城ヶ島
●年末、身内に不幸があったので新年のご挨拶は省きますが、本年もよろしくお願い致します。
……ってそれは新年の挨拶ではないのか?
●前回書いた通り、川崎の実家に行って年を越す。今回は珍しく息子が一緒。特に正月だからと特別なイベントがあるわけではなく、客もほとんどなく、母とあれやこれや話をしたり、息子とbookoffに行ったり。
息子の「これは面白い(はず)」という勧めに従ってハヤカワ文庫の「マルドゥック・スクランブル」(冲方丁)の第一巻を購入。改定新版。105円コーナーの旧版と比べると、1ページ目からすでにだいぶ違う。外出の用事があまりないので(基本的には電車の中がメインの読書時間なので)まだ読み始めて数ページ。
川崎の実家では正月は雑煮でもお節でもなく鶏飯(けいはん)と決まっていて、大晦日にも元日にもがっつり食す。なお、鶏飯は地元・奄美では別に正月料理ではなく、単に実家では子供や孫の誰もが好きなので正月料理に格上げされているだけのこと(正月以外でもしばしば作る)。
●模型仲間の“いしぐりん”こと石黒氏が、正月で横浜に帰省しているので久しぶりにどうよ、というような連絡があり、4日昼前に待ち合わせ、せっかくなので三崎まで遊びに行く。
実は会って話すまで石黒氏は花巻にいるのだと思っていたのだが、もう何年も前に転勤で仙台に移っていたそうだ。最近声を掛けてくれる模型仲間はなぜか皆、東北方面。
●三浦半島の根っこに住んでおよそ20年を超えたが、これまで不思議と機会がなく、半島の先端には行ったことがなかった。千葉の浜金谷に渡るフェリーに乗るために久里浜に行ったくらい。いやいや違った。息子が小学校を卒業する頃、親子の集団で三浦半島を一晩掛けて徒歩で縦断するという空恐ろしいイベントがあり、確かその出発点で、京浜急行の終着駅の三崎口まで行ったのだった。
今回はその三崎口まで行き、そこからバスに乗って、まさに半島の先端にある漁港、三崎港へ。ちょうど昼飯時の到着となったが、海産物の土産物センターを見て歩いているうち目に止まった「とろまん」を一つずつ食って、とりあえず腹をなだめてそのまま渡船で城ヶ島に渡ってしまった。
やけにちんまりした灯台だが、日本で5番目に出来た西洋式の近代灯台であるとか。ただし現在のこれは、関東大震災で初代が倒壊した後に再建されたもの。
一見、ただの白塗りだが、左側の写真を拡大してみると塔の表面にモアレが出ているはず。これは表面が細かいタイル張りであるため。
そのあとは島の南岸の岩場をぶらぶらと散歩。 逗子・鎌倉よりもわずかに遠ざかっているにも関わらず、間に遮るものがないからか、やたらに富士山が大きく見えた。もっとも、晴れてはいても若干薄ボケた空だったので、写真に撮ると、「いるんだかいないんだか判らないヤツ」くらいにしか写らなかった。
有名な「馬の背洞門」(海食洞門)脇から高台に上る。もちろん、有名だというのも前日ウェブで観光案内をチラ見して知っている程度で、まるでノープランの散歩。
●その後も海岸に下りたり上ったり。南岸まん中あたりにわずかに砂浜があり、それに面した崖に明らかに人が掘った小さな洞窟がいくつか。戦時中の洞窟陣地跡か?
もっとも左側の写真の左の穴は、すぐに行き止まりの「くぼみ」程度のものだった。ただし、斜め下に穴が続いていて、砂で埋まっているだけの可能性もあるかもしれない。
逗子や鎌倉の岬に観測所やら砲台やらがあるくらいだから、東京湾の入口にその手のものがないわけはない、と漠然と思っていただけだが、帰って調べてみると、実際に明治から第二次大戦までは要塞化されていた由。wikipediaの城ヶ島の項にある写真だと、迷彩塗装が残るコンクリートの構築物などもあるようだ。
●城ヶ島南岸の崖でウミウの生息地だとか。この写真を背景にスピットの模型を合成して、ドーバーの白い崖とか誤魔化せないだろうか、などと新年早々益体もないことを話す(もっとも石黒氏には「ドーバーの崖はもっと上から下まで切り立っている」と一蹴された)。
ぐるっと島の東側の「城ヶ島公園」を回って、城ヶ島大橋を徒歩で渡って三崎港に戻る。町外れの食堂で遅い昼食でマグロ丼を食いつつ、早々に酒を飲み始める。その後、横須賀中央まで出て、今度は焼き鳥を食いつつ飲み直して帰宅。
●石黒氏から最近のAIRFIX事情に付きあれこれ聞く。
昨夏レビューを書いた72グラディエーターも、完全新金型になったのを知ったのは石黒氏から聞いたからだが、他にも、私の知らないうちにだいぶ多くのキットがリニューアルされているらしい。エアフィックスのブレニムといえばかなり古いMk.IVがイメージされるが、どうもMk.IとMk.IVが揃って新キットで出た(出る?)らしい。
……ろうそくの消える前の輝きじゃなければいいがなあ。
少なくともファブリック・ウィングのハリケーンMk.Iは欲しい気がする。
●年末に大量のぎんなんを手に入れたことは前回書いたが、毎度炒って食べるだけでは芸がない気がして、ネットでレシピを見て、「バター炒め・黒胡椒」を試す。
そこそこ美味しかったが、いつもの「プライヤで殻に割れ目を入れて炒る」に比べ、そもそも炒めるまでに「完全に殻を割って中身を取り出して軽く茹でて薄皮を剥く」下拵え作業が面倒くさく、「これなら炒るだけでいいや」と思った。
剥く手間を掛けても炒るだけよりずっと美味い!というレシピ募集。
なお、我が家ではぎんなんを食べるのは私だけなので、ぎんなんの炊き込みご飯などは不可。
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コメント
エアフィックスはAFVでも1/48や1/76で新作出してますね。
そーいやエレールも、1/72で新規金型のシャーマン出すそうです。
(タミヤの縮小コピー臭いですけど)
投稿: めがーぬ | 2014年1月 9日 (木) 12時20分
>めがーぬさん
48は中東派遣の現用物中心にいろいろ出してますね。それは模型屋で横目で見たことがあります。
基本、現用物まで手を広げないように気をつけているので、ディテールテンコ盛りでいいなあ、なんて思いつつも、たぶん買うことはないと思いますが。
76は、一部改定のMk.Ifemale以外は、何か新製品があるのかどうか知りません。完全新金型って何かあるんでしょうか。
それはそれとして!
以前から、あれは再販されないのか、もう金型が壊れちゃったのか、と思い続けてきたエアフィックス1:32の、兵員輸送用途に戦場に送られたロンドンバスが、ついに再販になるのですよ!!
http://www.airfix.com/shop/new-for-2014/military-vehicles/a50163-wwi-old-bill-bus-132/
いやあ、嬉しいなあ。
投稿: かば◎ | 2014年1月10日 (金) 23時02分
>完全新金型
クロムウェルとキングタイガー・・・って
調べてみたら、発売から既に一年以上過ぎてました。
>ロンドンバス
キット自体も面白そうですが
筆と塗料が付属しているのに興味を引かれたり。
やっぱりエレールと似た商品展開なんですね。
(エレールのシャーマンも塗料付きだとか)
投稿: めがーぬ | 2014年1月14日 (火) 12時32分
>めがーぬさん
なるほど、クロムウェルとティーガーIIは新製品でしたか(エアフィックスの歴史を考えると、今世紀に出てるやつは新製品でいいのではないかと(笑))。
しかし、今の時代になってもやはり「76」というスケールにはこだわっているわけですね(世の中には76を72と言い替えて売っていたりするところもあるように聞きますが)。
軍用ロンドンバス、改めてみたら仰るとおり、塗料付きですね。
不思議なことに、オリジナルの民間型は塗料なしの普通のキットで出るらしい。うーん、塗料の分、高くなっちゃうのはちょっとなあ。
今はエレールもエアフィックスもハンブロール資本のはずなので、付いてくる塗料もハンブロールのエナメルでしょうか。
投稿: かば◎ | 2014年1月14日 (火) 16時26分
アクリルって書いてありますね・・・その上のダコタ+ジープは新金型?
投稿: みやまえ | 2014年1月14日 (火) 20時54分
>みやまえさん
「NEW TOOLING」と書いてあるので、新金型の可能性は高そうですよ>Douglas Dakota MkIII with Willys Jeep 1:72
ところでハンブロールってアクリルなんか出してたんですね。webで見ると確かに出てきました。
投稿: かば◎ | 2014年1月14日 (火) 22時01分
前から気になったので調べてみましたが
ハンブロールとエアフィックスは鉄道模型メーカーの傘下ですけど
エレールは別系統にあるようです。
(OEM等の関係は継続?)
>ダコタ+ジープ
LCVPともども「おおっ」と思いましたけど
簡易キット臭いですね・・・
ゲームの駒?
投稿: めがーぬ | 2014年1月15日 (水) 12時54分
>めがーぬさん
エレールも、資本関係が結構あっち行ったりこっち行ったり、の感がありますね。
そういえば一時、スイスの食料品メーカー傘下だったのはどこでしたっけ。やっぱりエレール?
投稿: かば◎ | 2014年1月16日 (木) 13時21分
エアフィックスのジープの件。
あれ。そういえば、ダコタに付いているのは72? 76じゃないの?
……と思ってちょっと調べ直してみたんですが、エアフィックスで昔から出ている(LVTとセットの)76のジープとは別物の新金型のキットで、72インジェクションでは現時点で最も出来のいいジープだそうです。
以下にレビューあり。結構褒めてます。
http://misc.kitreview.com/armourreviews/jeep72reviewgp_1.htm
よくよくカタログを見ると、上陸用舟艇(Higgins LCVP)なども72で出しているそうな。エアフィックスもとうとう72に切り替え?
(なお、このHiggins LCVPは、だいぶまったりしたモールドのキットらしいです)
投稿: かば◎ | 2014年1月16日 (木) 13時39分
2014の新製品リストにあるキットですけど
http://www.airfix.com/shop/new-for-2014/military-vehicles/a02339-willys-jeep-trailer-and-gun-172/
この NEW TOOLINGとあるジープ+トレーラー+パックハウザーのキット、
パーツ数39だし、簡易的なキットだと思います(レビューにあるキットと別物)。
http://www.airfix.com/shop/new-for-2014/military-vehicles/a09008-douglas-dakota-mkiii-with-willys-jeep-172/
画像を見る限り、ジープは同じものかと。
http://www.airfix.com/shop/new-for-2014/military-vehicles/a02340-higgins-lcvp-172/
LCVPも同じシリーズっぽい。
投稿: めがーぬ | 2014年1月17日 (金) 12時28分