隼号、発進(9)
●週末模型親父さんのところの模型コンペ、「SUMICON2014」へのエントリー作、ARMO JADAR-MODELの1:35、Sokół(ソクウ)1000オートバイ+サイドカーの製作記。
●前回からの流れで言うと、ここは車体色の塗装に入って、いよいよエンジンがメインフレームに組み込まれるか、という段階に進むべきところなのだけれど、塗装前の小部品取り付けでドツボにはまる。
●まずは問題なく進めることができた部分から。
フロントフォークへのヘッドライトの取り付けは、フロントフォークの角度がきっちり決まる、メインフレームへの取付後にと思っていたのだが、やはり目に付きやすい場所は、塗装後の接着はなるべく少なくしたい。
そんなわけで、結局、ヘッドライトも付けてしまうことにした。ライトのお尻部分は、キットパーツはなにやらでっぷりしたドーナツのような突起がついている。が、実車では突起があったとしてもそれほど大きくはないようなので、削り込む。そのうしろにスイッチハンドルが付き、さらに中心にエッチングパーツのキーを挿す。……1:35のキーなんて勘弁してくれよぅ。
ハンドルは、右側にホーン、左側にバックミラーを付けるよう指示されている。しかし、戦時中の写真を見ると、ソクウ1000だけでなく、とにかくポーランド軍のオートバイでバックミラーを付けている例は皆無。web上でかき集めた写真はほとんど現存実車のもので古い写真は少ないのだが、J. Tarczynski, K. Barbarski, A. Jonca, "Pojazny w Wojsku Polskim (Polish Army Vehicles) 1918-1939"(biblioteka Marsa)に何枚か写真が出ていた。印刷が悪く写真が不鮮明な資料なのだが、珍しく役に立った。
そんなわけで、ハンドルバーの左側にモールドされていたバックミラー用基部金具も削り落とす。ホーンは装着例があったのでそのまま接着。
もっとも、ホーンは左側に装着した例もあり、バックミラーを付けないのであれば、バランス上左に持って行ったほうがよかったかも。
●問題がメインフレーム。
結局、「排気管を一時分割することになっても、右のステップとペダルを付けてしまおう」と考えて、まずはフットステップを接着。
ここで、これまで散々、「ステップを付けてしまうと干渉して排気管が通らない」と言っていたのだが、以前、一度付けた時よりフレームから若干離して付けたところ、排気管を切り刻まなくても通せることが判明。な~んだ。
……というところまではよかったのだが、今度は、ブレーキペダルの後端がまったく排気管位置に重なってしまうことが判明した。
先に、ペダルのロックアームが排気管と干渉するので、その取付位置を外側にずらすよう、基部にプラ片を接着して整形してあったのだが、プレーキペダルのほうにも同様の細工をする。
もっとも、排気管をきっちり位置を決めて仮組みすることができないので、ペダル基部の延長がどうしても目分量になり、ペダルを付けては様子を見て、また延長し直したり、という作業を繰り返すことになった。なんて場当たり的な工作。前方のロックアームの基部も結局再延長する羽目になった(写真の黄マル部分2ヶ所)。
なお、ここまでの過程でブレーキペダルの踏面の小パーツを紛失(またかよ……)。プラバンで再生。元のエッチングパーツには滑り止めのギザが付いていたが、実車ではギザ無しのものも確認できるのでギリOK。
その後、後輪取付部左側に、後席用フットバー基部の小エッチングパーツも取り付け。右側はサイドカーが接続されるので付けない。なお、説明書では、右側フットバーは、サイドカーのフレームの妙な位置に取り付けるように図示されているのだが、どうにもウソっぽい。最終的に付けないままになる可能性大。
これら作業の結果……リアフェンダー周りは薄いエッチングが込み入っていて不用意に触れなくなっていたメインフレーム・ブロックだが、前方も不用意に触れない有様に。最前方の三角部分か、リアフェンダーの前半を怖々つまむくらいしかできない。
●他にも済ましておくことがなかったか、手順を再確認中。そうこうしつつ、塗装に向けて持ち手として伸ばしランナーを差し込んだりしている。
……なんだか、焚き火でマシュマロをあぶるような感じになってきてしまった。
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コメント
いよいよもって立体パズル化してきましたね。私の方は急な用件で実家に戻ったりしてたので作業再開は結局週末になりそうな。流石にちょっと焦ってきましたよ。
それはそれとして前記事
>Riich Modelsの別ブランドで、国民党軍装備を中心に出していくらしい。
うほっ、ボスに先越される前にオリジナル・ビッカースE来ますかねぇ?ついでにT-26もやってくんないかな。
投稿: hide | 2014年9月 3日 (水) 18時35分
>hideさん
「Riich Modelsの別ブランドで、国民党軍装備を中心に」というのは、Riich. ModelsのサイトのNEWSLETTERのコーナー、「New Brand Established」というページに出ています。
これは私の趣味範囲からもまったく楽しみで、ワクワクしてきます。
ビッカース6tとか、いいですねえ。T-26も、ホビーボスでは33年型の後期型(いろいろな呼び方が入り乱れているので判りづらいですが、要するに、馬蹄形砲塔で片側が丸ハッチに改修されたヤツ)とかは出ていないので、出してくれるなら歓迎です。
先日ホビーボスでSd.Kfz.222の第一シリーズというのが出たのですが、中国軍の使った222は、これよりさらに初期のタイプなんですよね(第一シリーズよりも前ってどういうこっちゃ? 増加試作型?)。
武装の位置が左右逆だったりして改造は面倒なので、中国軍型が出てくれないものかなあ、と思います。
投稿: かば◎ | 2014年9月 5日 (金) 14時46分
>武装の位置が左右逆だったりして
気になって毎度おなじみトラクツ本を開いても、ハッキリした記述が無さげですね。35年製の極初期ロットが複数のメーカーでちょっとずつの製造みたいなんで、そのうちのどれか一社の製造分ですかねぇ。251の号には通常鋼板製の訓練車(A型でペラペラのクラッペが付いたヤツ)までちゃんと記載があるのに解せません。
ボスの222第一シリーズってのは箱絵だけ見ましたけど、A型シャーシを再現してるんですかね。
投稿: hide | 2014年9月 6日 (土) 16時14分
>>ボスの222第一シリーズってのは箱絵だけ見ましたけど、A型シャーシを再現してるんですかね。
さあ、どうでしょうか。私は一応箱は手に取って、ちょっと開けてもみたのですが、武装が「左・機銃」であった時点で、「あ、これは私には用がないや」と思って棚に戻してしまいました。
もっとも、これまでの222キットとは違い、ラジエーターの上まで(つまり戦闘室天井板のギリギリ後まで)スノコになっているタイプなのは目新しい感じ。ただ、「紙創り」がアフターパーツの新製品を最近出していないのが残念です。
中国軍の装備した222の特徴は、例えば以下の写真などでよくわかります。機銃がMG34でなくMG13なのは中国軍車輌のお約束。
http://www.ww2incolor.com/chinese-forces/200_2.html
http://www.ww2incolor.com/chinese-forces/11fea70e961g214.html
それにしても、標準型の配置だと、20mmkwkのマガジン交換が、機銃に邪魔されてすごく面倒だと思うんですが、なぜこんな配置なのでしょう。
投稿: かば◎ | 2014年9月 6日 (土) 18時43分
先程別件で模型屋に寄ったついでにボスの新作222見てきました。その場で旧作と比較した限り、一応はA型シャーシを再現してはいるようです。多分トラクツの線図を"大いに参考に"しているのでしょうが、それはそれで下手なことするよりはアリかな。『そ、そういうことなら、その内買ってあげなくも、な、ないんだからねっ!』と心の中で捨て台詞を吐いて今日は買わずに帰ってきましたが(今月はもう割と金欠気味)。ともかく国民党軍の222なり223なりを作るならコレがベースになりますね(ただしブロンコの221は未検)。
投稿: hide | 2014年9月 7日 (日) 17時11分
>中国軍の装備した222の特徴
こんなのあったんですね!極初期型でしょうか。それとも国民党スペシャル?
これだと2センチ砲に20連発の弾倉付けれますね。
砲の操作は旋回と俯仰別々のハンドルでやるタミヤのキットのタイプでしょうか。
投稿: みやまえ | 2014年9月 7日 (日) 19時31分
>hideさん
A型シャーシとB型シャーシの差がどこにあるのか、私にはあまりよく判らないのですが、ブロンコの中国軍型は、上側のウィッシュボーンが太いI型(?)ではなく、A(というかH?)みたいな形をしているので、一応初期型なのかな?
222に関しては、やはり左右が逆転した武装架が、単に反転すればいいというわけではないのでないかと思うので、やはりボスのキットを改造ベースとするにはちょっと……。もし入手することがあったら、素直にポーランド戦時のドイツ軍にすると思います。
223なら作ってみたい気もするのですが、戦闘室天井のスノコ形状が最初期型でどうなっているのか、いまひとつよくわかりません。……というより、そもそもベースキットをどうするかが微妙なのかな?
>みやまえさん
そういえば222の新キットを作られてましたよね。
タミヤのキットの仰俯/回転ハンドルって特殊なんですか?
投稿: かば◎ | 2014年9月 8日 (月) 04時02分
パンツァートラクトに載ってるマニュアル図はタミヤの通りで、右手で左右旋回、左手で俯仰なのですが、いま見られる現存車両の砲の操作システムは両手で正面に一個だけあるハンドルを回して左右旋回、引っ張って仰角、おして俯角という8輪重装甲車と同じ操作方法に変わったようです。
中身だけ要塞対空機関砲になってたり
http://212.178.67.161/avx/sites/flak2cm/start.php?main_cat=15&sub_cat=139&visitor_level=1&user_id=0&user_name=&session_id=c1793587a04904da3b737c0c362dc44c&access=view&exp_sub_cat=0
初期に天井網が低いのは俯仰用の平衡器が仰角が低いので高さをとらなくて済んだからのようです。この天井のタイプがタミヤのシステムのもののようなのですが、
タミヤのは回転部のてっぺんにГの字型の部品がありますが、これは仰角を引き上げるために平衡器と砲をチェーンで繋いだためのカバーでして、これのせいで一時期天井網が背が高くなって、後に平衡器チェーンカバー部のみ切り抜いた低い天井網に変わると思われます。
操作システムがハンドル一個になった時に切り替わったのだろうなと思われるのですが、
タミヤのシステムにГの字型の部品がついた例があるのかどうかが今私にとっての謎であります。
投稿: みやまえ | 2014年9月 8日 (月) 21時47分
>みやまえさん
詳しい説明有難うございます。
金網の件。昔は単純に「初期は低くて中期以降高い」なんて言われていたように記憶しているのですが、戦時中の実車写真を見ると必ずしもそうではなく、「違うじゃん……」とだけ、漠然と思っていたのがすっきりしました。
なるほど、内部機構と関連していたのですね。しかも上面の切り欠きにも、そのような理由が……。
投稿: かば◎ | 2014年9月 8日 (月) 22時02分
>それにしても、標準型の配置だと、20mmkwkのマガジン交換が、機銃に邪魔されてすごく面倒だと思うんですが、なぜこんな配置なのでしょう。
この国民党仕様の機関銃は箱マガジンですが、
ベルト給弾のMG34に変えた場合、照準器が邪魔で装弾用の上蓋が開かないような気がします。更に、機銃の再装填の際に、砲手が目標から目を離して砲塔の上に大きく身を乗り出さないといけないのも問題だったんじゃないでしょうか。
新しいレイアウトでは装填手/車長が銃も砲も自分の席に座ったままで行えます。
投稿: みやまえ | 2014年9月 9日 (火) 00時32分
ああっ。中国軍222は、武装配置が逆になって、望遠鏡の照準器は付いていないような気になってたんですが、機銃とくっついて、いわば標準型とほぼ同じ位置にあったんですね。機銃と照準器両方用となると、スリットがちょっと広いのかしらん……(←まだ見比べていない)
確かにみやまえさんの仰るように、この配置だと、MG13のマガジンが、20mmKwkのシューターに邪魔されて交換しづらいですね。下はおそらくアームがあるだろうし。
投稿: かば◎ | 2014年9月 9日 (火) 21時57分