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2014年7月

シャシリク

F1015748 ●暑さを写真で表してみる(→)。

……生きてるんだか死んでるんだかわからん。

●近所の知人から肉を頂く。

何やら、知り合いを呼んでバーベキューパーティーをしたとのことなのだが、その際に、ロシア人がバーベキュー用にタレに漬け込んだ肉を大量に持ってきて余ったのだとか。

ロシア、タレに漬け込んだ焼肉、といえば、シャシリクである。もともとがカフカス~中央アジアのケバブの一種で、発祥地では羊肉が主流のはずだが、ロシアでは鶏でも牛でも豚でも何でもありだそうで、頂いたのは豚肉だった(その昔、エストニアのタリンの屋台で食ったのは牛だったような気がする)。

wikipediaには、タレの材料として酢やワイン、オリーブオイルに野菜、香辛料とあるが、頂いたものはヨーグルトがたっぷり入れてある様子。

そんなわけで、火曜日夕、炭火を熾して金串に刺したシャシリクを焼く。柔らかい。ちょっと塩気が足りない感じだったが、これはそもそも食べるときに振る前提?

かみさんはちょっと微妙だと言っていたが、充分に美味かったと思う。

●「フォマークのでっかいアレ」(結局覚えていない)の載っているヴァッフェン・レビューを発見。普通に部屋の本棚に立ててあった(前回、最初に「ヴァッフェン・アルゼナル」と書いてしまったのだが、これは別物。hideさんに言われてようやく気付いた)。

ヴァッフェン・レビュー(WAFFEN REVUE)はドイツの軍事(兵器)雑誌。版型は小さく(A5版)装丁も地味で、中身もその通り地味。全モノクロでレイアウトに気を使ったところはほとんどなく、文章が多く(しかも全ドイツ語)、その合間合間に写真や図版が入っている。学術的なナントカ協会の機関誌・広報誌ですら広告を載せている日本では考えづらいことだが、広告は自社広告が数ページ入っているだけ。何で採算を取っていたんだろう……って、たぶん定期購読なんだろうなあ。

扱うネタは主に、古今ドイツ軍が使ってきた兵器ということのようで、鹵獲兵器もあり。基本は小火器から(AFV含む)地上兵器のようだが、なかには航空機用機銃やUボート用ブンカーなどの記事もあった。時折、ドイツ以外の兵器も混じるようで、No.82には日本の一〇〇式機関短銃の記事もあった。(私は持っていないが)ゲパルト対空戦車が表紙の号もあるので、現用ネタもあり。

とにかくスパルタンな雑誌なのだが、人気だの時流だのとまったく無縁な分、時折「なんだこりゃあ」なネタが出ていることがあった。昔は今のように1ネタでまとまっている資料が少なかったから、相対的にこういう雑誌の存在価値は高かった。そんなこんなで、我が家にも6冊ある。

No.17、18はおそらくI号戦車の内部が出ていたので持っているのだと思う。No.71、75はフォマークが出ている号。No.81、82はなぜ持っているのか、改めてペラペラめくってもよく判らない(この2つの号にはボフォース40mmの記事が出ているのだが、昔はそれほどボフォース萌えではなかったと思うので、それが理由で買ったのではない気が)。

なお、ヴァッフェン・レビューという雑誌それ自体は、2001年、新世紀を迎えたところで力尽き、123号で休刊(廃刊)になってしまった。世知辛い世の中である。

F1015757 ●ヴァッフェン・レビューには、フォマークの自走砲は、No.71(1988年第4四半期発行)には「Die 8,8-cm-Flak (mot) auf Sonder-Kfz "Vomag"」、No.75(1989年第4四半期発行)には「Die 8,8-cm-Flak auf "Vomag"-Fahrgestell」のタイトルで記事が掲載されている。なんで号によって名前が変わるんじゃ。

ちなみにNo.71が連載の(たぶん)第1回で、No.75は第3回。間を持っていないのは、その号の在庫がなかったのか、それとも(前述のようにドイツ語の文章主体の雑誌のため、どうせ読めないので)目ぼしい写真がそれほど載っていなかったので買うのをやめたのか、どちらかだと思う。

前回は「今となっては掘り出すのも面倒」と書いたのだが、あたらめてめくってみると、先に紹介したサイトにも出ていない写真がちらほら掲載されていて、掘り出してきてよかった。いやまあ、72クラスの模型にどれだけ活かせるかは別として。

写真をつらつら眺めていて気付いたこと。

このフォマークの重自走砲にはバリエーションとして、88mmFlakの代わりに中央デッキに測距儀を搭載した指揮管制車輌があるのだが、この車輌、積んでいるものだけが違うのかと思ったら、車体もいろいろ違っていた(それ自体は、先のページの写真からも判るが、見落としていた)。

まず、左右のスノコは、測距車では前後とも垂直。後部車体も違い、Flak車のように後ろ下がりになっておらず、上面も大きく開いていて、もしかしたら兵員輸送席になっているのかも。

F1015753 ●で、問題のRODENの「Selbsttahrlafette auf Fahrgestell VOMAG 7 or 660 mit 8.8cm Flak」(長ぇーよ)は、様子見的に組んでみようとかいろいろ自分に言い訳しつつ、こんな感じ。バイク作らなきゃいけないのに!

前回書いたように、ディテールがどうの正確さがどうのという以前に、キットとしてこなれていないところが多々あり、例えば

▼ダボとダボ穴が合わない。ダボに比べダボ穴が大きくガタガタだったり、その逆だったり。あるいはダボ穴の深さに比べダボが長く、そのまま付けようとすると部品が浮き上がったり。

▼現時点で車輪は仮組みで差し込んであるだけなのだが、実際には、車輪側のダボ穴に比べ車軸が細い上に突き出しが短く、キットのままではポロポロ落ちてしまって仮組み不可能。作例では、車輪と車軸双方に0.8mmドリルで穴を開け、エバーグリーンの0.75mmプラ棒を差し込んである。このように仮組み可能なように余計な手間を掛けるか、あるいは思い切って早めに接着してしまわないと、6輪接地の確認ができない(しかも後2輪のサスやデフの部品は、位置決めに関しまったくアテにならない)。

F1015754 ▼前回も述べたように、押し出しピン痕が部品表面に出ていることがある。シャーシ最前部のジャッキ基部フレームは、凹形にくぼんだ中に深めに押し出しピン痕があり、非常に埋めづらい。しょうがないのでモールドごと削ってしまい、後から枠部を作り直した。

●PCに、Genie Timelineというソフトが入っていて、これはPC内のデータの履歴とバックアップを逐一取ってくれるというもの。実は今使っている外付けHDDに付いてきたもので、深く考えずにそのままインストールしてしまったのだが、HDDの容量がだんだんきつくなってきたし、そもそもデータのバックアップを、作業データの大部分が入っているHDDに一緒に入れていても意味がないので、思い切ってアンインストール。HDD内の同ソフトのデータも処分する。

……HDDの空き領域が、一気に(全体の)4割くらい増えた!(ががーん)

●ここ数年、春から秋まで、(外来蝶の)アカボシゴマダラを頻繁に目にしていたのに、今年は、春に鎌倉で幼虫を見かけたきりで、成虫を全然見掛けない。

神奈川を中心にみるみる勢力を伸ばしたアカボシゴマダラだが、ここへ来て、ウェルズの火星人のように、(アカボシゴマダラにとって)未知の風土病とか天敵とかに襲われるようになり、その侵攻にストップがかかったのか?

……と思ったら、2日ほど前、我が家の前のエノキの幼木に産卵に来ていた。

もっとも、この時季でようやくこの年初めての1匹というのはやはり少ない。たまたま? それとも本当に何かある?

F1015726 ●その他の虫事情。

27日日曜日夜、階下から大声で呼ばれた。トイレにムカデ(トビズムカデ)出現。家に侵入してきた個体としては、久々の10cmクラスの大物。捕獲して家の外で処分。

翌28日月曜日夜。今度はゴキブリで呼ばれる。捕獲して中性洗剤の刑。

……いや、見つけた人が何とかしてくださいよもう。

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RODEN 1:72 8.8cm Flak搭載 VOMAG 7 OR 660

F1015746●土曜日に秋葉原に行った折に買った、RODENのミニスケール新キットのレビュー。

とにかく車種の個性が強すぎて、これまでも「VOMAGの88積んだやつ」とか「88積んだVOMAGのデカいの」とかしか呼んで来なかったので、制式名称がよく判らないのだが、とりあえずキット名称では

Selbsttahrlafette auf Fahrgestell VOMAG 7 or 660 mit 8.8cm Flak

ということになっている。Selbsttahrlafette auf Fahrgestellは自走車台とか自走砲車台とか、まあそんなような意味だったと思うので、和訳すると、

8.8cm対空砲搭載 VOMAG 7 OR 660 自走砲

ということになるかと思う。「VOMAG 7 OR 660」はメーカー名と車台形式名で、VOMAGは「Vogtländische Maschinenfabrik AG(フォークトラント機械製作所株式会社)」の略であるそうな。ハノマーク(ハノーファー機械工業株式会社:Hannoversche Maschinenbau AG)とかと同系の略称。次の7は、どうやら7トンクラスのペイロードを持つということらしい。その後はよーわからん。

1940年に発注、1941年に製作され、全車が第42対空連隊の第1大隊に配属されて大戦終盤まで使われたらしい。ドイツ軍ソフトスキンのお助け/お役立ちサイト、「Kfz. der Wehrmacht」には、生産台数は21~24輌とある。

ちなみに「フォーマク」と読んだら青木氏に笑われた。確かに「ハノマーク」「デマーク」と読むなら「フォマーク」と読むのが自然だ。

なお、あちこち見ると、「VOMAG 88Flak ヴァッフェントレーガー(Waffenträger)」なんて書き方をしているところもある。

この車輌を知ったのは、昔々のヴァッフェン・レビューでの数回の連載が最初で(今となっては掘り出すのも面倒)、そのインパクトの強さにそれ以来気になっていた。以前は、エアプレス(シュミット)の1:35バキュームフォーム・キットを持っていたこともある(いや、今も探せばどこかに残骸があるはず)。

●相変わらず箱絵は無闇に格好いい。

中身もこれくらいビシッとしてりゃあなあ、というのが正直な感想で……いやもう、それで言い尽くしてしまっているような気もするのだけれど、折角なのでもう少し。

F1015745 箱を開けると、中身はご覧のような感じ。

確かに箱は72にしては大きく、タミヤの1:35 II号戦車程度あるのだが、ドンガラが大きいだけでなく、精密さが表に出るソフトスキン、しかもむき出しの自走砲という三位一体なので、実際には箱を開けるまで、そこそこギッシリとパーツが詰まっているのではと想像していた。ちょっと拍子抜け。

プラパーツの枝は(ろくでもない写真ばかりで申し訳ないが)、

F1015744 F1015743 F1015731

  • シャーシ関係(Bパーツ):写真1枚目右
  • 上部車体(Cパーツ):写真1枚目左
  • 足回り(Gパーツ)と備品(Eバーツ):写真2枚目/枝が連結、各2枚
  • 88mm砲(Aパーツ):写真3枚目

という構成。

ディテールは、車体関係主要パーツではおおよそシャープだが、ダルな部分も多い。また、細かな押し出しピン痕が各所にあり、ところによってはそれがパーツ表面にあるので、目立つところは直したい。部品の合わせも、場所によっては削り合わせが必要になる。仮組みは必須といえそう。

プラの質は柔らかめで、私の買ったキットの場合、シャーシフレーム、車体後部上面板などが若干反っていた。ただし、指でグニグニと反対側に曲げ癖を付けるようにしたら直った。

後述するが、説明書での組立図示が曖昧な部分がある。

総じて、「好きなら止めないけれど、手放しで『いいキットだ!』とは言えない」レベル。

ところでRODENは今問題のウクライナの企業なのだが、企業HPを見ても、ウクライナのどこにあるのかよく判らない。しかしこうして新製品が滞りなく出るところをみると、(クリミアからキエフに移転した)Miniartほどの苦労はしなくて済んでいるようだ。

▼上部車体

F1015738F1015739 この車輌の特徴で魅力でもあるのが、フロントグリルに入ったメーカーロゴだが、それはこんな感じ。

ここまで拡大すると、ちょっとエッジのダルさが見えてしまうが、実際の大きさからすれば、メリハリも効いていて充分な出来ではないかと思う。

ボンネットサイドのルーバーもなかなかシャープで好感が持てる。

側面の乗降ドア、後部サイドの弾薬庫ドアはボディとはツライチではなく段差表現。実車は、遠目にはツライチのように見えるが、実際には僅かに段があるようだ。後面ドアはなぜか筋彫りのツライチ表現。実車はどうだかよくわからないが、側面と別の仕上げになっていることはないのでは……。いずれにせよ、そう目立つものでもない。

F1015734 なお、前方キャビンの乗降ドアは、内側のモールドのせいで下部に軽くヒケが出ていた。

もうちょっと問題は、後部ボディの各面パーツの継ぎ方。パーツは側・後面パーツに上面パーツかかぶさる形式になっていて、そのため側・後面に継ぎ目が出る。実車はここに目立った継ぎ目はないので消したいが、問題は継ぎ目が側面・後面の弾薬庫扉に近接していること。これは消しづらい。また、実車では扉の上辺は、もっと面の上端に接近している。キットで言えば、上面板の厚み分くらい間が開きすぎな感じ。

高射砲の載る中央デッキは、なんとなく梨地になっているだけで、滑り止めパターンやパネルラインのようなものはなし。もっともこのへんは資料も(少なくとも私のもとには)ない。

F1015732 デッキ左右は、ドイツの対空自走砲お得意の外側に開いて操作スペースを拡大するスノコ。

ここ最近の趨勢からすれば、エッチングパーツがセットされていても何の不思議もないところで、実際、私もちょっと箱の中を探してしまったのだが、実はエッチングは無し。代わりに硬質のナイロンメッシュが入っている。ただしメッシュの目はちょっと粗過ぎで、もう少し細かいメッシュもしくはエッチングメッシュに変えたい気がする。

(順番が行ったり来たりだが)キャビンは、各種レバーのほか、クラッチ、ブレーキペダルが別部品。少なくともペダルに関しては、なんだか頑なに床に申し訳程度のモールドを付けるだけのことが多いタミヤ35よりマシ(笑)。1つだけ形が違うからか、アクセルベダルは床にモールド。

フロントウィンドウは、透明シートに輪郭が印刷されたパーツが入っていて、それを切り出して枠に貼るシステム……というのはいいとして、そのウィンドウ枠自体が、片面はペッタンコ、もう片面はエッジがダルダル。ワイパーもワイパー用モーターのモールドもない。

▼シャーシ

F1015724 72といってもモノが怪物級なだけに、シャーシ長は15cmを超える。……と思ったら、最後部の1枠分は切り詰めるよう、説明書に指示があった。

こんな特殊な車輌にバリエーションキットの計画が?

測距管制機器搭載の随伴車なら、88搭載車とまったく同じ車体だから、わざわざ長いシャーシが必要になるわけがない。さらにあれこれ調べてみたら、こんな車輌があるのが判った。自走砲と同じ VOMAG 7 OR 660 の Omnibus。Kfz. der Wehrmachtによれば、50両以上(つまり自走砲の倍以上)生産されているらしい。

今までの傾向で見ても、RODENは妙に“オムニバス好き”なところがあるので、たぶんこれだと思う。

閑話休題。

シャーシはエンジンも付き、エンジンはそれなりに細部部品も付く(それにしてもエンジンが大きく、第一次大戦機程度はある)。もっともボンネットを開け放って整備中、みたいなことにでもしない限り見せ場はない。

シャーシ周りは上部車体に比べ細かい部品が多いということもあるが、部品のシャープネスも合いもいまいち。例えばタイヤは内外2分割だが、設計のミスか、そのままでは中心にスキマが開いてしまう。部品内側中央部のでっぱりが干渉しているようなので削り込み、また外周のはめ合わせも内側のベロを低くして、ようやく合った。

デフケース部品4G-9Gも、そのまま付けると中心がずれる。

また、シャーシフレームの横材24Bは、説明書では取り付け穴の場所に付けるよう図示されているが、この取り付け穴はリーフスプリングのもの。実際には、24Bは、STEP 12, 13の絵にあるように、フレームの出っ張りに合わせて付けるようになっている。

シャーシを組み始めたばかりでこの有様なので、この後もあれこれトラップがありそう。要注意。

フェンダーのプレスのリブは、前方でカスレ気味、後方はリブどころかフィンになりかけくらい立ち上がっている。

なんだか全体的に、“推敲していない文章”みたいな感じ。設計して、金型を彫って、まるでチェックしなかったということはないだろうが、おざなりに済ませたのではと思わせる。

▼88mmFlak

残された写真を見ても、搭載されたハチハチの砲身は2ピース型なのだが、Kfz. der Wehrmachtには、この車輌の英名を「VOMAG 7 OR 660 with 8.8cm Flak 18 (Sf.)」と書いている。

18型じゃなくて36型なのでは、と思ったのだが、キットの説明書の解説を見ると、「36型の砲身を付けた18型を搭載」と書いてあった。なるほど!

というのはいいとしてキットに戻ると、先に載せた写真にあるように、88mm砲1門を小ぶりなランナー1枠で済ませているのはちょっと寂しい。んー。でも砲架(架台)もトレーラーもなければ、72ならこんなものなのか。

F1015730 それよりも気になるのは、車体関係の他の枠に比べてモールドのダルさがアップしている感じであること。例えば閉鎖機部分を見ても、表現はだいぶお粗末なうえ、エッジも出ていない。しかもヒケ付き。ううう。

平衡器は大胆な部品設計で、2本まとめて砲架前面と一体パーツ。ランナーの面から垂直に2本突き出ている分割で、おかげで、箱の中で余計な力が掛かって部品がよじれていた。

砲身は、特に先端部がどうも太すぎる気がする。

ランナーの端、砲身の隣は、ちょうど砲身のひと枠と同じだけ開いており、どうも別形式の(例えば18型の)砲身が入るような感じ。将来的に、88mmFlak18、もしくはそれを搭載する何か別の自走砲を発売する計画がありそう。

デカールと塗装

実車が配属された第42対空連隊(あるいはその第1大隊)のマーク、白・黄・赤の3色と(中隊で色違いか?)、車輌番号のナンバープレート2種。番号は「WL-19574」と、「WL-19492」。実車がそうなので当然だが、極めてシンプル。

塗装指定は3種で、戦争中盤までのパンツァーグラウのもの2種と、終戦間際の「光と影」迷彩のもの。

ちなみに、下記サイトにも、終戦時に破壊・放棄されたと思しきこの車輌の写真があるのだが、それに写っている車輌のサイドは、単純にゲルプ地にブラウン、グリュンの小さいブチを散らしてあるようにしか見えない。

●資料写真に関しては、例えば以下。

Photo Collection – 8.8 cm Flak(Sfl) auf VOMAG LKW

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概念からして違う

●週末、和歌山方面からワンフェスのために“腹丁”青木氏が来るというので、26日土曜日、先日買ってもらったKV本の代金を払いがてら、久しぶりに尊顔を拝しに都心まで出掛ける。

待ち合わせは新装開店成ったラジオ会館のYSだが、もともと、15時に待ち合わせだったはずが、飛行機か欠航で振替便になったとか、結局、待ち合わせは18時過ぎに。

まあ、折角なのでちょっと早めに秋葉原に行き、bookoffに行ったり、先日柳瀬ばお氏に教えてもらったまんだらけの中古模型コーナーを覗いたり。どういうスケジュールになっているのかよくわからないが、ラジオ会館が復活しても、駅北側の仮店舗プレハブVOLKSも今まで通り営業していた。

bookoffで、HERO「浅尾さんと倉田くん」7、8巻を買う。

8巻はほぼ出たばかりだからいいとして、7巻は少なくとも冒頭を読んだ覚えがある。「これ、持ってたかなあ」と以前にもbookoffでちょっと立ち読みしたような気もするので、その記憶だけならいいが、またダブっていたらいやだなあ。

●うちのチビ(5歳児)は趣味がどうもよくわからないのだが、海洋堂のリアル野菜ストラップ(ベジコレ)を以前から欲しがっている。しばらく前に、横浜ヨドバシカメラのガシャポンコーナーで見かけ、その時は別のものを買って、これは買わなかったらしいのだが、その時以来、ずっと気になっているらしい(その後、ヨドバシで見てみたら、もうなくなっていた)。

……というのを思い出し、新生ラジ館の海洋堂ホビーロビーに行く。ガシャポンが並んでいる中に一基だけあり、かみさん経由で「これ?」とメールで確認した上で引いてみる。

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……キャベツ。

なんだかいきなりごろんと、面白みのないのが出たなあ、と思ったのだが、メールで報告したら、「それが欲しかった!」という返事が来た。改めて、うちの5歳児の好み、よくわからん。

とにかく、欲しかったのが出たならそれでいいな、とメールをしたら、今度は直接、「もういっこほしい!」と息せき切って電話が掛かってきた。

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……にんじん。

今日になって(昨晩は帰宅時にはもう寝ていたので)、ひどく嬉しそうに「ありがとう」と言われた。まあ、喜んでもらえて何よりだ。

●ラジオ会館で、偶然、邦人氏とセータ☆氏に会う。セータ☆氏に、

「もう今月の初めに、MIRAGEのクブシュが発売になって、ヤダルにパーツ写真とかも出てたんで、そっちのブログにコメントで書き込んだのに、何かスパム扱いされてはじかれた。けっ。もういいよ! けっけっ!」

と激しく弾劾される。いやどうもすんません。あんまりスパム庫も覗いてないので見落としてました。今さらですが復活しておきました。

ちなみに、コメント内にURLを書込んでも、弾かれるときと弾かれないときがあるようなのだが、どうも、文章に比してURLの分量があると「弾かれる度」が上がるらしい。

ってことで、「コメントが弾かれたー」という場合には、「今書き込んだコメントが弾かれたから復活しておいてくれぃ」などと、もう一つ別コメントを残しておいて頂けると有り難く。>皆様

●そのセータ☆氏のコメントで紹介してもらった、JADARのページがこちら。パーツ写真も出ていて、ますます楽しみ。

まあ、実車が実車なので、と言えばそれまでだが、簡単な部品構成。タイヤはおそらく、wz.34装甲車などと同じゴムっぽいポリ製だと思うのだが、wz.34のタイヤのトレッドパターンは非常にお粗末だったので、ちょっと心配。

簡単だがシャーシフレーム、エンジンも付いているようで……hideさん、本当にシボレー作るんですか(笑)。

ちなみに実車はありあわせの鋼板をおそらく現物合わせで切った貼ったしており、左右で溶接ラインがずれていたり、長さもちぐはぐだったり、要するに

「下手なモデラーが作ったフルスクラッチ」

的な仕上がりになっている。近年作られたクブシュのレプリカ(ワルシャワ蜂起博物館:Muzeum Powstania Warszawskiegoにあるほう)は、さすがにその作りの粗さまでは再現しておらず、各所の弾痕がないとか以前に、前面のルーバーの長さは揃っているし、溶接痕は丁寧だし、全体的に小奇麗になっている。

さて、キットは単純に図面的に面を組み合わせてあるだけなのか、それとも多少はこの「粗さ」も表現されているのか、なかなか楽しみ。

●そんなこんなで時間も過ぎて、ようやく青木氏登場。またひときわ膨らんでいた。

もっとも本人は(少なくとも最近は)それほど変化はないと強弁。

会う人ごとに「また肥った、また肥った」と言われるそうで、そう皆が言うなら確かだろうと思うのだが、本人曰く、一週間前に会った人からさえ「また肥った」と言われたとか。さすがにそれは納得できない由。

(青木氏曰く)さまざま考え合わせると、青木氏自身は変わらなくとも、他人の目にはどんどん肥っていくように見える仕組みになっている――つまり、皆の頭の中の概念としての青木氏は(どういうわけか)常に痩せ続けているのだそうで、その結果、会う度に概念上の青木氏よりも実物の青木氏が必ず肥って見えるのだとのこと。

んなわけあるかい!

赤色巨星じゃないんだからもうちょっと何とかせれ。

●夕食は青木氏が「上京の際には必ず行く」というデリーでカレー。私はデリーから暖簾分けの店には行ったことがあるが、本家は初めて。最も辛いカシミールカレーを食す。食後、辛さで頭がちょっとぼーっとする感覚が心地よいね、などと話す。

青木氏が御徒町に宿を取っていたので、そちら方面にブラブラ歩いて、適当に客引きのお兄ちゃんに促されるままに、鶏肉の店に入って、鶏刺しなどつつきながら酒を飲む。

氏が中国四国AFVの会に行った話を聞いたり、軽くT-34ほかの考証の話をしたり。

中国四国AFVの会は高知で開催されたのだそうで、

「まあ、せっかく行ったので、はりまや橋を何往復か渡ってきました」

だそうだ。……何の意味が?

「で、例のトカゲはいたかね」

「いませんでしたなア。高知の人にその話をしたらポカンとした顔されましたワ」

そりゃまあそうだわな。

氏が言うには、最近、例の「フォルモチカ」砲塔の内部写真が出回ったのだそうで、それには、砲塔前面の砲の取付部の穴のところで装甲断面が写っており、それによって、

「普通の鋳造砲塔よりも装甲が薄い(ので、鍛造で作ることが可能だった)」

説は完全に否定された由。要するに、それだけの厚みの鋼板を鍛造で成型できる“すぺしゃる・ふぉーじ・ましーん”が、確実に当時のソ連にあったわけだ。さすが力技の国だなあ。

ほか、SU-152とISU-152の防盾の話とか、「ハラショーT-34」では結局何輌のT-34系列を完成させたのかとか、ドラゴンのSTZの話とか、あれこれ、あれこれ。

●YSで、出たばかりのRODEN 1:72 「8.8cm対空砲搭載VOMAG重トラック」(名称適当)のキットを買ったのだが、レビューは改めて。

●FIRST TO FIGHT 1:72のwz.34装甲車が入荷していたら欲しいなあ、と思っているのだが、今のところどこでも見かけず。

なお、HENK OF HOLLANDのFIRST TO FIGHTのページを見ると、(先日見たときにはII号D型が最新キットだった気がするのだが)、ルノーFTやIII号戦車E型なども加わっている。

とにかく、あらゆるスケールを通して、大戦モノのAFVキットといえば大戦中盤以降がメインになるのだが、ここは堂々と「1939年だけ!」という縛りでキットを出しているので、アイテムの選択が私の好みドンピシャリ……で困る(笑)。

●ちなみにFIRST TO FIGHTのルノーFTは、現時点でキットナンバー13として出ている(らしい)のは八角砲塔の初期型。しかしすでに丸砲塔型も用意されているらしく、その素組み見本も出ている。

車体は側・上面が一体成型で、前面ハッチも閉状態で一体。変なところで無理をするより、このキットはそれでよいと思う。車体底板と尾橇が一体なのはアイデアだなあ、と思う。車体四隅のシャックルも一体で、キットの性格として「ブロックごとに一体、ロコ組み、スタイル重視」なので、これはこれで潔い。それでいて、リベットの大きさを場所で変えてあったりするのが芸が細かい。

同じスケールでも、RPM72のキットとはまったく対極にある。RPM72は、1:35の後に出たキットで、おおよそ35キットのスケールダウンといえるものなのだが、35から72に縮小する際に部品の一体化や省略をほとんど行わず、しかも部分的には35よりもディテールに改良が入っているという空恐ろしいキットである。……しかしそのぶん、部品が細かすぎて(しかもゲートはべったりくっついていたりして)組む前にタメイキが出て、また箱にしまってしまうようなキットでもある。また履帯に関してはRPMの軟質樹脂のものが、FIRST TO FIGHTのロコ組よりいいと言えるか微妙。

ただ、FIRST TO FIGHTのルノーFTで「あれ?」と思ったことも少々。

ポーランドのFTは一部が「ショートピッチ履帯付き」に改修されているが、それ以外にも、大戦時には

  • 穴あき起動輪
  • リブが表に出ている誘導輪
  • 排気管の排気口が前側

などの改修を受けている車輌が多かったように思えるのだが、キットはその仕様にはなっておらず、ごく普通の「フランス本国・第一次大戦仕様」のFTになっている。

ちなみにRPM72のキットは、35のキットには(一部のキット以外には)入っていなかった木製誘導輪が入っているだけはなく、このポーランド型の誘導輪・起動輪も(さらにはフィンランド仕様の工具箱も)入っている。なんという贅沢。

余ったパーツをFIRST TO FIGHTに持って来られればよいのだが、ロコ式足回りではそうもいかないのが惜しい。

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隼号、発進(6)

週末模型親父さんのところの模型コンペ、「SUMICON2014」へのエントリー作として作っている、ARMO JADAR-MODELの1:35、Sokół(ソクウ)1000オートバイ+サイドカーの進捗状況。

もっとも、まだ部分塗装にもたどり着いていないのに、だんだん息切れしてきたような。夏バテ?

F1015669 ●今回の主な進展は、サイドカー用車輪周辺。

フロントフォークあたりに比べるとシンプルな構成、に見えるのだが、実は結構厄介だった。

▼第一の問題は、基本となる「U+L字形」フレームが微妙に歪んでいて、そのままではフェンダーと合わないこと。これは沸騰したポットの湯気にあてて直したが、うまくフェンダーに合ったと思うと車輪が真っ直ぐ付かなかったり、「あちらを立てればこちらが」状態。組み終わった現時点でも、実は車軸が微妙にナナメ。お粗末。

▼成型不良で手前側の車軸受けが欠損していたので、0.5mmプラバンの切れ端を継ぎ足してそれらしく再生。

▼写真の手前側の車軸止め部品が、組んだ後で頭部分を折損、紛失したので再生。

▼後方に伸びるフェンダーステイのうち、こちら側の1本を整形作業中に折損。棒部分を伸ばしランナーで再生した。もっとも、あとから同一のパーツが1つ余計にあるのを発見。さらに言うと、この部分のステイはレジンパーツとエッチングの選択式で、エッチングのステイも残っている。何だかなあ。もっとも写真で確認できる限り、ここのステイはパイプ式のようだし、エッチングはふにゃふにゃなので使いたくはない。

▼頂部の車間表示灯(?)の基部のエッチングは曲げ加工が細かくて非常に難しく、あれやこれや難渋している間に「ぴちっ」とピンセットの先から飛ばして異次元空間へ。しょうがないので、他キットのエッチングパーツの枠の切れ端から新たに自作した。曲げ加工を容易にするためステイをまたぐ部分はエッチングでなくプラペーパーを使ったが、どうも本物も表示灯のステイとは別体の可能性がある。素材自体が硬めで折り線もついていないので、キットパーツより丈夫にできたのは怪我の功名。

こんな具合で、折ったり紛失したりで再生しなければいけなかった部分が3、4ヶ所も出てきて要らぬ苦労をした。もちろん細かくて破損・紛失しやすいのも確かだが、この場合は、わざわざ忙しい合間に工作してミスを誘発した自己責任も大きい気がする……。

F1015665 ●現状の主要ブロック群。

とにかく問題は本体で、特に後輪とチェーン、後輪フェンダーとフェンダーステイ等の組み付けの手順をどうしたらよいのか、未だによく判らない。

最初は、後輪を取り付ける前に後輪フェンダーとフェンダーステイを取り付けてしまおうと考えていたのだが、どうもそれではうまくチェーンが通せないような気がする。

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ニイニイゼミ

●なんでこんなに仕事が進まないのでしょう(←さぼってるからだ!)、ってくらいに進まなかったが、なんとか本日片付いた。

そうなるととたんに、模型を作りたい欲求も、考証をまとめたい欲求もいきなり落ち着いてきて、「まあぼちぼちでいいかな……」と思い始めるから不思議だ(←ばか)。

●HIRO「浅尾さんと倉田くん」、そろそろ新しい巻が出てもいいんじゃないかとサイトを覗いてみたら、すでに最終巻の8巻が先月発売されていた。いや、そもそも7巻を持ってないんじゃないか?

なんて思ってあわてて7巻を買うと、実は本の山の間からひょっこり出てくるので要注意だ。……っていうか、なんで何巻まで持っているかもあやふやなのに新しい巻を確認しようとするかね?>オレ

F1015598F1015597●数日前。大切岸上の石廟付近に、昨年の今頃、化物じみた真っ白のトゲトゲキノコ(シロオニタケ)がいくつもニョキニョキ生えていてたまげた。今年も生えていないか見に行ったら、しばらく名越の尾根道を歩かないでいるうちに、すでに生えて枯れてしまったらしく、中身が溶けてしまったような残骸が少しだけ残っていた。

見そびれて残念だと思ったが、そのちょっと先にまだ傘の開ききっていないもの、生え出してきたばかりのものがあるのを見つけた。去年見たものよりは小物だが、それでもなかなかの迫力。いや、食えるわけでもなし、見たからどうってものでもないんだけれど。

なお、先月当ブログに写真を載せた謎キノコなのだが、前者のニワトコの木に生えていた方は、ヤナギマツタケという名の食えるキノコであるらしい旨、環境省生物多様性センター「いきものログ」の種名調べ支援依頼でお答えを頂いた。いやまあ、あえて確かめる気にはならないけれども。っていうか、もう腐っちゃってないけれど。

●その他の生き物写真。

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ハイランドのサクラ並木のニイニイゼミ。季節が進んで人口過密(セミ口過密?)になったからか、いきなり人の目線の高さに止まっているヤツも見かけられるようになってくる。もっとも、なかなか素晴らしい迷彩なので、真横で鳴いていてもなかなか見つけられなかったりする。この時はほとんど隣り合ってオスメスが2匹。色模様のハデなほうがオス(たぶん)。

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名越の峠道にて。サツマノミダマシ(クモ)とヒダリマキマイマイ(カタツムリ)。なぜか同居中。お互い、気にならないんスかね。あるいはお互いに「こいつ、早くどこか行かないかな」と思ってるとか。

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隼号、発進(5)

●ARMO JADAR-MODELの1:35、Sokół(ソクウ)1000オートバイ+サイドカーの続き。

F1015532 ●ごく小さな進展その1。

後輪フェンダー前右下に、チェーンガードを取り付けた。もともとエッチングパーツが付いているのだが(右)、どうもこのエッチングパーツの形状が怪しく、タイヤの円弧とまるで合っていない。

実車写真を見ても(車輌によって若干違いがあったりもするが)、基本はタイヤ幅に合わせた形状のようなので、それらしくプラバンで工作。リブはカマボコ状に削った伸ばしランナーを貼り、さらにそれを表側からも削って厚みを減らした。

F1015549 ●ごく小さな進展その2。

後輪フェンダーの後ろ1/3程度は上にはね上げられるようにできている(サイドカーのフェンダーは半分近く)。泥詰まり時の掃除用?

用途はともあれ、後輪フェンダーでは、フェンダー内側を這わせているらしい尾灯用のコードが、この蝶番の部分だけ(畳んだ時に切れたり引っ張られたりしないように)表側に出ている。

これがキットでは表現されていないので、電線用の取り回し溝と穴を作成。カッターナイフの先でちまちまと彫り込んで(レジンの色が明るいので老眼鏡を掛けていても恐ろしく見づらい)、その後0.4mmドリルで穴を貫通させた。実際は0.3mmを使おうとしたのだが、ピンバイスのチャックがヘタレてきていて、0.3mmは固定できなくなっていた。んがー。

もっとも開けてみると、0.4mmでよかった感じ。

F1015542 F1015545 ●手順的にどうしようか悩んだのだが、一応、取り付けても車輪を回せることが判り、ゴム部の塗り分けはできそうだったので、フロントフォークに前輪を取り付けてしまう。

車輪を付けてしまった方が、車軸の固定具やらブレーキドラムやらも一度に塗れてよさそうだと思ったことが理由の1つめ。2つめは、フェンダーステイその他、触ると変形する場所が多すぎるため、持ち手にもなる車輪を付けておいたほうが扱いやすそうだと思ったため。

ちなみに右の写真では、相変わらずハンドルは単純に見栄えのために仮組みしてあるだけ。

車軸頭の小パーツは、説明書では左がボルト頭、右が外れ止め?の棒付留め具という指定だが、実車写真を見て逆にした。ボルト頭のほうはことさらに小さく、実は整形・取り付け作業中に1個紛失し、付けてあるのは2個目。この先、後輪かサイドカーの車輪の時にツケを払う必要あり。

車軸左側は、キット指定では筒状部品をはめ込むことになっているが(第3回の車軸パーツの枝に写っているもの)、実際にはこれをはめるとかえって実車形状から離れてしまう感じ。ハブのドーナツ状の盛り上がりはあるが、車軸それ自体は太くないので、プラパイプを薄く削いで車輪側根元に付けた。

●オマケ。ソクウとは関係のないミニ工作。

F1015522 週末模型親父さんの「SUMICON2014」掲示板で、転輪のパーティングライン消し用工具の紹介があったのだが、それを読んで試したくなったもの。

トライツールのエッチングソーを垂直に立て、トレッドのモールドがないつんつるてんのタイヤパーツを当てて回転させ、単純な縦筋だけだがパターンを彫り込んでみた。

モノはエレールのオチキス25mmm対戦車砲。もともとタイヤがつんつるてんなのがちょっと情けなくて、なんとかしたいと思っていたもの。

実際には飛行機の車輪あたりならまだしも、こんな普通のタイヤで縦筋だけのトレッドはないとは思うが、それでも何もないよりはマシだろうレベルのお手軽工作。

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隼号、発進(4)

●ぼちぼち製作を続けている、ARMO JADAR-MODELの1:35、Sokół(ソクウ)1000オートバイ+サイドカーの続き。

F1015238 ●なんとか車輪のスポークはすべて張り終わった。右端が一番最初に張ったもの。

サイドカー後部に付く予備タイヤは、ご覧の通り革カバーが掛かった状態でごろんとレジンの塊のパーツなので、スポーク張りは3輪だけで済む。

後になるほど奇麗に張れた、と言いたいところだが、実際には、ピンセットの先でエッチングのリム側を軽く押し込みながら張っている最中、力余ってピンセットをスポークに突き刺してぐしゃぐしゃにしてしまい、危うく1輪を台無しにするところだった。

以前に書いたように、エッチングのスポークは2枚(車輪一つ分)余計に入っているので、まっさらのものに取り替えることも考えたが、すでにほとんど貼り終えたエッチングを剥がすと、瞬着の跡が汚くなりそうだったので、曲がったエッチングをなんとか伸ばして再生した。

F1015237 これが右の1輪で、よく見るとエッチングのリム部がだいぶ波打っていて汚い。なるべく目立たない、サイドカーの車体側にでも持って行こうと思う(もっとも、他の2輪がこれよりはるかに奇麗にできているというわけでもない)。

なお、2枚のワイヤ列とバルブの位置関係は、最初の1輪を除いては一応揃っている、と思う。

F1015236 ●上の車輪の集合写真にも写っているが、左はメインフレーム下左右に付くフットステップ(表と裏)。

エッチング2枚重ねにヒンジ部が2で各4パーツ。塗装手順的には、もうこの段階でペダル類ともどもメインフレームに接着してしまいたいところだが――実際に一度は仮付けしてみたのだが、そうすると、右ステップが干渉して排気管がうまく付けられなくなることが判明した。

F1015459 ●メインフレームへ。最終的にエンジンを取り付けるのは塗装後になる予定だが、今ひとつ位置がしっかり決まらない。塗装後のエンジンとフレームを瞬着だらけにしてタッチアップの嵐というのもみっともない。

しばし考えた後、結局実車通りのエンジン固定部にドリルで穴を開け、真鍮線で位置決めできるようにした。

エンジンの後ろ、リアフェンダーとの間に挟まれているのはバッテリー(たぶん)とイグニッション?。これはすでに接着済。リアフェンダーとリアフェンダーのステイも付けてしまおうかと思ったが、そうするとチェーンが入らなくなりそう。

組立説明図では全体で6工程しかなく、多数の部品が「ごちゃっ」と一度に付く感じに描かれているが、実際にはかなり手順を検討しないと、付けられない部品が出てきそう。

F1015529 ●フロントフォークは、ハンドルを除いてほぼ組み上げた。

問題のフェンダーステイは長さも角度も合わないので、中心部分で一度切り離し、長さも現物合わせで切り詰めて取り付けた。

ステイのパーツは非常に薄く柔らかく、これだけではフェンダーを支え切れないので、フェンダーを左右で直接フロントフォークに接着した。

もっとも(キットではぽっかり隙間が開いているが)、実車はスプリングフォークのコの字中央部分でフェンダーをネジ止めしている。本来なら作例でもそうしたいところだが、そもそも寸法が狂っているので、フォークを作り直さないと再現は無理そう。というわけであっさり諦める。

フェンダーステイも、どうもフェンダーとの位置関係、角度など実車と違った感じになっているのだが、これも看過。

フェンダー後端のヒレは、角度調整のため一度もぎ取ってあったのだが、フェンダー側を若干削って再度取り付け。前輪スタンドを付けて、ヒレ下に留め具を付けて固定。

とにかく、フェンダーステイとサスペンション・リンク(サス調整ノブ)のエッチングがヤワで、すぐに変形してしまう。不用意に触れないブロックになってしまった。困ったもんだ。

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久々の週末生春巻隊

●donjiさんが仙台から来るというので、週末生春巻隊の緊急招集が掛かる。いやまあ、緊急と言っても10日以上も前に柳瀬ばお氏から電話が掛かってきたのだけれど。

なお、「週末生春巻隊」というのは、かさぱのす氏を中心に、以前、秋葉原駅近く、昭和通りの向こうの路地にあったベトナム料理屋で生春巻きを食いながら酒を飲んだことに因む名前だが、そのベトナム料理屋はとっくになくなってしまった。惜しいことである。

●12日土曜日の昼、秋葉原YSに集合。かさぱのす氏、donji氏、なかがわ氏、柳瀬ばお氏に私の計5名。

秋葉原にはしばしば行くものの、基本的に模型屋はYSとVOLKSにしか行かない、というよりそこしか知らない、と言ったら、柳瀬ばお氏に、「なんともったいない、貴様修正してやるッ!」(大意)的なことを言われ、「まんだらけ」(昼食前)とレオナルド2店(昼食後)に連れて行かれる。はあ。こんな店があったんですな。

中古模型を扱っている「まんだらけ」で、mengのFT-17丸砲塔型が3500円で出ていたので、ついふらふらと購入してしまう。mengのFTは、最初の丸砲塔型発売時には木製誘導輪の表現が大げさで、これが最近の角砲塔型で板の継ぎ目の筋彫りのみに改まっているのだが、今回私が買ったものでは、改修後のパーツが入っていた。改修後のパーツも「とてもいい」というほどではないのだが、それでもちょっと得をした気分。

FTに関しては、ちょっと書きたいことなどあるので、また改めて。

●VOLKSは以前からだいぶ「ガルパン推し」だが、この日は店内にガルパン曲集が流されていた。

かさぱのす氏も、オープニング曲の歌い出し近くの歌詞は「空に災い」としか聞こえないそうだ。

やはりこのアニメには、強敵を倒し皆で喜ぶ上空にシュトルモビクが現れ、戦車はすべて大破炎上するという真のエンディングが控えているものと想像。

●ビールを飲みながら昼食。また模型屋回りの後に駅前でお茶。「なぜ静岡に来ないのか」だの「FCM 2Cとかサン・シャモンを買って応援しなくては、かっこいいシュナイダーが発売されないではないか」などなど、柳瀬ばお氏にあれこれ非難される。何しろ小学校以来の付き合いなので言いたい放題。

もっとも、その後PMMSの新キット情報を見たら、HOBBY BOSSからシュナイダーCA1の発売がアナウンスされていた。よかったな、ばお。

いやまあ、ここに名前の出た3種はどれも、なかでも少なくともFCM 2Cは私も欲しいんだけれども。

●柳瀬ばお氏、ソミュールのシャールB1bisの砲塔は紛い物で、なぜかソミュアS35のものが乗っている、と力説。

そもそもシャールB1bisの砲塔とソミュアS35のものは同系ではあるものの、ソミュア用は砲塔リングが拡大されているはずで、そのままでは乗らないはずなのだが、ばお氏曰く、ハッチ部の形状からしても確かにソミュア用だという。

その後、chars-francais.netのB1bisの項を見てみたら、ソミュールにある2両のB1bis(RHÔNEとFLANDRES)のうち、屋内展示のRHÔNEは確かにソミュア用砲塔だと解説されていた。ちなみにこのページでは、排気管部形状のバリエーションも解説されているので、B1者は必見。

どうもchar-francois.netのB1というと、1輌1輌を写真で追いかけている特集ページのほうばかり見ていた。

●秋葉原をうろうろしている間に、川崎の実家から電話。「“お盆の迎え”なので来られないか」とのこと。いきなりだが、昨年の日記を見て思い出した由。ちなみにお盆は旧暦・新暦入り乱れて日本各地で時期がまちまちだが、東京・横浜あたりは新暦7/15あたりが一般的であるらしい。

夕刻、皆と別れた後に川崎に向かう。

一泊して翌日曜日、母と墓掃除に行く。タクシーが出払っていて呼べず、仕方がないのでバスで森林公園入口まで行き、公園内を抜けて墓地まで。花を活け、草むしりなどする。

●月曜日、仕事で芝公園。浜松町で降りて、大門のラーメン屋、福気に久しぶりに行き、遅めの昼食。

仕事の後、芝公園をちょっと散歩して帰る。

●ここ数日のいきもの写真。

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上左から。

  • 土曜日に名越切通、小坪階段口で見かけたゴマダラチョウ。
  • 同日・同場所、蛾だかウンカ/ヨコバイ系のものだか、これ以上特徴が判る写真を撮る前に逃げられてしまった謎虫。
  • 月曜日、芝公園の花壇で見かけたツマグロヒョウモン♂。
  • 同じく芝公園の花壇で、偶然ものすごくきっちりピントが合って撮れたセイヨウミツバチ。

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ところで、以前の記事で、家の中にさまよい込んできていた謎の虫として載せた写真だが、環境省生物多様性センターのサイト、「いきものログ」の「種名調べ支援依頼」で答が返ってきた。「チャイロヒメカミキリ小笠原亜種」の可能性が高いそうな。カミキリモドキではなく、ストレートにカミキリムシだったのか……。

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けいはんな

●10日木曜日。台風が接近しているなか、関西方面(けいはんな学研都市)に日帰り出張。

なんだかわざわざ台風を迎えに行くようなタイム・スケジュールになってしまい、場合によっては帰ってこられなくなるのではとも思ったのだが、幸い、ほとんど傘を差すことさえなく済んだ。

●午前中家を出て、新横浜から久々に新幹線に乗る。途中、浜松あたりで車窓の外が見えづらくなるくらいの大雨だったが、京都ではやんでいた。

非常にマヌケな話なのだが、仕事に行く先に関するメモ(訪問先の名前や行き方など)、資料など一式を前夜にプリントアウトして、それをまるごと家に忘れてきたことに、電車に乗る前くらいになってようやく気付いた。新幹線の中からI君に電話をして、改めて教えてもらう。とともに、大いに呆れられる。ごもっともである。

F1015400●京都から目的地までは近鉄+タクシー。最寄駅はここ。知っていないと読めない駅名だなあ……。

なお、駅名のロゴの青に、タイルを貼り合わせたようなひび割れが入っている。故意なのか、単に使った塗料が悪かったのか微妙なところ……って、わざわざデザインでひび割れを入れるような場所でもないか。

●京都へ行ったら、ぜひ、ケンタッキーフライドチキンを食べよう、と思っていたのを思い出した。

もちろん、ケンチキ(極一部で通用する略称)など鎌倉にもある(逗子駅前店は何年も前に潰れた)。日本全国どこでも味が異なるわけでもなく、また、時々何だか無闇に食べたくなることはあるが、その一方で、いつでも食いたいと思うようなものでもない(もちろん、アレをいつでも食べたいと思う人もいるかもしれないが)。

それなのに、なぜ京都でケンタッキーなのかというと、森見登美彦の「有頂天家族」のなかに、

狸はフライドチキンが好物である。洛中のケンタッキーに出入りしている客のほぼ半分は狸に占められるという統計もある。(幻冬社文庫版、初版291頁)

という一節があったためである。どこと変わらぬケンタッキーでも、周りではむはむしている人々の半分は、実は狸が化けているのだと想像しながら食べるのは、また格別の趣があろう。さすが古都である。

とはいっても、行き先が「けいはんな学研都市」では、仮に駅前にケンタッキーがあったとしても「洛中」とは言えない。さらに帰りにわざわざ京都駅でケンタッキーを探すのも何か違う気がする。というわけで、これはいずれまた京都市内に何か用事がある折に譲ることにした。

●代わりと行っては何だが、行きの新幹線のなかで、新横浜駅で買った崎陽軒の「シューマイ炒飯弁当」を食い、帰りの新幹線では京都駅で買った、とり松「丹後・青しそ入りばらずし」を食った。食ってばっかりぢゃの。

●行き帰りで、読みかけだった池上永一「夏化粧」を読了。引き続き。かみさん推薦の小川洋子「いつも彼らはどこかに」も一気に読む。新祝園駅前の本屋で、出たばかりの吉田秋生「海街Diary」の第6巻「四月になれば彼女は」を買う。S&Gかあ。

●前回書いたアニメ「ガルパン」、対アンツィオ高校戦についての話の続き。

アンツィオ高校の戦力は、

  • カルロ・ペサンテP40(隊長車兼フラッグ車)
  • セモベンテda75/18 ×3
  • カルロ・ベローチェL3/33 ×6

であるらしい。……が、P40はこの時点(2回戦?)で初投入された「秘密兵器」である由。しかもCV33は全車、機銃装備のみ。この人たち、第1回戦どうやって勝ったの?(ちなみに相手はフランス戦車)。

そもそも対戦車戦onlyである“競技”に、機銃のみ装備の車輌を出すことに何の意味が? せめて……せめてCV33はゾロトゥルン20mm装備にしろよぅ。(完璧に野次馬)

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極黒の……

F1015304●ブリュンヒルデ、ではなく、でんでんむし。

殻だけでなく身のほうまで、こんなに黒くていいのかというくらいに黒く、なんだか日本ではなく熱帯雨林のなかで出会いそうな感じ。ニワトコの木に生えた怪しげなキノコの裏にいたもので、きっちり測ったわけではないが、殻高1.5cm程度だったと思う。

そもそも、普段目にするカタツムリはもっと巻きが平たく、こんなに背高なものが在来種にいるののだろうか、とも思ったのだが、帰宅して調べると、ニッポンマイマイという、名前からして在来種を主張しているヤツが、ちょうどこういう殻のスタイルだった。

……そんなのがいるなんて、初めて知った。

もっともそのニッポンマイマイも、カラーリングは他のマイマイとほぼ同様。淡い褐色に茶色のラインが入るかどうかといったものが多い。個体変異で、たまにこういうマックロクロスケが出てくるのだろうか、それとも別種なのだろうか。

●黒いといえば、日本(あるいは日本語)ではその代表格としてカラスを引き合いに出すのがお約束なのだが、女性の黒髪を「烏の濡羽色」というように、そこには艶々と光り輝くニュアンスも含まれる。

カラスの羽自体、単純な黒ではなく、構造色で光の当たり具合ではちょっと紫っぽく光ったりもする。とはいっても、黒基調でもここまで鮮やかに光り輝くものを「カラス」と名付けるのはちょっとどうかと思うのが、カラスアゲハ。

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今までにも近場で何度か目撃しているので、逗子・鎌倉近辺にカラスアゲハがいること自体は判っていたが、なかなか写真に撮る機会はなかった。アゲハ全般がそうだが、飛翔力が強いのでなかなか「翅を休める」ということをせず、「あ、いた」と思ってもそもまま飛び去ってしまうため。

昨8日、郵便を出すついでに散歩に出たのだが、途中、名越の峠の平場で、間近なヤブガラシに蜜を吸いに来ており、運良く撮ることができた。もっとも、帰宅してPCで画像を見てみたら、どれもこれもピンボケでがっかり。

F1015278 ●黒いといえばもうひとつ。

先のカタツムリはカラスアゲハの直後、そしてこれはさらにその後目撃したものなのだが、これまで見たことがない黒い巨大アブ。翅の付け根のみオレンジ色、他の翅の模様は図鑑等では黒く見えるが、実物は光の加減で濃紺のようにも見える。体長、優に2cmはある。

最初、大きな翅音がすぐ近くを横切り、またスズメバチか、と思ったのだが、そのまま近くの葉に止まったのを見て、どうも見慣れない相手のようだというのが判った。

帰宅後に調べた結果によれば、クロベッコウハナアブというらしい。web上で読んだことによれば、古い図鑑には「九州・対馬に分布」とあるそうなので、これも最近流行の「東進・北上組生物」のひとつなのかもしれない。

●同じく昨8日。午後、自宅で今年初めてのニイニイゼミの声を聞く。そうか、いよいよセミか、と思ったのだが、上記散歩の途中、16:20頃、名越の尾根道でヒグラシの声も聞く。

……さらにさらに。ハイランドにたどり着くと、桜並木の道でもう何匹ものニイニイゼミが鳴いていた。なんだか、海開きのように「セミ開き」でもあったかのようだ。

●「ガールズ&パンツァー」の「アンツィオ戦」の回が劇場公開されるとともにディスクも発売になったのだそうだ。

学校名通り相手はイタリア戦車で、カルロ・ベローチェ(CV33)やらカルロ・ペサンテ(P40)やらが出てくるのは本編の1シーンやら模型誌やらで知っていたが、劇中、カルロ・ベローチェは単なるヤラレ役ではなく、画面狭しと軽快に走り回り、主人公たちを翻弄するそうな。

これは人気出るね。日本でいまだかつてなかったほどのカルロ・ベローチェ人気が沸騰するね。そして勘違いをしたブロンコが日本市場向けに、車内パーツを省略した廉価版を……って誰かも同じようなことを言っていたような気がする。

しかし、仮に出たとしても、それはCV33で、私がもう1輌(か2輌)欲しいCV35のほうは無理だろうなあ。

●明日は仕事で関西方面(当然日帰り)。

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隼号、発進(3)

F1014997 ●週末模型親父さんの「SUMICON2014」にエントリーしている、ARMO JADAR-MODELのSokół(ソクウ)1000オートバイ+サイドカーの製作記の続き。

エンジン、サイドカーと手を付けて、次にフロントフォークをいじってみる。

ハンドルはグリップが別部品。ハンドル本体から真っ直ぐついているかどうか、接着には結構気を使う。他のフレーム部品から考えると、グリップを一体にしても成型できたのではないかという気もする。なんだかことさらに製作の難易度を上げているような。

フェンダーの後端の「カリブ海の黄色いジュゴンちゃん」((C)もやしもん)風尾びれは、もともとエッチングでパーツが入っているのだが、フェンダー本体とラインが合わず、さっさと使用を諦めてプラバンで作り替えた。長さがこれで適正かどうか、なお微調整の必要あり(というだけでなく、向きもやり直す必要があるかもしれない。後述)。

F1015092 ●フロントフォーク本体は、さらにエッチングを含めた小パーツを付け、このような状態に(ハンドルは仮に挿してあるだけ)。

真ん中の芳香剤の容器のようなものはホーン。その上のツノ2本はライトの支持架で、ライト本体はメインフレームも組んでから、フロントフォークの角度をよく見て向きを決めたいので、この段階では取り付けていない。

エッチング部品の、サスペンションのリンクアームは「つ」の字状態だが、実車では「フ」の字というか「ヘ」の字といか、直角に近いくらい開いている。どうやら、サスペンション側(前下側)の取り付け部が上にありすぎるようだ。

なお、このリンクアームの上側(長いほう)は、キットのパーツが左右対称ではなくて組む前はどうしようと思ったのだが、実際に組んでしまうと判らなくなるレベルだった。

リンク「ひざ」部分のノブにはメーカー名(CWS)のロゴが入り、これはキットでもエッチングの別部品で表現されているが、大きすぎ。本来はノブの中央寄りにもっとおとなしく入る感じ。これはハンドル中央に入るロゴと共通部品にしたためかと思う。

F1015234 ●さて、フロントフォークにフェンダーを取り付けようとしてみたのだが……。

フェンダーステイのエッチングパーツが、パーツに表現された折り曲げ位置では、長すぎて使えない。

付属のCD-ROMの素組写真を見ると、そもそも本来ステイが付くべきでない場所に付けるというズルをしている。一方、塗装済み完成品写真では、どんなマジックを使ったのか、あるべき場所に収まっている。謎。

とにかく、単に切り詰めて接着してしまったのでは、車輪に対する位置関係がずれる可能性もあるので、車輪も組んで位置調整してみることにする。

F10150011●その前に。

本来3つ入っているべき車軸のパーツが、2つしかない。仕方がないので、プラパイプを組み合わせて、1つ自作する。

本来のパーツ(左右)に比べて軸本体が僅かに細めだが、この部分は最終的にほとんど表に出ないのでOK。

なお、ここに写っているパーツ3つ付きの枝が丸ごと一つ無かったわけだが、車軸の隣の輪は単純にプラパイプの輪切りで代用できるものなので特に問題なし。その隣は前出のフロントフォークのリンク中央のネジ(ノブ)で、もともと2つしか使わないものなのでこれも問題なし。

●さて、その車輪。2枚のスポークのエッチング部品が、リム部で結構離れていて、要するにスポークがレンズ状になっているのをほとんど表現していないのではと思っていたのだが、軸部分の段差を見ると、リム部の取り付け幅より明らかに広く、一応、僅かにテーパーを表現している。

……ということ自体はいいとして、スポークを曲げるジグなどは付属しておらず、やり方なりヒントなりも無し。要するに「各自てきとーに工夫してやってくれよ」という丸投げ状態。難易度高し。

F1015199山なりの形状のものに押し付けてみようという試みは、外周が波打ってしまって失敗。結局、一度タイヤに裏向きにはめて、外側から繰り返し軽く押すことで若干のふくらみを付けることにした(波打ってしまったほうもなんとか伸ばして再利用した)。

最初に片側をがっちり付け、その後、車軸を挟み込んでもう片側を接着。膨らまし方が不足だったようで部分ごとにぐいぐいと縁をピンセットで押し込みながら接着するはめになり、あまり綺麗な仕上がりにはならなかった。

そもそも、両側のスポークはちょうと互い違いになるようにずれているはずが、接着の課程でずれてしまっていい加減な位置関係に。バルブの位置もよくない。いや、面倒なのでやり直さないけれど(ちなみに、スポーク自体は有難いことに2枚余計に入っている)。

F1015205 ●というわけで、フロントフォークに車輪を仮付けしてみたのがこの写真。

もともとは先の写真のフェンダーステイの長さ調整が出来ればいい、くらいに考えていたのだが、この状態でよくよく見ると、後端の「ヒレ」下に付くことになるステイと、ヒレ自体の角度もあまりよくない。

ヒレがもうちょっと下向きになるよう、付け直す必要があるかもしれない。何やら行ったり来たりだなあ。

F10149981 ●前回折ってしまったメインフレームも、金属線を埋めて修復。

その課程で気付いたのだが、ステップが付く4カ所のツメの根元のうち、3カ所だけ突起があって、1カ所にない(黄色のマル印を付けた部分)。

説明書の図示を見ると、4カ所ともに突起が描いてある。これは成型時、あるいはその後に欠けたのだと思って、さてどうやって修復しようかあれこれ考えていたのだけれど……念のため、実車写真をよく見てみたら、この部分には突起が無いのが正しいのだった。

なんてトラップが多いキットなんだ。

●スポークに手を付けたついでに、もうひとつのエッチングの“大物”、チェーン部分を工作。

ここはチェーン本体に加えて、カバー部分の厚みを表現するために計5つの大小のパーツを重ねるのだが、とにかく、ピッタリ位置を合わせて接着するのが面倒くさそうだ。

F1015206Chain02……と、それ以前にまたトラップ。

  説明書に図示された部品の絵と番号が、実際のパーツと逆になっている(写真の17cと17d。ちなみに17aと17bも同じ形に描かれているが、実際にはちょっと違う)。

結局、また実車写真で形状を確認。どちらを表にしても実車とは若干形状がちがっていそうだ、というトホホな結論になったものの、どうやら細身の17cは単なるスペーサーであるらしいと判断。17dを表にして組む。

●その結果できたのは、こんな感じ。

F1015202 17aと17bには、位置決め用と思われるツメが付いているのだが(その位置と形状の違いでaとbが分かれている)、どうやら実車にはそのような突起はなく、単に模型製作の便宜上のものらしかったので切除。

問題の位置決めだが、実はやってみるとそれほど難しくはなかった。しかし、重ねて強度があるカバー部分はいいとして、下のチェーン部分は少し触るとたちまち曲がってしまう。いずれ完成しても気の抜けない模型になりそう。

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