「自動車」2題
●3.11。黙祷。
●しばらく前から変な咳が続いていて、イヤな感じ。花粉アレルギーか何かだと思っていたのだが、チビが熱を出して医者に連れて行ったら気管支炎だった。
え? もしかしたらオレも?
●前回模型話をスキップしてしまったので、だいぶ前のことになるのだが、週末模型親父さんのところで、プラモデルのメッキパーツをキッチンハイターで剥がす、という記事が出ていて、そういえばそんなノウハウは話に聞いてもやったことがなかったなあと思い、自分でも試してみたくなる。
そもそも軍用車輌や軍用機の模型を作っている限り、メッキパーツの入ったキットとの縁は薄いのだが、それでも物好きでストックしてある、メッキパーツ入り別ジャンルの模型はある。
ハイターはなかったが、カネヨのキッチンブリーチがあった。要するに塩素系漂白剤であればいいので、風呂場の小さな洗面器に3、4倍(目分量)に薄めて、メッキパーツの枝をどぶん。数時間して見て見ると……。
おお! 落ちている! こんなに簡単に綺麗に落ちるなら、もっと早めに試してみるんだった! もっとも今まで切実にメッキを落とさなきゃいけない用事もなかった気がするけど。
ちなみに今回は単純な銀色めっきだったのでそのまま漬けたが、「色付きめっき」の場合は(クリアイエローやクリアブルーなど)トップコートの塗装被膜がかかっていて、一度薄め液などで塗装を剥がさないとダメなようだ。
なにしろプラがまっかっかなおかげでピントも合いづらくディテールがよく判らないが、上写真の鼻先のラジエーター部分が元のメッキパーツ。一部隅っこにメッキの残りがあり、またベースコートがそのままなのでパーツがテカテカだが、それくらいなら整形や塗装の邪魔にならないと思うので放置。
全然メッキ取りの作業とは関わりないが、ついでにちょっとだけ手を付けてしまったこの車輌のシャーシはこちら。
一応エンジンからデフやらサスやらの機構は一通り揃っているが、どうもスカスカした感じ。燃料タンクとかどこにあるんでしょうね、この車。ちなみに排気管は付けていないだけでちゃんとある。――さてこの車、なんでしょう?
ここまでお手付きにして、そこそこ「味わった感」を得たので、またそのうちいじることにして仕舞いこむ。……そうでなくてもお手付きが周りにあふれているので、「そのうち」がいつ来るかは不明。
●hideさんのところで、「RODENが1:35でブリッツのバスを発売予告している」という話題をきっかけに、同社のロールス・ロイス装甲車の話が出て(というより話に出したのは私なのだが)、改めてストックしてある同キット(3種出ているうち、第一次大戦中型)を出してチェックしてみた。
そもそもこのキット、だいぶ前に買って帰って家でじっくり見てみたら、どうにもあちこちパーツがだるくて意気消沈してしまい、まるきり手を付けないままに積んであったもの。
ただ、あらかじめ断っておくけれども、だるいとはいってもかつての東欧製キット群に比べればはるかにマシだし、エンジンなども無駄に細かく出来ている(なぜ無駄かといえば、完成するとほとんど見えないため。ちなみにボンネットはそのままでは開けられない)。
別にディテールアップに血道を上げなくても、丁寧に組んで(それ自体、結構手間が掛かりそうだが)、塗装に凝れば、それなりに見場のいいものに仕上がりそうだ。
というわけで、例によって「まともに一直線に作りもせんヤツの文句言い」だと思っていただければ。
▼意気消沈した最大のポイントは、肝心の装甲ボディがダルなこと。しかも、表面に部分的に梨地が入っているのもマイナス点。外側で最も梨地がきついのがボンネット上面で、中央のヒンジ部分のモールドもプア。
ボンネットフードほどではないが、ボディ後部の曲面部分も梨地。前方の平面部分は比較的表面が滑らかなのに、同一パーツで表面状態が違うのも謎。後部ハッチのヒンジ部分も、ハッチ部品と一帯のヒンジの厚みを逃がすために(ダルく)彫り込んであるのが嫌な感じ(しかもハッチのヒンジはうまくはまらない)。
また、実車はペラペラな装甲のはずが、装甲の合わせで小口を薄く見せようという努力が足りていない部分が多い。実車の装甲は最大12mmなので、上面だと模型換算で0.3mmにも満たないはずが、上記ボンネットフードとか、砲塔上面の、特に斜めになった横部分とかは、何というか、えらく重装甲。
▼そんなわけで、ついでに少々手を付けてしまった砲塔部分の工作。
この部分に関しては、
- 砲塔四周のパーツの“ベロ”と比べ床板パーツが厚く、砲塔が若干浮き上がったような形になってしまうので、床板を削る。
- 砲塔垂直面は前後左右で4分割。多少削り合わせの必要あり。
- 砲塔上面は、前後はまだいいとしても、左右垂れ下がりの部分の小口(特に左右端)にプラの厚みが顕著。多少なりとマシに見えるように、右写真のようにゴリゴリ削って接着した結果が左写真。
- 機銃用開口部もプラの厚みが目立つので内側から削ったが、どうも第一次大戦型はこの開口部がもっと広い可能性がある。
- 上面ハッチ周囲の八角形の段差は、確かに図面によっては描いてあるのだが、確かめられる写真が手元にない。若干のヒケが目立ったので、ヒンジを一時削ぎ取ってからヤスリで均した。
▼話が前後するようだが、手元にある「Pattern 1914」、つまり第一次大戦中仕様は、パーツの構成を見ると、プラパーツの枝ではK、L、Mパーツ、スポークのエッチングパーツ、および透明パーツ(シート)とデカールが独自パーツで、残りは3キット共通らしい。
部位で言うと、シャーシおよび装甲ボディは基本共通で、背の低い砲塔、ワイヤスポークの車輪、旧型前部フェンダーなどが大きな違い。
……なのだが、ネット上であれこれ写真を漁ってみると、どうも大戦後になって(あるいは大戦中から)かなり細ごまと戦訓による改良だの、各前線に合わせた工夫だのが取り入れられている様子。というわけで、ひどく根本的な疑問。
砲塔の高さ、車輪、フェンダー、ライト、ラジエーターハッチ、戦闘室前面フラップ――を変えるだけで、本当にオリジナルの(第一次大戦中の)仕様になるのか?
これについては引き続きリサーチの予定。もっとも判ったところで、小手先で変えられる以上のことはしないかも。
▼スポーク式の車輪はエッチング付きで、これは今時の35AFVとしては妥当な選択ではあるのだが、平板のエッチングシートから切り出して、円錐台形に成型するためのジグは雄型しかない。
これに関しては、どこだったか、海外の模型板でも「雌型がないんだけど、どこ?」というような書き込みがあって、ちょっと笑ってしまった。
もっとも、このエッチングシート自体にそれなりの厚みがあり、弾力性もあるので、たとえ雄型・雌型が揃っていたとしても、押し付けるだけでうまく成型できるとは思えない。
(カーモデルの熟練者なら慣れているのかもしれないが)とにかくこのエッチングスポークの工作は曲者で、3つめくらいでようやくなんとなくコツが掴めてきた……って、スペアタイヤを含めても車輪は5~6だし。
とにかく、ジグに押し付けて一気に円錐台形にしようとせず、ハブ部ではスポークの接点の一ヶ所ずつを順番に丹念に曲げていく感じにするのがいいようだ。
●要するに履帯つなぎにちょっと飽きが来ているわけです。
| 固定リンク
「かば◎の迂闊な日々」カテゴリの記事
- 月の出(2023.12.02)
- 御堂筋(2023.11.22)
- NOIW AND THEN(2023.11.06)
- 東京AFVの会2023(2023.11.04)
- ずしのむし(2023.11.02)
「製作記・レビュー」カテゴリの記事
- ずしのむし(2023.11.02)
- ポーランド・メタボ士官(2023.08.26)
- つれづれSU-100(5)(2023.06.24)
- つれづれSU-100(4)(2023.04.01)
「ロールス・ロイス装甲車」カテゴリの記事
- 東京AFVの会2015(2015.12.23)
- 銀の亡霊(5)(2014.06.05)
- 銀の亡霊(4.5)+エアフィックス72ハリケーン(2014.05.23)
- 銀の亡霊(4)(2014.05.16)
- 銀の亡霊(3)(2014.05.04)
コメント
サイドステップが割と後輪の直前まできてるのでズバリ、デカいスケールの〇ォ-〇A・・・のピックアップって所でしょうか。
投稿: hide | 2014年3月14日 (金) 21時38分
超大昔にタカラから出ていたスターウオーズのR2D2のプラモのメッキはなぜか接着剤で落ちまして接着できました。
その後接着できるメッキプラモを見かけませんが
なんかやばいメッキだったんでしょうか
投稿: みやまえ | 2014年3月14日 (金) 23時25分
>hideさん
いや、正解はシトロエンなんです。有名なケグレスハーフトラックのベース車輌としてもポピュラーなC4です。キットもそうなると当然という具合でエレールです。
しかしhideさんの仰る通り、私も組んでいて「なんだか〇ォー〇AとかBとかと似てるなあ」と思いました。設計に影響を受けたのかなあ、とも思いますし、それ以前のシトロエンを見ていると、素直な系統進化のようにも見えますし。
>みやまえさん
それってめっきじゃなくて、塗装銀だったんじゃないですか?
投稿: かば◎ | 2014年3月15日 (土) 20時47分
ほほう、と思って「シトロエンC4」でググったら今時の乗用車しか出てきませんでした(^-^;ハーフトラックを追加して確認できましたが。なるほどラジエターカバーのボリュームがフォードより若干大きいですね。影響を受けたのは間違いないような気もします。
投稿: hide | 2014年3月17日 (月) 18時40分
最近のシトロエンは(独自性は薄いけど)カッコいいよな、
とか思っていたのですが
C4って戦前のバリエーション名だったんですね。
>有名なケグレスハーフトラックのベース車輌としてもポピュラー
一般人が見たら「有名」「ポピュラー」の使い方が間違っていると思いそう。
投稿: めがーぬ | 2014年3月18日 (火) 12時55分
>hideさん、めがーぬさん
私も検索してみたことがあるんですが、むしろ「ひぇ~、今もC4って名前を使ってるのか、ややこしいなあ」と思いました。
wikipediaを読むと、今のC4は、欧州の「Cセグメント」とかいう自動車規格に該当する車種だということなんですが、だから「C」なのかと思ったら、C3はBセグメントなのだそうで、もう何のこっちゃ。
まあ、いずれにせよ、昔のC4とは何の関係もなさそうです。日本語のwikipediaだと、2004年登場のものが「初代」とあって、昔のC4なんて知らんわ、という扱いですが、さすが本国フランス語版では
Citroën C4 (2004)
Citroën C4 (1928)
と、それぞれ別に項目が立っています。
>>「有名」「ポピュラー」の使い方が間違っていると
ごもっとも(笑)。
投稿: かば◎ | 2014年3月19日 (水) 22時34分