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2014年8月

隼号、発進(8)

週末模型親父さんのところの模型コンペ、「SUMICON2014」へのエントリー作、ARMO JADAR-MODELの1:35、Sokół(ソクウ)1000オートバイ+サイドカーの製作記。

F1016139b●ブロックごとの組み立ても、とりあえずやれるところまではやって、いよいよ塗装……と思ったのだが、操作系のリンク部品がまだ付いていなかった。前回も載せたエッチングシートの写真で示すと、黄色のマルを付けた部分。

F1016163 ギアケースその他に付いているアームの先端に付く金具で、ご覧の大きさのエッチングをコの字に折り曲げて付けろという、なかなか御無体な指示。

シート写真で示したように、パーツは7つ付いているのだが、説明図の図示で数えると(私の数え間違いでなければ)必要なのは6つ。

そのうち、ギアケース中央から出ているアーム先端のリンクは明らかに形が違い、すでにプラバン片で作り直してあるので、一応、予備が2つあることになる。

●……なんてことをいちいち計算していたわけではないが、エンジンブロックに取り付ける2つを「切り出して」「ゲートを削って」「折り曲げて」「取り付ける」という過程で、すでに2つ、異次元空間に弾き飛ばしてしまった。

紛失マージン使い果たすの早すぎ!! もう後がない!

ちなみに、このリンク部品を取り付ける先も薄いエッチングなので、コの字に曲げると取り付けがスカスカ。間に何か(プラペーパーの切れ端とか、瞬着のダマとか)を詰める必要があり、ますます工作の難度が上がる。

2つ付けた後で、わざわざ律儀にコの字にするより、安直に2つ折にすればよかったと気付いた(そのぶん長くなってしまうが、そもそも目立つ大きさの部品ではない)。

F1016196 ●なんとかエンジンブロックの塗装にこぎつける。

キットの塗装説明では、エンジン部はざっくりとGunmetal(シリンダー)、Alminium(エンジン本体とシリンダーへッドカバー)の2色が指示されているだけなので、ネット上でかき集めた実車写真を参考に適当に塗り分ける。

右は塗装途中のもので、左に伸びているのは塗装のための持ち手。

ここまでの過程で、実車写真を見ていて、ギアケースのフタ部分にメーカー(CWS)のロゴが入っていることに気付いた。

道理でエッチングパーツのメーカーロゴが1つ余っているわけで、どうやらパーツはエンジンの分も入れたものの、説明図には書き忘れたらしい。ちなみに、組立説明用の素組み写真ではこのパーツは付いておらず、塗装された完成見本では付いていた。

というわけで、追加でロゴを貼り付ける(上写真の真鍮色の部分)。フロントフォーク部分同様、ロゴがちょっと大き過ぎ。

ちなみに、右に飛び出しているアームの先端が、前述の「コの字金具」。気化器の上の金具にも付いているのだが、この写真では確認しづらい。

F1016260 F1016263 ●なんだかんだで塗り終わったエンジンが、こんな感じ。

フィギュア等を綺麗に作れる人ならもっときっちり塗り分けられそうだが、私の視力と指先ではこれでいっぱいいっぱい。

前述のロゴは、同じ色で塗っても後付のメダル然としているが(その通りなのだからしょうがないが)、本来はギアケース蓋に一緒に鋳込んであるもの。

●追記。

エンジンの仮セットをしてみた。

F1016266 この次は車体塗装に入るので、そちらもギリギリまで工作は進めておきたい。エンジンを付ける前でも変速ペダル(フットステップの前側にあるシーソーのようなパーツ)は付けられそうだということが判ったので工作(なお、後方に付いているキックスターターは先日取付済み)。

このパーツ、説明書では単純に踏面だけ折り曲げるように指示されているのだが、実際には左右のアーム部分が緩くクランクに折れて、踏面が少し手前に出るようになっている。また、そうでないとペダル上部からギアケース中央のアームに繋がるロッド(未装着)が踏面に当たってしまって通せない。

キット付属の見本写真では、ロッドがペダルの上側を迂回するように付けられているが、実際にはペダルの後ろ側を通る。

いずれにせよ、このペダルはアーム部分が薄くぐにゃぐにゃ曲がりやすいので、保護も兼ねてフットステップもついでに取り付けた。

車体右側のフットステップは、以前触れたように、排気管取り付け後でないと付けられない。……この期に及んでなお組立・塗装手順を模索中。

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VOMAGの続き

F1016158 ●チビの足の爪にほむほむが描いてあった。

ちなみに左足の親指はソウルジェム。

●20日水曜日、川崎の実家に行く。行き帰りだけで暑さでぐったり。

事務所はプリンターとの接続環境等、まだ復旧していないようなので、基本的には連日自宅仕事。

●広島では集中豪雨でひどい災害が発生しているが、関東南部は炎天続き。週末になってちょっと下り坂となったが、このあたりでは土曜の午前中にほんの少し雨が降っただけだった。

●ソクウの組立にトラブル発生。どうも現在のまま組むと、リアブレーキのロックアームと排気管が、位置的にもろにバッティングしてしまう。

そもそもこの排気管はどうも取り付け位置が微妙すぎる。先日も、メインフレームにフットレストを接着したら、排気管が後からでは取り付けられなくなることが判明し、フットレストをもぎ取るはめになった。

実車でも、フレームだのフットレストだのを避けて微妙な曲線になっている排気管だが、模型では関係する各部品との位置関係がピタリと決まっておらず、あっちこっち微調整が必要になりそう。頭痛ぇ。

●ソクウが停滞している一方で、なぜか着々と進んでいる88搭載VOMAG自走砲。

F1015730F1016147キットの88mmFlakのパーツのなかでも、最もダルい印象なのが閉鎖器ブロック。パーツ写真を再掲すると右のような感じだが、穴を彫り直したり、レバーを足したり、なんだかんだで左写真のようになった。砲架右側面にも、前回より若干ディテールを足した。

一応、現時点では射撃姿勢ではなく走行姿勢にするつもりでいるのだが、右側面の椅子はキットパーツのまま、射撃姿勢状態。本来、走行姿勢ではぶらんと下に垂れ下がる感じになるが、キットのアームの長さのままでは座面が床に当たってしまうかも。強度的な問題もあり、折り畳む追加工作が面倒くさかったのでそのままにしてしまった。

F1016143そんなわけで、今のうちのお楽しみで、射撃姿勢風に仮組をしてみた。あれこれ小パーツが付いていないだけでなく、実際の射撃状態では、これに加えて左右にアウトリガーが出る。

――さすがにこの姿勢は迫力があって、射撃姿勢にしたい気もちょっと湧いてくるのだが、射撃状態にする場合には照準器の作成(キットにはパーツがない)のほか、仰角を取ると見えてしまう砲架内側の追加工作(ギアやリブなど)も必要。

なお、フロントウィンドウは、枠がどうにもダルいモールドだったので、プラバンで裏打ちしたうえで、表側にはプラペーパーを貼って、布カバー装着状態とした。その際、上辺にはサンバイザーのようなものが付いているらしかったので、枠にプラバンを張り増して、布カバーに出っ張りが浮き出る感じにした。

●ハチハチ関連話題。

Flak18の画像を調べていて改めて知ったこと。88m搭載12tハーフトラック対戦車自走砲のFlak18は、純粋に対戦車砲仕様で、対空射撃に必要なあれこれの機器はすべて取り外されている。トランペッターのキットでは、なぜか砲架右側面にダイヤルが1つ残っているようなのだが、実際には2つともない。

ちなみに、仰・俯ハンドルと回転ハンドルを一カ所にまとめる改造は、連結チェーンはパーツ化されているのに、なぜかハンドルは1つしかない。

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ホリミヤ

F1016134●18日月曜日。暑い。アホ暑い。

ここまで人が来ていて起きようとしない犬ってどうなんだ、と思う方もいるかもしれないが、だいぶ老犬で耳が遠くなっているので、まったく気付いていない可能性大(この後、靴を履こうとしてようやくビクッとして起きた)。

●後輩のM君が一家で逗子海岸に泳ぎに来るというので、駅まで迎えに行き、浜まで案内する。まあ、迷うような道でもないけれど。

逗子海岸の海水浴場は、砂浜での喫煙だの飲酒だのあれやこれや禁止になって、そのために海水浴客が以前の1/5だとか、若者は鎌倉のほうに流れて家族連ればかりだとかいう話が出ていたのだが、そんなニュースが流れたために、また少し人が戻った感じがする。

もっとも、いずれにしても私自身はもう何年も逗子の海で泳いでいない。

●迎えに行く途中、いつものキバナコスモスで。

F1016130 F1016124 F1016123

ナミルリモンハナバチ。2匹確認。1枚目、動いている翅が妙ちきりんな写り方をしている。新体操のリボン?

F1016126 F1016128

アカタテハか、ヒメアカタテハのようなつもりで漫然と撮っていて、後から撮った写真を見返したらしばらくぶりのツマグロヒョウモン(メス)だった。注意力散漫。

もっとも3つのどれだったとしても、とりたてて珍しくはない。ただしツマグロヒョウモンはもともと南方系の蝶で、比較的最近、関東に定着したもの。30年前なら大発見(かも)。

●陽射しはきついが、風のある外のほうがナンボかましで、午後も散歩に出掛ける。

F1016065 身近にいたとしても、普段、なかなか目にする機会が無いのがヘビだが(野良仕事でもしていれば別だろうが)、どういうわけか、散歩の途中に2度も目撃。どちらも茶色単色で、仮に真っ直ぐピンと伸ばしても30cmくらいの小型のもの。

携帯電話のカメラを構えようとオタオタしているうちに2回とも逃げられてしまった。右は2度目の遭遇の時、ようやくシッポ側半身だけ撮ったもの。種類は何だろう。ヒバカリ?

●19日火曜日。神保町の事務所に行くつもりでいたのだが、前日にC社長より、ビルの改装に伴いシンナーの臭いが充満しており数日近付かないほうがいい旨、廻状が来たのでヤメ。自宅でエクセルをつついたりする(本当を言うとexcelモドキのOpenOffice)。

ところで自宅のOpenOfficeは平気なのだが、事務所のマシンは、先日OpenOfficeのアップデートの通知が出て、そのままアップデートしたら、文字が化ける(というよりも文字が重なって表示される?)ようになってしまった。セル内の数字は大丈夫なので作業は出来るが、項目の読み取り等が不便で不快。

●前回ちょっと触れたホリミヤの更新。柳君の両親の高校時代の話だったのだが、それを読んでいて、そういえば「やなぎん母」が登場したのはどれくらい前だったろう、というのが気になる。

もっとも、すでに本編140話、オマケシリーズはそこからの続き番号で500話を超えた。じっくり読み直すのもいいかもしれないが、ぱっと「あの話はどこだっけ」は探しづらい。何か、登場人物+αのキーワードでタグ付けされていて検索できればいいのにナー、などと考えてみたりする。

もちろん作者にそんな仕組みを今から作ってくれとリクエストするのはワガママというものだが、作者自身が過去話確認用にこっそり作ってあったりしないかなあ……。

話は前後するが、「ホリミヤ」は作者・HIROによるウェブコミック、「堀さんと宮村くん」の略称。どこかの出版社のサイトではなく、自身のサイト「読解アヘン」で公開している。紙の単行本(本編10冊、およびオマケ編はダイジェストで何冊か)も出ている。

それだけでなく(確か以前にも書いたが)、「ホリミヤ」の題名でこれを別人の作画でリライトされた単行本も刊行中。出版社は同じスクウェア・エニックス。マンガが原作でマンガが出るって、それは原作者的にどうなんだ……。見ようによっては「アンタのマンガは筋はいいけれど絵がヘタだ」と宣告しているようなものなわけで、いったい、この話をスクエニの編集者がどういうふうに持って行ったのかが知りたい。

ちなみに原作で読み始めた私は原作絵が味があってよいと思う一方で、リライト版は顔立ちが整いすぎていてイヤ。もっとも、リライト版で読み始めてしまった人は、原作は「崩れすぎてダメ」と思うかも。

また、原作で初期の設定と後々の設定に若干の齟齬があるのは調整されているのかもしれない。

(8/25追記。ファンサイト、「堀さんと宮村くんwiki」に、全話データベースがあった。偉大なり! ちなみに、やなぎん母の(たぶん)初出は447話だった)

(8/26追記。それより前、やなぎんの2層髪の毛話で329話にも出ていた)

F1016136 ●RODEN 1:72、88搭載VOMAG自走砲の続き。前回、砲架の左側面を載せたので、今回は右側面。

左側面は表面ディテールを自分で作り変えた部分がそこそこあったが、右側面はわずかを除いてほぼキット部品。ただし、仰俯・回転ハンドルは、キットのパーツは分厚く、ゴツ過ぎたので、ヤスリでおよそ半分くらいの厚みまで削り込み、その後にエッジを丸めて、ちょっとでも繊細に見えるようにした。

仰俯軸横の扇形は角度表示、およびそこからの長い棒は照準器への連動棒。したがって、例えば砲身を水平にしていれば、“分度器”の中の指示棒は後端近く(正確には、最大俯角の3度を抜いた位置)まで行っているのでは――と考えたのだが、博物館にある実物(Flak18/36/37)を見ると、どうも微妙にずれている。

以下はちゃんとした資料に基づいているわけではないが、どうも指示針は砲と連動するものと、照準器(殻のバー)に連動するものの2重になっていて、必ずしも砲と照準器の仰俯は連動しないような。対象の距離によって、この2つの針の角度差は変化するのではと思う。そんなわけで、どういう角度ならよいのかよく判らなくなったので、結局キットのまま(これだけ書いておいて?)

また、上部にある2つのダイヤルからはケーブルが前方ハンドルの下を通って砲架前側に引き込まれているようなのだが、その正確な位置が判らず、現時点では付けていない。

なお、前回の左側面も、今回の右側面も、シートはまだ付けていない。

●隼号、発進(7.75) (どこまで連載番号が細分化されるんだ……)

まあ、オマケ回だと思っていただければ。

VOMAGの話を書くと「ソクウはどうなってるんだ」と言われるので(いやもちろん、ツッコミを頂けるうちが花なわけですが)、一応、現状報告を。

F1016140 フレーム関係はひと通り工作を終え、エンジンは小エッチングパーツの取り付けが途中。そのエンジンはこんな感じ。右に付いているブーメランのような金具は大きいからいいのだが(それでも4mmくらい)、上部の気化器周辺の金具は偏執的に細かい。

F1016139 写真で最下部、エンジン左側面にプラパンでちまちま作ってあるのは変速機のアーム。これもエッチングパーツだったのだが、これはエンジン組立のだいぶ初期に紛失。先述の「部品を失くした時は失くしたものよりよくなるように」の縛りに則りつつ再生したもの。

これであと数箇所、操作ロッドからの連結金具を付けてやる必要あり。それが終わったらとうとうエンジンの塗装。塗装が面倒なのでなんやかやグズグズしていたが、本当に今度こそ塗装。

ちなみにキットのエッチングシートの現状は左のような感じ。だいぶ空きが目立つようになってきた。スポーク2個は予備。

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夏の折り返し点

●先の週末。娘が呼ぶので振り返ると、その娘がいきなりゴスな格好をしていたのでたまげた(そういう趣味があるわけではなく、初めて見た)。

聞けば、横須賀でやるBUCK-TICKのライブにいくための勝負服である由。何の勝負だよ……。まあ、まだ20代前半なのだから、ゴスでも何でもいいんだけれども。

後で聞いたが、本人基準でもそのような感じであるらしく、「もうこの先は着られないから売っ払う」のだそうな。

●そのライブが終わって、娘から電話が掛かってきた。

「今、横須賀駅なんだけど、千葉行きっていう電車に乗ってもいい?」

……隣町から公共交通機関で帰ってこられない20代前半ってどうよ?

(娘は勤め先も市内なので、滅多に電車に乗らない……という情状酌量要素はあるとしても、だ)

●お盆週間だが、神保町の季節労働が遅めに(ようやく)スタートしたので、だらだらと仕事中(もちろんだらだらしていたらいけないのだけれど、なんだかまだエンジンが掛からない)。

神保町の事務所は無線LANに何やら新しい機器をかませて設定を変えたとかで、なぜだか、普通に外部のネットワークには繋がるのに、LANに繋がっているプリンタをうまく認識してくれない。

わざわざ時間を掛けて都内の事務所に出るのは、もちろん、そのほうが何となく仕事する気になる、というのもあるが、第一は、プリンタ、コピー機がいくらでも使えるという点にある(最終的に紙資料の提出も必須なので、プリントの量がバカにならない)。

そのプリンタが使えないのでは行く意味半減。そのため、「スタートした」とはいっても、この一週間で事務所に言ったのは水木の2日のみ。プリンタ環境が改善されたら、もっとマメに通うようになる予定。

●15日金曜日。

カレットさんが! カレットさんが更新されない金曜日なんて!

(と、大騒ぎするほど入れ込んでいるわけではないが)

その代わり、ホリミヤが更新されていたから許そう。

そういえば去年は右翼に左翼に機動隊でごった返す神保町にいたのだった、と後から思った。たまたまだが、行かずにいてよかった。

●同じく15日金曜日午後。

夕方、間近でツクツクボウシが1匹鳴きだす。今年初聞き。

ツクツクボウシを聞くと、夏の折り返し点を過ぎた気がする。翌16日になったら、もう鳴き声が複数になっていた。

●16日土曜日晩。網戸にコクワガタ(オス)がとまっていた。東京近郊とはいえ片田舎で、あれこれ虫も多い逗子だが、カブトムシ、クワガタムシの類は、あまり見ない。これも今年初のクワガタ。

山道を歩いていても、クヌギの類の木はそこそこあるのだが、樹液を出している木があまりない。ボクトウガ減少のせい?

捕獲して写真を撮ろうと思ったのだが、網戸を開けて手を伸ばしたところで落下逃亡。

●RODEN 1:72の、88搭載VOMAG自走砲は、車体が一段落したところでとりあえずやめて、ソクウに専念するつもりだったのだが、結局、その後もハチハチをちまちまいじっていたりする。

最初に書いたように、キットに入っている88mmFlakは、各パーツのエッジもだるく、どうにも「シュッとしない」出来なのだが、先日模型店でハセガワのFlak36(というキット名だが、中身はFlak18との折衷)を見たところ、砲身は駐退レールや復座管と一体だし、結局一長一短な感じだったので、キットパーツに手を入れることにした。

なお、72の88mmFlakのインジェクション・キットでは、おそらくレベルのものが最良だが、これはFlak36。改造箇所も出てくるし、このVOMAGのためにツブすのはちょっともったいない。

F1016019 さて、キットの全体的なダルさをいちいち直していてはキリが無いので、そのへんは適当に済まし、一方で、部分的にエッジが目立つ細部工作を行って、そこで「おや、なかなかディテールも細かいんだね」という印象を持って貰う作戦を取ることにする。……ぶっちゃけて言えば「目くらまし」。

まずは、エッジが全体的に丸まっていたうえ、各面にヒケも出ていたヒューズセッター周り(砲架左側面)をちまちま工作。ついでに砲架側面にある配線も追加。細部ディテールは、AFVクラブの1:35キットを主に参照。アバディーンの実物のwalkaroundも参考にした。

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First to Fight 1:72 wz.34装甲車

F1015995●先日購入した、First to Fightの「WRZESIEŃ 1939(1939年9月)」シリーズ、1:72のwz.34装甲車のレビュー。

実車解説は、日本語概略ならwikipediaで。

さらに詳しくは、The PIBWL military siteで。同サイトのwz.34のページへのダイレクトリンクは、こちら

また、以前当「かばぶ」でも、なんだかとりとめなく細部ディテールの考証をしたことがあるので、お暇な方はどうぞ(1回目2回目)。

●キットは初期型装甲車体と後期型装甲車体の2種が出ていて、キット番号はPL1939-007とPL1939-009。ちなみに間の008はI号戦車B型のキットに振られている。

F1015911同梱の資料小冊子(表紙含めて12ページ)は、一応、私が購入したものは、それぞれのパッケージと同一の号がきちんと入っていた。もっとも写真は少なく文章主体で(ただしセンター見開きはカラー4面図)、しかも(C2Pのときにも触れたが)全編ポーランド語のみなのが残念。読めれば詳しい開発史とか、実戦記録とか、いろいろ面白いことが書いてあるかもしれないのに。

キット名称は前者がWZ.34、後者がWZ.34IIとなっているが、もともとwz.34装甲車は、シトロエン・ケグレス・ハーフトラックをベースとした装甲車(wz.28)を改修したもので、ここを見ると判るように、wz.28時代から装甲形状の新旧の別がある。

これらサブタイプの差は、PIBWL military siteに詳しく書いてあるし、キット付属の小冊子のセンターにも(ポーランド語だが)書いてあるように、エンジンとリアアクスルの違いによるもの――つまり中身の差なので、実際には装甲形状ときっちり対応しているわけではない(むしろPIBWL military siteでは、新型ボディの車輌が当初wz.34無印やwz.34-Iに改修された可能性を指摘している)。

また、当初のwz.34(無印)やwz.34-Iとして改修された車輌が、さらにアップデートされて-II仕様になった例も多かったらしい。というわけで、キット名称はあくまで便宜的なものと考えたほうがよい。わざわざ混乱を招くキット名称にするよりも、PIBWL military siteのように、「early body」「new(late) body」でいいんじゃないかと思うんだがなあ……。

F1015943 ●肝心の中身は、両キットとも基本パーツ群は一緒で、まったく同じ枝が1枚。

シャーシはフレームが床と一体、駆動系はサスペンションと一体で、これをはめ込んで車輪を付ければ、もう足周りは終了。しかし、ロコ組み足回りの装軌式車輌に比べれば細かい出来、と言えるかもしれない。実際、先日組んだC2P牽引車に比べると、こちらのほうが部品数が多い。

F1015935 装甲ボディはスライド型を用いて、ころんと一体成型。この装甲ボディだけが(箱と冊子以外では)両キットの差。写真は左が旧型装甲ボディ、右が新型装甲ボディ。

旧型は戦闘室側面が段付きで、もともとハーフトラックの装甲車だった名残りで、下部だけシャーシ幅に合わせて狭まっている。

新型はこれを簡略化して全体が狭く、その代わりに、後部を傾斜させて内部容積の減少を若干補っている。

総じてモールドはシャープで、セルティ~ミラージュの1:35のwz35装甲車のキットよりも出来がいい、と言ってよいのではないかと思う。もちろん、問題がないわけではなくて、それは以降。

●まずはボディ。キットは前述のように、ボディだけを取り替えて旧型、新型としているわけだが、PIBWL military siteでは、旧型ボディ、新型ボディではシャーシそのものに若干の差があり、旧型ボディではホイールベースが新型よりも短いのではないかと指摘している(詳しくはPIBWL military siteの実車解説ページを参照のこと)。この場合、エンジンやリアアクスルを換装しても、旧ボディ用、新ボディ用でドライブシャフトの長さが違っていたりすることになる。いや、それともエンジンに対してフロントアクスルの取り付け位置が違うだけなのかな?

ただしこの辺は、しっかりした一次資料の裏付けはなく、正確な寸法は判っていないようだ。

個人的には、装甲ボディの形状が細かく部分ごとに違うので、旧ボディと新ボディとではボディと車輪の位置関係がちょっと違い、それでホイールベースが短く見えている可能性もあるのではと思う。いや、軽く思いつきで言っているので信用しないで下さいね。

  また、1:72で考えると、ホイールベースの差はそう厳密に追求せずともいい問題のようにも思う(実際、写真で見比べても「これ、本当に違うのかなあ?」レベルなので)。

F1015989F1015990なお、車輪に関しては、セルティ~ミラージュの1:35ではだいぶ情けない形状だったホイール部が、そこそこ実車に似た形状になっているのが嬉しい。

後輪ホイールはくぼみ方が足りないように思うが(実車は、ホイールは前輪後輪同じもので、裏返して使っているのだと思う)、許容範囲(少なくとも私には)。

F1015934●それよりも問題は、旧型ボディと新型ボディは、単に戦闘室側面と後面が変わっただけではなく、そもそも「似て異なる」ものであることで、実際には、おそらくほとんどすべての面で形状が違う。

どうもこのキットでは、その区別がどうもあいまい。

右写真は、新旧ボディの戦闘室上面の比較で、上が旧ボディ、下が新ボディ。旧ボディに比べ新ボディは幅が狭く、そのため左右に、砲塔の裾部保護の張り出しが設けてある。この点に関してはキットも表現しているのだが、不十分。

新ボディの場合、砲塔を12時の方向に載せても左右の裾部がボディをはみ出すのだが、キットでは戦闘室の幅とちょうど同じ程度になっている。

旧ボディでは左右に若干の余裕があり、これはキットでもそうなっているのだが、実際には、旧ボディの戦闘室上面は新ボディに比べ前後幅が大きく、しかも砲塔はギリギリ後ろに載っているため、砲塔よりも前にだいぶ余裕がある。しかもこの部分には弓形にスプラッシュガードが設けられている。キットでは写真のように、前後幅は新ボディと同一で、砲塔搭載位置も同じになっている。

F1015938F1015939●旧ボディ、新ボディの側面比較。

ディテールメモの1で書いたように、旧ボディのなかでも一部の車体(おそらく旧ボディの初期型)では、ボンネットの最前部にゆるやかに丸くなった固定部があるのだが、キットは新ボディと同一形状になった後期(たぶん)型。

戦闘室側面の形状の差、下部のシャーシ左右のヒレ部分の形状の差などはよくフォローされているようだが、細部のディテールは、基本、同一形状・同一位置になっている。しかし、実際には若干の差がある。

キットでは、ボンネット横のルーバーとその下のアクセスハッチが、後端でほぼ揃う位置に並んでいる。このキットの位置は、基本的に新ボディのもの。

旧ボディでは、ルーバー、ハッチともにもう少し後方にあり(ルーバーがボンネット側面装甲のちょうど真ん中あたり)、点検ハッチの後端は、左側面ではルーバー後端よりやや後ろ、右側面ではルーバー後端よりもやや前にあるようだ。ややこしいなあ。

なお、フェンダー取付架の形状も新旧ボディで異なるのだが、これはそもそもキットでは表現されていない。

戦闘室前面のバイザーフラップが、新旧ボディで形状も枚数も違うのはしっかりフォローされているが、どうも戦闘室前面は、旧ボディでは立ち上がり開始位置が新ボディより前にあり、傾斜がもっと寝ているような気がする(写真等でしっかり測ってはいないので、あくまで印象)。

装備品のうち、左側面の工具箱は、実際には側面の下から4分の1ほどに、フタの下端と蝶番がある。また戦闘室右後部に一体モールドさてれいるツルハシは、実際はもっと大きく、刃が装甲板をはみ出している。シャベルの位置には若干のバリエーションがあるようだが、旧ボディの場合は戦闘室右側面にあるほうが一般的ではと思う。

F1015992 ●砲塔は共通ランナーの中にあってスライド金型など使わない一発抜きだが、それでも、側面のリベットはそれなりに表現されている。

側面のバイザーフラップの下端がナナメになっているのを何とかしたい程度?

ちなみにHENK OF HOLLANDのページを見ると、この砲塔のキューポラハッチを開けられるようにした、砲塔まるごとのレジン代替パーツ(フェンダーのエッチングおよび車長フィギュア付き)が、Tank Modelsというところから出ているらしい。

F1015941_2 武装はピュトー37mm、オチキス8mmの選択。一応、組立説明では、旧ボディの方は8mm機銃、新ボディの方は37mm砲を付けるように図示されているのだが、もちろんどちらを付けても構わない。

なお、キットは機銃・砲ともに新型の丸マウントだが、旧ボディの場合、実車ではルノーFTと似た四角い旧型マウントであることが多いようなので、気になる人は要改造。

●以上、総じていろいろ頑張っているキットだと思うのだが、新旧装甲ボディの違いが中途半端なのは、特に旧ボディのインジェクションキットとしてはおそらく初であるだけに残念。もっともそれをきっちり直そうとすると、かなりの切った貼ったか、下手をするとボディのスクラッチくらいの大工作が必要になり、何のためのキットか状態になってしまう。

せっかくのシャープなキットでもあることだし、とりあえずこのキットの楽しみ方としては、各自どうしても気になる細部ディテールの修正程度に収めるのが平和なように思える。

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隼号、発進(7.5)

●昨日アップしたSokół(ソクウ)1000オートバイ製作記の余談。

F1015986bF1015985b●作っていたときから気になっていたのだが、キットの後輪フェンダーステイ(エッチングパーツ)の上側のほう(というか、前側のほう?)は、左側用パーツには中ほどに小さなポッチのモールドがあり、右側にはない(写真の黄色丸の部分)。

ちなみに写真では、左側の小ボルト頭の下(黄色枠のすぐ外側)にも、似たような茶色の模様が見えるが、これは単なるエッチング表面のシミだか錆だか。

Jadar061b このポッチが何を表しているのかだが、位置から考えて、チェーンガードに接する部分に付けられた留め具のボルト頭だと思う。参考に、Jadarのキット付属資料CDの写真から、当該箇所に印を付けて引用してみる。

●ここで問題。そもそもドライブチェーンは後輪の右側にあって、当然ながら、この留めボルトも右側のステイにしかない。ここに上げた実車写真も右側のもの。

左右逆じゃーーーん!!

もちろん、単純に私がステイの左右パーツを間違えて取り付けたわけではなく、ステイ上部の、後席スプリング取付部(各写真、黄緑丸の部分)を正しく後ろ向きにしようとすると、必然的にこうなる。

●しかしここで問題その2。

上の実車写真を見ると、ステイとチェーンガードは近接していて、ステイはチェーンガードを避けて微妙にカーブさえ付けられている。

ところがキットでは、そもそもチェーン部分の厚みが不足していたり、その一方でフレーム後端の後輪取付部に厚みがあったりして、仮組みしてみたところ、ステイとチェーンガードには大きくスキマが生じるようだ。

つまり、よっぽどの大工事(しかも目立たない)をして辻褄を合わせない限り、仮に正しく右側ステイにボルト頭が付いていたとしても、とてもではないがチェーンガードとの接続は表現できない、単なる「飾りボルト頭」にしかならないのである。なんだかもう。

●したがって、ここは

「ほっほっほ。Jadarよ、おぬしもまだまだヌルイの」

と笑ってやり過ごすことにする(笑って誤魔化している時点でこっちも同様にヌルイわけだが)。

もちろん、左側ステイにあるボルト頭(ポッチ)も削り落としたりはしない。薄くてヘナヘナのエッチングのモールドを削ろうとしてぐちゃぐちゃに曲げたりしては目も当てられない。

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隼号、発進(7)

週末模型親父さんのところの模型コンペ、「SUMICON2014」へのエントリー作、ARMO JADAR-MODELの1:35、Sokół(ソクウ)1000オートバイ+サイドカーの製作記。

今回はだいぶマジメかつ淡々と製作を進めていたつもりが、VOMAGには浮気するわ、さらに続けてTFT72のwz.34装甲車は出るわ、mirage35のクブシュは出るわで、すっかり更新が滞ってしまった(もちろん更新が滞っただけではなく。製作それ自体もサボり気味だったわけだが)。

挙句にはセータ☆さんにも「オッス!オラ、ソクウ! オラの事も忘れないでくれよな!」とからかわれる始末。むはー。

●そんなわけで、ここ最近の進捗のまとめ。

F1015905後輪フェンダーに関しては、メインフレームにがっちり取り付けてしまうと後輪+チェーンがうまく取り付けられなくなるかもしれないと作業に二の足を踏んでいたのだが、どうやら、フェンダーステイを付けてもチェーンをくぐらせることは可能らしいことがわかったので、取り付けに踏み切る。

前輪も同様だったが、このキットの場合、フェンダーステイはフェンダーを支える役にはまったく立たず、むしろそのステイ自体が自らの形状を保つ強度が足りないという始末。そこで、まずはフェンダーをフレームにしっかり接着してしまい、しかる後にステイを付けることにする。つまり、ステイでフェンダーを支えるのではなく、フェンダーでステイを支える感じ。

一応、フェンダーの前端にはメインフレームと直接繋がるフックがあるので、ここで接着する。これまでの仮組で、チェーン前端とエンジンとの位置関係がピッタリ行かず、チェーンが前に出過ぎる感じになることは判っているので、若干、フェンダーが後ろに行くよう、接続部も少し削ってみた。

写真は大きさ比較も兼ねて、VOMAGと2ショット。

F1015980 F1015958●フェンダーステイはエッチングで左右2本ずつ。メインフレーム側からは取り付け軸が出っ張っているのだが、なぜか内側に来るほうのステイには穴がなく、むしろリベット状のモールドがある。謎。しょうがないので、メインフレーム側の出っ張りは削り取る。

さらに、これまた前輪同様、スタンドとスタンド抑えも工作。フェンダーステイが一部ペラペラに薄く強度が足りないことに比べると、スタンドのパーツはコの字型断面で、厚みのある縁が全長に渡って付いているので、そこそこ丈夫。ちなみにメインフレームはスタンド取り付け部にも軸のモールドがあるのだが、若干太めでスタンドパーツ端の穴にうまく入らなかった。そんなわけでこれも切除。

なお、スタンド抑えは、キットのエッチングパーツを一度は付けてみたものの大き過ぎる感じだったので没にし、例によって他キットのエッチング枠の切れっ端から、もうちょっと小さめに新調した。上右の写真に写っているのが、元々のキットのパーツ。

取り付け終わって、念のため後輪をはめ込んでみると、フェンダーステイのフェンダー側取り付けベロが当たって、後輪がうまくはまらない。結局、ベロ部分をあとから切除。もちろんうまくベロだけ簡単に切り飛ばせるわけはなく、苦労した上にステイにも若干歪みが出た。

F1015971 ●ナンバープレート架とプレート、尾灯も取り付け。

フェンダーステイ等と違い、何かを支えるわけでも何かと何かを繋ぐわけでもない、単にそこに付いていればいいだけのパーツは気が楽。もっとも、プレート架それ自体は形状的になかなかうまく曲げられずに困ったが。

尾灯の後ろから配線を工作。先日、フェンダー折り畳み部をまたぐ配線用の溝をせっかく作ったので、肝心の尾灯に配線が繋がってないとしまらない。

もっとも、どうやらこのプレート部一式が実物よりも大きめにできているらしく、尾灯からの配線引き込み部が実車よりだいぶ上に来てしまったようだ。

F1015976●話は前後するが、キットのメインフレーム後端、多角形のプレート状になっている部分は、上半分に、長円形の穴が2段開いている(実際には、右側はその下にも丸い穴がある。左側にはないが、これは単に埋まっているだけ?)。

上が車軸を止める穴のようなのだが、その下の穴の用途がいまいちよくわからない……と思いつつ実車写真を調べてみると、どうやらこれはブレーキのリンクレバー基部を通す穴で、したがって、ブレーキディスクのある右側にだけある様子。

そんなわけで、左側の2段目の穴は埋めた。

●とにかく、どんどん「うっかりさわれない」場所ばかり増えてゆく。

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ぼんぼれ!

F1015961 ●8日金曜日。夕食後にかみさんとちびと一緒に、鎌倉・鶴岡八幡宮のぼんぼり祭を見に行く。

段葛に、地元商店街や個人の描いた小さなぼんぼり。鶴岡八幡宮の境内には、もっと大きなぼんぼりが連なっている。安野モヨコの美人画のぼんぼりが人気。うぬう。色っぽい(左の写真は写りも角度もよくないので数割ダウン)。安野モヨコの絵に萌えてしまう日が来るとは思わなかったぜ。

ダンナの庵野監督のぼんぼりには気付かなかったが、どうも後からwebで見てみると、隣に立っていたらしい。ほか、竹中直人の秀吉に扮した自画像?とか、わたせせいぞうとか……。

夕涼みのつもりで出掛けたのだが、境内はなかなかの人出で(あたりまえ?)暑かった。ミスドで休んで帰宅。

F1015951F1015954●RODEN 1:72のVOMAG mit 8.8cm Flak (Sf) (日本語で言えば、8.8cm高射砲搭載フォマーク自走砲……だいぶ勝手に縮めた)は、デッキ横のスノコを工作。

最初に書いたようにキット付属のナイロンメッシュはだいぶ目が粗く、これは流石に使う気になれなかったので、材料小物入れを漁って出てきたワーク「黒い金網」(黒染めの真鍮メッシュ)に取り替えた(今でも売ってるのかなあ)。

車体側板の前後と比べ、枠がちょっと浮き気味なのは、きちんとすり合わせをしておらず、仮にはめ込んであるだけのため。

F1015966網目はおそらく#50(なんといい加減な)。キットのメッシュとの比較は右のような感じだが、これでも実車と比べるとごく僅かに粗めのようだ。

キットのパーツの枠部分は、メッシュを貼るための掘り込みが浅く、内側はあまり奇麗な仕上げにはならなかった。もともと射撃姿勢で作ろうかと思っていたのだが、その場合は内側だけが見えることになってしまうため、現在ちょっと迷い中。

その点では、厚みのないエッチングパーツ(例えばハセガワトライパーツのエッチングメッシュなど)を使ったほうがよかったかもしれない。また、エッチングメッシュでは普通の網と違って、工作中にナナメに歪むこともないので、取り付けはもっと簡単のはず。

F1015964 ついでに、大きさ比較のために同スケールのIV号戦車(レベル)と2ショット。……でけえ! ちなみに先日組んだFTFのC2Pは余裕で中央デッキに乗ってしまう。

●余談。

このVOMAG同様、ドイツのソフトスキン・ベースの対空自走砲は、その多くが、射撃時に作業スペースを広げるため、デッキ両側が(あるいは後方も)可倒式になっている。

ここは一見、網を張ってあるように見えるが、実際には足場として強度を持たせるために、それなりの厚みをもったスノコになっている。これを模型としてきちんと表現するのはなかなか面倒。もちろんミニスケールの場合はメッシュやエッチングで充分だと思うが、1:35でそれはちょっと貧相だ。

確か、ショーモデリングの8tハーフ20mm4連装自走砲(タミヤ)用のエッチングは、複数枚重ねてある程度厚みを出すようにしていたと思うのだが、これはうろ覚え。

「紙創り」のレーザー加工の紙素材はなかなかのアイデア商品だと思うのだが、ドラゴン/サイバーホビーの8tハーフトラックの2種の対空自走砲用パーツしか出ていない(対空自走砲以外には、4輪装甲車の戦闘室上面用なども出ている)。

現在、スノコ付きのドイツ対空自走砲は8t以外にも数種(5tハーフとか1tハーフとか)出ているが、「紙創り」からは、それら用のスノコは出ていない。残念。思ったほど売れなかったのか、それとも製造コストがかかったのかも。

●9日。台風接近中。西日本や東北は大雨で大変だが、南関東は「もうすぐ降る」と言われつつもまだ全然降っていない。ただ、今日は扇風機さえ要らないほどに涼しい。

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MIRAGE HOBBY 1:35 Kubuś

F1015931 ●今日(7日)、仕事帰りに秋葉原に寄ったら、ミラージュの新製品、クブシュが入荷していた。VOLKSはミラージュを直接仕入れているので他の店より安く、2100円(税別)。今時の1:35キットの値段じゃないなあ。

待望のアイテムだったこともあり、早速購入したので、ざっと気になった点など書いてみることにする。

前回予告の、FIRST TO FIGHT 1:72のwz.34装甲車2種のレビューはまた今度。

●クブシュは、1944年夏のワルシャワ蜂起の際、蜂起軍の1部隊がありあわせの材料ででっちあげた1輌だけの装甲車(兵員輸送車)である。その製作の経緯や戦歴などは、ざっとwikipediaにも書いてあるので、そちらを参照していただきたい。また、現存する実車およびレプリカのディテール、写真資料などは、以前の記事を参照のこと。

ただひとつ触れておくと、(以前の記事でも触れたように)ベースとなった車輌には、従来説であるシボレー157説と、最近出てきたシボレー155説があり、どうやら今回のミラージュのキットはシボレー155説を採っているようだ(説明書解説文による)。

この155説というのは、ネットであれこれ見てみると、どうやらホイールベースの寸法が判断の根拠であるらしい。例えばこのページの図版等参照。

もっとも、157は通常形式のトラック、155はキャブオーバーで、見るからにトラックシャーシにありあわせの材料で装甲を被せただけのクブシュで、わざわざ面倒なハンドル位置の変更など行ったのかどうか、個人的には疑問も感じる。

また、現存するクブシュのオリジナル部分は基本、ドンガラのみで、シャーシは別物にすげ変わっているらしい。そんな状態で、「ホイールベースから考えて」という根拠が成り立つのかどうかもよくわからない。

もっとも、ミラージュの説明書には妙に詳しく製作過程等が書かれており、何か別の根拠(伝承とかメモとか写真とか)が残っていたのかもしれない。

●キットは大きく左右分割された装甲車体、操縦席前面、ボンネットハッチ、若干のスカート部などが別部品。

1:35キットとしてはだいぶプリミティブな感じはするが、シャーシとエンジン、駆動伝達系、サススプリング、操縦席などのパーツも入っている。

F1015929 装甲車体は。左右で溶接ラインが違っているのを表現していたり、頑張っている部分はあるのだが、その一方でエッジ部分の溶接ラインは表現されていなかったり、“生ぬるい”部分が多々ある。1:48のカラシュ軽爆撃機のキットあたりで見せた頑張りとこだわりはあまり見られず、総体的に言って「まあ安いキットだし、こんなもんなのかねえ」レベル。

キットがそんな調子なのに組立説明書は妙に頑張っている。A4版4ページ(つまりA3版の2つ折り)の組立説明図、A4版1枚、カラー印刷の実車解説と塗装説明図が入っているのだが、実車解説は(しっかり読み込んでいないが)改段落もなくびっしり長文だし(片面がほぼ文字で埋め尽くされている。ポーランド語、英語の対訳なので実質半ページ弱)、塗装説明の下にまた小さく5面図があるので何かと思ったら、実車の弾痕の位置が図示されていた。それだけこだわっているのに、図が小さすぎて非常に分かりづらいのがちぐはぐな感じ。

その他にも、説明図をよく読むと、「この部分は戦後に手を加えられたところで、戦時中は付いていない」とか、解説が細かい。それだけ、キットそのものもこだわってくれればねえ……。

F1015921 ●おそらくこのキットで最大の「情けないポイント」がタイヤ。なんと、wz.34装甲車キットとまったく同じものが入っている。

wz.34装甲車のキットは、初版のセルティ版ではこれとは違うゴムタイヤが入っていて、このタイヤはその後ミラージュ版になってからか、あるいはその途中のAGA版かアンコール版で変わったものだが、パターンもゴムタイヤから格段の向上があるわけではなく、ご覧のように1:35としてはお粗末。

またそもそも、クブシュ(というか、シボレーのトラック)と、もっとずっと小ぶりなwz.34装甲車が同サイズのタイヤを使っていたのかどうか。しかもミラージュのwz.34のキットは、実際には1:35よりも一回りスケールが小さい。

ちなみに、どれだけ正確かどうかはわからないが、Jan Tarczyński, "Pojazdy ARMII KRAJOWEJ w Powstaniu Warszawskim"(書名は「ワルシャワ蜂起における国内軍の車輌」というような意味。wkł, Warszawa 1994)に出ている簡単な4面図をキットの大きさに拡大した場合、タイヤ直径はキットより3mm強も大きくなった。

TOKO/RODENのGAZトラックのタイヤをホイールごと流用しようか検討中。

追記:

シボレー155もしくはシボレー157のタイヤサイズを探していて、以下のページに行き当たった。

oldtimery.com -- "Polski" Chevrolet 157

記事内容は、戦前のポーランドで、シボレー157が大量にノックダウン生産だかライセンス生産だかされた経緯が書かれたもの。とりあえずこの記事では従来説に則り、クブシュは157ベースで製作されたものと紹介されている。

さて、この記事の末尾に諸元の表が出ていて、もちろんポーランド語なのでよくわからないのだが、このなかの以下の項がどうもアヤシイと、文章を手打ちして、自動翻訳に掛けてみた。

koła/ogumienie : tarcze stalowe 20x5" (przód pojedyncze, tył bliźniacze), Ogumienie rozmiar 650x20

ホイール/タイヤ:スチールディスク20x5(フロントシングル、ツインリア)、タイヤサイズ650x20

あたり!

さて、この古いタイヤサイズの表示法がよく判らないのだが、別途調べると、GAZ-AAのタイヤは「6.50-20 inches」とある。どうやら同サイズと考えてよさそうだ(もとは同じアメリカの旧式トラックだし)。一応、155と157が同一サイズのタイヤを履いているという前提ではあるが、GAZのタイヤの流用でなんとかなりそう。ホイールも5つ穴で都合が良い。

●なにしろ実車がポリゴンで作ったCGのように多数の面の組み合わせで構成されているので、各面の向きだの大きさだの辺の構成する角度だの、細かい狂いはあれこれ生じている模様。

また、特に側面部分の大きな平面は1枚板の装甲板は調達できず、左右とも何枚かを接ぎ合わせて製作されているが、その溶接ラインにも、キットと実車では多少のズレがある。また、前述のように各エッジに入っているはずの溶接線は、キットではほとんど省略されているので、それは各自お好みで追加すべし。

F1015926b ▼まず右側面。

後ろの縦線は、本来、銃眼の後辺と接している。銃眼がもっと後ろにあるか、縦線が前にあるかのどちらか。

その前の面(中央の面)は、キットでは後ろ側の面よりも広いが、実車ではむしろ狭く、しかも下へ行くほどすぼまっている形状。前側の溶接線を後ろに下げ、ちょっとナナメにするとよい具合になりそう。

その前の面の上部に入る横方向の溶接線の位置はだいたい合っているが、心持ち下げるくらいがいいかも。その前の助手席横の面の最上部は三角に別材を足してあり、溶接線がある。

なお、車体横の銃眼と、助手席横のスリットは、キットではスリットのほうがやや下だが、実車では逆にスリットのほうがやや上(銃眼の上のラインと同じくらいのレベル?)。

F1015927b ▼左側面。

車体後部左右の三角面に斜めに入る溶接線は、キットでは左右が同じレベルにあるが、実際には左の線はもっと下にある。

側面の溶接ラインはおおむね正しい位置にあると思うが、助手席横の面に細かく入る溶接線が省略されている。

また、助手席横のクラッペ風に付いているスリット(溶接されているので開閉しない)は、キットでは板の上下辺と平行にスリットが入っているが、実車は斜めになっている。

クラッペ風に貼ってある小さな板材の後方に細かく2本入っている溶接線は、装甲板に直接開けたスリットの位置が悪くて埋めた痕か?

F1015917b ▼戦闘室前面。

ここだけの話ではないが装甲板の接ぎ合わせ工作は荒っぽく、現物合わせで適当にやっているらしい。前面最上部の左右の接ぎ合わせはきっちり合っておらず、別材でスキマを埋めているらしく、溶接線がV字に入っている。

また、助手席前の銃眼は、最初に穴を開けた位置がよくなかったらしく、一度ふさいでもっと右に開けなおしている。そのため、今ある銃眼のちょっと横に、埋めた痕がある。

F1015918 ▼ラジエーターグリル。

車体最前部のグリルは、ミニスケールキットか?と思うような階段状パーツ。

ここはまた、実車ではいかにもクブシュらしいところでもあり、このグリルの1枚1枚が微妙に長さや角度にズレがある。ちなみに、ワルシャワ蜂起博物館にあるレプリカのほうは、この部分が奇麗に揃って工作されている。

●塗料はファレホ推奨だそうで、まあそれはいいのだが、色指定が商品番号とは違う、たぶん色調を示す番号の下3桁で書かれていて、どうもサッパリわからない。

一応、主な色だけ対応表で調べてみた。

車外・迷彩色(淡色グレー)/指定番号870:ミディアムシーグレイ、FS36270相当

車外・迷彩色(濃色グレー)/869:グレイバイオレット(RLM75)、FS36132、36152相当

ホイール/895:ダークグリーン(RAF用、またはRLM71、RLM81)、FS34079、34097相当

車内(おそらく防錆塗料)/982:ダルレッド、FS30076、30109相当

シャーシ/861:黒

ただし、キットの指定でも、多くの塗装図でも、現在のレストア実車およびレプリカでも、明細塗装は明色の上に暗色の吹き付けになっているが、どうも戦時中の実車写真を見ると、暗色の上に明色を吹き付けている可能性があるように見える。

ちなみにキットの塗装図は、明色と暗色の配置それ自体は、だいぶ頑張って再現しているように思う。

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●連日激しく暑い。

最近あちこちで言われていることではあるが、こんな季節に東京でオリンピックなんかやっちゃいかんよ。少なくとも屋外競技だけでも、別のもっと涼しい土地でやるべきではないのか。

●3日日曜日。自室は現在冷房が効かないので、暑さに耐えかねて、午後、散歩に出掛ける。

F1015854最も暑い時間帯に外に出るのも愚かしいのは確かだが、外のほうが風は当たるし、山の中を歩いている分には直射日光も当たらない。

名越の山道を歩いて、ハイランドからバスで鎌倉駅前へ。ミスドでしばらく読書。

夕方、浜まで出て、材木座海岸を歩き、マリーナを回って帰宅。この季節には珍しく、富士山が奇麗に見えた。手前は和賀江島(鎌倉時代の船着場跡)、中景は稲村ヶ崎と江ノ島(左)。

F1015862 ●散歩途中に見かけたポスター。鎌倉国宝館における、毎年夏恒例の企画展。

その名前にも関わらず国宝をひとつも所蔵していないことは、設立と命名の経緯からして「まあ仕方ないね」で済むレベルだが、「ミホトケをヒモトケ」というキャッチコピーを毎年使い続けるのは、ちょっとどうかと思う。そしてこれまた毎年恒例だが、ポスターの仏像にフキダシを付けて喋らせるのもトホホ感が漂う(などと言いつつ、だんだん慣れてきて、それでもいいような気がしてきたのは内緒だ)。

(追記。上記「国宝をひとつも所蔵していない」は私の誤解で、以前の企画展の出品物に国宝が含まれていなかっただけ。国宝館の収蔵品にはしっかり国宝が含まれている。鎌倉国宝館さんごめんなさい)

もっとも企画展の内容自体はよく、その寺院自体では見られない仏像を間近で見られるのはよい。忘れないうちに行くようにしたい(去年は結局行きそびれた気がする)。

F1015912F1015913●4日月曜日。打ち合わせで神保町の事務所に出掛ける。

午前中、家を出てバス停に向かう途中、ナミルリモンハナバチがいたので、ついついバスに乗り遅れる。

だってルリモンハナバチだよ! 乗り遅れるでしょう、普通!(←そうか?)

というわけで、毎年恒例の、神保町での季節労働始まる。

夜、神保町事務所メンバーと暑気払いと称する飲み会。九段下おかってや。大船在住のC社長とともに帰宅の途につくが、東京駅で湘南ライナーの時間がギリギリで、C社長がライナー券を1枚買ったところで時間切れ。「じゃあオレは横須賀線で帰りますんで」とC社長と別れたが、翌日聞いたところ、小田原まで乗り越したそうだ。

●5日火曜日、また神保町の事務所。夕方、川崎の実家に行く。母に「エアコンの調子を確かめに来て欲しい」と言われていたため。行き掛けに溝の口で途中下車、イシハラに寄って、ハセガワ72「ドイツ歩兵 アタックグループ」を買う。実家に一泊。

●6日水曜日。横浜高島屋でやっている「円谷英二 特撮の軌跡展」を見に行く。娘にチケットを貰ったため。内容的にはちょっと微妙。

ヨドバシカメラに寄ったら、FIRST TO FIGHT、Wrzesień 1939シリーズのwz.34装甲車2種が入荷しており、ついふらふらと購入。レビューはまた改めて。

同じくヨドバシのマンガコーナーで「あさひなぐ」(こざき亜衣)第12巻を買う。

F1015908 ●RODEN72のVOMAGは、現状こんな感じ。

ボンネット横の取っ手を0.3mmの真鍮線で作り替え。作り替えること自体よりも、ルーバーの合間にあるモールドを削るほうが厄介だった。

ボンネットフードは、前面のグリルにかぶさる部分が狭すぎるようだったうえ、エッジもダルかったので若干削って、0.3mm板でかぶさる部分を改めて作った。あとはドア部分のヒケを埋めた程度。車輪の向きがガタガタなのは仮に差し込んであるだけのため。

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