謎の虫
●「蝶よ花よ」というくらいで、蝶というのは世間的にも、「美しいもの」の代表ということになっている(よほどの虫嫌いを除く)。
そんなわけだから、先日のベニシジミほかの写真のように蝶の写真ばかり並べると、なんだ、かば◎のヤツは世間に日和ったか、なんて言われるかもしれないが、実際には、蝶の写真はむしろ少なく、もっともぞもぞした手合いのものを多く撮っている(誰に対して何の言い訳?)。
●ところが、蝶の場合、それだけ注目度が高くて研究が進んでいるということなのだろうか、「模様が非常に似通っているので判別が難しい」というのはあるが、まるっきり名前の見当もつかないということはまずない(もちろん、日本において、身近な蝶についての話)。模様が似通っているものについても、細かい判別ポイントが写真付きでweb上で解説されていて(→「よく見かけるよく似た蝶」のまとめ)、これはなかなか便利。
それに比べ、昆虫の「その他大勢」は、ずいぶん迷宮度が高い、というのを、このところの「いきものみっけ」道楽で思い知った。もう、都市近郊で見かける(肉眼である程度形や色が判る)虫なんて、webでそこそこ調べられるような気がしていた。
確か体長2cm強くらいだったような。格好からして(特に長い産卵管)寄生バチらしい、というところまでは見当を付けたものの、そこから先が判らない。短い翅に妙に長い胴、赤みの強い体色と、目を引く特徴が多く、実はそこそこ「有名人」なんじゃないか、と思ったのだけれど、手掛かり無し。
あれこれサイトを巡っていたら、奈良県の「馬見丘陵公園の昆虫」というブログの「その他-ハチ類」のページの「同定できないアメバチの仲間」の項に、これとまったく同じと思われる種の写真が出ていた(上から1/4程度、「アメバチモドキの一種_10-10-28_0011」とあるもの)。うーん。他でも正体不明か……。
ちなみに寄生バチは「WEB寄生蜂図鑑」というサイトがあるのだが、ここは専門性が高すぎる。こちらは散歩がてら(往々にして不鮮明な)写真を撮ってきているだけなので、実際に捕まえてきて標本にし、ルーペでためつすがめつしないと(あるいはそれ以上のことをしないと)わからない識別作業は手に余る。
というよりも、おそらく、翅の模様でほぼ種の同定ができてしまう蝶がむしろ例外的なのであって、本来、昆虫の同定というのはそこまでやらないとだめらしい。
テントウムシである。我が家の近所の藪で、群れで発生してある種の植物の葉っぱを穴だらけにしていた(後で調べて、ナス科のヒヨドリジョウゴと判明)。しかも、この黒班の数。
とくれば正体は明らかで、草食のテントウムシでは有名な(つまり害虫として有名な)ニジュウヤホシテントウである。
……と思ったのだが、どうもその先、雲行きが怪しくなってきた。実はニジュウヤホシテントウには、非常によく似たオオニジュウヤホシテントウという別種がいて、東日本はオオニジュウヤホシが主流であるらしい。えっ。じゃあこいつら、オオニジュウヤホシなのか。ちなみに外見の差は、
・オオニジュウヤホシのほうが名前の通り若干体格がよく、黒い紋は大きめ。
・胸の紋は、まん中のひとつがニジュウヤホシは横長、オオニジュウヤホシは縦長。……しかしそんなことを言われても、我が家の近所のコイツらは、上写真のように、胸部全体がボンヤリ黒っぽく、横長も縦長もよく判らない。どうせぇちゅうねん?
・オオニジュウヤホシは裏返して腹側は黒味勝ちで、脚の腿部も黒っぽい。……というわけでひっくり返してみたが、どうもあまり黒くないような?
・決定的な差異として、ニジュウヤホシの幼虫は白く、オオニジュウヤホシの幼虫は黄色に黒トゲ。……これはバッチリだ!と思ったが、ヒヨドリジョウゴをいくらひっくり返しても、タマゴはあっても幼虫の姿は無し。孵るのを待っていたら、ヒヨドリジョウゴが刈られてしまった。
ところが問題はさらに紛糾。実は同じ28黒紋模様のテントウムシはまだいて、ヤマトアザミテントウ、ルイヨウマダラテントウというのもそっくりなのだ。これらは、ヤマトアザミはアザミ類、ルイヨウマダラはやはりアザミ類とかルイヨウボタンとかいう植物を食べるとのことで、要するに、本来ならどこで葉っぱを齧っているかで簡単に判別できるはずなのだが……。
実はこのうち、ルイヨウマダラテントウが、何をトチ狂ったのか、本州中央部ではナス科も食害するようになってしまったのだという。これを「東京西郊型エピラクナ」と呼ぶ。Epilachnaはここに出てきたテントウムシをすべて含むマダラテントウムシ亜科内の属名で、ルイヨウマダラテントウの種名でなく属名で呼ぶということは、今後の研究次第では独立種として扱う可能性も、という含みもあるのかも。
さてさて。しかもこの東京西郊型エピラクナは、オオニジュウヤホシとの交雑も進んでいるという。本来、ルイヨウマダラはオオニジュウヤホシよりさらに紋が大きく、地の赤みも強いとのことなのだが、交雑型では、もう模様での区別は無理、とのこと。
……えーっと。もう、「ニジュウヤホシ系」とかひとくくりに呼んでいいですか。
これは日曜日に撮ったばかりのもの。葉っぱの上にいた小さな小さな虫(5~6mm)。なんとか撮れた写真はこの1枚で、すぐに飛び去ってしまった。
これこそまったく手掛かりなし。
ボケているので読み取り違えている可能性もあるが、少なくとも脚は6本のようなので昆虫には違いなさそう。翅は2枚(つまり双翅目、ハエ・アブの仲間)のように見えるが、それにしでは、ずいぶん前に付いている気も。そもそも脚が節ごとに膨らんだ妙なスタイルで、実在の虫というより、ナウシカに出てくる腐海の羽蟲のよう。
寄生バエとか寄生バチとか、あるいは虫こぶでも作りそうな虫にも見える。謎。
●オマケ。日曜日に名越の峠道で発見した巨大キノコ。いやいや、びっくらこきました。
笹の葉と比べてある程度想像可能と思うが、一番大きいもので、直径13cm程度。調べてみると、シロオニタケというキノコであるらしい。
ちなみに野山で見るキノコの名前こそ、昆虫以上に調べにくいのだが、ことこれについては特徴ありまくりなので、比較的すぐにわかった。
ちなみに「毒があるんだかないんだかよくわからないキノコ」だそうだ。……うーん。
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コメント
専門ではないので種名までは判りませんけど、三つめのはハバチの仲間じゃないですかねぇ。判りにくいですが前翅の後ろにくっつくように小さい後翅があるようにも見えます。
投稿: hide | 2013年7月 9日 (火) 12時46分
最近
「模様が全然違うけど、コイツら全部ナミテントウ」
という事実を知って驚いている私にはついていけません。
>三つめのはハバチの仲間じゃないですかねぇ
私も、足やら頭やら触角がハチっぽい印象を受けました。
投稿: めがーぬ | 2013年7月 9日 (火) 12時55分
ミノオキイロヒラタヒメバチ
というのがそれっぽい
投稿: めがーぬ | 2013年7月 9日 (火) 17時35分
ニジュウヤホシ君は、正面から見るとオームのようでございますね。
なにやら携帯を握りしめ、一生懸命撮影してるかばさんの御姿が目に浮かび、「虫愛ずるかば」の画が脳裡に焼き付くまで僅か5秒でした。
てか、全く名前が解らんよ~。ウチも昔は虫愛ずる姫やったにw
投稿: つんきち | 2013年7月 9日 (火) 21時25分
>hideさん、めがーぬさん
どうもありがとうございます。
ミノオキイロヒラタヒメバチで間違いないようです。
WEB寄生蜂図鑑を見てみましたが、なんとヒラタヒメバチ亜科は、
「国内産の分類は大方片付いており、少なくとも研究者に把握されている以上の未記載種が見つかる可能性は少ないグループ」
なのだそうです。ううむ。
なお、似た黄色のヒラタヒメバチがいくつかあるのですが、模様やスタイルで区別できるレベルでした。私のピンボケ写真でも一応、それらのポイントを押さえることができ、ミノオキイロヒラタヒメバチと確定できました。うーむ。スッキリ。
>つん姐さん
いや、それよりもですよ。
つう姐さん的には、絶対シロオニタケが「白いキノコ椅子にそっくりだ!」と反応してくれるんじゃないかと期待してたんですが(笑)。
ちなみに、静岡だと「ニジュウヤホシ系」はいったいどれがいるんでしょうね。写真見てもたぶん判らないですけどね(大笑い)。
投稿: かば◎ | 2013年7月10日 (水) 00時44分
おおーホントだ。確かにコイツみたいですね。寄生蜂でしたか。
和名を見て最初“身の尾"ってなんだべ?と思ったのですが、“箕面"なんですね(笑)。ローカルなやっちゃな~。
投稿: hide | 2013年7月10日 (水) 01時13分
>ミノオキイロヒラタヒメバチ
外見がハデなので、けっこう人気者みたいですね。
(細長いほうのハチは特定が難しそうですね・・・)
>箕面
なんで関東で(大阪の)箕面?と思いましたが
なるほど、最初に発見された場所ということですか。
投稿: めがーぬ | 2013年7月10日 (水) 12時55分
全然関係ないんですが、ホビーボスのニムロードの情報がいよいよ出てきたみたいです。
投稿: hide | 2013年7月11日 (木) 20時09分
>ホビーボスのニムロード
マジすか~
これは買わなきゃならんアイテムです(初ホビーボス)。
関係ない情報を続けると
・エアデールのS35をインサイドザアーマーがリニュして発売
・ブラチがFCM36の砲塔を載せたR35を発売
個人的には
S35砲塔(APX-1CE)とタミヤB1bis砲塔(APX-4)との違いを
誰かにレビューして欲しい。
投稿: めがーぬ | 2013年7月12日 (金) 12時25分
>hideさん、めがーぬさん
●ミノオキイロヒラタヒメバチの件は本当に有難うございます。
しかし、何を見ても宿主は何なのかは書いてないですね。
うーん。マイナー……。
さすがにこのクラスの虫は一期一会? その後、目撃した場所に行ってもいません。
●ホビーボスのニムロードは、(ちょっとだけ)驚きました。
いやもう、このご時勢では、どこからか出そうではありましたから。
しかし、ブロンコだと思ったんだがなあ(AFVクラブは、ちょっとハンガリーには行きそうにない気がした)。
●ブラチのFCM35砲塔載せR35は、ちょっとなーという気がします。
なんか、回り道しすぎ?
●S35砲塔(APX-1CE)とタミヤB1bis砲塔(APX-4)とは、まず一言で言えば
「だいぶ違う」
実は、エレールのソミュアに使おうと、タミヤのB1bis砲塔は1つ確保してるんですが、かなりの切った貼ったは覚悟する必要がありそうです。
とにかく基本設計部分ではCEの略号が示すように砲塔リングの径が違うのですが、模型的には(つまり見た目的には)、車長ハッチ部の形状の差が大きいですね。
車長ハッチの機構は、S35のAPX-1CEはB1のAPX-1よりもB1bisのAPX-4に近く、開いた時にハッチの表側が上に来る特殊な開き方をします(この点で、ガルパンの風紀委員会搭乗のB1bisはちょっと特殊です)。
しかし、機構は同じでも形状はだいぶ違い、このハッチが付いている面の位置や傾斜も異なります。
一方で、砲塔前半(特に左側面前方)は、APX-1系らしく、B1bisよりもギスギスした感じですかね。
この比較の過程で思ったのは、「昔からエレールのソミュアの砲塔はだめだーだめだーと思ってきたけれど、実は意外に頑張ってるんじゃないか」ということです。いや、それでもタミヤ砲塔を流用する計画は捨てていませんけれど。
投稿: かば◎ | 2013年7月12日 (金) 15時46分
>S35砲塔(APX-1CE)とタミヤB1bis砲塔(APX-4)
おお!早速の有益なレビュー、ありがとうございます。
両者の現存車輛での比較は、モデルアート別冊のB1bis本にも載っていたのですが
「B1bisの砲塔のほうが、ターレットリングと比較し下部の張り出しが大きい」
みたいなことを書いてあり
リング径が違うんだから当然だろ!という印象でした。
(砲塔自体の幅や高さの違いが気になるところ)
>昔からエレールのソミュアの砲塔はだめだーだめだーと思ってきたけれど、
>実は意外に頑張ってるんじゃないか
砲塔右前面が垂直になっていないのが一番の不満ですねー
前から見た印象が悪すぎます。
投稿: めがーぬ | 2013年7月12日 (金) 17時40分
>ミノオキイロヒラタヒメバチ
ググってあちこち見てみた所、ハマキガの幼虫に卵を産みつけると書いておられるブログがありましたよ。両方合わせてググると色々出てくるみたいです。
>ブラチの新作
M15のバリエーションが続くかと期待していたらR35にシフト、したと思ったら今度は如何にも使い道の無さそうな弾薬運搬車とかどんだけ気紛れ!と思います。そもそもソミュアのハーフトラックもあんだけ見事な足回り作っといてノーマルバージョンは一向に出てこないし。
ブラチファン自認の私も流石にFCM砲塔載せR35は無いわ―と思いますが、コレはフルキットが近いうちに出る前触れととっておきましょう。個人的にはむしろPak載せの方が。いや、R35に載ってること自体はどうでもよくて、ブラチが造り起こしたPak35/36を見たいなぁと思います。むしろPakだけ分売しておくれ。
>S35
もーピエール君(仮)が設計してさっさとタミヤが出しちゃえば話が早いのに~
投稿: hide | 2013年7月12日 (金) 20時30分
まさかと思っていたらブロンコも告知してきました。今日付けのPMMSに結局両方出てます。ハンガリー軍の対空自走砲が同時期に2つのメーカーでバッティングするとか、この世の終わりが来るんじゃないでしょうかw。そして当然フィンランド軍仕様のアンティも出るんでしょうねぇ。
投稿: hide | 2013年7月13日 (土) 22時32分