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銀の亡霊(2)

F1018358 ●何だかんだで他のものは放ったらかして、ロールス・ロイス装甲車(RODEN, "British Armoured Car (Pattern 1914)")に傾注。

前回に比べ格段の進展があるわけではないが、現時点で、主要ブロックを仮組みしてみたのが右の姿。アレコレ問題だの疑問点だのは残っているものの、形になるとそれなりに格好よい。

いまさらではあるが、一応、製作方針を述べておくと、

「(第一次世界大戦の、乗用車ベースの装甲車らしい)華奢感を出す」

というところに主軸を置いている。

もちろん実車のディテールが判明する限り、しかも自分の技術とやる気が及ぶ限り、なるべく再現する、というベースの上に立ってだが、実のところ第一次大戦型の写真は少なく、しかもどうやら車輌相互で細部ディテールにも差があり、いろいろ不明な点が多い。

F1018349 ●前回からの主な変化、その1。

結局、ボンネット屋根はキットのパーツを使った。中央の蝶番を綺麗に揃えて作り直すのが面倒だったため。追加工作としては、蝶番のみを残して、単なる山形の盛り上がりになっていた、連続した軸部のモールドを削り落とし、ついでに表面の過剰な梨地もナイフの刃を立てて掻き落とした。蝶番中心のかみ合わせ部分と軸は真鍮パイプと真鍮線で。

ボンネット屋根の側部および前端は、薄く見えるようにゴリゴと削った。また、若干前後長も長すぎたので削って長さを詰めた。車体前端は、写真を見て判るように、車体前面板左右に側面板がかぶる構成で、屋根前端は前面板より僅かに後ろという位置関係。

ボンネット側面板との間の連結具は、プラバンを貼って僅かに外側に延長したり、プラ棒、伸ばしランナーなどでちまちまと工作。現在は、上部のベロから軸が飛び出ているが、これは単に工作が途中なだけ。ボービントンの実車はここが六角ナットで止まっているが、本来は蝶ナットが使われているようだ。

側面板下部には、取っ手を真鍮線で。

ちなみに、実車におけるこのボンネット周りの構造について(実車写真からの想像)。まず、(そこまで細かく追加再現していないが)、側面板下の2ヶ所の取っ手の下には連続して棒が突き出ていて、これをシャーシフレーム側面にあるパイプ状の受けに差し込んで、側面板を立てる。

ボンネット屋根は側面板とは分離した構造で、側面板を立てたあとに上に被せ、左右2ヶ所ずつの留め具で固定する。留め具は、側面板側にある可倒式の軸をくるりと上に回して屋根側のコの字の受けにはめた後、蝶ナットで固定する。

ボンネット屋根は中央に蝶番があるので、留め具を外せば、左右をそれぞれ反対側に跳ね上げることができるのは見てとれる通り。

屋根と側面板との間の止め具は、内側に曲がる蝶番の役は果たしそうにないので、(よくクラシックカーにあるように)側面板と屋根とを連続させたまま折り畳んで開ける、という芸当はできそうにない。ただし、大戦中仕様の一部の車輌では、屋根と側面板の間、内側に蝶番を付けているらしきリベット(ネジ?)が並んでいるものもある。

以上、ボンネットを開けてエンジンが見えるようにしたいという方のご参考までに。

F1018352 ●前回からの主な変化、その2。

後部荷台は、パーツのモールドに従えば、細い板を3段重ねた高さがあるが、これを1段分削り飛ばして背を低めた。

ボービントンの展示車輌や、アイルランドの現存車輌(Sliabh na mBanという名前らしい)ほかは、荷台上から横に張り出したフェンダーにそれなりの高さがある(それでもキットほどは高くないような……)。しかし大戦中仕様ほか、初期の写真では(たとえばこの写真など)、後輪上の隙間はそれほどなく、フェンダーの高さは戦闘室の半分よりも明らかに低い。

そんなわけで切り詰めたのだが、これは場当たり的な帳尻合わせの工作で、実際には、荷台の底自体がもっと低い可能性がある。

キットのシャーシフレームは後輪部分でフレーム幅2つ分ほど高くなり、しかも荷台後端まで続いているのだが、実際には、フレームはそこまで高くならず(せいぜいフレーム幅一つ分)、燃料タンク中心あたりで終わっている可能性がある(少なくとも、装甲車になる前のシルバーゴーストではそうなっているらしい)。

ボービントンの実車の細部写真からは、装甲車のシャーシフレームもそうなっていて、そこに木枠のようなものを載せ(これの後端が荷台後端まである)たうえで荷台を装着しているようにも見える。

なお、フェンダー下のステイ形状は、キットのものはアイルランドの“Sliabh na mBan”と同形状のようなのだが、初期の車輌はもっと簡単な、帯金を三角に折ったものらしく、取り付け位置も2箇所のみのようなので、取付用の溝はプラバンで埋めた。

●PMMS情報。IBGから、シュコダ100mm vz 14/19榴弾砲が出るそうだ。ポーランドだのハンガリーだのユーゴだのでも使われた砲で、これは少々そそられる。UMのプチロフm1902野砲より出来がよければよいが。

F1018309 ●鎌倉の段葛の桜も今が見頃だそうなのだが、個人的に染井吉野はいまひとつそそられないので、名越の峠の山桜を。先週土曜日(3/30)撮影。

そろそろ本興寺の枝垂れ桜も咲き始めているかもしれない。近々見に行ってみよう。

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