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謎の虫(2)

●19日金曜日。資料として使う用事があったので「防衛ハンドブック」を鎌倉の本屋に買いに行く。例によって虫の写真を撮りがてら歩いて行くことにする。どっちが本命なんだか(ちなみに駅前の島森書店に「防衛ハンドブック」は置いていかなったので、結局未入手)。

名越切通の山道入口で、翅の中ほどが紫の構造色に光る焦げ茶っぽいタテハを見た。そんな色合いのタテハが、オオムラサキとかコムラサキ以外にいたっけ……? しかしその一方で、この近辺でオオムラサキやコムラサキを今までに見た覚えもない。

ぜひ近くで見て、写真も撮りたかったのだけれど、金網フェンスを越えて給水塔のほうに行ってしまい、戻ってこなかった。したがって正体も不明。つくづく惜しい。

F1014778●切通道の途中のイタドリの野原で、アザミの葉の裏にひどく変わった虫がいるのに気付いた。

ご覧の通り、大まかな特徴は明らかにハエ。しかし、ハエ・アブの類=ハエ目=双翅目は、その分類名の通り、本来昆虫に2対/4枚ある翅のうち、後ろの1対が退化して2枚しかない。それなのに、この「変なハエ」は白い後翅があるように見える。はて、何とも面妖な。

帰宅後にネットで調べてみる。どうもこの「変なハエ」はそこそこ目撃例が多く、しかも「変だ」と思う人も多いようで、あちこちで話題に上っている。

おかげで先日の寄生蜂などと違って、意外に簡単に正体のアテがついた。いや、それどころか、後から確認したら、普段昆虫の種類調べに参照している「福光村昆虫記」や「岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)」のページにも、同じ(あるいはほぼ同じ)種の写真が出ていた。……素直にそっちから見ればよかった。

もっとも、どこを見てもズバリの種名は出ておらず、「ヤドリバエの一種」(もう少し詳しくは、ヤドリバエの仲間であるCompsoptesis属の一種)となっている。そこから先が判らないということではなく、これだけ顕著な特徴があって(物好きの)人目を引いているにも関わらず、(寄生バエという分野がマイナーであるために)研究が進んでいなくて種名も和名もまだ付いていない、ということらしい。

ちなみにこの白い翅は本来の後翅ではなく、前翅の付根の一部が変化・拡大したもので、「胸弁」と呼ばれるものである由。普通のハエのように、後翅が退化してできた平均棍は別にちゃんとあるそうだ。本来の後翅は退化して、代わりに新しい後翅が進化してきた、みたいな話でややこしい。なお胸弁は、他のヤドリバエの仲間にも、これほど大きくは無いが付いているらしい。

この話の教訓(?)。

  • 身近に、しっかり分類もされていないムシって結構いるんだなあ。
  • 「胸弁」なんて器官があるとは知らなかった。
  • でもやっぱりハエはハエだわな。

●その他のムシ写真。

F1014811 F1014817
F1014828 F1014793 F1014787

左上から。

セスジナミシャク。SW系のSF宇宙船にこの塗装をしたら結構似合いそうな気がする。

クロスジノメイガ。なんだかアンデスっぽい。

アカボシゴマダラ。しばらくぶりに見た……と思ったら、1日のうちに2羽も3羽も見た(もっと生粋の虫マニアなら2頭3頭と数える)。柄がくっきりと美しい典型的夏型。日の光が透けて、後翅の赤班が光っているように見える。羽ばたかず滑空している時間が長い独特な飛び方をする。でも外来の要注意種。

クサギカメムシ。普通はもっと茶色く地味だが、これはまたずいぶん赤く、シブいけれどオシャレな感じ。

オオカマキリ?。もしかしたらチョウセンカマキリかも。かなり大きかったけれど、まだ翅は生え揃っていない若者。草の頂上でぺったり身を伏せて待ち伏せ中。撮ろうとしたらガン飛ばされた。

●ぬう。虫サイトになってしまった。

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コメント

こういう話を読んでいると、久方ぶりに月刊『むし』の購読を再開しようっかなぁ、という気になります。と思って出版社のサイトを見たら去年500号を記録していたことを知って驚愕。

投稿: hide | 2013年7月20日 (土) 19時41分

数十年前のこの時期は、毎年新しい虫取り網と昆虫採集セット買ぅてもろて、獲りまくったものでございます。
これからは、元・虫愛ずるお子の必需品として、デジカメ持って通勤せなあきませんねw
そんなマニアックなハエ、撮ってみたいもん。

しかし、ウチの近所、鳥はけっこう種類おんねんけど、虫の種類が少ないような気ぃする。ナゼやろ。田舎やのにw

投稿: つんきち | 2013年7月21日 (日) 00時25分

>hideさん

うーん。500号ですか。アーマーモデリングなぞまだまだですな。
っていうより、アーマーモデリングは隔月刊でいいからもっと内容を濃くするべきじゃないかと思う……。

>つん姐さん

ちょっとうろつくだけで、世の中にはこんなに正体不明の虫だらけなのかと、私ゃびっくりしました。

ちなみにこの「後翅モドキ」付きのヤドリバエは、静岡でも目撃例がありましたよ。

投稿: かば◎ | 2013年7月21日 (日) 21時54分

観察だけなら良いですが
ウチの長男はなんでもかんでも飼おうとします。

昨日もタマムシを入手しましたが
帰宅後に調べたら、かなーり飼育が困難っぽいので
あきらめて逃がしたり。

ちなみに(虫じゃないですけど)
ヒキガエルを2匹飼いはじめましたが
コイツはペットとして中々のモンです。

投稿: めがーぬ | 2013年7月22日 (月) 12時44分

>めがーぬさん

タマムシの飼い方を書いてあるサイトを見てみました。うわ。こりゃ大変だ。
カブトムシ、クワガタムシのように、人工飼育のやり方が確立されているのは素人でも見よう見まねで何とかなりそうですが……しかもカブトムシ、クワガタムシに比べて非常にデリケートなんですね。まあ、見た目もそうですが。

カエルといえば、今日、近所の山道で久しぶりに野生のカエルを見ました。帰宅後調べてみたら、ヤマアカガエルでした。池なんて、ずいぶん離れた山の下にしかないのに、そこから歩いてきたのかこいつ……。

投稿: かば◎ | 2013年7月22日 (月) 22時48分

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