現実逃避
●仕事が切羽詰って、まるで余裕がない時に限って余計なことをする典型例。M10パンターの砲口部の工作。
M10パンターは、マズルブレーキを残しているものと、よりM10に似せるためにわざわざマズルブレーキを外しているものとが混在している。
ドラゴンのM10パンター(ERSATZ M10)は、こんな“ネタなネタ”であるにも関わらず妙に気合いの入ったキットで、仕様の選択部分も多いが、惜しいことにマズルブレーキが外れた状態のパーツは入っていない。
別売の金属砲身だと、マズルブレーキが別部品で、きちんと砲身先端のネジ切りなど表現してある製品も存在するが、それはそれで、真鍮削り出しのマズルブレーキが余ってしまったりしてもったいない(要するに貧乏性)。
そんなわけで、マズルブレーキに隠れる部分をランナーで何やらそれらしく作って継ぎ足した。例によって大戦末期のドイツ戦車の資料などあまりないので、マズルブレーキを外した砲身先端は不鮮明な写真しかなく、適当にそれらしく工作。しかしその後に現存車輌の当該部分の拡大写真が出てきて、修正する羽目になった(もっともすでに1から作り直す気力はなく、“若干”実物寄りに削り直しただけ)。
●のびるをまた収穫しに行ったら、野原一面が草刈りされて丸坊主になっていた。昨年も3月末に刈られていたので、毎春一度は刈るらしい。というわけで、ネギ部分は改めて伸びるまでお預け(もっとも、もうしばらくでのびるシーズンも終了だ)。球根部分だけ浅く塩で漬けて食べる用に少し掘って来た。
目当てののびるがそんな具合で寂しかったので、近くでイタドリを一束刈って、家に帰って下拵え。一日水に晒し、日曜夕、オリーブオイル、にんにく、唐辛子で炒め、軽く塩味をつけて食べた。なかなか良いけれど、労力に見合うほど美味いかといえば微妙。もっとたくさん採って、いろいろな料理法を試すと楽しそうだが、一人ではそんなに食えないし面白くもない。
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コメント
ところで偽米軍パンターやⅢ突にマズルブレーキが無いのは、米兵のトレジャーハンティングの結果だとかなんとか、という話をどこかで読んだ覚えがあります。確かⅢ突の放置個体で(放置されてからの)撮影時期によってあったりなかったりしてる、ってのがあったような。
投稿: hide | 2013年4月16日 (火) 18時44分
>hideさん
ぐおおおおおおお。なんてこったい。
基本的に写真は撃破or放棄後のものなのですから、
当然、トロフィー狩りに遭っている可能性を考えるべきでした。
すっぽりその視点が抜けていました。
いろいろ調べてみると、戦時中にまとめられたという米軍のレポートの中で、M10パンターに付き改修箇所をまとめているのですが、「似せきれていない部分」として、足回りとマズルブレーキを上げています。
http://www.lonesentry.com/articles/ttt07/panther-tank-disguise-m10.html
また特に狭い砲塔に搭載せねばならない戦車の場合、マズルブレーキを除去すると後座量的に差し障りが出てくることも考えられます。
それを考えると、マズルブレーキはもともと全車にあった可能性は高そうなのですが、しかし一方で、
・少なくとも2両のM10パンターが、現存写真ではマズルブレーキがない。
・例えば通常のパンター、ティーガーなどの遺棄車輌で、マズルブレーキを取られている車両はそれほど多くなく、また、取られている車両ではマズルブレーキ以外にも転輪だの何だの、他にも抜かれていることが多い。上記2両は、基本的にマズルブレーキ以外に大きな欠損がない。
という、「でもやっぱり最初からなかったんじゃ……」な点もあります(III突で、同一車輌で写真によってマズルブレーキの有無がある、というものは、確実にトロフィー狩りで抜かれているのでしょうが)。
まあ、これからまたマズルブレーキを付け直すのも何なので、「もしかしたら最初からなかったかもしれないし、そうでなければ遺棄後の状態」で行こうと思います。
そういえば、ネット漁りで見つけたのですが、M10パンターの、作戦前のドイツ軍側での写真というのも新たに出てきているのですね(今のところ1枚しか見ていませんし、肝心の砲口部は写っておらず、木の枝カムフラージュで車輌番号も判りませんが)。
これが7号車でマズルブレーキつきなのが確認できたりすると、ますます「後から抜かれた」可能性が高いのですが。
投稿: かば◎ | 2013年4月17日 (水) 07時57分
手元にグライフ作戦に関する洋書があって(The Meuse First and Then Antwerp)、改めて確認(と言っても基本文書主体で写真は少しだけなんですが)してみた所、パンターと三突で各一例、放置後に外されてました。パンターは車番がちょっと出てこないのですが、シボレーの広告が描いてあるカフェのレンガ壁の前でくたばってる割と有名な?個体ですね。雪が残っている写真だと付いてますが、春に撮られた写真だと無くなってます。
>通常のパンター、ティーガーなどの遺棄車輌で、
確かに不思議です。アルデンヌ戦の頃に流行ってたのかな?屑鉄業者なら他にも色々持って行きそうですしねぇ。
生きてるM10パンターの写真は見たことあるようなないような、です。
投稿: hide | 2013年4月17日 (水) 23時01分
>hideさん
ああ、それそれ。そのシボレーの広告前のものが7号車です。
うむむ。その7号車を想定して作ってたのになあ。
もう1輌、付いてないのは何号車だったっけな……。
私が知っている唯一の「生きている」M10パンターの写真は以下のものです。
http://www.armorama.com/modules.php?op=modload&name=SquawkBox&file=index&req=viewtopic&topic_id=182685&page=1
実は文字が被っていない、もうちょっとマシな写真がどこかにあったのですが、所在がわからなくなってしまいました。
投稿: かば◎ | 2013年4月18日 (木) 06時47分
追記。
ミシリンにありました。
http://www.network54.com/Forum/47207/thread/1042023462/Ersatz+M10+crews+clothing+question
投稿: かば◎ | 2013年4月18日 (木) 06時59分
おー、生きてますねぇ。この写真は見覚えないです。有難うございました。
因みにM10パンターは今の所予定は無いんですけど、Ⅲ突の方は古いグンゼのシャーシをベースに各社のジャンクパーツとドラの余りパーツを集めてきたらでっち上げられそうなんで(変則シュルツェンやらエンジンデッキの謎カバーやらで細かい所が結構隠れちゃうのでw)いずれ作るつもりです。
投稿: hide | 2013年4月19日 (金) 20時51分
>hideさん
いやあ、あのIII突は本当に謎な車輌ですね。
見るたびに、「一体何がやりたかったんだろう」と考え込んでしまいます。
しかしそれを言うなら、現代のモデラーじゃあるまいし、戦場で細かいディテールで戦車を識別するヤツなどほとんどいないと思われるにも関わらず、あそこまで細かく特徴再現に気合いを入れているM10パンターも充分に謎です。
……単に大きく白星を描いて、「鹵獲パンターです」でいいぢゃん。
投稿: かば◎ | 2013年4月19日 (金) 21時37分