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2014年5月

クモの子

F1019697 ●2週ほど前、我が家の冷蔵庫に留めてあったのを発見した神代文字の古文書。

チビがテレビを見ていて、見たい番組の予告があったので自分でメモを作って張り出したらしい。

●ちなみにそのチビは最近、なぜか深海生物に目覚めてしまい、かみさんが無造作に箱に放り込んでバラバラになっていたMIUのボトルキャップを掘り出してきたり、深海生物の本を借りてきたり。さらには、通りかかったT家のご主人(「しんかい」の元ベテランパイロット)に「ねえねえ、**見たあ? **は見たあ?」とまとわりついたり(どうもすんません)。

特に「だいおうぐそくむし」が好きらしく、火曜日(27日)は「えのすい」(新江ノ島水族館)に本物のダイオウグソクムシを見に行ったそうだ。ちょっとうらやましい。いや、見に行ったことあるけどさ。

えのすいでやってきたらしい、ガシャポンの小さなマグロ・オブジェの組み立てをやらされた。

F1014241 ●日曜日(25日)、例によって名越の峠道を散歩していて、クモの巣に長径2cmくらいの妙な“ダマ”が引っ掛かっていたので、写真に撮って帰って来たのだが、PCのモニタで大きく見てみると、数百匹(あるいはそれ以上?)がダンゴになった、孵化からさほど経っていない子グモの群れだった。

さすがにこんな状態では何グモかわかりゃしないだろうなあ、と諦めていたのだが、その後、ジョロウグモの生態をライフサイクルを追って紹介しているサイトがあって、そこで、子グモの模様もダンゴの具合も一致するのを確認した。

こうした状態を指す用語がきちんとあって、子グモの「まどい」と呼ぶのだそうだ。

「『まどい』って何だ? まさか『惑い』じゃあるまいし」と思ったら、「団居」と書いて「まどい」と読む由。団、円と書いて「まど・まどか」、丸くなる、集まるの意。マギカじゃないぞー。

ちなみに、「中部蜘蛛懇親会(中部地域のクモの研究者や愛好者の集まり)」の機関誌の名前は「まどい」だそうだ。……実物を目にする機会はなさそうだけれど。

なお、この「まどい」状態の子グモたちに刺激を与えると、文字通り「蜘蛛の子を散らすように」一斉に四方八方に逃げるのだそうな。う~ん、つついてみるべきだったか、と思ったり、つつかなくてよかったと思ったり。

その後、せっかく見つけたのだからつついてみて、動画に撮ってやろうかとも思ったのだが、ふと思いついてyoutubeで「クモの子を散らす」で検索したら、同じことを考える人は多いらしく、ぞろぞろ動画が出てきた。これでは、わざわざつつきに行くこともないか……。

●と思ったが、再び散歩にいったら、あっちにもこっちにも「まどい」があったので、つい、いたずらしてみる。ただし、最初に見たものに比べると小さめ。以下、before & after。

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●身近なナミテントウの模様変異。模様の別以前に、翅のツヤツヤ感が何だか素敵。

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●ロールス・ロイス「シルバー・ゴースト」装甲車、じわじわ進行中。ようやく全車輪を削り終わった。1つくらいは違ったトレッド・パターンのものを混ぜようかとも思ったが、簡単に再現できそうなパターンを見つけられなかった。

●久しぶりにDerelaさんのところ(The PIBWL military site)を覗いたら、あれこれアップデートされていて、特に、wz.34装甲車やTKS/20mmのページなどがますます充実していた。ポーランドAFV者は読みに行って吉なり。……まあ、そういう人がいるとして、だ。

そんななかで、「えっ、そんなことになったの?」と思ったのは、ポーランドAFVの塗装の新考証についてで、TKシリーズの塗装説明の項で紹介されている。

第二次大戦直前~開戦期のポーランドAFVの塗装に関しては、

(1).1932年~1936年の塗装規定:「日本式迷彩」と呼ばれる多色迷彩。3色を不定形にくっきりと塗り分け、境界を黒線で縁取る。

(2).1936年~:新迷彩の導入。3色を水平方向を意識して、境界をぼかして吹き付ける。一般に、戦車(7TPやTKシリーズ)では比較的1色の面積が広く、横に広い平行四辺形や台形に近い形。装甲車やソフトスキンではもっと縦に狭く、横長の帯状迷彩という感じになる。

ただし、1936年に塗装規定が変わっても全てが一斉に塗り替えられたわけではなく、1939年戦役時にもまだ「日本式迷彩」が多少残っていることは、当時の記録写真で確認できる。

――というのが大まかな流れだが、問題はその塗色。

新迷彩の色は、オリーブグリーンをベースに、かなり明るいグレイッシュサンド、かなり暗いダークブラウン(セピア)という取り合わせで、従来は、それ以前の「日本式迷彩」も、ほぼ同様の色の取り合わせだとされてきた。これまでに出たキットの塗装説明も、基本、そのように指示されているはず。

しかし、どうやら最新の説では、「日本式迷彩」は新迷彩とは別の色で、イエローサンド、オリーブグリーン、ブルーグレーという取り合わせということになったらしい。しかも、この3色のなかで最も明るいのはブルーグレーである由。これまではサンドの部分が最も明るいとされてきたので、この点もだいぶ意外だ。

当時のモノクロ写真を見ると3色のうち最も明るい色はかなり白っぽく写っているのに対し、残り2色のトーンにそれほど極端な差はない。となると、新迷彩のグレーサンド(これはカラー写真で判断すると、バフっぽい色のようだ)よりも、「日本式迷彩」のイエローサンドはずっと暗いことになる(サンディブラウンとか、あるいはもっとアース系の色とか)。

もっとも、新説に基づいたこの塗装図でも、どう見てもグレーよりサンドのほうが明るく描かれている。

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銀の亡霊(4.5)+エアフィックス72ハリケーン

F1014131●ロールス・ロイス「シルバー・ゴースト」装甲車(RODEN, 1:35"British Armoured Car (Pattern 1914)")の半端な経過報告。

これは手を付けようかスルーしようかしばらく悩んでいたことなのだが、結局タイヤに手を付け始めてしまった。

寝惚けた写真で申し訳ないが、向かって右がキットのまま。左が削り直した方。なんだか「マンガかよ……」みたいな簡単なパターンだが、1914年仕様で最も一般的なのがこのタイプ。

1914年仕様でも、「アラビアのロレンス」(T. E. Lawrence)の下で使われていたものはもっと細かいパターンのタイヤを履いていたりする。「ロレンス仕様」は、砂漠での走破性を上げるために前輪にもダブルタイヤを履かせていたりして面白いのだが(その分、ステアリングが大変だったらしい)、それはまた別の話。

工作としては、キットパーツのパターンを元に一つおきにナイフでアタリを入れてからノコ目を刻み、その後でサンドペーパーで元のパターンをすっかり削り落とす。すべて手作業のプリミティブな工程。電動工具などあると楽そうだが、少なくとも現時点で手元にないので仕方がない。

今は前輪用(シングル)2つ、後輪用(ダブル)1つ終わって、後輪用1つが工作途中。前輪用1つ、後輪用1つが手付かず(スペアタイヤを含むので、前輪用、後輪用がそれぞれ3つずつある)。

特に後輪用はすでにダブルに組んでしまった後なので、ノコ目を入れるにも、その後サンペ掛けするにも非常に面倒。はうあー。だるー。

●20日火曜日。神保町の事務所で夕刻から会議。行き掛けに秋葉原で模型屋にいく。入ってきているかな、と思ったairfixのロンドンバス(戦場仕様)も、IBGのシュコダ100mm vz 14/19榴弾砲もなかったが、airfixの飛行機キットがまとまって入荷していた。

F1014132 えー。ここんとこ陸モノばっかりいじっておりますが、一応、ワタクシ、空モノモデラーの端っこの方にも名を連ねているつもりでおりまして、って、誰に言い訳しとんねん。とにかく、VOLKSでハリケーンMk.I(HAWKER HURRICANE Mk.I, Kit No.A02067)を購入。675円+税。

エアフィックスの72飛行機シリーズは、このところ精力的にリニューアルが進んでいる。以前、グロースター・グラディエーターのリニューアル版について紹介したことがあるが、このハリケーンのMk.Iも、MADE IN INDIAのリニューアル版。

エアフィックスのハリケーンMk.Iがリニューアルされていて、しかもそれが72以上では簡易インジェクションでしか手に入らなかったファブリック・ウィングの初期型だという話は、確か、今年の正月に石黒氏と城ヶ島に遊びに行った時に聞いたのだと思う。以来、模型屋で気にしていたのだけれど見たことがなかった。代理店がたまたまその気を出して大量仕入れしたのか?

F1014170というわけで簡単なキットレビュー。というよりも(検索すればもっと詳しいレビューがごろごろありそうなので)適当に目に止まった特徴の列記を。

(なお、最初にアップしたパーツ写真はあまりにあまりな状態だったので入れ替えた。入れ替えてもそんなかよ、とは言いっこなしで。若干記述も追加した。)

▼主翼が布張りの、Mk.Iでも初期のタイプを表現。小国空軍でもユーゴ、ベルギーあたりがこのファブリック・ウィング型を使っている。ファブリック・ウィングのMk.Iは、しばらく前にswordの簡易インジェクションがでて、それだけでも大したモンだ、と思っていたのに。

パーツは(当然そうでなくては困るわけだが)布張り、特有のパネルライン、標準より寄り目の着陸灯など、綺麗に表現している。

Hurr01 ▼胴体の布張り表現も美しい。ハセガワ72のキットが、「このハリケーンはユンカース社製か? 胴体、トタン張りなのか?」みたいな表現だったのに比べると、格段に優れている。右写真、上がエアフィックス、下がハセガワ。

通常の左右2分割だと、胴体下面のモールドが怪しげになりがちだが、このキットでは、フィレットの有無で胴体後半下面が選択式の別パーツなので、その点でも安心。

Hurr02スタイル的には、エアフィックスの旧Mk.Iもハセガワも機首が細く「マーリン(エンジン)入ってないよ……」と言われ続けてきたのに比べ、かなり改善されている。

左写真がエアフィックスとハセガワ(機首別部品)の平面形の見た目の比較。機首のオデコ左右には、マーリンのシリンダヘッド最前方をクリアするためのバルジがあるが、ハセガワのMk.Iではだいぶこれが寄っていて、左右バルジの端から端までの幅が約8.5mmだったのに対し、このキットでは10mm弱ある。

F1014139▼水平尾翼は、昇降舵のバランスホーン部分(って呼んでいいのか?)が、水平安定板と不連続で薄く、段差があるのが表現されている。

これはレジンのアフターパーツなどを除き、特に72クラスではほとんどのインジェクション・キットでは表現されてこなかった特徴。エアの48や24では表現されてるんだったかな?

F1014155 ▼機内は、コクピットも脚収納部もかなり細かく再現されている。swordの簡易インジェクションに入っているレジンの脚収納部を見たときに「72でコレは結構贅沢だなあ」と思ったのだが、それ以上。

コクピット内部も、側壁は胴体側面に一体モールドされて「それなり?」という感じだが、前後から伸びるフレームに支えられたシート、イギリス機らしく床板がなくてフットステップだけある表現など、キャノピー閉めたら全然見えんダロ、くらいに出来ている。

シートベルトの表現は無し。これは伝統的に、パイロットのフィギュアが付いているためかと思う。

F1014160 ▼その他小物。ペラはワッツ2翅とデ・ハビランド3翅が入っている(キットの説明書ではワッツ2翅を使うように指定されていて、3翅は不要部品扱い)。ワッツ2翅は、スピンナーの、ペラの後ろにあたる部分が別部品になっているのが有難い。木製2翅ペラの機体で、ここが一体で、くぼんじゃってるキットって多いんだよな……。

コクピット背面も、キット指定のマーキングでは防弾鋼板無しパーツを使うよう指定されているが、第二次大戦勃発後に導入された防弾鋼板付きパーツも用意されている。排気管も2種。左が主な選択部品の枝で、ペラ、胴体下面およびそれに対応したラダー、コクピット後面など。左枝右上が初期型排気管で、標準型は共通パーツの枝に入っている。

F1014159 ところでキットの車輪はハブが4つ孔タイプなのだが、Mk.I初期型は5つ孔が使われているような……少なくとも写真で確認する限り、(私が作りたい)ユーゴ軍機、ベルギー軍機はどれも5つ孔の車輪を使っているようだ。(ちなみに金属翼のMk.Iを使っているルーマニアやフィンランドでも5つ孔のようだ。うぎゃー)。

一応、これに関してはレジンパーツも出ているようなのだが、せっかくこんなに安価に買えるキットに、高いアフターパーツを張り込むのはちょっとなあ……。

▼デカールは、1938年7月の英空軍、No.111スコードロンのL1584と、1940年5月のベルギー空軍、22番機。

ちなみにエアフィックスの72では、キットNo.AX01010でもハリケーンMk.Iが出ているのだが、これはハナンツでパーツ写真を見る限り、標準仕様とかではなく、ファブリック・ウィングの基本、同一キット。ただしワッツ2翅、ヒレなし胴体下面などの枝は入っていない。デカールは英空軍2種。

なお、一応カタログ落ちにはなっているようだが、しばらく前まで赤箱でリニューアル前のMk.Iのキットも出ていたようなので、間違えないように充分注意すべし。

▼参考になるサイトをいくつか。

PRIME PORTALのwalkaround。今回検索してみて初めて知ったのだが、ファブリック・ウィングの初期型Mk.Iって現存してるのね……。その初期型のwalkaround。とはいえ、あまり細部写真はない。

ハセガワ72、ハリケーンIIcの製作記。家主さんのお名前が不明の模型サイト。ハセガワのキット、しかも形式違いではあるけれど、機首形状その他、細部の検証話が非常にタメになる。

深大寺模型濫造工廠「世界のホーカー・ハリケーン」 。J1N1-Saさんによる世界各国のハリケーン作り倒しコンテンツ。上記airfix最新キット発売前の各キット評価あり。各国軍のハリケーンの作例だけでなく、それぞれの特徴も解説してあって役立つ。最近ご無沙汰してます。ってこんなとこで書いてどうすんだ。

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銀の亡霊(4)

●前回へのコメントで、hideさんから、模型の資料本のダブリの話を頂いたが、実は数日前、某A氏から、「間違えてKV本を2冊買ってしまった、1冊、amazonに頼んだ方を引き取らんかね」という連絡を貰っていて、それが今日(15日)届いた。

ハンガリーで出版された写真集、"KV TANKS ON THE BATTLEFIELD -- World War Two Photobook Series #5"で、先日セータ☆氏のGIZMOLOGIC CAFEでも取り上げられていて、ちょうど欲しいと思っていたものなので、二つ返事で送り先を振り替えてもらった。

まだ1/3くらいしか見ていないけれど、そこまででも、KV-2の写真が結構豊富(しかも駐退器カバーにボルトの逃げ溝のない量産型初期型が多い)だったりするのが、個人的にツボ。

F1019701●閑話休題。

表題通り、ロールス・ロイス装甲車(RODEN, 1:35"British Armoured Car (Pattern 1914)")の続き。

相変わらずじわじわと(それが模型の製作を形容する言葉なのか?)製作中なのだが、それでも、何とか格好がついてきた。

前回同様、先日からの主な進捗点をまず上げておくと、

  • ラジエーター前の装甲ドアを工作
  • 前部フェンダーに追加工作
  • 戦闘室前面フラップドアを工作
  • 荷台に追加工作
  • 泥濘脱出用敷板の工作

F1019703ラジエーター前の装甲ドア

第一次大戦仕様ではエアスリットがなく、単純な板。キットパーツを裏から薄く削りこみ、開閉機構を追加工作。なお、ドアの車体との位置関係は、上端がエンジンルーム側面板より上に来る。

開閉バーとドアとの接続部は、戦後型はキットパーツの表現のようにドアの裏側に止めてあるのだが、戦中型ではドアの表から止めているので、そのように改修工作。また、開閉バーも、どうやら戦中型ではまっすぐなようなので(不確か)新調した。

しかし、どうも前面板の孔の位置とドアとの接続部の位置が合わず、孔の位置を上にずらしたのだが、それでも不足でバーがちょっと上向きになってしまった。バーには、おそらく孔から弾片などがエンジンルームに飛び込むのを防ぐための極小防盾だと思しき板状パーツが付く。ただし、砲塔の機銃の防盾も付いていない初期型にもこれが標準で付いているのかどうか、実は考証を詰めきっていない。

……しかし、やっぱり本当は開いている状態に作ったほうがサマになっただろうなあ、と思う。閉めてしまったのは、第一次大戦中仕様の開閉機構が戦後型と同じでいいか判らなかったことと、私自身のいい加減な工作で、内部のラジエーターがちょっとナナメになっていることが後から発覚して直せなかったのが理由。情けねえ。

F1019711前部フェンダー

ライト基部パーツをちょっと削って接着。フェンダー裏側にリブを追加。裏側リブはチラ見え程度の用途で、下地も綺麗に仕上げていない。

おっと。そういえば前部フェンダーステイの前にあった、戦後型用のライト取付部のモールドは、窪みを埋めてから削った。この写真では見えないが、上写真では僅かに痕跡が見える。なんだかんだ部品が付いてしまってからの工作だったので、仕上げが汚いかも。

戦闘室前面フラップ

第一次大戦仕様ではスリットが左右とも下にあり、戦後型だと運転席側は上、助手席側は下と、段違いになる。いずれにしてもキットバーツは分厚すぎるし、その前の上面パーツを薄くした結果、上下幅が若干変わってしまったので、0.3mm板で新調した。

F1019705 開いているところを前から見ると、運転席側はハンドルの円の内側を通してスリットを覗く格好になることが判る。こりゃものすごく見づらそう。戦後型でスリットが移動した理由がよくわかる。

F1019704フラップの内側には、開閉機構のバーが付く。フラップ外側には、その取付ボルトの頭が2ヶ所。また、フラップの下、車体側にはリブがある。

フラップの蝶番は3カ所で、ベロ部分はキットパーツから薄く削り取って接着。筒部は伸ばしランナー。あ。ちょっと歪んでるな……。フラップと車体は、薄くスキマが開いた状態になるのが正しい。

荷台

ステイは第一次大戦仕様ではキットパーツとまるで違うようなので、エッチングの残り材で新調した。

F1019709いずれにせよ、荷台の背の高さ自体変えてしまっているので、キットパーツは使えない。場所も3ヶ所から2ヶ所に変更した。もっとも、形と位置が本当にこれでいいのかどうかは、実はよく判らない(いい加減)。

F1019702荷台横上に乗る工具箱だかなんだかは、どうも実車写真を見るとあまり標準化されていないような感じだったので、右はキットパーツを使ったものの、左はまったく別物を載せてみた。

右の箱も、キットの指示とは位置をちょっとずらしてある。左の箱は、ドラゴンのI号sIG33自走砲の不要パーツを切り詰めたもの(おそらく47mm対戦車自走砲用の弾薬箱だか雑具箱だか)。

泥濘脱出用敷板

戦後型では、車体左右、前後フェンダー間にステップ板があって、その下(場合によっては上)に泥濘脱出用敷板を収納するようになっており、キットもそのような構成になっている。

しかし実車写真をよく見ると、どうも初期にはステップ板が無く、直接、泥濘脱出用敷板だけが装着されているようだ。

F1019700 というわけで、シャーシに取り付けたステップ用L字ステイに、直接泥濘脱出用敷板を載せた。キットの敷板パーツは裏がない状態なので、一度サイドを削ってから1mmプラバンを貼り増して加工した。

本来は、シャーシから出ている支持架に固定するための何らかの仕組みがある(例えば敷板をボルトが貫通して蝶ナットで留めているとか)はずなのだが、確認できる写真がないので現状はそのまま。……何か誤魔化す方法を考えないと。

今回はここまで!

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またやってしまった

●持っている本(マンガ)の2冊買い。

今回ダブらせたのは、麻生みこと「路地恋花(ろぉじコイバナ)」第3巻。

買った帰りにバスの中で読み始めて、「ありゃ。こりゃ読んでるワ」と思ったのだから、そもそもそれを買ったbookoffでちょこっと立ち読みしていれば判ったはず、なのだが、実際には、2巻をちょっとだけ立ち読みして「あー、コレ最後まで読んでないや、ってことは3巻は買ってないな」と、なぜかわざわざ別の巻で推測して判断するというアホなことをしたのだった。いや本当にわけわからん。

なお、帰宅後じっくり読んだら、ちゃんと2巻も全部読み通していた。なんで読んでいないと思ったんだろう。

ちなみに「路地恋花」は、京都の街中の長屋が舞台の、ゆるく連結した掌編。全4巻。

登場人物は基本、ベタな京都弁を話す人ばかり(ただし、綺麗な京都弁ばかりとは限らない)で、ここまでぺっとりと京都弁だと、つい頭の中でイントネーションをなぞってみたり。もちろん関東人なので、なぞりきれない部分は多々。

いいなあ、こういうところで暮らしてみたいなあと思う反面、絶対に入り込めんなあと思ったり。

そういえば森見登見彦の小説では、人間も天狗も狸も、(イントネーションはどうか知らんけれども)基本、京都弁を話さないですな。

●すっかり暖かくなって、虫も本格的にうごうごする季節であり、散歩と称して出掛けては、虫の写真ばかり撮っている。

そんななかで撮ったケムシ・イモムシの写真ばかりを5、6枚、数日前にfacebookに投稿してみた。「うぎゃーやめろー、なんてもんを見せるんだー」なんて反応も出るかと思ったが、特定のケムシの写真1枚にY女史が「ぎゃあーーー」とコメントを付けただけで、むしろ意外に多くの人から「いいね」を貰った。

ちなみに私自身のケムシ・イモムシに対する基本的スタンスは、そのfacebookの投稿にも書いたが、「少数の例外を除いて触りたいと思うほど好きではないけれど、観察したいと思うくらいには好き」である。

F1018980 そのケムシ・イモムシ写真をここでまた繰り返すのも芸がなさすぎな感じなので止めるが(実はその後の数日でまた増えているが)、「これは綺麗だ」と思った1匹だけを再掲。鎌倉・大巧寺近くの民家脇で見つけたアカボシゴマダラの幼虫。

アカボシゴマダラの幼虫は、昨年も何匹も目撃しているし、自宅のまん前のエノキの幼木にもわらわら湧いて出たが、どれものっぺり緑色をしているだけで、こんな微妙な、オリーブから黄緑までの何種類もの緑を組み合わせた模様のものは初めて見た。

もともとゴマダラチョウの類の幼虫はそこそこ面白い形をしているが、これは色模様のせいでその形が際立っていて、ツノから繋がる小さなフリルもゴシックな感じでよい。いや、幼虫だからゴスロリ?

関東のアカボシゴマダラは定着と拡大が問題視されている外来昆虫で、本来は見かけたら退治したほうがいいのだろうが、これは見逃してしまった。

●もちろん、虫のなかでケムシ・イモムシを特に求めて撮っているわけではなく、たまたまいたから撮っているだけで、実際には、特に探し求めて撮っているのは「マルハナバチ国勢調査」への投稿用のマルハナバチ程度。同調査のfacebookのページを見ても、調査協力者網はさほど広がっているふうには感じないので、マルハナバチの写真を撮れた方はぜひ投稿を。

それ以外には、やはり蝶などの“大物”を撮れれば普通に嬉しいのだが、たとえばアゲハの仲間などは飛翔力が強く、「いた!」と思っても近くに止まってくれずにそのまま飛び過ぎてしまうのでなかなか写真に収められない。最近でいうと、大町で吸蜜中のナミアゲハと、名越の山の平場でアオスジアゲハを一度撮れただけで、ジャコウアゲハやモンキアゲハは見たけれど撮れていない。

F1018797 F1018812 F1018831

F1019171 F1019188 F1019278

写真は上左から、

  • 近所の生垣のナニワイバラに来ていたコマルハナバチ。
  • 亀ヶ岡団地の中のフジに来ていたクマバチ(キムネクマバチ)。
  • ナニワイバラに来たベニカミキリ。
  • 旧華頂宮邸近くで見た巨大なマダラガガンボ。体長4cmほど。
  • 小さな羽虫を捕食中のイトトンボ。クロイトトンボか?
  • 新逗子NEAT脇のツツジの植え込みに来ていたコマルハナバチ。

●GW最終日の6日、家人が皆出掛け、日中、チビのお守をする。市の文化プラザでドラえもんの映画上映会があったので、それに出掛けて時間を潰し、帰りはハイランドからぐるりと山道を散歩して帰る。

細かく分かれた枯れ枝を拾って、「シカのつのみたいだ!」と言いながら振り回して歩いているので、「本物のシカを見たことあるのか?」と訊ねたら、

「ない。ないけどー、どうがでみたことある。けんさくするとでてくるよ」

と言われた。近頃のガキってやつぁ!

●ロールス・ロイス装甲車の工作をわずかに進める。成果はまたそのうち。

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銀の亡霊(3)

●ロールス・ロイス装甲車(RODEN, 1:35"British Armoured Car (Pattern 1914)")の途中報告。

実を言えば前回からそう進んでいるわけでもないのだが、たまには自分で作っている模型の話も挟まないと、モデラーであることを忘れ去られそうな気がするので。

F1019147 ●現状はこんな感じ。主な進捗箇所は、

  • 戦闘室後部扉を新調。
  • 前輪フェンダーに追加工作して取り付け。
  • 予備タイヤ取り付け(挿し込み可にしてあるだけで、実際は予備タイヤ基部を取り付け)。
  • 荷台に若干の追加工作。

なお、この姿は前回同様、主要コンポーネントを仮組しているだけ。

F1019142 ●戦闘室後部扉。キットのパーツは、初回に書いたように、上部と下部が同じ大きさになっていて使えないので、0.3mm板で新調した(どうせ開けないので、0.5mm板で裏打ち補強)。上下の比率は目分量。

ヒンジも新調したほうがシャープなのは間違いないのだが、大きさをピッタリそろえて8箇所作るのも面倒だし、キットの他の箇所(特に直上の砲塔後面ハッチヒンジ)と比べて浮いた感じになるのも何なので、キットのハッチパーツから切り取って、薄く削ったうえで移植した。

中央の南京錠を掛ける部分はまだ基部だけで、実際に錠を通す立ち上がり部分はこれから。

ちょっと問題含みなのは上部ハッチのピストルポートで、ボービントンの実車もキットも、上写真のように回転軸が外側なのだが、この写真(サムネイルをクリックで拡大)では、回転軸が内側にあるように見える(ついでに言えば、戦闘室右側面にもピストルポートがあるようだ)。他にも確認できる写真がないか調査中。場合によっては削り取って逆方向にすることも検討。

F1019139b ●前部フェンダーは側面がコの字(?)の形状になるよう、一旦表面を削って若干薄くしてから、0.3mm板を貼り増した。いかにもクラシックカーな雰囲気の表面のリブは伸ばしランナー。

本来ならステイも金属板か何かで作り直したほうがいいのだが、長さだの角度決めだの面倒くさそうだったので手を抜いた。なお、キットのパーツでは、後ろ側のステイはフェンダー本体とは直角に繋がっているように表現されていて、フェンダー表に3つリベットが並んでいる。表面にプラバンを貼った後で、リベットをそのように再生したのだが、実車を前から撮った写真では、どうもフェンダー裏側に、斜めにリブが走っているようにも見える。たとえばここの2番目の写真参照。フェンダーステイが大きく折れ曲がっているのか、それともフェンダーに接したところから二又になっているのか、それともステイとは関係なくリブがあるのか……。まあ、結局よくわからないので今のところは放置。

ついでに言うと、エンジン始動クランクは、1920年型(Mk.I)あたりでは革ベルトで向かって左側に持ち上げている例が多いようで、ボービントンの実車でもそうなっている。模型的にもちょっとアクセントになるのでそう工作しようと思っていたのだが、よく見直すと、1914年仕様だとそのまま下に垂らしているのが普通のようだ。

ラジエーター前開口部上の三角板は、ボービントンの実車等を見ると、三角でなく台形の様子。ここの1番目の写真(何やら面白いキューポラ付き)は、ワイヤースポーク車輪付きの初期仕様だが、これもどうやら台形の様子。というわけで、後からの改修ではなく、最初から(あるいは比較的初期から)台形だったらしいので、キットパーツの先端を切り落とし、エッジを薄くした。

なお、本来、ラジエーター前の開口部はこの板の直下まであるようなので、ラジエーター前ドアを開いた状態に作る人は注意。

シャーシフレームに、1920年型(Mk.I)用前照灯ステイ基部のモールドがあるのだが、うっかりして修正していない(戦闘室側面前部のモールドは削り落としてリベットを付け直したのだが)。

●予備タイヤは、どうやら1914年仕様では、後の型よりも若干取り付け位置が高いようなので、キットの取り付け指示穴よりも若干高くした。その分、車体左側面では戦闘室横の覗き穴に少しタイヤがかぶる感じになる。

ここは若干微妙なところで、実車でもかぶり気味なのは確かだが、実はこの覗き穴自体、キットはやや下にずれているようだ。すでにここまで組んでしまって気付いても後の祭り。

というわけで、実際の工作では、「本当はもうちょっと予備タイヤは上にあってもいいんだけれど、覗き穴はもっとタイヤより出ている感じ」というせめぎ合いのなか、適当なところで落ち着かせた。

なお、現状ではただ予備タイヤを差し込んであるだけだが、1914年仕様の場合、予備タイヤ取り付け基部からタイヤの下をまたいで表側まで、U字型に帯金が渡してあるのが普通であるようだ。要追加工作。

ところでタイヤはキットのモールドのままにしてあるのだが、1914年仕様では、もっと単純な、横一文字の溝が粗く付いているだけのパターンが標準らしい。スポークを組む前なら現状のパターンを削り落として改修したのだが、特にダブルの後輪を組んでしまってからでは、ちょっと削りにくい。現状のまま目をつぶるか、あえて手を付けるか迷い中。

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