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2013年7月

ニーソ

F1015237F1015250●左はキバラヘリカメムシ。ニーソがオシャレ。

種名を調べるのに「ニーソ カメムシ」で検索したらたちどころにヒットした。もう和名は「ニーソカメムシ」にしたほうが判りやすいんじゃ……。

ちなみに絶対領域のその先は鮮やかな黄色。

●右はエサキモンキツノカメムシ。背中のハートが鮮やか。

種名を調べるのに「ハート カメムシ」で検索したらたちまち判明。もう和名は「ハートカメムシ」で(以下略)。

ちなみにこの種は「子育てをするカメムシ」として有名だそうだ。

F1014982●ついでに。前回書くつもりで忘れた虫ネタ。

クズの葉の上にいるのを目撃(7月20日)。1cmあるかないかの小さな虫で、最初は「変な色のヨコバイ?」と思ったのだが、写真に撮ってみると明らかに甲虫。

とはいえ、ハムシやゾウムシ、カミキリムシにコメツキムシなど、葉の上にいそうな甲虫のどれとも体型が違う。

また「謎の虫」が増えるのか、と思ったが、配色からみて「ツマグロ~」がありがちな命名なので、「ツマグロ 甲虫 橙色」などの単語の組み合わせで画像検索したら、ツマグロヒョウモンなどに混じってズバリがひっかかった。

ツマグロツツカッコウムシ、というそうな。脚が短く鈍臭そうだが、他の小昆虫を捕食する肉食である由。そもそもカッコウムシなんて種類、初めて知ったよ……。

●先週末、川崎の実家に行った際に本棚にあった赤瀬川源平の「超芸術トマソン」を読み始めてしまい、そのまま持ち帰って一気に読み返す。「ちくま文庫 創刊2周年“満2歳” 新刊」という腰巻きがこれまた懐かしいというか何というか。

序文が「共産党宣言」のパロディだったり、掲載されている数々の(特に都内の)トマソンがほとんど、それ自体がというより街並みごと無くなっているのではと思われたり、また文体そのものもある種の「共通認識」を下敷きにしているふうに感じられたり、「ああ、昭和だなあ」と思ったりする。

……それはさておき、カバーにも使われている写真はトマソンかどうかなど関係なく怖すぎる。どんな写真かは、「超芸術トマソン 煙突」で検索すべし。

F1030589●トマソンといえば、小坪の姥子台入口の子育て地蔵脇に、右のような純粋階段があったのだけれど(2011年9月撮影)、数日前に通りかかったら、綺麗サッパリなくなっていた(左下)。撤去跡も「原爆タイプ」トマソンと言えなくもないが若干苦しい。

F1015222どうも無理矢理、車一台駐車するスペースを捻出するために撤去されてしまったらしい(ちなみに、この撮影をしている背中には高架のバイパスの柱があるので、かなり車は入れづらいはず。柱の脇、しかも車を入れる側に交通標識のポールもあったかも)。

よく見ると、契約者名に「地蔵様」と書いてある。駐車するのはお地蔵さん本人であるらしい。お地蔵さん車持ってるのかよ! しかしお地蔵さんがフィアット500(二代目)あたりに乗っていたら似合いそうだ……。

閑話休題。もともとそれほど美しさや存在感があったわけではなく、ただ「ああ、トマソンだなあ」くらいの物件だったが、改めてトマソンのはかなさを感じさせる出来事ではあった。

●週末、青木氏がワンフェスだか何かで上京してきていて、月曜日にお互い間が合えばメシでも食うか、池袋のタミヤモデラーズギャラリーにでも行くか、みたいなことをボンヤリ打ち合わせていたのだが、いざ都内に出ようとしたら、落雷の影響とかで横須賀線が止まってしまった。

電車への通電は止まったわけではないので冷房は入っていて助かったが、逗子-鎌倉間で30分以上立ち往生(動いた直後にちらりと見えたが、どうも先頭車両あたりがまたいだまま止まっていたらしく、名越の踏切は車が長蛇の列だった)。列車は鎌倉駅でもしばらく止まり、東京駅手前でも止まったりしたので、結局、逗子-東京間で2時間以上かかった。

夕方、市ヶ谷C社で打ち合わせもあったので、青木氏との邂逅はそのままウヤムヤに。

●神保町の事務所のネット環境がどうも当てにならない。メールの受信(だけ)ができなくなったり、それほど重くないはずのページが開かなかったりする。

30日火曜日、どうも調子が悪いので仕事を進める気が失せてしまい、早々に退散。池袋のタミヤ・モデラーズギャラリーに回り道する。

イタレリ35、フィアット508のタミヤ箱版が会場先行販売で出ていたが、これは個人的には「そのうちでいいや」な感じ。むしろ会場限定でCR.32を入れていたりしないかなあ、などと淡い期待を抱いていたのだが、やはりなかった。残念。

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RWBY

●21日、参院選。どう考えても自民党の大勝が見えている選挙で盛り上がりようもないが、いかにも思い上がったふうの安倍政権も自民党もごめんだ、と思う人間がある程度の割合は必ずいるのだ、ということを示す責任のために投票に行く。なんだかここ何年か、そんな調子の投票ばっかり。

●イタレリ72の新製品、FIAT CR.32についてはちょっと前に触れたが、どうやら代理店であるタミヤ扱いのリストには上がっておらず、従って当分、日本の通常の模型屋には入荷しない模様。神保町の地球堂で聞いた話。

純粋新製品ではないものの、スーパーモデルの旧作にイタレリが手を入れて、いろいろ興味深いキットになっていることは確かで、1つは手に入れて眺めて(作れよ!)楽しもうと思っていたのに残念。もちろん、タミヤが自社箱シリーズに加えて出すというどんでん返しもあり得る(スーパーモデル焼き直し品でやるかなあ……)。

そういえば、「全然入ってこないなあ」と思っていた1:35、FIAT 508CMは、タミヤ箱で出るそうだ(タミヤの新製品案内にあり)。

●最近ちょっとネットで話題になっているらしいアニメ、「RWBY」を観る。

アメリカのRooster Teethというプロダクション(?)の自主制作CGアニメで、去年から順々にトレーラーが発表され、先頃ついに「第一話」が出たらしい。トレーラーも第一話も、Rooster Teethのサイトで視聴できる。「第一話」から観るよりも、タイトル通りの「色」別の4本のトレーラーから観るのが(個人的には)オススメ。

(以下トレーラーはRooster Teethのサイトからは1本ずつのURLを取れなかったのでyoutubeにしてあるが、Ep.1のページにも各トレーラーへのリンクがある。画質はやはり本家のほうがよいようだ)

Red Trailer

White Trailer

Black Trailer

Yellow Trailer

episode 1

なんというか、これって古代ベルカ式カートリッジシステム?とか、サイヤ人?とか、もう既視感バリバリなのだけれども、それが逆に徹底していて何だかキモチヨクなってしまう。GIZMODO JAPANの紹介記事の表現によれば、「厨二心を揺さぶりまくり」(笑)。

「RWBY」は「ルビー」と読ませるらしい。赤のボーイッシュなデスサイズ使いの名も(綴りは違うが)ルビーらしいので、この子が主人公?(少なくともep.1では主人公になっている)

ところでBlackに出てくる仮面のおにーちゃんは、どこかで見た覚えがあるのだけれど思い出せない。

しかし全編英語だと(基本的に外国語は何一つモノになっていない)私には細かい筋が判らないので、字幕版とか吹き替え版とか、いずれ出て欲しい感じ。

●ネットで見ているもの繋がり。ネット連載マンガ。

「堀さんと宮村くん」(読解アヘン)。本編はとっくに終わってしまったのだけれど、オマケ編がだらだらと継続中(そのぐだぐだ感がよい)。なにしろ本編は第140話までだが、オマケは現時点で470話まで来ている。

最近、同じ作者(HERO)の「浅尾さんと倉田くん」を単行本で(BOOKOFFで)買って読んだのだけれど、間違って5巻を2冊買ってしまった(こんなんばっかし)。

ちなみに「堀さんと宮村くん」は「ホリミヤ」と略すのだが、その略称をタイトルに、別の漫画家がリライトした単行本も出ている。マンガが原作のマンガってナニソレ。なんで?原作の絵がヘタってこと? いやまあ、確かに上手とは思わないが、これはこれで似合ってる気が。

ちなみのちなみに、「ホリミヤ」はちゃんと略称っぽい感じがするが、「アサクラ」はそのまま苗字みたいなので不適(使われているけれど)。

「彼とカレット。」。「週アスPLUS」(週刊アスキーWeb版)で連載中(毎週金曜日更新)。カレットさんは要らんけどカレットさんの服が欲しいなあ。いや、そもそもカレットさんよりも服のほうが高性能だよね?

F1015107●例によって虫の話。またまた謎の虫。

体長2cm以上(ちゃんとその場で測っていないのでうろ覚えだが、2.5cmくらいあった気がする)の、そこそこ立派な体格のハチ。

スマートな体型、Y字になった長い黒い触角、オレンジ色の脚、ちょっと縁取りのある複眼、黄色の紋など、目立つ特徴だらけで、これは何とか調べられそうだ、と思ったのに、結局またまた名前に行き着けなかった。

種類としては、寄生蜂のなかのヒメバチの一種ではないかと思われる。マダラヒメバチやアゲハヒメバチといった種類に形態的にはかなり近いように見えるのだが、どちらとも配色が違う。

結局、なんという種なのかつきとめられなかった(前回のヤドリバエのように和名がないらしい種なのか、それとも私が調べきれていないだけなのかは不明)。

ハチやハエの類は見た目がよく似ていて生殖器などを細かくチェックしないと同定できないものも多いようなのだが、こういうふうに外見に特徴のある種が判らないとちょっと悔しい。とはいえ、いずれにせよ寄生バチとか寄生バエは、素人には同定する上での鬼門かも。

F1014892F1014893●ほとんどhideさんへの私信。「隣山」の住宅地、ハイランドの公園の木に大量に出来ている虫こぶ。

なんだか赤く色付いて、果物っぽくなってきた。

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謎の虫(2)

●19日金曜日。資料として使う用事があったので「防衛ハンドブック」を鎌倉の本屋に買いに行く。例によって虫の写真を撮りがてら歩いて行くことにする。どっちが本命なんだか(ちなみに駅前の島森書店に「防衛ハンドブック」は置いていかなったので、結局未入手)。

名越切通の山道入口で、翅の中ほどが紫の構造色に光る焦げ茶っぽいタテハを見た。そんな色合いのタテハが、オオムラサキとかコムラサキ以外にいたっけ……? しかしその一方で、この近辺でオオムラサキやコムラサキを今までに見た覚えもない。

ぜひ近くで見て、写真も撮りたかったのだけれど、金網フェンスを越えて給水塔のほうに行ってしまい、戻ってこなかった。したがって正体も不明。つくづく惜しい。

F1014778●切通道の途中のイタドリの野原で、アザミの葉の裏にひどく変わった虫がいるのに気付いた。

ご覧の通り、大まかな特徴は明らかにハエ。しかし、ハエ・アブの類=ハエ目=双翅目は、その分類名の通り、本来昆虫に2対/4枚ある翅のうち、後ろの1対が退化して2枚しかない。それなのに、この「変なハエ」は白い後翅があるように見える。はて、何とも面妖な。

帰宅後にネットで調べてみる。どうもこの「変なハエ」はそこそこ目撃例が多く、しかも「変だ」と思う人も多いようで、あちこちで話題に上っている。

おかげで先日の寄生蜂などと違って、意外に簡単に正体のアテがついた。いや、それどころか、後から確認したら、普段昆虫の種類調べに参照している「福光村昆虫記」や「岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)」のページにも、同じ(あるいはほぼ同じ)種の写真が出ていた。……素直にそっちから見ればよかった。

もっとも、どこを見てもズバリの種名は出ておらず、「ヤドリバエの一種」(もう少し詳しくは、ヤドリバエの仲間であるCompsoptesis属の一種)となっている。そこから先が判らないということではなく、これだけ顕著な特徴があって(物好きの)人目を引いているにも関わらず、(寄生バエという分野がマイナーであるために)研究が進んでいなくて種名も和名もまだ付いていない、ということらしい。

ちなみにこの白い翅は本来の後翅ではなく、前翅の付根の一部が変化・拡大したもので、「胸弁」と呼ばれるものである由。普通のハエのように、後翅が退化してできた平均棍は別にちゃんとあるそうだ。本来の後翅は退化して、代わりに新しい後翅が進化してきた、みたいな話でややこしい。なお胸弁は、他のヤドリバエの仲間にも、これほど大きくは無いが付いているらしい。

この話の教訓(?)。

  • 身近に、しっかり分類もされていないムシって結構いるんだなあ。
  • 「胸弁」なんて器官があるとは知らなかった。
  • でもやっぱりハエはハエだわな。

●その他のムシ写真。

F1014811 F1014817
F1014828 F1014793 F1014787

左上から。

セスジナミシャク。SW系のSF宇宙船にこの塗装をしたら結構似合いそうな気がする。

クロスジノメイガ。なんだかアンデスっぽい。

アカボシゴマダラ。しばらくぶりに見た……と思ったら、1日のうちに2羽も3羽も見た(もっと生粋の虫マニアなら2頭3頭と数える)。柄がくっきりと美しい典型的夏型。日の光が透けて、後翅の赤班が光っているように見える。羽ばたかず滑空している時間が長い独特な飛び方をする。でも外来の要注意種。

クサギカメムシ。普通はもっと茶色く地味だが、これはまたずいぶん赤く、シブいけれどオシャレな感じ。

オオカマキリ?。もしかしたらチョウセンカマキリかも。かなり大きかったけれど、まだ翅は生え揃っていない若者。草の頂上でぺったり身を伏せて待ち伏せ中。撮ろうとしたらガン飛ばされた。

●ぬう。虫サイトになってしまった。

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グラディエーター

●前回の名越の峠道の巨大キノコ(シロオニタケ)なのだが、その数日後(9日)にまた行ってみたら、傘が開ききって、ますます巨大になっていた。

F1014502 F1014495

傘の直径が17~18cm程度。さらにこの周辺にも、若い子実体が次々に出ていた。それだけでなく、近くには明らかに別種のキノコもいくつか。

F1014505 F1014500

もっと切通し寄りでも、逆のハイランド寄りでも目立つキノコを発見。

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左はやはり大きなキノコで、いくつか生えているうち大きなものは径15cmほど。右は小さいが猛毒のドクツルタケかと思われる。それにしてもここはマタンゴ山か何か?

●前回のコメント欄でhideさんから教えていただいたのだけれど、なんと、HOBBY BOSSから、さらに続けてBRONCOからも、1:35ニムロードの発売予告あり。

数社からボフォース40mm対空機関砲が出ている状況でもあり、いずれどこかがニムロードを出す可能性はあると思っていたけれど、意外に早かった。それにしても、トルディでもトゥラーンでもズリーニでもなく、ニムロードが「ハンガリー物初バッティング」ネタになるとはねえ……。

メーカーとしての信用度からすれば、HOBBY BOSSよりBRONCOのほうがよさそう、とは思えるのだけれど、SU-152の例もあるし、どんぐりの背比べ、どっちも「なんだかなあ」な状態にだけは陥らないよう切に願う。

ちなみにHOBBY BOSSはボフォースは出していないけれど、トルディを出しているので履帯が流用できる。なお、両方ともバリエーションキットは積極的に出すメーカーなので、フィンランド軍のアンティIIは確実に期待できそう。

F1014638●AIRFIXの72赤箱でグロースター・グラディエーターが発売されることになり、しかもそれが旧いキットではなく完全新作だ、という話を、mixiで石黒氏より聞く。

先週、秋葉原のVOLKSでストレート組みされた商品見本を見たのだけれど、無視されがちな主翼迎え角もきちんと表現されており、細部ディテールも今風にシャープで、非常によい具合に見えた。惜しいことにVOLKSでは「一度入荷したものの全部売れてしまった」とのことで買えなかったのだが、日曜日にたまプラーザのB's Hobbyで見つけて入手。

というわけで簡単にキット内容を。

F1014649●キットは「GLOSTER GLADIATOR Mk.I」と銘打たれており、その通りに、木製二翅ペラのMk.Iのみのキットとなっている。この点、Mk.IとMk.IIのコンパチで、さらにフィンランド仕様のソリも入っていた先行エレールのキットに比べると至ってシンプル。

しかしその一方で、風防は2種類、タイヤは丸いものと、自重変形したものと2種入っている。

胴体表面は右のような形で、エレールのものが同社スタンダードな凸筋だったのに比べるとだいぶん進歩している。胴体機銃が別パーツ化されたのも有難い。

主翼は、先行キットの中ではおそらくエレールのみ、主翼の迎え角と、それによって発生した下翼後縁ラインの逆ガル形状を再現しており、そのために72グラディエーターならエレールの独壇場といった状況が続いていたのだが、エアフィックスの新キットは、そこも抜かりなく表現している。翼面の表現も大げさでなくよい感じ。

なお、エレールのキットは場所により張り線用に大穴が開いていたが、このキットでは浅い小さな穴で指示してあるだけ。

F1014643 F1014657 F1014644

コクピット内は、床が最小限なイギリス機らしい作りを再現したパーツが入っており、胴体内側もドア部分はモールドがあって、エレールよりだいぶ進歩している。ただしシートベルトのモールドは無し。パイロットのフィギュアが入っているのは、今時のキットとしては珍しいかも。ちなみに下中写真に写っているタイヤは自重変形のほう。

F1014647 F1014655 F1014645

エンジンは、割とオーソドックスな72キット・スタンダード。背面の吸気管が別パーツだが前面のプッシュロッドは本体と一体。エレールは吸気管が無くプッシュロッドが別部品。どちらがいいか微妙なところ。カウリングは前面の集合排気管部分と、周囲は3分割。後方に伸びる排気管はカウリング下面と一体で、浅いが開口もしている。キャノピーは、意外に枠が太め。

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ちなみに、以上はパーツ状態でディテール部分を見ているのみで、スタイルがどうこうといった部分は未チェック。資料写真などは、例えばこちら。コクピット内写真も豊富。

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謎の虫

●「蝶よ花よ」というくらいで、蝶というのは世間的にも、「美しいもの」の代表ということになっている(よほどの虫嫌いを除く)。

そんなわけだから、先日のベニシジミほかの写真のように蝶の写真ばかり並べると、なんだ、かば◎のヤツは世間に日和ったか、なんて言われるかもしれないが、実際には、蝶の写真はむしろ少なく、もっともぞもぞした手合いのものを多く撮っている(誰に対して何の言い訳?)。

●ところが、蝶の場合、それだけ注目度が高くて研究が進んでいるということなのだろうか、「模様が非常に似通っているので判別が難しい」というのはあるが、まるっきり名前の見当もつかないということはまずない(もちろん、日本において、身近な蝶についての話)。模様が似通っているものについても、細かい判別ポイントが写真付きでweb上で解説されていて(→「よく見かけるよく似た蝶」のまとめ)、これはなかなか便利。

それに比べ、昆虫の「その他大勢」は、ずいぶん迷宮度が高い、というのを、このところの「いきものみっけ」道楽で思い知った。もう、都市近郊で見かける(肉眼である程度形や色が判る)虫なんて、webでそこそこ調べられるような気がしていた。

F1033959●というわけで謎虫第1弾。

確か体長2cm強くらいだったような。格好からして(特に長い産卵管)寄生バチらしい、というところまでは見当を付けたものの、そこから先が判らない。短い翅に妙に長い胴、赤みの強い体色と、目を引く特徴が多く、実はそこそこ「有名人」なんじゃないか、と思ったのだけれど、手掛かり無し。

あれこれサイトを巡っていたら、奈良県の「馬見丘陵公園の昆虫」というブログの「その他-ハチ類」のページの「同定できないアメバチの仲間」の項に、これとまったく同じと思われる種の写真が出ていた(上から1/4程度、「アメバチモドキの一種_10-10-28_0011」とあるもの)。うーん。他でも正体不明か……。

ちなみに寄生バチは「WEB寄生蜂図鑑」というサイトがあるのだが、ここは専門性が高すぎる。こちらは散歩がてら(往々にして不鮮明な)写真を撮ってきているだけなので、実際に捕まえてきて標本にし、ルーペでためつすがめつしないと(あるいはそれ以上のことをしないと)わからない識別作業は手に余る。

というよりも、おそらく、翅の模様でほぼ種の同定ができてしまう蝶がむしろ例外的なのであって、本来、昆虫の同定というのはそこまでやらないとだめらしい。

F1014116F1014192 ●謎虫話第2弾。

テントウムシである。我が家の近所の藪で、群れで発生してある種の植物の葉っぱを穴だらけにしていた(後で調べて、ナス科のヒヨドリジョウゴと判明)。しかも、この黒班の数。

とくれば正体は明らかで、草食のテントウムシでは有名な(つまり害虫として有名な)ニジュウヤホシテントウである。

……と思ったのだが、どうもその先、雲行きが怪しくなってきた。実はニジュウヤホシテントウには、非常によく似たオオニジュウヤホシテントウという別種がいて、東日本はオオニジュウヤホシが主流であるらしい。えっ。じゃあこいつら、オオニジュウヤホシなのか。ちなみに外見の差は、

・オオニジュウヤホシのほうが名前の通り若干体格がよく、黒い紋は大きめ。

・胸の紋は、まん中のひとつがニジュウヤホシは横長、オオニジュウヤホシは縦長。……しかしそんなことを言われても、我が家の近所のコイツらは、上写真のように、胸部全体がボンヤリ黒っぽく、横長も縦長もよく判らない。どうせぇちゅうねん?

F1014117

・オオニジュウヤホシは裏返して腹側は黒味勝ちで、脚の腿部も黒っぽい。……というわけでひっくり返してみたが、どうもあまり黒くないような?

・決定的な差異として、ニジュウヤホシの幼虫は白く、オオニジュウヤホシの幼虫は黄色に黒トゲ。……これはバッチリだ!と思ったが、ヒヨドリジョウゴをいくらひっくり返しても、タマゴはあっても幼虫の姿は無し。孵るのを待っていたら、ヒヨドリジョウゴが刈られてしまった。

ところが問題はさらに紛糾。実は同じ28黒紋模様のテントウムシはまだいて、ヤマトアザミテントウ、ルイヨウマダラテントウというのもそっくりなのだ。これらは、ヤマトアザミはアザミ類、ルイヨウマダラはやはりアザミ類とかルイヨウボタンとかいう植物を食べるとのことで、要するに、本来ならどこで葉っぱを齧っているかで簡単に判別できるはずなのだが……。

実はこのうち、ルイヨウマダラテントウが、何をトチ狂ったのか、本州中央部ではナス科も食害するようになってしまったのだという。これを「東京西郊型エピラクナ」と呼ぶ。Epilachnaはここに出てきたテントウムシをすべて含むマダラテントウムシ亜科内の属名で、ルイヨウマダラテントウの種名でなく属名で呼ぶということは、今後の研究次第では独立種として扱う可能性も、という含みもあるのかも。

さてさて。しかもこの東京西郊型エピラクナは、オオニジュウヤホシとの交雑も進んでいるという。本来、ルイヨウマダラはオオニジュウヤホシよりさらに紋が大きく、地の赤みも強いとのことなのだが、交雑型では、もう模様での区別は無理、とのこと。

……えーっと。もう、「ニジュウヤホシ系」とかひとくくりに呼んでいいですか。

F1014455●謎虫の第3弾。

これは日曜日に撮ったばかりのもの。葉っぱの上にいた小さな小さな虫(5~6mm)。なんとか撮れた写真はこの1枚で、すぐに飛び去ってしまった。

これこそまったく手掛かりなし。

ボケているので読み取り違えている可能性もあるが、少なくとも脚は6本のようなので昆虫には違いなさそう。翅は2枚(つまり双翅目、ハエ・アブの仲間)のように見えるが、それにしでは、ずいぶん前に付いている気も。そもそも脚が節ごとに膨らんだ妙なスタイルで、実在の虫というより、ナウシカに出てくる腐海の羽蟲のよう。

寄生バエとか寄生バチとか、あるいは虫こぶでも作りそうな虫にも見える。謎。

F1014433●オマケ。日曜日に名越の峠道で発見した巨大キノコ。いやいや、びっくらこきました。

笹の葉と比べてある程度想像可能と思うが、一番大きいもので、直径13cm程度。調べてみると、シロオニタケというキノコであるらしい。

ちなみに野山で見るキノコの名前こそ、昆虫以上に調べにくいのだが、ことこれについては特徴ありまくりなので、比較的すぐにわかった。

ちなみに「毒があるんだかないんだかよくわからないキノコ」だそうだ。……うーん。

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積み残しの丸ポスト

●いきなりだが、MENG MODELから1:35でルノーFT-17が発売されるそうだ。とりあえずアナウンスのあったものは主量産型(丸砲塔型)。エンジンを含めインテリアも再現されたキットであるらしい。……高そう。

FT-17といえば、しばらく前にイタレリから35でアナウンスされていて、まあそれはそれでメデタイことではあるけれど、今のイタレリじゃあなあ、RPMと比べてどれだけよくなっているんだかなあ、という印象を持っていた。イタレリには悪いが、MENGの新キットはもう何段か上手のキットの気がする。

ちなみにFTは、新メーカーTAKOMの1:16も予定されている。今年はFTの当たり年なのか?

●先月の散歩(6月17日)で写真を撮ったものの(当「かばぶ」の更新をさぼっていたこともあって)載せそびれていた丸ポスト写真をまとめて。

▼極楽寺坂、「力餅屋」脇のポスト。

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鎌倉市内の丸ポストの中でも(特にあじさいの季節には)ロケーションがよく、比較的有名なのではないかと思える個体。私が携帯電話で撮っている間にも、立派なカメラで撮っていく人がちらほら。ただ、本来は一段窪んだ土間のような場所にあったのを埋めたのか、ポストの足元がコンクリ詰めになってしまい、寸詰まりになっているのが惜しい。

鎌倉のポストにしては珍しく、収集時間がもともとのパネル装着箇所に貼ってあるが、これも寸詰まりであることと関係しているかも。

▼江ノ電「極楽寺」駅前。

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江ノ電でも特に雰囲気のある駅として有名なので、このポストも撮られる率は高そう。根石もしっかりしていて、丸ポストの模式標本のような姿。裏に鋳込まれた製造者ロゴは、浮き上がってはいるものの厚塗りのペンキで潰れて判読できない。

▼鎌倉病院裏口脇

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大仏(高徳院)の斜め向かい、鎌倉病院の裏口側の脇にあるもの。若干ピンボケ。

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スーパーモデル

●7月3日。Googleさんのタイトルはドアを開けて擬人風虫が入ってくる絵。カフカの誕生日だそうだが、むしろ、

「今日って、何か『アリとキリギリス』に関係ある日?」

という感じ。あんまり毒虫にも見えないし。

●冥王星の4番目と5番目の衛星が、「ケルベロス」と「ステュクス」と命名されたそうだ。へーへー。

むしろ「ケルベロス」という有名どころが今まで売れ残っていたことが意外。

●まだ私自身店頭で見てはいないのだけれど、イタレリ1:72、フィアットCR.32が発売になった模様。

これで旧いスーパーモデルのキットも用済みかあ、まあ、あれも味のあるキットだったがなあ、なんて思いながら、イタレリのサイトにあるパーツ写真を見てみたら、何のこたあない、中身はスーパーモデルのキットだった。

もっともスーパーモデルそのままではなく、あちこち改良されている。そういえば、1:72のレッジャーネRe.2000もこの方式で発売されたんだった。一応、主な改良点をピックアップしてみると、

  • 機首上面が別パーツになった。この部分は機銃口だけでなく、気化器空気取り入れ口など微妙なディテールのある部分。パーツ写真を見ると結構きちんとモールドを作ってあるようなので、歓迎すべき措置。
  • コクピット内ディテールの追加。元キットではプリミティブな椅子とパイロットのフィギュアだけという、いかにも古典キットな内容だった。イタレリ版では、床板、椅子、計器盤など、72クラスとしては充分な程度のパーツが追加されている。レッジャーネの時のように、胴体内側にもディテールが追加されているかどうかは不明。
  • 支柱形状を変更。元キットは翼面に出っ張りモールド(支柱付根のフェアリング部を示す)があり、これに一本一本、支柱本体部分を継いでいくというなかなか御無体な設計だった。イタレリ版ではこれが少し改まり、支柱が一本ごとにバラバラなのは同じだが、フェアリング部が支柱と一体になった。出っ張りに対する取り付け位置が曖昧だった旧キットに比べ若干は作りやすくなったはず。
  • 機首下面からの脚支柱が左右一体に。これも位置決めが楽に。
  • 夜戦型?用の延長排気管をセット。

……などなど。胴体の一部の太すぎる筋彫りはそのままのようだが、布張り表面などがどうなっているかは、小さな写真では読み取れない。もっとも以上のような改良点を見るだけでも、かなりスケールモデルとしての値打ちは向上している感じで、そこから考えれば「旧いスーパーモデルのキットも用済み」はある意味その通りだったかも。

なお、デカールも新しいが、とりあえず、今の版ではイタリア空軍およびスペイン内乱時のフランコ軍のみ。

●CR.32のインジェクション・キットで現在入手できるものというと、これのほかには、チェコ・スムニェル(SMĚR)の1:50(キットは1:48と表記)のもの(旧アルティプラスト)と、クラシックエアフレームスの1:48がある。

クラエアの48も、これまたしばらく前にリニューアルされていて、私が持っている旧タイプより結構進歩していてショックだった。

旧キットでは機首前端だけが(オイルクーラーのフィンを表現するために)レジンパーツだったが、新キットでは、イタレリ同様、機首上面のディテールを表現するため前端から連続して機首上面も含めたレジンパーツになっている。

ただし、プラパーツは一部旧キットを引き継いでいるようで、まるっきり新キットになったフォッカーD21よりはまだ旧キットがマシだった、ということのよう。

●十二年ぶりの十二国記、というのは、狙ってやったのか?

と思わなくもない、その12年ぶりの新作、小野不由美の「丕緒の鳥」を読む。4編の短編集。表題作ともう一作は新潮社のyomyomで既読なので、私にとって純粋な新作は半分。それでも嬉しい。

長編と違って主人公は中級~下級役人や庶民で、その分、「傾いた国」の中での苦悩、苦労がますます切実。

ちなみに「青条の蘭」はブナ(山毛欅)の木が重要な役で登場するが、これはどうやら日本のブナ(日本の固有種のブナ)のようで、本文中で説明されている特徴が、ほぼwikipediaと一致していた(文章が同じという意味ではない)。なぜそんなことに気付いたかというと、本に出てきた段階で、ブナってどんな木だっけ、と調べたため。その後、本文にあれこれ同じ内容の説明が出てきたので、なんだかネタバレを覗いてしまった気分になった。

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ベニシジミ

●まず、「これだけは最初に」のお知らせ。

最近長らく放ったらかしにしている個人HP「河馬之巣」だが、6月27日、サーバを借りているOCNから至急の通達が来て、コンテンツが改竄されて、悪質なスクリプトを仕込まれているという。

FTTPソフトで接続してみると、最近まったく更新などしていないにも関わらず、htmlファイルが軒並み、数日前の日付になっており、また、テキストエディタで開くと、確かに正体不明のスクリプトが挟まっている。

先日、System Care Antivirusというマルウェアに侵入されたことを書いたが、どうもその余波ではないかと思う。改めてPC内をチェックし、アップデートを怠ると危ないと指摘されているアプリ類も洗い直して、そもそもあまり使っていないものは思い切って消去し、他はアップデートし、セキュリティソフトも入れ替えてみたりなんだかんだ。

「河馬之巣」のコンテンツも、とにかくhtmlは全部、改竄されていないものに入れ替え。

そんなわけで、「河馬之巣」表紙でもお知らせしているように、もしもここ最近(特に6月23日以降)「河馬之巣」にアクセスされた方は、ウイルススキャンなどのチェックをお願いします。ご面倒をお掛けし申し訳ありません。

●個人的にも、1年数ヶ月ぶりの内視鏡検査などあり(6月21日)、当日はまた例によって朝から1升酒ならぬ、2リットルの下剤ドリンク(なんとなくヌメっとしたスポーツドリンク風)を数時間かけてくぴくぴ飲み、午後の検査に臨む。

検査そのものはどうということもなく、これまた以前の通り安定剤など打たれてモーローとしているうちに終わってしまったのだが、検査終了後、しばらくベッドで休んで、もうよかろうと起き上がったら、しばらくして猛烈に目眩だの吐き気だのに襲われた。

横になると治まるのだが起き上がるとダメの繰り返しで、しばらく病院のベッドのお世話になる。後から思うに、あれは単に脱水症状だったんじゃないだろうか……。

●生物多様性センターの「いきものみっけ」にはまってしまい、散歩の際に虫だの花だの(特に虫)を写しまくっている。

「いきものみっけ」は、

  • 主に温暖化によって分布域に変化が現れている可能性がある生物種
  • 外来種
  • 季節の移り変わりの指標となる生物種
  • 環境変化に敏感である生物種

などをピックアップし、それらについて情報を集めるとともに、生物多様性についての関心も高めようというサイトだが、オマケの機能として、上記以外のどんな生物の目撃情報・写真も勝手に投稿できるようになっている。

虫を写す場合、素早く逃げてしまったり、止まってくれなかったりする手合いのものは当然なかなか写真に撮れず、従ってチョウの写真は比較的難儀。そんななか、特段珍しいチョウというわけではないけれど、6月半ば、ベニシジミがなかなか綺麗に撮れたので、何枚か。それぞれ数日違いで撮った別の個体なので、模様も微妙に違う。

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綺麗に撮れているのは腕がいいから、などとは言わない。どうもチョウの種類によって警戒心にだいぶ差があるらしく、このベニシジミは珍しいくらいに撮りやすいのである。だいぶ近寄って、しかもカメラ(私の場合は携帯電話だが)をぐっと近付けても平気で吸蜜や日向ぼっこを続ける鷹揚さ、あるいは図太さを種として持っているらしい。続けて何枚も、角度まで変えて撮らせてくれるのだから、たまたまよく写っているものも出てきて当然。

他、オマケで別種のチョウもいくつか。左からムラサキシジミ、キマダラセセリ、ヤマトシジミ。この3つについて言うと、キマダラセセリはベニシジミに近いくらい鷹揚で、ムラサキシジミはかなり敏感(この時もこの1枚だけで逃げられた)、ヤマトシジミはその中間くらい。

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ちなみに、この季節によく見るにも関わらず撮りづらいのがアオスジアゲハで、これは警戒心も強いのかもしれないが、そもそも高速でフライパスするか、吸蜜の際もやたらにせわしなく飛び回るかなので、シャッターチャンスがなかなかない。

そういえば、5月末に1度見て以来、ここ最近、ぱったりアカボシゴマダラを見かけない。はて? いきなり天敵でも出現したかな?

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