと怖い。そんなわけで、身の回りをこいつらが飛び回る中で、そうそう落ち着いて写真を撮れるわけもない(ピンボケの言い訳)。

もっとも、巣の近くではないので、よほどのことがなければ襲ってきたりはしないはず。物騒ではあっても、こいつらがいるおかげで、身の回りがケムシだらけになったりしないわけだし、ヤブガラシには毎日いろいろなアゲハも来る。というわけで、夜中にこっそりヤブガラシの伐採などはしないことにする。

●こんなふうに、暇があると身の回りの虫のスナップを撮っているわけだが、結構しばしば、「見慣れない虫」に遭遇する。

その虫の正体が何なのかは、なかなか難しい。

日常、気を付けて虫を観察しているとは言っても、私は別に虫の専門家ではない。仮に昆虫の研究者であっても、昆虫の種類は多いから、研究対象にしている特定の目とか科とか以外はよく判らないかもしれない。

要するに、T-34なら生産工場の特定ができても、現代のAFVだと有名どころ以外、生産国もよく判らない、みたいなもの(通じる相手が非常に限定された喩え)。

つまり、その「見慣れない虫」が、本当にこの地域ではなかなか見られない珍しい種類なのか、あるいは実はよくいる虫なのだが(地味だとか小さいとか、生活環境的に目にしづらいとかの理由で)これまでたまたま目を引くことがなかっただけのか、そのへんが判らないのである。

もちろん、大型の蝶などで見たことがない色模様なら珍しい種類だということは判るが、これが蛾とか、アブとかハエの類だと、たまたま間近に止まって、ちょっと面白い形や色をしていても、珍しいのか珍しくないのかよくわからない。もちろん、自分で見た覚えがなければ、ありふれた種類であっても充分「珍しい」のだけれど。

●そのうちの一例。

31日日曜日。散歩に出て、今までに見たことがない、真っ黒なムシヒキアブに遭遇。何やらハエの一種を捕食中。現在、名前を調べ中なるも、まだ正体にたどり着けず。

F1016308

(9/2追記 ムシヒキアブの仲間で、トゲツヤイシアブという種類であるらしい)

●小さくて目立たないハチなので、なかなか目にする機会がない(気が付かない?)アオスジハナバチ。青色が珍しいといっても、ルリモンハナバチほど目を惹く美しさはなく、よく見ると「あ、筋が青い」という程度。それでも、ちんまり体型がなかなかかわいい。

F1016376

●見慣れない、というよりも、久しぶりの珍しい虫。何年ぶりかで、生きているナナフシを見た(去年か一昨年、道で轢死体は見たことがある)。

F1016283

これなどは、もしかしたらたまに接近遭遇しているのかもしれないが、相手が上手に隠れすぎていて気付いていないだけかも。木の幹などではなくちゃんと枝のほうにいれば気付かなかったかもしれない。

木の幹の、精一杯手を伸ばしてもそれよりもちょっと高いところにいて、ソフト的最大望遠、しかも日陰側という悪条件で、どうしてもピンボケしか撮れなかった。残念。

●話は前後するが、28日木曜日、神保町の事務所に行くついでに秋葉原に寄り、タミヤエナメルのフラットアルミと、瞬着(サラサラ)と、タミヤセメント・流し込みタイプを買う。フラットアルミは前回UPのソクウのシリンダヘッドカバーに塗ったもの。瞬着は今まで使っていたものがノズル内で固まってしまったため。タミヤセメントは今までのものが、もうほとんど筆が届かなくなったため。ソクウ製作のテコ入れ(なのか?)。

それとともに、秋葉原と御徒町の間くらいにある、以前YSにいたK氏が開いているヒストリカル・フィギュアの専門店に行って、THE BODIのハンガリアンCV33改造パーツ#1を購入(THE BODIがフィギュア主力のメーカーなので、義理で仕入れたらしい)。

●さて、結局ソクウと並行生産になってしまっている、RODEN 1:72のVOMAG自走砲(名前略しすぎ)。

まだなんとなく、射撃姿勢にしたい気もちょっとして決めかねているのだが、それはひとまずモラトリアムで、車体細部工作。

F1016399 まずは魅力的なお尻。リールが2基付いていて、安直に伸ばしランナーをくるくる巻いてそれらしく仕上げた。右リールが巻き方が汚い。ズボラな砲兵が巻いたもので、後でこっぴどく班長に怒られるという設定だということにしよう……。よく見ると、コードの太さもちょっと違う。わはは。

コンテナルームの前側は、キットではつんつるてんだが、どうも椅子の背もたれが付いているらしい。タイヤハウジングの上がたぶん椅子の座面なのだが、実際には、ここには折り畳みの補助椅子が重なっているのではと思う。ただ、形状や状態がよく判らなかったので、そちらは追加工作していない。

F1016401 ハンガリー(?)で写された、多色迷彩の放棄車輌の写真では、この背もたれの下の部分が3つに分かれて開いているように見えるのだが、別写真ではそうは見えず、切り欠き工作などはしないことにした。

ラックは、キットのバーツはあまりに太かったので、せっせと削り込んだが、それでもだいぶ太めな感じ。理想的には、もっと細い真鍮線などで作り替えればいいのだが、横棒と縦棒が同一面で重なっているようなので、面倒になってやめた。

また幌骨は、天井バーツにもとから一本モールドしてあり、別部品として4本入っているのだが、そのまま重ねると高さが付き過ぎること、幌骨の本数がたまたましっかり写っている写真で4本だったことから、天井にモールドされているものは削り取り、別パーツの方はこれまた少し細くヤスってから重ねて接着した。今後、留具を追加の予定。

F1016403 ヘッドライトは、キットのパーツは前面カバーがゆるく盛り上がり、中央に「-」字のスリットが開いているのだが、実車写真では、平らなカバーが掛けられている場合が多いようだったので、スリットを埋めた上で平らに削った。そのうえで、上半分にプラペーパーでひさしを追加した。

始動クランクの差込穴を埋めてあるのは、若干位置が上過ぎる気がして、開け直すことにしたため。

PMMS報。

なんと、Combat Armour Modelsという中国系新興メーカーから、第一弾キットとして、ビッカース水陸両用戦車が発売される由。びっくり。

(9/3追記。Riich Modelsの別ブランドで、国民党軍装備を中心に出していくらしい。楽しみ)

流石にこれはインジェクションで出るわけはないと思い込んでいて、何年か前に作り掛けたスクラッチの車体もできれば作りなおし、きっちり気合いを入れていつかものにしてやろうと、コレ用にカステンのユニバーサルキャリア用履帯もストックし、マスタークラブのリベットも買い込み、ミラージュのビッカース6tA型の銃塔も確かひとつ取り分けてあったはず。

しかし出れば出たで嬉しい。PMMSの報を見ても、第一弾キットとはいえ、エッチングなども付き、プラパーツの出来もシャープな、なかなか楽しみなキットのようだ。ただ一つ残念なのはデカール。銃塔側面のワクで囲んだ「龍」字マークなどは入っていないようだ。……なぜ?

(9/5追記。「龍」字マークが入った車体は、砲塔ハッチ形状などが異なるタイプ。そちらが「後期型」ということであるらしい。わざわざ「初期型」と銘打って出すからには、後期型も出すつもりなのだろうと思う。個人的には「龍」字入りを作りたいので、後期型が出るまで待ちかな?)

| | コメント (6) | トラックバック (0)

« 2014年8月 | トップページ | 2014年10月 »