●相変わらず作り掛けばかり量産していて、直近もロールス・ロイス装甲車にミニスケールのC2P牽引車+ボフォース40mmの製作中だったのだが、ついふらふらと、週末模型親父さんのところのweb上模型コンペ、「SUMICON2014」にエントリーしてしまった。
これまでも週末模型親父さんのコンペには2、3度応募しているのだけれど、「とにかく完成が条件」であるにもかかわらず、それをクリアできたのは、ダイムラー装甲車を作った48コンだけという有様。
いやちょっと、これは私が出ちゃイカン場なのではないか、と思って(今さら?)自粛していたのだが、今回はいつもよりレギュレーションがゆるく、「別に完成させなくてもええやないか……」とまで書かれているので、つい。いや、完成させるつもりですよ?
一応、レギュレーションは次の通り。
①製作済のものではなく新規に製作するものでご参加ください。
②途中経過を掲示板へ報告してください(1~2週間の頻度でお願いします)
③できるだけ、他の方の途中経過等にコメントをお願いします。
④スケールは問いませんが、陸モノでお願いします。
⑤期間は6月10日から10月31日まで(期間延長はなし)
●新規製作が条件なので、手付かずのもので何か……と掘り出してきたのが、ARMO JADAR-MODELのSokół 1000オートバイ+サイドカー。確か、発売からさほど間もない頃に買って(いつだっけ?)、そのまま仕舞いこんであったもの。
実を言えば、最初はちょうどC2P牽引車+ボフォース40mmをいじっていたこともあって、スケール違いのS-MODELのC2Pを作ろうか、余力があればAFVクラブのボフォースを引っ張らせて……などと考えたのだけれど、改めてS-MODELのC2Pを出して来てチェックしたら、どうもだいぶ手を入れないとダメそうだということが判って意欲減退。代わりに選び出したのがコレ。
ここまで細かく作りこんだキットであれば、いつものように、切ったり貼ったり削ったりの迷宮にさまよい込むことなく、とにかく丁寧に細かいパーツを組み上げていくことに専念すればいい、というのが選択理由。その後、「『細かいパーツを組み上げていく』にしたって程度ってもんがあるだろう!」と思うことになるのだが、それは後述。
もともと大きくはない箱を開けると、中はこんな感じ。最初にキャラメル箱のフタを開けると、中のスペースのほとんどは、折り畳んだ組立説明書!……しかし後々説明するように、この紙の組立説明書はほとんど使う機会がなかったりする。
さらに中身を引っ張り出して並べてみたのが、右の状態。小さな袋にザラザラとレジンの細かいパーツが詰め込まれていて、あとは、系列のPART製のエッチングパーツ。小さいけれど、デカールシート付き。また、箱表の「WITH CD」のシール通り、シングルサイズの資料CDが付属している。
どうも曖昧な記憶なのだが、発売当時は値段違いでCD付きキットと、CD無しキットがあったような……また、現在のJADAR-MODELのサイトを見ると、「Armo 35035 Sokół 1000」(このキット)と、サイドカー上に機銃を取り付けた「Armo 35036 Sokół 1000 w/rkm wz.28」の2種しか出ていないが、最初は他にも、無線車とかマシンガンキャリアとかあったような気も……。記憶違いだったらごめんなさい。
ちなみに改めて検索してみると、他にもポーランドのChoroszy ModelbudからもこのSokół 1000オートバイのレジンキットが出ており(どれだけこのバイクが好きなんだポーランド人!)、そちらでは無線車、弾薬運搬車、対空機銃キャリアなども出ている。そのへんが記憶でごっちゃになっているのかしらん。
さらに言うと、このChoroszy ModelbudのSokół 1000は、レジンパーツの成型状態、エッチングパーツの配置や色からみてARMOとは(少なくとも私の持っているこれとは)別のキットらしいのだが、しかしその一方で、web上で一部確認できた組立説明書では、絵は違ったものの、この病的な細かい部品構成は同様。またエッチングパーツのシートも確認できたが、一部パーツの形状、シート内での位置関係などがARMO(PART)のものと同じで、もともとの設計データは同じという可能性もありそう。謎。
ちなみのちなみに、Choroszy Modelbudは日本では「コロジー」と表記されていることが時々あるが、本来のポーランド語の読みでは「ホロシ」らしい。話ずれまくり。
●付属CD-ROMの中身は、組立説明図(紙で入っているのと同じもの)と、大量の素組写真(一部部分組み写真も含む)と完成写真、そして資料の実車写真(右は実車写真ページのサムネイル)。
組立手順は、説明図と写真を両方見つつ進めたほうがわかりやすいので、結局、PCの画面で両方見ることになり、紙の説明書はほとんど使わない。あんなに箱の中で存在を主張していたのに!
実車写真は博物館の展示車輌で、169枚も入っている。至れり尽くせりな感じ(実際にはそうでもないことが後に判明)。
ほか、このキットがどこぞのホビーショーで得た賞のトロフィー(とても自慢げ)やJADARグループのキットカタログ、そして動画も一本。
ただし、動画といってもSokół 1000が走っているわけではなく、写真ページと同一の博物館車輌を単に人間が動いてビデオで撮っているだけ。写している方向もだいたい同じ。
●話がいったり来たりするが、一応、あまり知っている人はいないだろうと思う実車解説。
「Sokół」という名前は、現用のヘリにも使われていて、ソコルと読まれたりすることもある(はい、私もそう読んでました)。
ただし実際は、後ろの2文字にはダイアクリティカルマークが付いていて、「ó」はウ音、「ł」は英語のw音だそうなので、カタカナで書けば「ソクウ」。意味は鳥のハヤブサ。
これはメーカー名ではなく車種名(あるいは車種シリーズ名)で、もともとは、PZInż(Państwowe Zakłady Inżynieryjne,、国営技術工廠)傘下のCWS社(Centralne Warsztaty Samochodowe、中央自動車製作所)で開発され、当初の名前はCWS M111といったらしい(ARMOのキット名称も、Sokół 1000 M111となっている)。このへんの企業名は、1939年戦役に登場したポーランド軍AFVの開発・生産で常に出てくるところ。
もともとポーランド軍では軍用オートバイとしてハーレー・ダビッドソンを使っていたが、20年代後半、国産による代替を計画。最初に作られたCWS M55は信頼性に欠け、改めてその改良型として作られ、1933年に生産が開始されたのがCWS M111~Sokół 1000だった。
CWS S55は「ハーレーの車体にインディアンのエンジン」といった感じのオートバイだったらしく、Sokół 1000もいわゆる「アメリカン・バイク」テイストたっぷりのVツイン重オートバイで、ネット上で検索すると、「Polski Harley(ポーランドのハーレー)」などと紹介されていたりする。
どうやら登場当時でさえもちょっと古風なバイクだったらしいのだが(そのへんはオートバイに詳しくない私にはよくわからない)、信頼性と悪路走破性には優れていたらしい。生産は軍用だけでなく民間用にも行われ、写真検索をすると郵便配達車バージョンなども出てくる。1939年のポーランド陥落まで生産が行われた。以上、大まかなところは、英語版のwikipediaより。
●まずは、キットのレジンパーツを適当な箱のフタに広げてみた。この段階で不安5割増。
SUMICON2014の掲示板でこれの製作開始報告をしたところ、「通りすがりのスミコンファン」さんより、
このキットは持っておりまして、パーツを点検して、CDを見て、蓋を閉めて、そのまま10年近く放置しております(そういうキットですよね)。
というコメントを頂いたが、いやまさにその通り。我が家でもそうでした。
こうして改めてパーツを見ると、サイドカーの舟やタイヤ、フェンダー、大まかなフレームあたりはいいとして、そのほか、どこにどう使われるのか判らない細かいパーツのテンコ盛り。大振りなパーツに不足はないようだが、細かいパーツに欠損があっても判りそうにない(後にその不安が的中)。
そもそも部品の確認をするといっても(あれだけ至れり尽くせりな感じのCD-ROMまであっても)パーツ対照図表はなく(あっても判らないかも)、組立説明図から読み解いていくしかない。
●現在仕事が煮詰まり中なので(これもその現実逃避で書いていたりする)、初回はこの辺で。
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