マズルブレーキ
●仕事が進まないので自宅軟禁状態。いかん。これでは引きこもりかニートのようではないか。
ここ一週間ほどの間で出掛けたのは、一度駅前に買い物に行ったのと、息子の携帯をiPhoneに替えるのに付き合って大船に行き、ついでにBookOffに行ったくらい。ちなみにBookOffでは「よつばと!」12巻を購入。
●とある出版物に江戸時代の時刻について注釈を付ける必要があり、しばらく、N女史との間でああでもないこうでもないとピンポンを繰り返す。
前提として、
- 時間の1単位の長さが季節・昼夜で変化してしまう不定時法である(したがって季節が明らかでなければ、時間帯にもよるが、「現在の何時ごろ」と単純に言えない)。
- 時刻は時鐘の数で数える(時鐘の数は9の倍数の下1桁だけを使うので、これもちょっと面倒なのだがここでは触れない)。
さらに、十二支の動物名で時間帯を示す「十二時辰」を併用する。
あたりはまだいいとして、
- 十二時辰は、それぞれをさらに「上刻」「中刻」「下刻」に3分割する。
- 十二時辰それぞれのちょうどまん中の時刻を「正刻」といい、それぞれの正刻は、時鐘ちょうどと対応する(例えば「明け六つ」は「卯の正刻」という具合)。また、つまり、時刻の「*つ半」が、時間帯の「*の刻」の境目になる。
- とはいえ、正確な時計を持ち歩いているわけでもない当時のことなので、「だいたいこれくらいの時間」ということで、十二時辰を時刻代りにも使う。
- なお、「丑三つ時」の「三つ」は時鐘とは関係なく、これまた十二時辰を切り分けた呼び方。
くらいになると、中身も込み入ってくるし、若干の異説もあったりして、どう説明していいか迷う。
もちろん、こんな説明は簡潔であるほどよく、N女史も私も、時鐘と十二時辰を書いた時計盤のようなものを図示して、短いキャプションを付けて解説することにしよう、と打ち合わせたのだが、「あれは言っておかないと」「ここが判りにくい」などとやっているうちにどんどんハマル。結局、納得の行くまで文章を練って、最後に図と合わせたら、当初の意図よりもだいぶ図が小さく、文章が長くなってしまった。が、N女史も私も半ば力尽きており、2人とも
「……長いですね」
「はっはっは。そうですね」
というようなことを言い合ってため息をついたのみで(心象風景)、そのまま決着とする。
「き、今日のところはこの辺で勘弁しといてやらぁ」的雰囲気。
●M10パンターのマズルブレーキの件。マズルブレーキを取り外した状態に工作をしたものの、前回書き込みへのhideさんのコメント(とそれに続くやり取り)に見るように、
「実際にはマズルブレーキがないのはM10に似せるための工作ではなく、車輌が遺棄された後に誰かが外して持って行った」
可能性が濃厚であることが判明。うわ~無駄工作~。もっともマズルブレーキのパーツは、取り付け部の盛り上がり表現のために一度取り付けてから切り飛ばしてしまったので、今さら復元は面倒。そのままで行くことにする。
なんてことを思っていたら、M10パンターのキットの箱に、もう一つ、破損していないマズルブレーキのパーツが出てきた。これでマズルブレーキを付け直せ、というマケマケ神のお告げか?などと一瞬思ったが……あれ。パンターのキットって、マズルブレーキがバージョン違いで2つ入ってるんだっけ。
と思ってパーツ図を探してみたものの見当たらず。形状、プラの色から見て、ドラゴン製品でドイツの長砲身75mm砲のものであるのは間違いないと思うのだが、我が家でそれに該当するキットはM10パンターとIII突G初期型しかない(はず)。III突を引っ張り出して確認したが、こちらもマズルブレーキはどうやら1種だけで、しかもパーツはランナーに付いたまま。激謎。
(追記。正体につき自己解決。ドラゴンのIV号戦車F型のキットに、不要部品として入っていたG型用マズルブレーキであると判明。なぜそんなものがパンターの箱に紛れ込んでいたのかは依然謎。)
●模型関連備忘録、その1。
TFマンリーコさんがタミヤとイタレリの、いわゆる“カルロ・アルマート”を並行製作中。イタレリはM14/41、タミヤはM13/40として製作する由。これに関して、イタレリとタミヤとでは、砲塔が12時の場合はほとんど同じだが、6時にするとだいぶ位置が違う――つまり、回転中心が著しくずれている、というのをふと思い出した。
砲塔を取り外してターレットリングが写っている上面写真があれば一発で確認できるのだが、なかなかそう都合よくは行かない。そこで次善の策として、カルロ・コマンドの存在に思い至る。
Carro Commando per Semoventiはセモベンテ部隊用の指揮車で、通常の戦車型をベースに砲塔を外し、開口部を塞いで大型ハッチを付けている。開口部は丸くターレットリングに沿って塞いでいるので、おおよそのターレットリング位置が判るはず。
ということで、あちこち探して行き当たった現存車輌の写真がここ。できれば脚立を使うとかよじ登るとかしてもっと上面を写して欲しかったところだが、贅沢は言えない。TFマンリーコさんのところはセュリティ上の理由でコメントにURLを貼りづらいのでこちらに(ブックマークの管理が悪いので、こうして文章つきで書いておかないとすぐ判らなくなる)。
●その2。
以前から、いつか作りたいと思っているI号戦車A型modificado、ブレダ20mm搭載型だが、意外に写真があるようで、以下、ネットで見つけた場所をいくつか。
http://www.network54.com/Forum/385039/thread/1190228336/Los+panzer+I+Bredas
いくつか、すでに写真のリンク切れがあるのが惜しい。
こちらはお馴染みミシリン。
スペインでの改装物なのに、戦前のドイツ軍迷彩のような、境目のくっきりした雲形迷彩が確認できるのが珍しい気がする。
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コメント
かば◎さま
なるほど、カルロ・コマンドと比較すれば、おおよその見当はつきますね♪
砲塔をはずした状態で上部から比較した画像を追加しましたので、ご覧ください。
投稿: TFマンリーコ | 2013年4月21日 (日) 20時24分
ご案内申しあげましたが、スペイン内戦企画がスタートしちゃいました(笑)。
かば◎閣下のことですから、とんでもないマイナー機のストックもあるでしょうが、がば◎閣下にはスペイン内戦参加の戦車( 1/72 とかあったらベスト)なんかも如何ですか?
いずれにしても、かば◎閣下のご参加をせつにお待ちしております m(_ _)m
投稿: 赤狐 | 2013年4月22日 (月) 17時22分
>TFマンリーコさん
うーん。砲塔裾ガード(砲塔底面輪郭)で、タミヤは前を絞りすぎて、フラスコみたいな形になっちゃってるのが、回転中心がずれていることの要因のひとつになっているような気がします。
ただ、イタレリも程度の差はあれやはり前は絞りすぎかも。イタレリでも、ターレットリングはちょっと狭い気がします(カルロ・コマンドと見比べて)。
こうしてみると、「イタレリのほうが近いけれど、イタレリがバッチリとは言い難い」みたいな感じでしょうか。まあ、砲塔を回さなきゃ大丈夫なんですけど。
>red_foxさん
スペインネタは、仰るとおり、だいぶ持ってます。
……持ってるんですが、完成しそうなものがまるでないというか。
一応、ハセガワのИ-16を10型に改造したものがスペイン共和国空軍に就役予定で、もうかれこれ10年以上?塗装待ち。これが一番完成に近いかな?
せめてポテーズくらいは作りたいんですけどねえ。
陸物も、今はスペイン仕様で作れるものは結構出ています(72ネタもずいぶんありますよ)。
ちなみに、上で書いている「ブレダ20mm搭載I号戦車A型」も、スペイン内乱ネタです。フランコ軍で、独自魔改造したI号戦車です。
投稿: かば◎ | 2013年4月23日 (火) 20時02分
因みにブラチはM15ベースのカルロコマンドも出していて私の手元にも勿論一つ在りますが(笑)、ハッチの付く円盤はターレットガードの前縁の直線部に接触する僅かに手前(後方)で、先に左右の絞り込み部に接しますね。ただしM13/14とM15で砲塔寸法が全く同じ保証が無いのでコレだけでは何とも言えないかもしれませんが。
投稿: hide | 2013年4月23日 (火) 23時16分
>hideさん
TFマンリーコさんが砲塔を取った状態のタミヤ、イタレリ、ブラチの3者(3社)比較写真を載せて下さっていますが、これを見ると、イタレリの開口部前端は(上のカルロ・コマンドの写真と見比べると)、ちょっと枠から離れ気味なような。
もっともこれ以上開口部を広げてしまうと左右の枠に引っ掛かることになるので、やはり砲塔左右のすぼまりがちょっとキツイのかなあ、と思うわけです。
そういえば、イタレリのカルロ・アルマートって、カルロ・コマンドとのコンパチキットでしたね。開口部を塞ぐパーツ、どうなってたんだろう。
確か現行のキットだと、コマンド用のパーツは除かれているんでしたっけ。
投稿: かば◎ | 2013年4月23日 (火) 23時47分