郵便差出箱1号丸形
●興味を持つといきなりディテールに入り込んでしまうのはモデラーの業(ごう)のようなもので、本日の散歩の途中で見掛けた丸ポスト、正式名称「郵便差出箱1号丸型」のwalkaroundを撮ってきた。
●金沢街道、十二所バス停前、タウンショップあらかわ横。ポストマップによれば、住所は「鎌倉市十二所97-1」。
道路ミラーにポストに電信柱に電話ボックス、その向こうに自販機と、道端スターズ勢揃い。ここの丸ポストは土台の石(丸ポスト・ディテールの先達であるこのサイトによれば、「根石」と言うらしい)が一部欠けている。少なくとも鎌倉のポストの根石は花崗岩製が多いようだ。丸ポストは上部と下部で向きを変えられるのだが、この微妙さはたぶん、単に設置時にいい加減だっただけ。
先日の葉山のポストでは、「日本郵便」のロゴシールは取出口の下に貼られていたが、鎌倉では取り出し口に貼られていることが多いようだ。郵便局で決めたのか、単に貼った人の好みなのかは不明。頂上のボルトは、“ベレー帽”部分の固定用か。
よく見ると投函口のある正面と本体の張り出しとにうっすらと継ぎ目のようなものがある。正面は別体で作られているのかも。東日本大震災後に貼られた海抜シールは電信柱用より小さく、ポスト用にわざわざ作られたものか?
上部の向かって左側面の一見扉のようにも見える部分は、本来は取集時刻を記したパネルを入れておく部分。鎌倉のポストでは現在使われておらず、下写真のように、もっと小さいカードをラミネートして取出口の上に貼ってある。
投函口は、薄い(白く塗られた)鉄板の部品を、左右でビス止めしてある。投函口の庇部分も別体。何度も塗り直されたペンキでつぶれているものの、よく見るとマイナス皿ねじで止められている(5カ所)。
下端の裏側には本来、製造年と製造者の刻印があるのだが、表面劣化とペンキの相乗効果で「なんとなく刻印があったことだけは判る」程度になってしまっている。
●金沢街道、泉水橋バス停前。ポストマップによれば、「鎌倉市浄明寺五丁目6」。
(本来の)取集時刻表示部は、向かって右の上下の蝶番にもともとは帯金が付いていて、それで枠内のパネルを止めていたのではと思われる。上の十二所のポストは上側だけ、前回の葉山のポストは両方の帯金が残っている。なぜか鍵穴の感じが上と違う。
取集時刻カードは剥がれて来たのをガムテープで止めている。赤いガムテを使っているのがちょっと良心的な感じだが、それもまた剥がれて来ている。庇の皿ねじ、裏面の製造刻印は潰れてほとんど判らず。取出口下の小窓は、本来、「次に来るのは何便か」を示すカードを取集のたびに入れ替えて表示していたらしいが、現在はご覧の通りカラッポのまま。
裾の“たが”状の盛り上がりが1段しかないように見えるが、これはコンクリートを盛り付けて根石に固定しているため。
●金沢街道からちょっと脇に入った大御堂橋たもと。ポストマップによれば「鎌倉市雪ノ下四丁目4」。
「風致地区だから丸ポストが残ってるんですよ」と言わんばかりの並び方。ちょっと誇らしそう。それはそれとして、海抜カードが取出口の下に貼ってあるのは見づらくてイカンような気がする。これも取集時刻カードが剥がれてきていて、未補修なので両面テープ止めなのが確認できる。なお、このポストは日本郵便のロゴシール無し。何年か前の写真だと確認できるので、剥がれてしまったらしい。
ここまでのポストが、どういうわけか3つとも平日の取集第1便の時刻がまったく同じ。同じ方面なのに別の人が回っているのだろうか。取出口の下に葉書?の角が覗いている。
●鶴岡八幡宮前、若宮大通。ポストマップによれば「鎌倉市雪ノ下一丁目8」。
鎌倉の丸ポストの中でも最も繁華な場所にあり、「ああ、丸ポストがある、さすが鎌倉だねえ」なんて言われながら観光客に写真を撮られる機会が最も多そうな個体。……の割には、今回チェックした中ではこれだけ最近塗り替えていない。根石にコンクリートを盛っておらず、埋まってもいないのでシルエットは美しい。
今回見た中では裏側下部の刻印が最もはっきり残っていたが、それでも判読はできなかった。もっと接写すれば多少の推理はできたかも。なお、下に来るに従って1基ごとの写真が少ないのは、日が暮れてきて撮りづらくなったため……もあるが、個体差があまりないので飽きてきたためもある。わははは。
●とはいえ、もしかしたら東日本で最も多数の丸ポストが現役(32基)の鎌倉でも、やはり何年か経つうちに1基、また1基と消えているので、なるべく写真を残しておきたい気はする。
ちなみに東京都では23区内に5本残るだけであるらしい。都内では小平市がやはり積極的に丸ポストを保存しており、市のサイト内に「丸いぽすとのまち こだいら」として紹介ページも持っている。
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コメント
はじめまして
トモと申します。
「帯状疱疹、目薬」で検索していたら
かばさんのページに たどりつきました。
帯状疱疹でおつらい中、多忙なお仕事スケジュールを
こなされたのですね。
冷静でいらっしゃるし、強い精神力をお持ちの方だなぁと
びっくりしながら拝読しました。
実は私も今、結膜炎やまわりの皮膚の痛みに悩まされ
帯状疱疹ではないかと疑っています。
結膜炎の薬もあまり効果がなく
とても困っています。
かばさんは眼科でどんな目薬やお薬を
処方していただいたのでしょうか?
もし差支えがなかったら、
教えていただけないでしょうか。
投稿: とも | 2013年5月27日 (月) 10時16分
>ともさん
別に私は冷静でも強い精神力の持ち主でもなく、帯状疱疹の時にはあちこちちくちくずきずき痛んで、当然のことですが、約一週間は激しく鬱陶しい思いをしました。
現在お使いの目薬であまり効果がないので私のケースを参考に、とのことですが、帯状疱疹だとしたら目薬が合うかどうかではなくまず皮膚科に行くべきではないかと思いますし、「帯状疱疹ではないかと疑って」いるのであれば、現在通っている眼科の医師に直接そう尋ねるべきではないでしょうか。
私の場合、そもそも眼科に2度目に行った時に「ヘルペス性の結膜炎=帯状疱疹」と言われ、その場で近所の皮膚科医院を紹介されてすぐ行くように言われました。
一応、眼科で処方された目薬について書いておくと、広範囲抗菌点眼剤(ガチフロキサシン水和物)、抗炎症ステロイド水性懸濁点眼剤(フルオロメトロン)、それから目の周りの炎症に対しての塗り薬(軟膏)でオフロキサシン(抗細菌)とアシクロビル(抗ウイルス)でした。
皮膚科では帯状疱疹の治療薬(抗ヘルペスウイルス)のファムビル(ファムシクロビル)錠剤を処方されました。
投稿: かば◎ | 2013年5月28日 (火) 15時11分
かばさん、お返事ありがとうございます。
お薬の記録を調べてくださったのですね。
お手数かけてしまって 恐縮です。
丁寧に答えてくださって 本当に感激しました。
昨日、皮膚科でファムビルを処方してもらいました。
目の周りや頭の痛み、ピリピリ感、結膜炎の症状だけで
まだ発疹が出ていないため
皮膚科の先生には
「帯状疱疹かどうかは、発疹が出てからじゃないと
正直診断がつかないんだよね。
(お薬出してもらえますか?と尋ねたら)
可能性高そうだし、発疹が出たら
すぐ薬飲みはじめてね。」
と言われました。
かばさんがおっしゃるように
眼科の医師にも、尋ねてみました。
レボフロキサシンという目薬を出してくれました。
効いてくれればいいなと思いますが
ダメだったときは、かばさんに教えていただいたお薬のこと
医師に相談してみようと思います。
私の知り合いで、やはり顔の帯状疱疹になった人がいて、
痛みがひどく七転八倒の苦しみだったという壮絶体験を
聞いています。
痛みに個人差はあったとしても
かばさんも相当おつらかったはず
そんな苦しみの中、お仕事までこなされたかばさんの
精神力はタダモノではない(失礼ないい方でごめんなさい)と
驚きました。
お薬のこと教えてくださってこころ強いです。
何か変化がありましたら、またご報告させてください。
本当にありがとうございました。
投稿: とも | 2013年5月29日 (水) 16時35分