●西尾維新とは何の関係もありません。
●仕事はとにかく一つずつ片付けてはいるが、そうしているうちにもどんどん後ろ倒しになっており、お池にはまってさあ大変的。そろそろどじょうが出てきてこんにちはと言われそう。
●黒歴史とは言わないまでもちょっとした過去の失敗談。
ずいぶん昔の話。“A Magyar Királyi Honvédség fegyverzete”(Zrínyi Kiadó)という本に、ハンガリー軍の国籍マークつきのヘッツァーの写真があって、これは珍しいものがあったと喜んで、それを参考に1輌でっち上げたら、その後、東欧軍の師匠、タミヤのYさんから、
「……あれ、実はイタレリのキットを使ったジオラマ写真なんですよ」
と言われて呆然とした。
“A Magyar Királyi Honvédség fegyverzete”に載っている写真は、ご丁寧にも(故意なのかどうかは判らないが)画質が落とされていて、それでますます本当臭くなっているのだが、Yさんはたまたま同じ写真の鮮明なものを見たことがあったので判ったらしい。そもそも実車/実機資料に模型写真を載せるなよ……。
●てなことをいきなり思い出したのも、mixi上で、red_foxさんとの間で「Marton X/V」なるハンガリーの試作(計画?)重戦闘機の写真が話題になったため。
Marton X/VはDB605を串型に搭載した双発機で、ツインブームで尾翼を支えており、ごく大雑把に言ってしまうと、2機分のメッサーの機首で中央胴体をでっち上げたフォッカーD.XXIIIという感じ(判ってもらえる相手が極端に少なそうな説明)。
例えばこのページの一番下にあるのがその問題の写真。
問題の写真は、古いカラーか、それとも着色かという体裁で、今にも離陸滑走を始めそうなMarton X/Vを斜め前方から捉えたもの。角度が角度だけに機体外形やディテールを見るには不足があるが、鮮明だし迫力のある写真である。最近のオークションサイト出品写真風に付箋が貼られているのが、ますますそれらしい。
……のだが、そもそもMarton X/Vってナニヨ?と調べている途中、まったく同じ角度、同じ塗装の模型作例写真に行き当たった。なんと合成写真でした、というオチ。ちなみにその上の写真も、人物が写りこんでいるのでますますそれらしいが、やはり合成。
そもそも完成したかどうかも怪しい機体が、しっかり作戦機の塗装になっている段階で疑ってかかるべき、とは思うが、もちろんそれは後知恵。
●とにかく最近は、ほとんど素人でも、パソコン上で簡単に写真の切り貼りや、画質の操作などができてしまう。「珍しい写真」に潜む落し穴の数は昔の比ではない。
その昔私が引っ掛かったヘッツァーの写真などはディオラマそのままだからアナログかつプリミティブなものだが、もっと「デジタル世代」なfakeで、陸モノで割と有名な例では、以下のようなものもある。
88mmFLAK搭載T-34、および元写真
結構広く出回っている写真で、模型の作例もところどころで見掛けるので騙された人も多いらしい。元写真は通常のT-34-85だが、前に立っている人物や向かって右の木立などは活かしている一方で、車体側面のゴチャゴチャや手前にあった75mm対戦車砲(?)は消去している。
MG151・3連装搭載T-34 ← 元写真1、元写真2
これも結構有名なもの。砲塔を外して牽引車か弾薬運搬車などで使用中の鹵獲T-34をベースに、裏焼きして武装を載せ、対空自走砲に仕立てている。これよりもっとヌエ的な20mm4連装搭載T-34が実在していたりするので、ますますそれらしく見えてしまう。
T-34突撃砲、および元写真
元写真は同一ページの下。これも裏焼きして使っているらしい。さすがにだいぶ無理のある合成なのだが、わざと絵を荒らしているために見る方が勝手に改造方法を補完してしまって、ありそうに見せてしまうという手合い。
ちなみに、こうした写真の形容として、「合成された」という意味で、「photoshopped」と言うらしい。アドビも名誉なんだか不名誉なんだか。
●一方で、こうした写真につい騙されてしまう背景としては、ネットオークションなどを通じて、未発表写真が続々と出てきており、しかも「まさかこんな車輌/機体が」というものが、実際にしばしば発見されている、ということがある(先のMarton X/Vも、そういった出自を装っていたわけだが)。
要するに、珍しいものが次々出てくるので、珍奇な合成写真が出てきても「なるほどこんなものもあったのか」と、比較的簡単に思ってしまうのである。例えば最近写真が出てきて、サイバー白箱でキットまで出た88mmFLAK搭載IV号戦車(11枚目まで)など、先のT-34改造と「それらしさ」では五十歩百歩ではないかと思う。
アフリカ戦のII号マインローラーや、III号sIG33自走砲(オープントップ・現地改造版)などもそう。
もっともそれらは、角度を変え、何枚も写真が残っていることで、ほぼ本物と判断することが可能。一方で、先の偽物のように、明らかにこれという元写真が出てくれば、偽物と断じることができる。
しかしなんというか、本当に珍しいものもたくさん出てきて面白い一方、面倒くさい時代ですな。
●さて、ところでこれは比較的最近(といっても何年も前だが)ネットで出回っていて、ミシリンでは「本物か、フェイクか?」でスレッドも立ったもの。
T-26砲塔搭載ルノーR35
さて、本物か、偽物か。1枚モノの写真は悩ましい。
●煮詰まっている仕事は歴史物。
関連して、歴史上の人物の肖像を探していたりするのだけれど、蘇我入鹿でこんなものがひっかかった。そこそこ有名なCMらしいが、普段テレビを観ないので初見。激しく脱力。しかし不覚にもウケてしまった。しかしこれって元絵があるんじゃないですかね? 検索に引っ掛からないんだけれど。
この話を一緒に仕事しているボサノヴァ歌手のE君に教えたら、代わりにアイドルユニット浅井三姉妹というのを教わった。
……何がしたいのかさっぱりわからん! っていうか、なんで三姉妹で3×3=9人もいるの?
●ちびが通っている保育園には、「**しぃ」という呼び名の先生がいるそうだ(**には普通に名前が入る)。
……STEINS;GATE? cv:花澤香菜? それともケルトの妖精系? ケットシー的な何か?
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